【連載170】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?)

9月30日金曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

皆様こんにちは。政府は本日30日の閣議で、熊本地震からの復旧と復興を進めるため「被災マンション法」に基づいて、熊本地震で大きな被害を受けた分譲マンションでは所有者全員の同意がなくても取り壊しや敷地の売却などを行えるようにすることを決めました。

法務省によりますと今年4月の熊本地震で「全壊」したと判断された熊本市内のマンションの一部では、取り壊しや敷地の売却を進めるにあたって、所有者と連絡がつかなかったり、費用の負担で折り合わなかったりして、必要な所有者全員の同意が得られていないケースもあるということです。

このため、政府は30日の閣議で、政府が指定した大規模な災害で、建物の価値の半分以上が失われた分譲マンションでは、所有者全員ではなく5分の4以上が同意すれば取り壊しや敷地の売却を行うことができるとした「被災マンション法」の規定を、熊本地震で大きな被害を受けた分譲マンションに適用することを決めました。

この決定は10月5日から施行されます。

熊本地震で被害を受けたのは一軒家だけではなくアパート、マンションも同様です。ただマンションには多くの住民が住むため取り壊しもなかなかはかどりませんでしたが今回の決定でようやく取り壊しも進むものと思われます。しかしそのマンションに住む住民たちの行く先をきちんと決めなければなりません。それが無い場合は非人道的な行為となってしまいます。この政府の決定が熊本県内のマンションにとっていい方向に進むことを祈念致します。

熊本地震の被災地支援のために佐賀市が市民から受け付けたトイレットペーパーや紙おむつなどの物資約5000点が、被災地に送ることができないまま市施設に保管されています。熊本県側が物資が足りているとして受け取りを終えているため。市は、集まった物資をどう活用するか検討を始めています。

市役所大和支所敷地内にある旧健康管理センターで、段ボール数百箱を保管しています。物資はトイレットペーパー、紙おむつ、タオル、生理用品など。4月19~21日で約2万4千点が集まりました。東日本大震災の教訓から、物資は種類を限定して受け付けました。

市企画調整課によりますと、市民から物資が続々と市に寄せられる一方、熊本県側は全国から物資が集まったことで「受け入れが困難」となり、佐賀市も受け付けを3日間で中止しました。

保存食や水はすべて送ることができましたが、他の物資は5カ月以上、届けることができないため保管状態が続いています。

市は他県の事例も参考にしながら、被災者を直接支援しているNPO法人との連携や、災害時の備蓄としての利用が可能かどうか関係者と協議を進める予定です。市企画調整課は「市民の善意を無駄にはでききない。どう活用できるか考えたい」としています。

先日は福岡県の例を報告いたしましたが、なぜ熊本県は他県からの救援物資を断るのでしょうか?例えば『水』であればいまだに水不足で困難を強いられいる南阿蘇村に送ればいいことです。その他の物資もご老人、低所得者、仮設住宅お住まいの方々に渡せばいいだけです。熊本県全員に平等にわけようという発想だからさばききればいと固執してしまうのであって、もっと熊本県内自治体には頭を柔軟に対処してほしいと思います。人々の善意をどうしてそんなに簡単に無下にするのか?熊本県内の自治体のレベルの低さには唖然とします。

今年度の季節性インフルエンザのワクチン供給が減少し、需要との差が187万本と、11年ぶりに100万本台に落ち込むことが厚生労働省の試算で分かりました。ワクチン大手の化学及血清療法研究所(化血研、熊本市)が熊本地震で被災したためで、危機感を抱いた厚労省は病院などに対し5年ぶりに必要以上の注文を控えるよう通知しました。いまだに入手できず、ワクチン接種を遅らせる医療機関も現れ始めました。

厚労省によりますと、今年度の製造(供給)量は2752万本で、前年度(3072万本)より約1割少なく、2010年度以降では最も少ない数量です。使用(需要)量を前年度と同じ2565万本と見込みますと、需給差は187万本と試算されます。例年は200万本以上の余裕があるそうで100万本台になるのは、05年度以来11年ぶりです。

