【連載125】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?)

8月16日火曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

皆様こんにちは。昨日は「夏祭り」「灯籠流し」などが熊本各地で行われましたが、今年は例年と違い『震災』がありましたので、先祖供養の他に失った家族への鎮魂・供養も行なわれました。

益城町では地震後初めての盆を迎えて寺に遺族や知人などが集まり儀牲となった人の供養を行う姿が見られました。このうち益城町の阿弥陀寺では地震で亡くなった宮守陽子さんの法要が営まれ僧侶の読経に続いて参列者が焼香し静かに手を合わせて冥福を祈っていました。亡くなった宮守さんの弟の林田信一さん(54)は「たった1人の姉が突然亡くなって、悲しみが消えることはありませんが、初盆の供養ができてよかったです。姉の2人の娘を支えて、一緒に前に進みたいです」と話していました。

山鹿市伝統の「山鹿灯籠まつり」が昨日15日始まり神社や城などを精緻に再現した奉納灯籠が街角にお目見えしました。和紙とのりだけで作られ名匠たちの技が光る芸術作品に観光客や地元住民らが見入りました。今年の奉納灯籠は灯籠師6人が手掛け27カ所に1基ずつ展示。このうち中町内と栄町内には熊本地震で倒壊した阿蘇神社の楼門と拝殿の作品が置かれ灯籠師の再建への思いの詰まった威風堂々とした姿が目を引きます。千代の園酒造近くには熊本城宇土櫓(やぐら)の作品が設置してあります。夕闇迫る大宮神社では灯籠踊り保存会が踊りを奉納。菊池川河畔では4千発の花火が夜空を照らしました。山本寛斎さんデザインの浴衣を着たモデルたちが豊前街道を練り歩きまつりをPRしました。本日16日は午後18時45分と21時から山鹿小グラウンドでハイライトの「千人灯籠踊り」がスタート。午後22時からは男衆らが奉納灯籠を大宮神社に担ぎ込む「上がり燈籠」がありまつりを締めくくります。

熊本市南区川尻の加勢川で昨日15日夜、江戸時代から400年以上続く精霊流しがあり精霊舟や角灯籠が川面を彩りました。初盆を迎えた人々が故人をしのび熊本地震からの復興を願いました。川尻校区自治会連合会などでつくる実行委員会主催。吉村浩平委員長が「みんなが復旧・復興へ向けて頑張っている中、伝統の行事を盛大に開催できたことは大きな励み」とあいさつ。約2千基の万灯籠や花や果物などの供え物を乗せた精霊舟、角灯籠が次々と放たれました。ゆらゆらと漂う光の列を眺めながら手を合わせて涙ぐむ人も。元同僚のためにミニチュアの釣りざおやマージャン卓などを乗せた精霊舟を持参した同市東区の京地信哉さん(58)は「天国でも趣味を楽しんでほしい」と話していました。花火大会もあり復興の願いを込め例年より約1千発多い3千発が川尻の夜空を彩りました。

今年のお盆はいつもと違うお盆になったようです。お亡くなりになった方々、どうぞ天国で安らかに。合掌。

1.被災地情報

①活断層評価方法見直しへ 危険度を4段階でランク分け!

政府の地震調査研究推進本部は、全国の活断層の長期評価について、地震発生確率を示すこれまでの方法から危険度を「S」や「A」などの4段階にランク分けする方法に見直す案をまとめました。熊本地震を引き起こしたとされる断層帯の長期評価が、危険性を正しく伝えていなかったという指摘を受けて行われたもので、今月19日の委員会で正式に決まる見通しです。

政府の地震調査研究推進本部は、全国97の主要な活断層について今後、地震が起きる確率を公表していますが、活断層で起きる地震は発生間隔が数千年程度と長いため確率が大きな値にならなくなっています。

このうち、熊本地震を引き起こしたとされる布田川断層帯の一部の区間では、今後30年以内に規模の大きな地震が起きる確率が「ほぼ0%~0.9%」と評価されていて、危険性が正しく伝わらず、かえって安心情報になったという指摘が出ていました。

