【連載100】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?)

7月22日金曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

皆様こんにちは。九州北部地方は高気圧に覆われて晴れています。本日22日の熊本県は高気圧に覆われて概ね晴れますが強い日射の影響によりにわか雨が降る所があるでしょう。高温が予想され『熱中症の危険』が特に高くなる見込みです。暑さを避け、水分をこまめに補給するなど十分な対策をとることが必須です。

明日23日の熊本県は高気圧に覆われて概ね晴れますが夕方からは強い日射の影響で大気の状態が不安定となり『雷を伴った激しい雨が降る』所があるようです。

波の高さは外海では本日22日、明日23日ともに1メートル、内海では本日22日、明日23日ともに0.5メートルの予想です。

阿蘇山(中岳)上空およそ1500メートルの風は本日22日午前9時現在、北の風6メートル、午後21時の予想は南の風1メートル、霧島山(新燃岳)上空およそ1500メートルの風は本日22日午前9時現在、 北西の風4メートル、午後21時の予想は東の風1メートルの見込みです。

本日22日正午~23日正午までの1時間雨量は多い所では20ミリ、24時間雨量は多い所では40ミリの見込みです。

熊本城総合事務所(熊本市中央区)は昨日21日、熊本地震で石垣が崩落した飯田丸五階櫓(やぐら)を支える鉄骨の移動現場を報道陣に公開しました。鉄の「緑の腕」は南側の石垣を越え、宙に浮いた格好となっていました。大林組九州支店熊本城工事事務所によりますと「仮受構台(かりうけこうだい)」と呼ばれる鉄骨は全長が約33メートル、高さ約14メートル、幅約6メートル。6月上旬から工事の準備を始め、約1か月で仕上げました。

櫓の倒壊を防ぐ緊急工事は

(1)鉄骨を南側へ約20メートル移動

(2)さらに西側へ約22メートル移動し、櫓を囲む

(3)櫓の下に支柱を差し込む

そして完了。この日は南側への移動で、約420トンの巨大鉄骨は4台の油圧ジャッキにより、約3時間かけてゆっくりと押し進められました。「これまで櫓が保持され、構台の移動が始まって若干安心した。飯田丸五階櫓は大事な建造物であり、元の姿に復旧させる」と河田日出男所長。工事は7月中に完了する見込みです。

熊本のシンボル『熊本城』。全部を復興するのには10年はかかると言われていますが1カ所でも修復できたのは明るい話題です。今後の復興状況に注目しましょう。

熊本地震で大きな被害を受け講義が出来なくなっている東海大学阿蘇キャンパス(熊本県南阿蘇村)の教室や研究所などが20日、報道公開されました。キャンパスは4月16日の本震で講義棟1号館は地盤から傾き、階段が損壊。事務室には断層の影響とみられる亀裂が走っていました。他の棟では電子顕微鏡などの精密機器が落下などで破損したとのことです。中嶋卓雄九州キャンパス長は「地盤調査委員会の報告を受け、早ければ年内に学生にとってどうあるべきか、キャンパスの方向性について決めたい」としています。

一連の地震で大きな被害を受けた熊本市でおよそ650人にうつ病やPTSD=心的外傷後ストレス障害の疑いがあることが分かりました。具体的な症状としては「ささいな音や揺れに反応してしまうことがある」が51%、「いつも疲れやすく体がだるい」が48%、「寝つけなかったり、途中で目が覚めたりすることがある」が47%となっています。熊本市の産業医の藤井可さんは「職員は自分のことを後回しにして仕事を優先しがちだが、長期間にわたって市民を支援するためには職員が倒れてはいけない。うつ病やPTSDにならないよう体を休めつつ対応する必要がある」と話しています。熊本市は、うつ病やPTSDの疑いがあるとされた648人のうち40%にあたる260人について今月15日までに医師による面談を行いました。その結果、ほぼ半数(47%)の124人が継続的に面談を受けるよう指導され、中には直ちに専門医を受診するよう勧められた職員もいたということです。市は心の不調を訴える職員は今後さらに増えるとみて全職員を対象にメンタルヘルスの研修会を開催するほか結果を上司に伝えて職場環境の改善を促すことにしています。熊本市労務厚生課の高本修三課長は「深夜に及ぶ業務が続き、疲れがたまっているのは事実だと思う。復興を担う職員がきちんと仕事ができる態勢をつくっていきたい」と話していました。