製造量が落ち込んでいる主な原因は、化血研の被災です。国内ではインフルエンザワクチンの製造業者は4社しかなく、このうち化血研は、熊本市北区にあるB型肝炎ワクチンを製造する施設が、熊本地震で天井に亀裂が入るなどしました。同じ敷地にあるインフルエンザワクチン製造施設も運転を停止し、設備点検を余儀なくされました。

厚労省によりますと、ワクチン製造は、完成までに数カ月がかかります。このため、他の3社による急な増産は困難だそうです。

そろそろ『インフルエンザ』の季節ですがワクチンは日本では4社だけで製造しているのをご存知でしたか?その1社が熊本県内の化血研ですが被災してしまった為、現在3社で製造しています。その為、今年のワクチンは187万本例年より余裕がなく『早い者勝ち』でワクチンはなくなりそうです。ワクチンは早めに撃っておくことをお勧めします。まさか熊本地震がワクチンに影響を及ぼすと思っている方も少なくないでしょう。パニックにならないことを祈るばかりです。

1.被災地情報

①ベッカムが被災高校生らにエール!

サッカー元イングランド代表のデービッド・ベッカムが昨日29日、熊本地震の被災者らを応援するため、東京都中央区で開かれたフットサルの交流試合に登場しました。ベッカムは、出場した熊本県のサッカー16歳以下の代表選手たちに「つらくても前を向いて」とエールを送りました。

シンガポールの高級リゾートホテル「マリーナベイ・サンズ」が企画。ベッカムさんは同社のブランド親善大使を務めており、同日夜のPRイベントに出席するため、約10年ぶりに来日しました。

試合は、県代表チームと首都圏の大学生の有志チームが対戦。ベッカムはベンチからにこやかに見守り、ゴールが決まると拍手していました。試合後は選手一人一人にサイン入りの手紙とサッカーボールを手渡しました。くまモンも駆けつけ、ベッカムさんに県産ナシを贈りました。

ベッカムは被災者に向け「支えてくれる家族や友人たちがいる限り、団結し笑顔を絶やさないでほしい」と語りました。

県代表の福島隼斗主将(大津高1年)は「車中泊生活などつらい時期もあったが、あこがれの選手に会えて勇気が湧いた」、江崎巧朗副主将(ルーテル学院高2年)は「いろんな人に支えられていることをあらためて実感した」と感激していました。

②解体がれき「2次仮置き場」一部完成!

熊本地震で被災した住宅の解体がれきを集積・処理するため、県が益城町の熊本空港南側の県有地に整備していた「2次仮置き場」が一部完成し、本日30日に廃棄物の受け入れを始めます。市町村の仮置き場不足が一因で遅れている公費解体のスピードアップを目指します。

2次仮置き場では、被害が大きい益城町など7市町村分を受託して処理します。9.8ヘクタールの敷地に集積スペースと破砕・選別の中間処理設備を設け、当面は木くず日量240トン(トラック150台分)の受け入れと破砕を進めます。作業は県内外の処理事業者12社でつくる企業体が担います。

2次仮置き場は県内最大の「テクノ仮設団地」に隣接するため、高さ5メートルの囲いを設けたほか、騒音・振動の測定器も設置しました。

県循環社会推進課によりますと、仮置き場整備を含む解体がれきの処理費用は2年間で157億3600万円を見込んでいます。大半は国費で賄い、市町村負担は0.3~2.5%となります。

7市町村は、益城のほか、宇土、西原、南阿蘇、御船、嘉島、甲佐。県内全体の最終的な公費解体の想定棟数約2万9700棟のうち、7市町村で4割強の約1万3千棟を占めるとみられます。県は2018年春までに解体・処理を終える方針。

③みなし仮設の申請1万件!応急住宅の2倍以上!