これを受けて、地震調査研究推進本部は、今後、活断層で地震が起きる危険度を4段階にランク分けする方法に見直す案をまとめました。

それによりますと、いずれも今後30年以内の発生確率が、3%以上の活断層は危険度が高い「Sランク」に、0.1%~3%は危険度がやや高い「Aランク」とします。また、0.1%未満は「Zランク」、発生確率は不明なもののすぐに地震が起きることが否定できない活断層は「Xランク」とします。これを97主要な活断層に適用すると、およそ3分の1が最も危険度が高い「Sランク」に該当するということです。

この見直し案は、今月19日の委員会で正式に決まる見通しです。

②益城町、 地震後初めての盆供養!

一連の地震で大きな被害を受けた益城町では、地震後初めての盆を迎えて、寺に遺族や知人などが集まり、犠牲となった人の供養を行う姿が見られました。

このうち、益城町の阿弥陀寺では、地震で亡くなった宮守陽子さんの法要が営まれ、僧侶の読経に続いて参列者が焼香し、静かに手を合わせて冥福を祈っていました。

亡くなった宮守さんの弟の林田信一さん(54)は「たった1人の姉が突然亡くなって、悲しみが消えることはありませんが、初盆の供養ができてよかったです。姉の2人の娘を支えて、一緒に前に進みたいです」と話していました。

③せめて夢で会えたら……熊本地震で娘失った母の悔恨!

熊本地震の前震から14日で4か月となりました。犠牲になった人の遺族は、初盆を迎えました。少しずつ戻ってくる日常。ただ大切な人だけがそこにはいません……在りし日をしのびながら手を合わせました。

益城町の河添由実さん(当時28)の遺族は14日、仏壇前で住職にお経をあげてもらい、すしや馬刺しを親族と一緒に囲んだ。母登志子さん(57)は前日には、届いた花を仏前に供え、「由実ちゃん、良かったね、お花畑におるみたいやね」と遺影に語りかけていました。

由実さんは4月16日、本震で倒壊した自宅の下敷きになり亡くなりました。自宅は解体して更地となり、登志子さんたちは隣にあった小屋を改修して住んでいます。故人が家まで迷わぬようにともす盆ちょうちんは「由実はのんびり屋やけん、はよ気づいてもらわんと」と、盆入り前に掲げました。

遺体を火葬したのは登志子さんの誕生日の4月18日。骨つぼを抱きながら「これは夢。いつか目覚める」と思っていました。日が経つにつれて、崩れた家々や道路は少しずつ修復されていきます……。でも、その風景に、娘だけが戻ってきません……。

すぐれぬ体調を押して毎日午前3時半に起き、朝食を無理やり口に詰め込んでスイカ畑へ向かいます。出かける前、振り袖姿で優しくほほえむ由実さんの遺影に手を合わせます。成人式に合わせて撮った20歳の時の写真です。「最初の2か月はこの笑顔が悲しかったのに、今はつい自分もつられて笑ってしまう」。笑うと体調もよくなるようです。「あの子の笑顔を撮っていて良かった」。

最近ようやく、思い出話もできるようになりました。でも同時に、悔恨の情にもさいなまれます。

あの日、がれきをかき分けて触れた由実さんの顔はまだ温かかったのに、脈はもう感じられず、周囲から「危ない」と言われ、離れました。挟まった髪の毛を切れば引き出しやすかったかもしれないのに、「大事に伸ばしていたから」とためらいました。人工呼吸や心臓マッサージをしてやればよかった……。「もっとあきらめの悪い親であるべきだったと今は思うんです」。

まだ一度も由実さんの夢を見たことがありません。「何でか出て来てくれんのよね」。もし夢で会えたら。「何も言わんと、抱っこして、つかまえとかんといかんね」。

南阿蘇村河陽の黒川地区で犠牲になった橋本まち子さん(66)の三男、法岳(のりたけ)さん(40)は14日、法要のため隣町の寺を訪れました。

熊本市内に住む法岳さんは運送会社勤務で年末年始も忙しく、村内の宿泊施設で働くまち子さんと、なかなか休みが合いませんでした。昨年末、電話で「帰って来い」と言われた時も帰れず、結局それが、最後の会話となりました。