熊本県動物管理センターは地震以降、特別措置として殺処分機を止め、飼い主とはぐれるなどした犬猫の引き取り手を探しています。すでに収容限度を超えていますが譲渡はあまり進んでいません。熊本市は政令指定都市として「殺処分ゼロ」に独自に取り組んでいますが熊本県では従来通り犬猫を殺処分してきました。しかし地震発生後、飼い主とはぐれたとみられる犬猫が数多く保護されたた為『最初の震度7を記録した4月14日翌日から殺処分機を止め』ました。状況を打開しようと5月以降、東京都渋谷区などで動物シェルターを運営する一般社団法人「ランコントレ・ミグノン」が地元の動物愛護団体と連携を始めました。いったん県内の団体に譲渡された犬猫をミグノンが引き取る形で間接的に団体譲渡を実現。これまでに熊本県から犬30匹、猫46匹を連れてきました。

ミグノンでは毎月第2日曜と第4土曜に東京・北参道のシェルターでの譲渡会で新しい飼い主を探しており『次回は23日に開催』する予定。問い合わせはメール(info@rencontrer-mignon.orgo)へ。

1.被災地情報

①熊本の観光支援7割引き宿泊券の販売開始!

地震で影響が出ている熊本の観光を支援しようと、価格を7割引きにした宿泊券の販売が始まり、県内のホテルなどで予約が相次いでいます。

「九州ふっこう割熊本宿泊券」は、熊本県が国の交付金を利用して販売し、1枚5000円の宿泊券を7割引きの1500円で購入できます。

県内のおよそ400のホテルや旅館で使うことができ、20日の販売開始を受けて、この宿泊券を利用する観光客からの予約が相次いでいます。

このうち、南阿蘇村にあるホテルではこれまでに熊本県の内外から7件の予約が入ったほか、問い合わせの電話も寄せられているということです。

このホテルによりますと、地震のあとの5月と6月の売り上げは前の年の80%ほどで、来月の予約は昨日21日現在で、前の年の50%ほどにとどまっているということです。

「ホテルグリーンピア南阿蘇」の本田喜信総支配人は「地震は今までにない経験でしたが、宿泊券を使ってより多くの人に観光に来ていただきたい」と話していました。

県によりますと、熊本地震のあと、県内の宿泊施設では5月上旬までに少なくとも33万人分のキャンセルが出たということで、宿泊券をきっかけに、観光客を呼び戻したいとしています。

宿泊券は、昨日21日午後17時の時点で用意した21万枚のうちおよそ14万枚が販売され、窓口となるインターネットのサイトや電話がつながりにくくなるほど、申し込みが殺到しているということです。

「九州ふっこう割」のうち、福岡県内の宿泊で割り引きが受けられるクーポンの販売が、昨日21日から全国のコンビニエンスストアで始まり、僅か数時間でほぼ完売しました。

福岡市中央区天神では、午後14時の販売開始を待つ人の姿も見られました。

福岡県によりますと、クーポンは、僅か数時間でほぼ完売したということです。店に並んだものの、購入できなかった30代の会社員の男性は、「夏休みに利用しようと思いましたが、買えませんでした。九州の復興につながる取り組みはよいと思います」と話していました。

「九州ふっこう割」を担当する福岡県観光振興課の神代眞澄課長は「福岡に来てもらって、魅力を再発見してほしい」と話していました。

②熊本地震のデマ“リツイート”は罪になる?

熊本地震が発生した直後に、動物園からライオンが逃げたといううその内容をツイッターに投稿し、動物園の業務を妨害したとして、20日、神奈川県に住む20歳の男が偽計業務妨害の疑いで逮捕されました。こうした「デマの発信源」も問題ですが、ソーシャルメディアでは、他人の情報をリツイート、つまり拡散しやすいことが、結果的にデマが広がる要因になっています。ソーシャル時代にデマが拡散する背景を取材しました。

問題のツイートが投稿されたのは、一連の熊本地震で最初に震度7が観測されたすぐ後でした。「地震のせいでうちの近くの動物園からライオンが放たれた」という内容とともに、写真には市街地にいるライオンが写っていました。