*昨日と重複

熊本県は28日、熊本地震の被災者に民間賃貸住宅を提供する「みなし仮設住宅」の入居申請が1万15件になったことを明らかにしました。県が整備を進める応急仮設住宅の2倍以上。地震発生から5カ月を経過しましたが、「仮の住まい」を求める申請は9月以降も1日平均45件のペースで増えています。

みなし仮設は、災害救助法に基づき自治体が既存の賃貸住宅を借り上げて無償提供します。応急仮設を造るより短時間で準備でき、被災者が希望に合う物件を選べるのも特徴。

集計によりますと、みなし仮設の入居申請は22市町村が受け付けています。最も多いのは熊本市の6154件。全体の約6割を占め、益城町1229件、南阿蘇村957件、宇城市361件などが続きます。

入居対象は当初、家屋が全壊した被災者に限られていましたが、余震の多発で損傷が進んだり、居住が困難になったりする熊本地震の特殊性を踏まえて半壊まで要件が緩和されました。現在も市町村の住宅被害調査が続いており、「半壊と判定された住民からの申請が目立つ」(県健康福祉政策課)とのことです。

県は「みなし仮設の申請件数が今後どうなるのか予測は困難だが、十分対応できる量」として、5千戸を追加する補正予算を開会中の9月定例県議会に提案。予算上の提供戸数を1万4600戸としました。

一方、応急仮設の整備戸数は28日現在4239戸(うち完成3847戸)で、提供戸数は応急2、みなし5の比率。東日本大震災で宮城県の11対13、岩手県の14対3(いずれもピーク時)に比べ、熊本地震はみなし仮設の利用割合が高くなっています。

同課は「熊本都市圏はもともと民間賃貸住宅の供給力が高い。熊本地震では、その熊本都市圏に家屋被害が集中したことが、賃貸住宅を活用するみなし仮設の申請が増えている一因ではないか」と分析しています。

➃地震で避難「車中」4割!熊本市民アンケート!

熊本市が7月実施した市民アンケートで、熊本地震で避難した人の4割が「車中」に避難したと回答したことが28日分かりました。「指定避難所」と答えた人は全体の2割にすぎず、それ以外の人たちを行政としてどう支援していくかが今後の課題となりそうです。

例年の市政アンケートの一環で、今回は熊本地震などについて調査。無作為に抽出した18~79歳の5千人に質問を郵送し、2438人から回答を得ました。

それによりますと、約7割の1781人が地震で何らかの避難行動をとっていました。このうち避難した場所については、約2割が「指定避難所」、4割が「車中」、1割がコンビニなどの「指定避難所以外の施設」だったとしました。車中とした人の3分の1は、指定避難所に駐車した車の中だったそうです。その他の避難場所は「友人や知人の家」など。

移動手段については、6割以上が「車」、3割が「徒歩」と答えました。

市は「プライバシーの確保や移動の簡単さから車を選び、そのまま車中泊に結び付いた」と分析。「指定避難所以外での車中泊の実態は把握できなかった。これらの人にどう情報・物資を提供していくかが課題になる」としています。

アンケートの結果は、同日の「熊本地震検証・熊本市地域防災計画改定検討委員会」の第2回会合で報告されました。

⑤実習船で海難訓練、苓洋・天草拓心高の教諭ら!

港沖合で、実習船「熊本丸」(443トン)を使い、津波の発生などを想定した対処訓練をしました。全国の水産系高で実際に船を出港させて訓練しているのは同校だけとのことです。

津波や船舶火災、海中転落など、海難事故への対応能力を高めるのが狙い。今年で4年目ですが、荒天で出港を見合わせた年もあったため、航行しながらの訓練は2回目。熊本丸の乗船職員や海洋科学科の教諭ら約30人が参加しました。

午後14時に津波が発生したとの想定で、船を富岡港沖約4キロの海上に避難。洋上では職員らが、海へ落ちた人に見立てたブイを救命ボートで収容する作業や、機関室から発生した火災を消火する訓練に汗を流しました。

訓練後、山下孝典船長は「熊本地震以降、津波に備える意識を持ち続けている。職員の防災意識も年々高まってきた」と話していました。

⑥ベンチャーズコンサート阿蘇神社復興へ義援金!