「まち子さんが見つからない」。実家近くに住む親戚から電話があったのは、4月16日の本震後、法岳さんが妻子を連れて避難しようとしている時でした。実家は数年前に改築したばかり。まさか倒壊しているとは思いませんでした。母は、潰れた自宅の玄関付近から遺体で発見されました。

火葬はしましたが、余震が続く状態で親族も集まれず、葬儀は5月になってからでした。遺骨は、形見分けした財布とともに熊本市内の自宅に持ち帰りました。「気が短くて言い合いになることもあったが、優しい母でした」。

今月7日、黒川地区であった「先祖祭り」に参加しました。皆で墓掃除をした後、車座になって故人をしのぶ盆の風習です。橋本家の墓は倒れたままになっていました。集まった人たちの家や墓も被災していましたが、「元気にやっていかないかんよ」と慰めてくれました。

母の遺骨は、自宅に近い寺に納骨しようと考えています。故郷の墓に眠る先祖の骨も一緒に。故郷や優しい近所の人たちとのつながりが薄れてしまうのはつらいですが、「いつでもお参りできるように」と考えています。

➃熊本地震の被災支援、ワイン販売!

熊本地震の被災地を支援するワインが、震度7の前震発生から4か月の14日、岐阜市鷺山の夏祭りで販売されました。岐阜市の「長良天然ワイン醸造」の白ワイン。「さぎ山」という銘柄で120本限定で出されました。利益を被災地に寄付します。企画した鷺山まちづくり協議会の小森健司さん(54)は「少しでも熊本に協力したい」と話していました。

⑤神社、名城…和紙で復活!山鹿灯籠まつり開幕!

山鹿市伝統の「山鹿灯籠まつり」が昨日15日始まり、神社や城などを精緻に再現した奉納灯籠が街角にお目見えしました。和紙とのりだけで作られ、名匠たちの技が光る芸術作品に観光客や地元住民らが見入りました。

今年の奉納灯籠は灯籠師6人が手掛け、27カ所に1基ずつ展示。このうち中町内と栄町内には熊本地震で倒壊した阿蘇神社の楼門と拝殿の作品が置かれ、灯籠師の再建への思いの詰まった威風堂々とした姿が目を引きます。千代の園酒造近くには、熊本城宇土櫓(やぐら)の作品が設置してあります。

夕闇迫る大宮神社では、灯籠踊り保存会が踊りを奉納。菊池川河畔では4千発の花火が夜空を照らしました。山本寛斎さんデザインの浴衣を着たモデルたちが豊前街道を練り歩き、まつりをPRしました。

本日16日は午後18時45分と21時から、山鹿小グラウンドでハイライトの「千人灯籠踊り」がスタート。午後22時からは男衆らが奉納灯籠を大宮神社に担ぎ込む「上がり燈籠」があり、まつりを締めくくります。

⑥県内豪雨を激甚災害指定、公共土木施設は5町村!

政府は昨日15日、熊本県などを中心に被害が広がった6月6日~7月15日の豪雨災害の激甚災害指定を閣議決定しました。指定の政令は18日施行。農林水産業施設の被害は全国が対象。公共土木施設は、復旧事業費の査定見込み額が指定の基準額に達した美里、御船、甲佐、山都、産山の5町村が対象となります。

内閣府によりますと、農地や水路など農林水産業施設は全国的な被害だったため、地域を特定しない「本激」に指定。県内分の復旧事業費の査定見込み額は計113億円に上ります。

一方、道路や堤防など公共土木施設は被害が限定的だったため、市町村単位の「局地激甚災害(局激)」に指定しました。指定町村の査定見込み額(10日時点)は、美里町10億5千万円、御船町21億7千万円、甲佐町20億8千万円、山都町22億5千万円、産山村1億6千万円となっています。