このツイートは約1時間で少なくとも2万件リツイートされ、ライオンが逃げたとされた熊本市動植物園には、問い合わせなどの電話が100件以上寄せられ、獣舎などの点検がスムーズに行えなかったほか、警察にも「ライオンが逃げているので避難できない」といった相談が相次ぎました。

当時のツイートを調べて気付くのは、元のツイートをリツイート、つまり拡散する人が多数いたことです。単に拡散するだけでなく、「ライオン出てきたとかこわい」「余震と猛獣に注意!」などと自分のコメントをつけたツイートも多くありました。こうしたデマの「便乗」行為は罪になるのでしょうか。

ネットの風評被害などに詳しい深澤諭史弁護士によると、「今回の『ライオン』のケースについては、よく写真を見ると外国の町なかの写真だと分かります。うそだと知りながらリツイートしたという可能性があり、事実上、リツイートも『共犯』になり得るといえます。安易なリツイートはしないほうがよいでしょう」と話しています。

「偽計業務妨害」という罪は、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金が課せられます。警察によりますと、災害時にデマを流し業務妨害をしたとして容疑者が逮捕されるのは全国で初めてだということです。ネットの誹謗中傷問題などに詳しい清水陽平弁護士は今回の逮捕について、「同様の事件を抑止するためとみられるが、証拠隠滅のおそれがない場合は、逮捕する必要まではないのではないか」とも指摘しています。

一連の熊本地震ではほかにも、「鹿児島県の川内原子力発電所で火災が発生した」「熊本県内のショッピングセンターが燃えている」、「熊本城の石垣が崩れて人が下敷きになった」といったうそのツイートが投稿され、いずれも多くの人にリツイートされて拡散しました。

NHKの「SoLT=ソーシャルリスニングチーム」で、ネットを流れるさまざまな情報に日々接している報道局の足立義則デスクは、ソーシャルメディアなどを流れる情報の真偽を判断するポイントとの1つとして、「複数の情報源かどうか」を挙げています。市街地にライオンがいる、ショッピングセンターが燃えている、といった深刻な事態で、目撃情報や撮影した画像が1件だけということは考えにくいといえます。

また『撮影した画像が、過去にネットに投稿されたものではないか?』『投稿した人のプロフィールや過去のツイートに不自然な点はないか?』などを調べること。そして、その情報や画像に関するソーシャルメディアのほかの意見を参考にすることも大切だとしています。

そのうえで、「情報をリツイートする行為は、多くの場合、誰かを助けたい、役に立ちたいという善意から行われることが多いのですが、真偽が定かではない段階で拡散すると、不安をさらに助長することになりかねません。とりわけ情報が混乱しがちな災害の初期段階では、ツイートの真偽を見極めることは困難なため、リツイートすること自体を特に慎重にしたほうがよいと思います」と話しています。

③熊本市職員 つやPTSD疑いが13%!

一連の地震で大きな被害を受けた熊本市で市の職員を対象にしたアンケート調査の中間結果がまとまり、これまでに回答した人の13%にあたるおよそ650人にうつ病やPTSD=心的外傷後ストレス障害の疑いがあることが分かりました。

熊本市は一連の地震の対応にあたっている職員の心の状態を把握しようと、再任用や嘱託を含めた8982人の職員を対象に5月からアンケート調査を行っています。

今月15日の時点で半数余りの(54%)4877人が回答し、専門の医師が中間結果をもとに判定したところ、回答者の13%にあたる648人にうつ病やPTSD=心的外傷後ストレス障害の疑いがあることが分かりました。

また具体的な症状としては、「ささいな音や揺れに反応してしまうことがある」が51%、「いつも疲れやすく体がだるい」が48%、「寝つけなかったり、途中で目が覚めたりすることがある」が47%に上っています。

アンケートを行っている熊本市の産業医の藤井可さんは「職員は自分のことを後回しにして仕事を優先しがちだが、長期間にわたって市民を支援するためには職員が倒れてはいけない。うつ病やPTSDにならないよう体を休めつつ対応する必要がある」と話しています。