ザ・ベンチャーズのメンバーらによる阿蘇市でのコンサートを支えた地元実行委が20日、熊本地震で被災した阿蘇神社のためにコンサートの来場者に募った義援金20万円を同神社に寄付しました。

コンサートは無料で17日にあり、ベンチャーズの2代目リードギタリスト、ノーキー・エドワーズさん(81)らが出演。広島や大阪からも含めファンら約500人が訪れました。

ノーキーさんは2年前に阿蘇市でライブを開いた縁もあり、今回は日本ツアーの合間にコンサートが実現。飲食店経営の馬場英之さん(62)ら地元有志による実行委が会場に募金箱を設けました。

馬場さんは「ノーキーさんは神社の被害を見て言葉を失った。神社の復興が地域再生につながると思う」と語りました。ノーキーさんはネットで寄付を呼び掛け、居住する米アリゾナ州から同神社に義援金を送るとのことです。

⑦「おせち」で復興応援!鶴屋と高島屋が共同販売!

鶴屋百貨店(熊本市)と高島屋(大阪市)は28日、県産食材や県内メーカーの料理だけで作った「熊本おせち」の予約受け付けを始めました。正月に県産食材を食べて、熊本の復興を応援しようとの思いを込めたそうです。

高島屋の企画で、鶴屋との共同販売。産地限定のおせちの販売は、2011年の東日本大震災の復興支援以来とのこと。

おせちは「あか牛のしぐれ煮」や「黒毛和牛のローストビーフ」「天草産ヒオウギ貝のガーリックバター風味」など20品の和・洋一段重。お重のふたや風呂敷、取り箸にはくまモンのデザインを採用しました。

価格は1万6200円。鶴屋は、店頭受け取りできる人や配達可能な県内向け、高島屋は関東、関西で販売します。高島屋は「熊本の食材は評価が高くファンも多い。頑張っている熊本の産地やメーカーを支援したい」と話しています。

鶴屋は、熊本おせち以外のおせちは10月12日から受け付けています。

⑧「タンクマ」編集企画で全国賞!復興への“笑顔”発信!

熊本市のウルトラハウスが発行する「タウン情報クマモト(タンクマ)」が、2015年度の「タウン情報全国ネットワーク企画大賞」の編集企画部門で大賞に輝きました。受賞作は「元気です!熊本」をテーマにした今年6月号。熊本地震から復興へ立ち上がる人々の笑顔を多数集めた誌面が評価されました。

ネットには全国27のタウン誌が加盟。編集や営業など四つの部門で毎年、企画大賞を選んでいる。タンクマの受賞は、10年度の編集部門以来2度目。

熊本地震で編集部内は書棚が倒れ、めちゃくちゃになりました。5月27日発売予定の6月号は休刊を検討。「準備していた特集企画が使えなくなった。避難所生活の社員もいて、難しいと思った」と小崎信夫編集長(54)。

背中を押してくれたのは、東日本大震災を経験した福島県や仙台市のタウン誌関係者でした。「こんな時こそ街を元気づけるのがタウン誌の役割」と助言され、発行を決めました。

締め切りまで、わずか2週間。編集部以外の社員も総動員し、再開した市内450軒の飲食店や洋服屋などを、店員の笑顔の写真とともに紹介。坂本龍一さんや八代亜紀さんらからの応援メッセージも掲載しました。痛々しい被災地の写真はほとんど使いませんでした。

各地の加盟社からは「この時期に出版できたのが奇跡」「大変な状況下でポジティブな情報発信をしたことに感動した」との感想が寄せられました。小崎編集長は「社員一丸となった結果で、励みになる受賞。報道とは違うタウン誌の力をあらためて示すことができた」と話していました。

⑨学生村におふくろの味戻る!被災した食堂が再開!