局激は原則、年度末に指定します。ただ、復旧事業費の査定見込み額が、標準税収入に応じて設けている指定基準額の2倍を超えた場合などは、そのたびに指定。今回は県内で5町村が該当しました。

宇土市や宇城市など5町村以外で豪雨被害が出た地域について、内閣府は「2倍には達していないが、年度末に指定される可能性はある」としています。

公共土木施設の復旧事業は局激指定によって、市町村への国庫補助率がかさ上げされ、8~9割を国が負担します。本激指定の農林水産業施設は、査定見込み額が一定の基準を満たせば、補助率がかさ上げされます。

⑦故人しのび、復興願う!川尻精霊流し!

熊本市南区川尻の加勢川で昨日15日夜、江戸時代から400年以上続く精霊流しがあり、精霊舟や角灯籠が川面を彩りました。初盆を迎えた人々が故人をしのび、熊本地震からの復興を願いました。

川尻校区自治会連合会などでつくる実行委員会主催。吉村浩平委員長が「みんなが復旧・復興へ向けて頑張っている中、伝統の行事を盛大に開催できたことは大きな励み」とあいさつ。約2千基の万灯籠や、花や果物などの供え物を乗せた精霊舟、角灯籠が次々と放たれました。

ゆらゆらと漂う光の列を眺めながら、手を合わせて涙ぐむ人も。元同僚のためにミニチュアの釣りざおやマージャン卓などを乗せた精霊舟を持参した同市東区の京地信哉さん(58)は「天国でも趣味を楽しんでほしい」と話していました。

花火大会もあり、復興の願いを込め、例年より約1千発多い3千発が川尻の夜空を彩りました。

⑧熊本城に恩返し「城見櫓」が展望客室開放!

熊本市中央区花畑町の日本料理店「城見櫓(やぐら)」が、熊本地震で被災した熊本城を一望できる最上階の展望客室を無料開放しています。震災の影響で休業していましたが、7月に再開。林祥増社長(53)は「この眺めを売りに30年商売してきた。熊本城を気に掛け、見に来てくれた人に恩返ししたい」と話しています。

開放しているのは、6階にある城側が全面ガラス張りの部屋「迎賓庵(げいひんあん)」。倒壊防止用の緑色のアームに支えられた飯田丸五階櫓を、目の前に見据えています。「一本足で踏ん張る姿に『お前たちも負けるな』って言われている気がするんです」。

1987創業。年間9万人が訪れる人気店も、震災で廃業の危機に立たされました。4月16日の本震で、ビルと道路に段差が生じるなどの被害を受け、休業を余儀なくされました。店のオーナーだった父の継発さん(79)は閉店を決断。しかし林さんは、諦めきれませんでしたた。ビル自体に大きな損傷がなかったこともあり、父を説得し、再開に向けての第一歩として、5月25日に無料開放を始めました。

「復興のために、うちができることは、これでした」と林さん。すると、城を望む特等席に、続々と“お客さん”がやって来ました。その数、3700人余り。「涙が出そうになりました」「加油(頑張れ)、熊本」。部屋に置いたノートにつづられた国内外からの応援メッセージに、励まされたそうです。

6月に新たな運営会社を設立。店の経営を引き継ぎ、7月23日に営業再開にこぎ着けました。従業員8人での再出発。売り上げの一部を、熊本城災害復旧支援金に寄付する活動も始めました。

「城の復旧に20年。それを見守りながら、以前のにぎわいを取り戻せるよう一歩ずつ歩みを進めたい。この景色を多くの人に見てほしい」。林さんは力を込めていました。

⑨「助け合い励まし合おう」西原村長が呼び掛け!