アンケートの結果、避難所や役所の窓口で被災者の対応にあたる職員は苦情を受けやすく、心の不調を訴える傾向が高いことが分かりました。

特に、区役所や出張所などもともと職員が少ない職場では、うつ状態になるリスクが高いということです。

熊本市役所の出先機関に勤務する50代の男性職員は、アンケートの結果「うつの所見あり」と判定されました。この職員は介護保険の申請などの受け付けを担当してきました。地震後は、これまでの業務に加え、り災証明書の発行や避難所での泊まり勤務などにもあたっています。

男性の職場では、同じ業務を担当する職員5人のうち2人が心身の不調を訴えて仕事を休んでいます。そのため、残りの3人で業務をこなさなければならず、休日を削ったり残業したりして被災者への対応を続けているということです。取材に応じた男性職員は、地震後9日間しか休暇を取得できず、5月と6月の残業時間は合わせて200時間を超えました。

男性職員は「最初のころは気が張っていたのかそれほどつらく感じませんでしたが、3か月たつと体調を崩す人が出て共倒れのようになってきました。休んでいない職員に仕事のしわ寄せが来るので、やる気が出ません」と話しています。

熊本市は、うつ病やPTSDの疑いがあるとされた648人のうち40%にあたる260人について、今月15日までに医師による面談を行いました。

その結果、ほぼ半数(47%)の124人が、継続的に面談を受けるよう指導され、なかには直ちに専門医を受診するよう勧められた職員もいたということです。

市は、心の不調を訴える職員は今後さらに増えるとみて、全職員を対象にメンタルヘルスの研修会を開催するほか、アンケートの結果を上司に伝えて職場環境の改善を促すことにしています。

熊本市労務厚生課の高本修三課長は「深夜に及ぶ業務が続き、疲れがたまっているのは事実だと思う。復興を担う職員がきちんと仕事ができる態勢をつくっていきたい」と話していました。

➃熊本城倒壊おそれのやぐら支える工事開始!

一連の地震で石垣が大きく崩れた熊本城で、倒壊のおそれが指摘されているやぐらを鉄骨で支えるための工事が始まり組み上がった鉄骨をやぐらの近くに移す作業が進められています。

熊本城の「飯田丸五階櫓」は、一連の地震で石垣が大きく崩れ、現在は「隅石」という角の石だけでかろうじて支えられていて、倒壊のおそれが指摘されています。

熊本市は、やぐらの下にアーム状の鉄骨を入れて倒壊を防ぐことにしていて、組み上がった高さおよそ14メートル、幅およそ30メートルの鉄骨を、レールを使ってやぐらの近くに移す作業が昨日21日から進められています。

工事を請け負う建設会社によりますと、やぐらの下に鉄骨を入れる工事は今月中に終わる見込みで、熊本市は、やぐらの被害を詳しく調べたうえで、修復が可能か判断することにしています。

建設会社の土山元治さんは「熊本城の復旧が成功すれば、被災した県民の元気につながると思う。倒壊しないように、今月中に工事を完了させたい」と話しています。

⑤ホークス選手、益城町児童を激励!野球で交流!

プロ野球ソフトバンクホークスの工藤公康監督や選手たちが昨日21日、益城町の広安小グラウンドで行われた地元の小学生チームの合同練習に飛び入り参加し、熊本地震の被災地の児童ら約40人と交流しました。

選手会が被災地を勇気づけたいと休養日を利用して企画。長谷川勇也選手会長や内川聖一主将、牧原大成選手(城北高出)ら9選手が参加しました。

児童らは選手と一緒に、ノックや試合などを楽しんだ後、サイン入りユニホームを贈られ大喜び。広安西小6年の西田亮太君は「来ることを知らなくて、びっくりした」と笑顔を見せていました。

内川選手は「子どもたちが少しでも頑張ろうという気持ちになってくれればうれしい」。長谷川選手は「今日をきっかけに野球をもっと好きになってほしい」とエールを送りました。

選手らは益城町総合体育館も訪れ、被災者と交流。工藤監督は県庁で蒲島郁夫知事と会い、義援金を贈呈しました。ソフトバンクは公式戦に被災地の親子を招待するなど支援活動に取り組んでいます。

⑥野村総研復興を支援!県と企画立案など合意!