熊本地震で大きな被害を受けた南阿蘇村河陽の黒川地区で、東海大阿蘇キャンパスの学生らが通った食堂「おふくろ亭」が28日、5カ月半ぶりに再開します。店主の橋本としえさん(61)は「地域に活気を取り戻したい」と決意を新たにしています。

おふくろ亭は昨年12月、学生の下宿などが集まる「学生村」の一角にオープン。学生アパートを営む橋本さんが「地元のお米を学生たちにいっぱい食べてほしい」との思いで始めました。

しかし、近くに住む橋本さんは4月16日の本震で、夫幹雄さん(65)とともに倒壊した自宅の下敷きに。救助を待つ間、駆け付けた男子学生が「おじちゃん、おばちゃん、ずっとそばにいるよ」と声を掛け続けてくれたとのことです。「あの励ましのおかげで気を強く持てた」と振り返っています。

約6時間後に救出されたものの股関節脱臼で入院。一時は車いす生活を余儀なくされましたが、リハビリが進むうちに再開を考えるようになりました。店に目立った被害はなく、水道も使えました。無事だった幹雄さんに「地域のために頑張れ」と背中を押され、再開に踏み切りました。

看板メニューのホルモン煮込み定食は仕込みも万全。店内は7,8人分のカウンター席のみで、当面は正午から午後14時まで店を開けます。

今も村内の阿蘇ファームランドで避難生活を送る橋本さん。10月には仮設住宅に移る予定です。「避難している人たちは日中、片付けなどで戻ってくる。みんなが顔を合わせる場所にしたい」と胸を膨らませています。

⑩ライダー聖地のカフェ再出発へ!高森の廃校活用、阿蘇復興シンボルに!

全国のライダーたちが集まった阿蘇市のカフェ「茗ヶ原茶寮(みょうがはらさりょう)」が高森町の廃校に移転し、「ASOケニーズカフェ」として生まれ変わりました。店名にもなったオートバイ元世界王者のケニー・ロバーツさん(64)が駆け付け、27日に開店セレモニーが開かれました。10月からの本格営業に向け、店主の梅田吉一さん(62)と妻亜矢さん(59)は「誰もが楽しめる場所にしたい」。ライダー仲間も熊本地震からの「復興のシンボル」となるように応援しています。

山あいにある高森町河原の旧河原小学校。校舎を入ると、木目調のおしゃれな空間が広がります。大型バイク数台が展示され、バイク好きにはたまらない店です。一方で、テーブルには校舎に残されていた古い文集が置かれ、どこかなつかしい雰囲気も醸し出しています。

「ライダーはもちろん、家族連れや地域の人が集まれる場所にしたい」と、梅田さんは話しています。

バイク好きだった梅田さんは30代半ばで百貨店を退職し、熊本市でバイク店をオープン。8年で店を閉じ会社勤めに戻りましたが、再び脱サラ。今度は亜矢さんが憧れていた阿蘇の古民家に移り、2005年に「茗ヶ原茶寮」を開店しました。

おいしい料理と自家焙煎(ばいせん)のコーヒーが人気となり、店には全国から客が集まるように。手狭になった店を昨年10月に閉め、新たな店舗を探していたところ、旧河原小の校舎が目に留まりました。廃校の活用に前向きだった町から、借り受けることになりました。

移転が決まると、大工や塗装工など手に職を持つライダーが全国から手伝いに来てくれました。「前の店は2人で作ったけど、今度はみんなのおかげ」と亜矢さん。4年前から店を訪れていたケニーさんの名前を店名にしたいと申し出ると、快諾を得たそうです。

27日のセレモニーには、かつての常連客や地域住民など数十人が集まりました。地震で傷ついた阿蘇をツーリング中に参加したケニーさんは「こんなに素晴らしいカフェができてうれしい」とねぎらい、阿蘇復興への期待を寄せていました。

2人は「私たちだけの店じゃない。お客さんや地域のための店にしたい」。営業開始は10月15日を予定しています。

⑪大島紬展、熊本市で!10月2日まで、反物300点など展示・販売!