熊本地震で甚大な被害が出た西原村の日置和彦村長は、震災から4か月が経過した昨日15日朝、防災無線で村民に向けて「狭い仮設住宅ですが、被災者同士が互いに助け合い励まし合ってコミュニケーションづくりをしてほしい」と呼び掛けました。

日置村長は、東日本大震災の被災地である、岩手県陸前高田市の市民から届いた「己の弱い気持ちに勝ってください。笑顔を忘れず毎日を精いっぱい生き抜きましょう」というメッセージを紹介。その上で「今が一番つらい時。来年は少し良くなり、5年たったら笑顔が戻っている。10年後には、楽しく幸せだという日が必ず訪れる」と語り掛けていました。]

⑩熊本市の避難所、2か所に集約へ!

熊本市は昨日15日、熊本地震を受けて東区に開設していた避難所7カ所を閉鎖しました。本日16日にも南区の2カ所を閉じる予定で、市内の避難所は市総合体育館(中央区出水)と城南総合スポーツセンター(南区城南町)の2か所に集約されます。

東区の若葉小などでは昨日15日朝から、荷造りや清掃を終えた被災者が避難所を後にしました。東部はつらつ交流会館に3か月避難した高浜慎二さん(52)は南町の自宅に帰宅するとのこと。家は半壊で雨漏りしており、不安もあるそうですが、「家の修理が済むまでと思っていたが、仕方ない。新しいスタートを切らなければ」と職員にお礼を伝えていました。

市内では最大267カ所に11万750が避難していましたが、14日現在では11か所・約360人。市は仮設団地8カ所496戸を準備し、南区で数十戸の増設も計画。併せて「みなし仮設」制度の利用で「住まいの確保に一定のめどがついた」として、9月15日までに全避難所を閉鎖する方針を示しています。

「仮設待ち」で避難所を転々とする人も。本日16日に閉鎖予定の南区城南町の火の君文化センターに避難中の主婦(33)は、スポーツセンターに移るそうです。「避難所から避難所へ移らなければならないとは思ってもいなかった。早く安定した生活がしたい」とこぼしていました。

⑪阿蘇再生考える復興ツアー9月3日に!

一般財団法人「創造くまもと」(代表理事・木村仁元参院議員)は9月3日、阿蘇地域に残る熊本地震の傷痕を見て、阿蘇の再生について考える「阿蘇復興ツアー」を催します。参加費は6千円。申し込みは8月19日まで。

創造くまもとは、公共交通の在り方などさまざまな政策を提言。「阿蘇学会」の設立も目指しています。

今回は、国指定重要文化財の楼門などが倒壊した阿蘇市の阿蘇神社や遊歩道に亀裂が入ったかぶと岩展望所、休講している南阿蘇村の東海大阿蘇キャンパス、崩落した阿蘇大橋などをバスで巡ります。

火山と地震のメカニズムについて、阿蘇火山博物館の渡邉一徳・学術顧問による講演もあります。

創造くまもと事務所TEL096(340)0228。

⑫被災カップルに結婚式県内10組、参加無料!

全日本ブライダル協会(桂由美会長)が、熊本地震で被災し挙式できなかったカップルの「熊本復興祈念市民結婚式」を計画しています。式の参加は無料。

同協会は、婚姻届受理証明書を参列者に披露する「市民結婚式」を提唱。2011年年7月にも、東日本大震災で被災した45組の夫婦に式をプレゼントしています。

式は10月2日、熊本市中央区のKKRホテル熊本で予定。県内在住のカップル10組で、当日までに婚姻届受理証明書を取得できることが条件。桂会長がデザインした衣装の無料レンタルや結婚指輪のプレゼントなどの特典もあります。

応募締め切りは8月31日。同協会県支部の有吉ひとみ代表は「結婚式は新しい一歩。参加者が地震に負けず、前に進んでいくお手伝いをしたい」と話している。

同支部TEL096(381)0338。

⑬生きる力、北海道から励まし温かく!