熊本県は昨日21日、熊本地震からの復興に向けたまちづくりやインフラ整備、地域産業振興などの分野で、大手シンクタンクの野村総合研究所(東京)から企画立案の支援を受けることで基本合意しました。

同社は、阪神大震災で兵庫県、東日本大震災で宮城県の復興計画の策定を支援した実績があります。熊本地震では、益城町の復興を支援することで6月に同町と合意しています。

県は、同社が持つ防災や産業開発などのノウハウを活用。復興に関わる企画立案に協力してもらうほか、施策を効果的に推進するための助言や情報の提供も受けます。

蒲島郁夫知事と同社の此本臣吾社長が県庁で基本合意書に署名。蒲島知事は「支援を頼もしく思っている」と期待感を示しました。此本社長は「熊本県が掲げる『創造的復興』をキーワードに画期的で意義ある計画を提案していきたい」と述べていました。

⑦熊本市中央公民館地震で損壊、解体に!

熊本市民の学びの場として親しまれてきた熊本市中央公民館(中央区草葉町)が熊本地震で大きな被害を受け、解体されることになりました。市中心部の白川公園東側に位置する同館は、年間約110講座が開かれていた生涯学習の拠点。行き場をなくした受講生たちからは、戸惑いの声も上がっています。

1968年建設の同館は、4月16日の本震で2階の柱に亀裂が入り、雨漏りするなど損壊が大きく、立ち入り禁止になりました。市は6月、解体方針を決定。主催講座・自主講座合わせて延べ約2500人の受講生は“教室”を失いました。

講座再開を望む声を受け、別会場に移した主催講座もあります。5日には、その一つ「まんが似顔絵こうざ」が北部公民館西里分館(北区)で再開。7月中に46の主催講座中、9講座が再開しますが、その後の見通しは立っていません。

受講生が講師を招いて運営する自主講座62講座のうち、52講座は白川地域コミュニティセンターや市国際交流会館(いずれも中央区)など21カ所に分散して再開しました。しかし、中央公民館に比べて不便な場所も多く、空いた部屋を確保するのも綱渡り状態とのこと。同館自主講座自治会長の森田時雄さん(80)は「受講生の多くは高齢者。場所が変わり、100人いた受講生が40人に減ったこともあった」と話しています。

中央公民館のほか、生涯学習の場として建てられた施設は市内に18施設。そのうち11施設は避難所として利用され、使用できる部屋が限られています。4~6月に開設予定だった全約1200講座(2万2千人)のうち、約800講座が開かれていないか、別の場所での開催を余儀なくされています。

拠点施設の中央公民館について、市生涯学習課は「いずれ同じ場所に再建したい」と説明。中央公民館長の廣瀬謙一さん(59)は「中央公民館は利用者一人一人にとって大切な居場所だった。ここに通うことが生きがいだった人もいる。みんな早い再建を望んでいる」と話しています。

⑧可燃ごみ処理、全施設で運転再開!

熊本地震の影響で運転できなくなった県内の可燃ごみ処理施設8カ所のうち、最後まで停止していた御船甲佐クリーンセンター(御船町辺田見)2号機が昨日21日、再稼働しました。各自治体や事務組合が常設する処理施設が全て復旧したことで、今後の家屋解体で増加が見込まれる災害ごみなどが地元で処理しやすくなるとみられます。

同センターは御船町と甲佐町でつくる事務組合が運営。地震で焼却炉と基礎をつなぐボルトが抜けるなどの被害が出て、2基ある炉がともに停止しました。このため両町のごみ処理は宇城広域連合と山都町に委託。9日に1号機が再稼働していました。

昨日21日は約6トンの事業系ごみを受け入れ、1号機と2号機で焼却。上田弘明事務長は「家屋解体が進む今後、ごみの回収量が増えるとみられる。2号機の再稼働が間に合ってよかった」と語りました。

県循環社会推進課によると県内では一時、地震による被害が大きかった5市3町の可燃ごみ処理施設8か所で稼働がストップ。このうち県内最大の処理能力(1日600トン)がある熊本市東部環境工場は全2基が停止しましたが、5月16日までに復旧。益城町にある益城クリーンセンターは同30日に再開していました。

一方、可燃ごみを固形燃料(RDF)に加工する大阿蘇環境センター未来館(阿蘇市)は施設の復旧作業を残したまま、20日までに全2基で運転を再開。処理能力が通常の6割程度にとどまっており、8月からの全面再開を目指しています。

⑨被災ペット、収容限界!東京の団体、飼い主探しの助っ人!