鹿児島県特産の伝統織物「大島紬(つむぎ)」を紹介する「本場大島紬展in熊本」が、熊本市中央区千葉城町の県伝統工芸館で開かれています。10月2日(日)まで。

創立100周年を迎えた本場大島紬織物協同組合(鹿児島市)の主催。大島紬は、絹糸を織る前に染めて平織りします。分業体制で作られており、軽くて柔らかく、着心地が良いことが特徴だそうです。

会場には、反物約300点のほか、バッグやネクタイなどの小物約200点を展示、販売しています。「高機(たかばた)」と呼ばれる織機を使って絹糸を織る体験コーナー(1回500円)もあります。

午前9時~午後17時(最終日は午後16時)。入場無料。同組合は「多くの人に大島紬の魅力を伝えたい」と話しています。

⑫五家荘で夜神楽楽しもう!観光客回復へ再発見イベント、1日と2日!

紅葉の名所、八代市泉町五家荘で10月1~2日、夜神楽を楽しむ民俗芸能交流会と「五家荘再発見!」と銘打ったシンポジウム(市伝統文化活性化協議会主催)が開かれます。住民組織「五家荘地域振興会」によるイベント「五家荘の日」も2日開催。10月下旬からの紅葉シーズンに向けて盛り上げ、熊本地震で減少した観光客の回復を目指します。

会場は振興センター五家荘(旧泉第七小学校)で、入場無料。芸能交流会とシンポは、江戸時代末に五家荘の自然や暮らしを著書で世に紹介した天草代官所の役人、内藤子興の五家荘訪問180周年を記念しました。

1日午後18時~同20時の芸能交流会では、かがり火をたき、地元の樅木(もみぎ)神楽、葉木神楽、岩奥神楽と宮崎県椎葉村の椎葉神楽が披露されます。2日は朝から「五家荘の日」があり、ご当地ヒーロー「ゴカレンジャー」ショーや樅木、葉木の神楽、抽選会のほか、地元産の野菜やナシ、アユの塩焼き、農産物加工品などを販売。午後13時半~同16時半のシンポでは、平家の落人の踊りと伝えられる「久連子古代踊(おどり)」の後、専門家2人が民俗学や郷土芸能の視点から五家荘の魅力を探ります。

五家荘は地震による大きな被害はありませんでしたが、地震の風評や豪雨による一部の道路の通行止めで、4~7月の宿泊客が昨年より7割減少しました。振興会事務局長の炭尚之(すみたかし)さん(53)は「五家荘の歴史と伝統芸能、自然に触れてほしい」と呼びかけています。

⑬九州FG設立1年、復興支援の取り組み強調!

九州フィナンシャルグループ(FG)は10月1日、肥後銀行と鹿児島銀行の経営統合で設立されて1年を迎えます。上村基宏社長(鹿児島銀頭取)は29日、熊本日日新聞の取材に応じ、熊本地震からの復旧・復興支援にグループを挙げて取り組む姿勢を強調しました。熊本市のJR熊本駅東側に新社屋を建設する方針も明らかにしました。

九州FGは地震後、被災企業の支援や地域経済の復興に向け、政府系や地域の金融機関と共同で4種類のファンドを設立しました。肥後銀が計85億円、鹿児島銀も計40億円を出資しています。熊本城や阿蘇神社など文化財の復興支援でも、2018年までの3年間に計19億5千万円を県に寄付する計画です。

上村社長は「両行が協力する姿勢を保ち、支援を続ける。主体は肥後銀行だが、鹿児島銀行も地元の問題としてヒト、モノ、カネ、情報を提供していく」と意欲を語っていました。