11日夕のこと。熊本市中心街の居酒屋で、東区のパート勤務、藤好あけみさん(59)の家族を励ます会がありました。一家を囲んだのは、北海道釧路市の建設会社「本田組」の本田秀樹社長(50)や社員たちです。

最大震度7の揺れに熊本が襲われた4月16日未明、藤好さんの家族5人は県営団地の3階にいました。あけみさんはたんすの下敷きになり、肋骨3本を折る重傷。娘2人も手や背中にけがをしました。倒れた家財で、夫和成さん(61)は部屋を移動することができず、高校3年の潤黄(じゅんき)さん(18)が1人で母と姉たちを助け出しました。

駆け込んだ近くの総合病院は、けが人であふれていました。あけみさんは持病の不整脈の治療だけを受け、別の病院を探さなければならなりませんでした。混乱と緊張の中、一家は和成さんの郷里の大牟田市に避難していました。和成さんの母朝子さん(84)が、あけみさんを付き切りで看護してくれました。5月2日になり、一家は県営団地に一時帰宅できました。

そうした中で思いがけず訪れたのが、一人暮らしの朝子さんの突然の死去でした。原因は急性肺炎。「心労が重なったのだと思う」とあけみさんは振り返ります。

7月にはさらに群馬県のあけみさんの母(92)も他界しました。なぜ不幸が続くのか。「地震さえなければ」。家族のみんなが落ち込みました。

そんなとき支えになってくれたのが、本田組の人たちでした。5月の一時帰宅の際、団地に片付けのボランティアに来てくれたのが縁です。その後も北海道から「水は足りていますか」「何か必要なものは」と連絡をくれ、ニシンやタラの海産物が届きました。

あけみさんは「一期一会の縁を大切に気遣ってくれた。家族に生きる力をくれた」と話しています。

お盆前、本田組の人たちは再びボランティアのために阿蘇市や益城町にやって来て、その機会に藤好さん家族を囲みました。「頑張りすぎないでね」「私たちを受け入れてくれて逆に感謝しています」。

温かい励ましでした。あけみさんは「釧路で何かあったら今度は私たちが駆けつけます」と答えていました。

⑭崩れた柱、バンク内側に草、熊本競輪場!

熊本地震で被災し、開催中止が続いている熊本市中央区水前寺の熊本競輪場。14日には地元の競輪ファンや自転車愛好家らでつくる「サポーターズクラブ」の呼び掛けで、メンバーや選手ら約30人が荒れ果てたバンク(1周500メートル)内側の雑草を刈りました。

同競輪場は、主要施設の老朽化が進んでおり、被害が大きかった。1968年完成のサイドスタンドは柱や屋根が崩れ、総ガラス張りのバックスタンドは、ガラスが割れ落ちました。バンクにも亀裂が走っています。6月に、敷地内にある場外車券売り場は再開しましたが、レース開催のめどは立っていないそうです。

クラブ会長の宮崎俊幸さん(49)=同市西区=は「たくさんの楽しみを与えてくれた場所。こんな時こそわれわれが復興への手伝いをしないと」と流れる汗を拭っていました。

2.生活情報

【災害ごみ】

『玉名市』

市民を対象に被災家屋や小屋の瓦を同市の仮置き場で受け入れます。9月30日までの平日(午前9時~午後17時)に市環境整備課で申請を受け付け、搬入許可証を発行します。

申請には

(1)市発行の、り災証明書か罹災届出証明書(コピー可)

(2)本人確認書類(免許証など)

(3)印鑑

が必要。市環境整備課TEL0968(75)1118。

『大津町』

平日と土曜の午前9時~午後16時、室の永井運送敷地内で、解体木やコンクリートブロック、瓦などに限って受け入れます。罹災証明書などの提示が必要。日曜は休止。

『西原村』

一時休止。平日と土曜の午前8時半~正午と午後13時~同16時半、布田の村民グラウンドで受け入れます。天候次第で中止や時間変更もあります。日曜は休止。

『小国町』

平日に町住民課が対応します。TEL0967(46)2115。

『南小国町』

平日に町町民課が対応します。8月末まで。TEL0967(42)1113。

『南阿蘇村』

16日までお盆休みのため受け入れ休止。

『阿蘇市』

お盆期間は16日まで受け入れ中止。

『産山村』

平日午前9時~午後16時、村住民課に連絡。指定時間帯に産山地区公民館グラウンドで受け付けます。

『熊本市』

燃やすごみは東部と西部の各環境工場、埋め立てごみは扇田環境センターで、それぞれ受け入れます。手数料の免除には、市役所や区役所での事前申請が必要。受け入れは午前8時半~午後16時半。市廃棄物計画課TEL096(328)2359。