熊本県動物管理センターは地震以降、特別措置として殺処分機を止め、飼い主とはぐれるなどした犬猫の引き取り手を探しています。すでに収容限度を超えていますが、譲渡はあまり進んでいません。

熊本市は政令指定都市として「殺処分ゼロ」に独自に取り組んでいますが、熊本県では従来通り犬猫を殺処分してきました。しかし地震発生後、飼い主とはぐれたとみられる犬猫が数多く保護されたため、最初の震度7を記録した4月14日翌日から殺処分機を止めました。

県は7月1日までに犬328匹、猫462匹を保護。飼い主を探すなどしてきましたが、同日現在でも同センターには犬48匹、猫74匹、各保健所にも犬が計81匹、猫が計45匹保護されています。同センターでは犬40匹、猫30匹程度の収容が限界だそうです。

熊本県では犬は3日間保管した後、飼い主が名乗り出ない場合は殺処分できますが、「地震で不幸にも迷子となり、飼い主が見つからない子たちを何とか助けたい」(石原貢一所長)という思いで、のべ300人以上のボランティアらと犬猫の面倒を見てきました。

打開策は新たな飼い主への譲渡。ですが、個人譲渡会でも成犬・成猫は多くが残ってしまいます。県内の登録動物愛護団体には既に犬約100匹、猫約300匹を渡しており余力は少ないのが実情。石原所長は「殺処分機を再び動かすような事態は望まないが、いつまで今の形で続けられるかはわからない」と話すしています。

状況を打開しようと、5月以降、東京都渋谷区などで動物シェルターを運営する一般社団法人「ランコントレ・ミグノン」が地元の動物愛護団体と連携を始めました。いったん県内の団体に譲渡された犬猫をミグノンが引き取る形で、間接的に団体譲渡を実現。これまでに熊本県から犬30匹、猫46匹を連れてきました。

ミグノンでは毎月第2日曜と第4土曜に東京・北参道のシェルターでの譲渡会で新しい飼い主を探しており、次回は23日に開催する予定。問い合わせはメール(info@rencontrer-mignon.orgo)へ。

2.生活情報

【医療】

・県医師会などの「夜間小児救急電話相談」。♯8000またはTEL096(364)9999。午後19時~午前0時。

・県助産師会の「妊娠・産後電話相談」。TEL096(325)9432。平日午前10時~午後16時。

・労働者健康安全機構の「心と健康に関する電話相談」。心の相談フリーダイヤル(0120)783728。平日午前10時~午後17時。健康相談同(0120)021506。月・水・金曜午後13時~午後17時。問い合わせは熊本産業保健総合支援センターTEL096(353)5480。

・がん患者や家族の相談を、熊本大病院など県内19カ所所の「がん相談支援センター」で受け付けています。県健康づくり推進課TEL096(333)2208。

【災害ごみ】

『小国町』

平日に町住民課が対応します。TEL0967(46)2115。

『南小国町』

平日に町町民課が対応します。TEL0967(42)1113。

『阿蘇市』

阿蘇畜産農業協同組合跡地で午前9時~午後16時半(正午~午後13時は中断)に受け入れ。公費解体の搬入許可証は現在も申請を受け付けています。

『産山村』

平日午前9時~午後16時、産山村住民課に連絡。指定時間帯に産山地区公民館グラウンドで受け付け。

『南阿蘇村』

金曜は受け入れ休止。

『大津町』

午前9時~午後16時まで、旧杉水処分場で、解体木やコンクリートブロック、瓦などに限って受け入れます。

『菊陽町』

一時中止。24、31日の日曜午前9時~午後17時、津久礼の旧し尿処理場跡地で、コンクリートブロックや瓦などに限り受け入れます。

『西原村』

午前8時~正午と午後13時~午後17時、布田の村民グラウンドで受け入れます。天候次第で中止や時間変更もあります。日曜の受け入れは中止。

『熊本市』

燃やすごみは東部と西部の各環境工場で、埋立ごみは扇田環境センターで、それぞれ受け入れます。「り災証明書」のコピーもしくは罹災状況が分かる写真と、印鑑を持参すると、手数料を免除します(業者に運搬してもらう場合は委任状が必要)。受け入れは午前8時半~午後16時半。市廃棄物計画課TEL096(328)2359。