新社屋の候補地は、ホテルニューオータニ熊本が駐車場で利用している約2千平方メートル。両行と関係の深い不動産会社2社が15年9月に取得しています。

上村社長は「建てるなら、そこしかない。災害が起きたときに地元の人たちが避難できる建物にしたい」と説明しました。3~4年以内をめどに5~8階程度のビル建設を検討しているそうです。

肥後銀が所有する福岡市の博多駅近くの土地にもビルを建設し、鹿児島銀の福岡支店を移転する方針も示しました。

⑭サンリブ倒壊「営業できず」近隣業者が損賠提訴!

熊本地震で熊本市東区のスーパー「サンリブ健軍」が倒壊したため、周囲が立入規制され、近隣の飲食業者とその貸店舗の所有者の2人が40日間にわたって営業できなかったとして、サンリブを運営するマルショク(大分市)に計112万円の損害賠償を求め、熊本地裁に提訴したことが昨日29日、分かりました。

提訴は8月16日付け。熊本地震の被害をめぐる訴訟提起が明らかになったのは初めて。

サンリブ健軍は震度7を2回観測した益城町に近い健軍商店街に立地。訴状によりますと、4月16日の本震で倒壊し、撤去作業や二次被害防止のため、飲食店を含む周辺区域が5月25日まで40日間立ち入り禁止となりました。この間、飲食店は営業できず、119万円の損害が発生。この店が入る建物の所有者はテナント6店分の賃料計43万円を得られませんでした。

「サンリブ健軍は築40年以上経過し、耐震補強の必要性を認識していたのに工事を怠った」とマルショクの責任を主張。同社から6月下旬に見舞金として受け取った各30万円を差し引いた上で、弁護士費用を含めた損害額を請求しています。

マルショクは「提訴されたのは残念。弁護士と対応を協議しており、コメントは差し控えたい」としています。

⑮熊本地震に被災マンション法、取り壊しなど要件緩和!

熊本地震で被害を受けたマンションについて、政府は本日30日の閣議で、権利者全員の同意がなくても取り壊しや敷地の売却をできるようにする被災マンション法の適用を決めました。

本来、マンションを取り壊したり敷地を売却したりする際、権利を持つ人全員の同意が必要ですが、被災マンション法の適用を受けると、8割以上の同意で可能となります。

法務省によりますと、熊本市には地震で全壊判定を受けたマンションが19棟ありますが、一部の物件で、連絡が取れなくなったり、取り壊しや売却に反対する権利者がいたりして、対応が滞るおそれがあり、市が被災マンション法の適用を要望していました。

適用される期間は、地震で価値がゼロになったマンションが来月5日の施行から3年以内、価値が半分以下になったマンションが1年以内となっています。

⑯インフルエンザワクチン供給1割減!熊本地震が影響!

今年度の季節性インフルエンザのワクチン供給が減少し、需要との差が187万本と、11年ぶりに100万本台に落ち込むことが厚生労働省の試算で分かりました。ワクチン大手の化学及血清療法研究所(化血研、熊本市)が熊本地震で被災したためで、危機感を抱いた厚労省は病院などに対し、5年ぶりに必要以上の注文を控えるよう通知しました。いまだに入手できず、ワクチン接種を遅らせる医療機関も現れ始めました。

厚労省によりますと、今年度の製造(供給)量は2752万本で、前年度(3072万本)より約1割少なく、2010年度以降では最も少ない数量です。使用(需要)量を前年度と同じ2565万本と見込むと、需給差は187万本と試算されます。例年は200万本以上の余裕があるそうで100万本台になるのは、05年度以来11年ぶりです。

製造量が落ち込んでいる主な原因は、化血研の被災です。国内ではインフルエンザワクチンの製造業者は4社しかなく、このうち化血研は、熊本市北区にあるB型肝炎ワクチンを製造する施設が、熊本地震で天井に亀裂が入るなどしました。同じ敷地にあるインフルエンザワクチン製造施設も運転を停止し、設備点検を余儀なくされました。