『御船町』

町民グラウンドで午前9時~正午、午後13時~午後16時。り災証明書(原本)の提示が必要。月曜と15日は休止。雨天時は休止もあります。

『益城町』

火、水、木、土、日曜の午前9時~正午と午後13時~同16時、旧益城中央小で。地震で壊れた食器や家具、電化製品などの災害片付けごみは8月末で受け入れを終了します。

『甲佐町』

午前8時半~正午、午後13時~午後16時半、緑川グラウンド。月曜は休止。

『嘉島町』

浮島周辺水辺公園北側で午前9時~正午、午後13時~午後17時。水、日曜は休止します。

『宇城市』

家屋の公費解体や自主解体を市に申請した人を対象に、家具や家財を仮置き場に搬入できる許可証を発行しています。搬入期限は発行から2週間以内(日曜休止)。申請は平日のみで、り災証明書と身分証明書、印鑑を持参して衛生環境課へ。

【銭湯】

『全県』

県公衆浴場業生活衛生同業組合の加盟施設が、自宅で入浴できない被災者を対象に無料開放しています。利用者は、り災証明書もしくは身分証明書の提示が必要。熊本市内は菊の湯(中央区新町)、龍の湯(同区琴平本町)、あしはらの湯(北区植木町)、松の湯(同)。同市以外は、サンパレス松坂(山鹿市)、玉名ファミリー温泉(玉名市)、潮湯センター海老屋(長洲町)。

『山鹿市』

さくら湯は被災者の入浴料を無料に。り災証明書か身分証が必要。午前6時~翌日午前0時。

『熊本市』

ピースフル優祐悠は、避難所の利用者や自宅のふろが使えない人を無料に。午前5時~午前0時。住所、氏名、年齢の記入が必要。

『益城町』

阿蘇熊本空港ホテルエミナース「七福の湯」は、避難所の利用者や自宅のふろが使えない人を無料に。午前10時~午後22時。り災証明書もしくは運転免許証などの提示と、住所、氏名、年齢の記入が必要。

【医療】

・県医師会などの「夜間小児救急電話相談」。♯8000またはTEL096(364)9999。午後19時~翌朝午前8時。

・県助産師会の「妊娠・産後電話相談」。TEL096(325)9432。平日午前10時~午後16時。

・労働者健康安全機構の「心と健康に関する電話相談」。心の相談フリーダイヤル(0120)783728。平日午前10時~午後17時。健康相談同(0120)021506。月・水・金曜午後13時~午後17時。問い合わせは熊本産業保健総合支援センターTEL096(353)5480。