『益城町』

火・水・木・土・日曜の午前9時~正午と午後13時~午後16時、旧益城中央小。8月末で受け入れを終了します。

『嘉島町』

浮島周辺水辺公園北側で、午前8時半~午後16時半。水・日曜は休止。

『甲佐町』

午前8時半~正午、午後13時~午後16時半、緑川グラウンド。毎週月曜日は閉鎖します。

『宇土市』

熊本クリーンサービスで24日まで。午前9時~午後16時。瓦、スレート、サッシ、コンクリートなどがれき類のみ。「り災証明書」か、被災状況が分かる写真を持参し、市へ申請が必要。運搬に使う軽トラック貸し出しの相談も受け付けています。

『御船町』

町民グラウンドで午前9時~正午、午後13時~午後16時。持ち込みには「り罹災証明書(コピー可)」か身分証明書の提示が必要。月・火曜休止。雨天時は休止もあります。

『宇城市』

住家のふき替えを伴わない少量の瓦は、平日に市へ申請した上で20日~30日に仮置き場へ。搬入は日曜休止。申請には「り災証明書」か「り災届出証明書」、搬入する瓦の全量が分かる写真、印鑑、身分証明書が必要。

『美里町』

豪雨関連の災害ごみ搬入の申請は平日に中央庁舎か砥用庁舎へ。搬入は29日まで。

【避難所】

『阿蘇市』

阿蘇第2体育館のみ。

『南阿蘇村』

本田技研体育館(大津町)。

『大津町』

大津地区公民館分館、老人福祉センター。

『西原村』

構造改善センター。

『熊本市』

拠点避難所18カ所を含む24か所で受け入れています。

『益城町』

町総合体育館、町保健福祉センターなど14カ所。

『嘉島町』

町民体育館。

『宇土市』

轟地区体育館、走潟地区体育館。

『御船町』

町スポーツセンター、カルチャーセンター。

『宇城市』

松橋老人福祉センター、希望の里サン・アビリティーズ、市武道館、ラポート、豊野公民館、河江コミュニティーセンター。

『美里町』

町福祉保健センター湯の香苑、中央庁舎、砥用庁舎。

【仮設住宅】

『嘉島町』

本日22日、同町鯰の町有地約2千平方メートルに、かいね公園仮設団地12戸の建設を始めます。完成予定は8月下旬。同町では11カ所目で、計204戸になります。

『南阿蘇村』

同村河陽に建設中の陽ノ丘仮設団地に25戸を追加建設します。同村の仮設は計401戸になります。

『甲佐町』

同町田口に建設中の乙女第三仮設団地に5戸を追加建設します。同町の仮設は計214戸になります。

【給水】

『南阿蘇村』

沢津野詰所前、長野公民館前、袴野集会所前は午前9時~午後18時。東急第一別荘前、黒川交差点まどか前、長陽中央公民館前は終日。

『西原村』

西原中、山西小、河原小は終日。

『熊本市』

市上下水道局(中央区)で飲料水を提供します。

『嘉島町』

町役場南側駐車場の水道を開放。

『美里町』

中央庁舎。

【銭湯】

『全県』

県公衆浴場業生活衛生同業組合の加盟施設が、自宅で入浴できない被災者を対象に無料開放しています。

熊本市内の菊の湯(中央区新町)、大福湯(同区坪井)、龍の湯(同区琴平本町)、たかの湯(東区栄町)、松の湯(北区植木町)。同市以外は、サンパレス松坂(山鹿市)、玉名ファミリー温泉(玉名市)、潮湯センター海老屋(長洲町)。

『山鹿市』

さくら湯は被災者の入浴料を無料に。「り災証明書」か身分証が必要。午前6時~翌日午前0時。

『熊本市』

ピースフル優祐悠は、避難所の利用者や自宅のふろが使えない人を無料に。午前5時~午前0時。住所、氏名、年齢の記入が必要。

『益城町』

阿蘇熊本空港ホテルエミナース「七福の湯」は、避難所の利用者や自宅のふろが使えない人を無料に。午前10時~午後22時。住所、氏名、年齢の記入が必要。

3.ここ一週間の地震

2016/07/22 11:40 22日 11:37頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/22 09:39 22日 09:36頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/22 08:24 22日 08:21頃 宮城県沖 1