厚労省によりますと、ワクチン製造は、完成までに数カ月がかかります。このため、他の3社による急な増産は困難だとのことです。

2.ここ一週間の地震

2016/09/30 05:06 30日 05:02頃 熊本県天草・芦北地方 1

2016/09/30 04:51 30日 04:48頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/30 04:06 30日 04:03頃 十勝地方南部 1

2016/09/30 01:54 30日 01:51頃 奄美大島近海 1

2016/09/30 01:13 30日 01:10頃 奄美大島近海 2

2016/09/30 00:48 30日 00:45頃 奄美大島近海 1

2016/09/29 22:54 29日 22:51頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/29 21:01 29日 20:57頃 福島県沖 2

2016/09/29 19:01 29日 18:58頃 茨城県沖 1

2016/09/29 18:01 29日 17:58頃 熊本県熊本地方 2

2016/09/29 12:46 29日 12:42頃 熊本県熊本地方 2

2016/09/29 12:25 29日 12:22頃 沖縄本島近海 3

2016/09/29 10:28 29日 10:24頃 北海道西方沖 1

2016/09/29 04:57 29日 04:53頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/29 01:38 29日 01:33頃 択捉島南東沖 1

2016/09/28 21:30 28日 21:26頃 茨城県南部 1

2016/09/28 18:41 28日 18:38頃 与那国島近海 2

2016/09/28 10:34 28日 10:31頃 鳥取県中部 3

2016/09/28 10:28 28日 10:25頃 鳥取県中部 2

2016/09/28 10:24 28日 10:20頃 鳥取県中部 2

2016/09/28 05:47 28日 05:44頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/28 03:00 28日 02:56頃 長野県南部 3

2016/09/27 18:04 27日 17:58頃 熊本県天草・芦北地方 1

2016/09/27 14:55 27日 14:52頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/27 14:46 27日 14:42頃 岩手県沖 1

2016/09/27 11:32 27日 11:29頃 兵庫県南東部 1

2016/09/27 04:05 27日 04:02頃 岩手県沖 1

2016/09/26 21:38 26日 21:35頃 鳥取県中部 2

2016/09/26 21:18 26日 21:14頃 鳥取県中部 2

2016/09/26 14:25 26日 14:20頃 沖縄本島近海 5弱

2016/09/26 14:18 26日 14:13頃 浦河沖 4

2016/09/26 11:29 26日 11:24頃 浦河沖 3

2016/09/26 06:20 26日 06:16頃 茨城県北部 1

2016/09/26 05:44 26日 05:40頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/26 04:12 26日 04:09頃 佐渡付近 1

2016/09/26 04:05 26日 04:01頃 佐渡付近 2

2016/09/25 22:59 25日 22:56頃 兵庫県北部 2

2016/09/25 21:14 25日 21:10頃 兵庫県北部 2

2016/09/25 20:51 25日 20:48頃 兵庫県北部 3

2016/09/25 13:15 25日 13:11頃 千葉県東方沖 1

2016/09/25 13:06 25日 13:03頃 津軽海峡 2

2016/09/25 03:03 25日 03:00頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/24 21:07 24日 21:03頃 宮城県北部 1

2016/09/24 17:03 24日 16:59頃 秋田県内陸北部 1

2016/09/24 15:14 24日 15:10頃 茨城県北部 2

2016/09/24 04:31 24日 04:28頃 静岡県中部 1

2016/09/23 23:11 23日 23:08頃 千葉県南部 1

2016/09/23 20:45 23日 20:41頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/23 12:13 23日 12:08頃 トカラ列島近海 1

2016/09/23 12:05 23日 12:02頃 トカラ列島近海 2

2016/09/23 09:21 23日 09:14頃 関東東方沖 1

2016/09/23 08:32 23日 08:28頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/23 03:59 23日 03:55頃 内浦湾 1

(続く)

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