・がん患者や家族の相談を、熊本大病院など県内19カ所所の「がん相談支援センター」で受け付けています。県健康づくり推進課TEL096(333)2208。

【給水】

『南阿蘇村』

沢津野詰所前、長野公民館前、袴野集会所前、袴野集会所前、旧立野小グラウンドは午前9時~午後18時。東急第一別荘前、黒川交差点まどか前、長陽中央公民館前は終日。

『西原村』

西原中、山西小は終日。

『熊本市』

市上下水道局(中央区)で飲料水を提供します。

『嘉島町』

町役場南側駐車場の水道を開放。

『美里町』

中央庁舎。

【避難所】

『大津町』

大津地区公民館分館、老人福祉センター。

『西原村』

構造改善センター。

『熊本市』

市総合体育館(中央区)、富合雁回館(南区)、火の君文化センター(同)、城南総合スポーツセンター(同)。東区の秋津出張所など7か所は昨日15日に閉鎖しました。

『益城町』

町総合体育館、町保健福祉センターなど10カ所。

『御船町』

町スポーツセンター。

『嘉島町』

町民体育館。

『宇土市』

轟地区体育館、走潟地区体育館。

『美里町』

町福祉保健センター湯の香苑、中央庁舎、砥用庁舎。

『宇城市』

市武道館を除く5カ所は昨日15日夕で閉鎖しました。

3.ここ一週間の地震

2016/08/16 06:16 16日 06:12頃 秋田県内陸南部 1

2016/08/16 03:51 16日 03:48頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/16 03:47 16日 03:44頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/16 03:27 16日 03:24頃 福島県浜通り 1

2016/08/16 00:31 16日 00:28頃 宗谷東方沖 2

2016/08/15 16:08 15日 16:04頃 福島県沖 4

2016/08/15 13:40 15日 13:36頃 伊予灘 3

2016/08/15 05:26 15日 05:23頃 有明海 1

2016/08/15 04:54 15日 04:51頃 十勝地方南部 1

2016/08/15 03:53 15日 03:49頃 福島県沖 3

2016/08/15 02:19 15日 02:16頃 宮城県沖 1

2016/08/14 23:46 14日 23:43頃 沖縄本島近海 1

2016/08/14 16:42 14日 16:38頃 沖縄本島近海 1

2016/08/14 11:50 14日 11:46頃 沖縄本島近海 2

2016/08/14 05:21 14日 05:15頃 千葉県南東沖 2

2016/08/14 05:08 14日 05:04頃 瀬戸内海中部 2

2016/08/13 22:46 13日 22:42頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/13 19:56 13日 19:52頃 釧路沖 1

2016/08/13 17:53 13日 17:49頃 宮城県沖 2

2016/08/13 15:03 13日 14:59頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/13 13:01 13日 12:57頃 福島県沖 2

2016/08/13 07:20 13日 07:17頃 網走沖 1

2016/08/12 23:16 12日 23:13頃 千葉県東方沖 1

2016/08/12 22:14 12日 22:11頃 有明海 1

2016/08/12 20:49 12日 20:45頃 有明海 1

2016/08/12 16:05 12日 16:02頃 福島県沖 1

2016/08/12 12:53 12日 12:49頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/12 11:13 12日 11:09頃 長野県南部 1

2016/08/12 09:54 12日 09:51頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/11 21:45 11日 21:42頃 新潟県中越地方 1

2016/08/11 18:52 11日 18:49頃 熊本県阿蘇地方 2

2016/08/11 15:37 11日 15:34頃 岐阜県飛騨地方 1

2016/08/11 09:41 11日 09:38頃 熊本県阿蘇地方 2

2016/08/11 09:39 11日 09:36頃 和歌山県北部 1

2016/08/11 03:47 11日 03:44頃 浦河沖 1

2016/08/10 21:11 10日 21:08頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/10 20:08 10日 20:05頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/10 18:10 10日 18:04頃 硫黄島近海 1

2016/08/10 16:29 10日 16:26頃 日向灘 1

2016/08/10 14:55 10日 14:51頃 茨城県沖 2

2016/08/10 11:17 10日 11:13頃 鹿児島県薩摩地方 2

2016/08/10 10:12 10日 10:09頃 熊本県天草・芦北地方 1

2016/08/10 02:30 10日 02:26頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/09 23:41 09日 23:38頃 熊本県天草・芦北地方 1

2016/08/09 22:52 09日 22:49頃 熊本県熊本地方 4

2016/08/09 20:07 09日 20:04頃 栃木県南部 2

2016/08/09 14:47 09日 14:43頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/08/09 09:30 09日 09:25頃 トカラ列島近海 1

2016/08/09 02:41 09日 02:37頃 福島県浜通り 1

2016/08/09 02:35 09日 02:31頃 熊本県阿蘇地方 2

2016/08/09 00:51 09日 00:46頃 熊本県阿蘇地方 1

(続く)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です