2016/07/22 02:41 22日 02:38頃 内浦湾 2

2016/07/22 01:24 22日 01:21頃 岩手県沖 1

2016/07/21 22:55 21日 22:51頃 茨城県沖 3

2016/07/21 20:19 21日 20:16頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/21 14:40 21日 14:37頃 茨城県南部 1

2016/07/21 08:43 21日 08:40頃 千葉県東方沖 2

2016/07/21 06:59 21日 06:56頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/21 00:00 20日 23:57頃 岩手県沖 1

2016/07/20 21:16 20日 21:13頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/20 21:12 20日 21:10頃 茨城県南部 1

2016/07/20 18:26 20日 18:23頃 内浦湾 1

2016/07/20 16:41 20日 16:36頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/20 16:21 20日 16:17頃 岩手県沖 2

2016/07/20 11:42 20日 11:38頃 茨城県南部 2

2016/07/20 11:11 20日 11:08頃 岩手県沿岸北部 1

2016/07/20 10:33 20日 10:29頃 茨城県南部 2

2016/07/20 08:54 20日 08:50頃 岩手県沖 3

2016/07/20 08:19 20日 08:16頃 茨城県南部 1

2016/07/20 07:30 20日 07:25頃 茨城県南部 4

2016/07/20 03:10 20日 03:06頃 駿河湾 2

2016/07/19 23:59 19日 23:55頃 茨城県南部 2

2016/07/19 16:31 19日 16:28頃 茨城県沖 3

2016/07/19 13:16 19日 13:11頃 青森県東方沖 3

2016/07/19 13:02 19日 12:57頃 千葉県東方沖 4

2016/07/19 08:45 19日 08:41頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/19 04:50 19日 04:47頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/19 04:29 19日 04:26頃 熊本県熊本地方 2

2016/07/19 01:43 19日 01:40頃 福岡県筑後地方 1

2016/07/18 23:13 18日 23:09頃 トカラ列島近海 1

2016/07/18 21:29 18日 21:24頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/18 17:47 18日 17:44頃 伊豆大島近海 2

2016/07/18 12:42 18日 12:39頃 薩摩半島西方沖 1

2016/07/18 06:12 18日 06:07頃 熊本県天草・芦北地方 1

2016/07/18 03:34 18日 03:31頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/17 18:48 17日 18:44頃 遠州灘 1

2016/07/17 18:03 17日 17:59頃 宮古島近海 1

2016/07/17 13:28 17日 13:24頃 茨城県南部 4

2016/07/17 13:11 17日 13:08頃 熊本県阿蘇地方 2

2016/07/17 11:58 17日 11:55頃 熊本県熊本地方 3

2016/07/17 10:38 17日 10:35頃 石川県能登地方 1

2016/07/17 06:47 17日 06:39頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/17 05:51 17日 05:48頃 秋田県内陸北部 1

2016/07/16 22:32 16日 22:29頃 秋田県内陸北部 2

2016/07/16 22:16 16日 22:12頃 秋田県内陸北部 3

2016/07/16 20:01 16日 19:58頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/16 17:43 16日 17:40頃 茨城県沖 1

2016/07/16 17:17 16日 17:14頃 熊本県熊本地方 2

2016/07/16 12:57 16日 12:54頃 根室半島南東沖 1

2016/07/16 05:22 16日 05:18頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/16 05:15 16日 05:12頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/16 02:59 16日 02:56頃 和歌山県北部 2

2016/07/16 00:13 16日 00:09頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/15 23:49 15日 23:46頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/07/15 18:10 15日 18:06頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/15 15:21 15日 15:17頃 新潟県中越地方 1

2016/07/15 12:01 15日 11:58頃 熊本県熊本地方 2

2016/07/15 05:12 15日 05:06頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/15 03:56 15日 03:53頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/15 02:58 15日 02:55頃 有明海 1

2016/07/15 02:16 15日 02:13頃 宮城県沖 1

2016/07/15 00:23 15日 00:20頃 熊本県熊本地方 2

(続く)

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