【連載194】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?

10月24日月曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

*下記熊本情報はあらゆる箇所で重複しています。ご了承ください!

皆様こんにちは。東京オリンピックの影響が熊本にも出ています!熊本県は21日、熊本地震の被災者に「みなし仮設住宅」として提供される民間賃貸住宅の補修費支援について、12月13日までとしていた工事の完了期限の延長を決めました。修理事業者不足で期限までに工事が終わらない事態に対応します。完了期限は今後の申請状況などを見て改めて設定します。

災害救助法に基づきみなし仮設の補修費を支援するのは、熊本地震が初めて。みなし仮設として被災者が入居する物件に限り、1戸当たり57万6千円を上限に、壊れた床や外壁、屋根、階段などの補修費を国と県が負担します。

10月20日現在、補修完了後にオーナーや管理者が提出した補修費支援の申請件数は441件。県は補修すればみなし仮設に提供できる物件を5月末時点で3833件と見込んでいました。県すまい対策室は「見込みから推測すると申請状況は低調」として、工事の集中で事業者を確保できないことが一因と判断し、工事完了期限の延長を決めました。

延長に伴い、補修支援を受ける場合は事前に申請するよう変更。この受付期限を12月13日に設定しました。同日までに工事を完了できない理由や被災者の入居日、補修の完了予定日などを申し出る必要があります。

熊本地震発生からの検索データの推移を見てみますと、半年間で多くの言葉が浮かんでは消えています。現職の熊本県知事であり、データから政治を読み解く政治学者でもある蒲島郁夫氏に、インターネット検索大手ヤフーの検索データを分析してもらいました。

◆「潜在的な関心は今も高い」

「まず、熊本と全国の違いが明快ですよね」。

蒲島知事が指したのは、【熊本地震】と検索された数の推移を示したグラフ。全国からの検索数は、地震1週間後から急落しています。

「最初の2週間くらいは、全国民が熊本の困難に共鳴をした。熊本のために何かをしたいという気持ちをもっていた。それがだんだん風化していった。全国の関心は、やっぱりひと月は持たないですね」。

「メディアの影響もあると思います。まずマスメディア自身が震災情報に飽きてきた。そして『読者・視聴者も飽きているに違いない』と思うようになった。でも全国的には、潜在的な関心は今も高いと思っています」。

「たとえば私が全国知事会に行くと、知事さんたちの熊本地震への関心は非常に高い。その関心はどこからくるかというと、熊本には地震がないと日本中の人が思っていたのに、きた。今まで地震をひとごとのように思っていた人も、『自分の街にも地震がくるかもしれない』と、自分ごととして思っているのでしょう」。

◆熊本での検索数、再建の困難さ示す

一方で、熊本県内から検索された数を追ったグラフは、5月まで高い数値を保っています。

「4月の熊本の検索数の多さは、人々が生活関連情報を求めたということだと思います。日常生活に関する情報のニーズって、問題が解決すると、もう検索されなくなる。4~5月の異様な検索数の多さは、日常生活が壊れた時に、それを戻すのがいかに難しいのかを表しています」。

「震災には、たくさんのフェーズがあります。まず直後は人命救助。そして食料や水、その後、避難所の確保、避難所の快適性の問題。その次が仮設住宅。いま熊本は仮設住宅のフェーズです。地震発生から6か月たって、熊本もこれだけ検索数が少なくなったということは、異常な事態が終わり、壊れた日常生活が元に戻りつつあるということだと思います」。

◆「入浴」「泥棒」、多岐にわたる関心

次に、【熊本地震】という言葉と一緒に検索された言葉、「第2ワード」を、月ごとにみてもらいました。

「全国的な傾向は、ずっと同じですね。募金やボランティアといった、支援をしたいという気持ち。ただ、弱くなっていくだけ」。

「一方の熊本は、状況によって動くんですよね。たとえば4月は、日々の生活をいかに保つのかという状況でした。一緒に検索された言葉を見ると、【入浴】だったり【泥棒】だったり、ものすごく多岐にわたっているし、検索された言葉の種類も多い。行政は、震災の初動で、この複雑なニーズに応えなければならなかったわけです。初動というのは、本当に難しい」。

「ハーバード大学の政治学者のサミュエル・ハンティントン教授が『ギャップ仮説』という理論を出しています。期待値と実態の差が不満になるというもの。だから災害対応では、人々の期待値がまだ小さいうちに、先に実態を充実させていかないといけない。たとえば、最初期の人命救助の時期は、人々は、食べ物や水よりも、まずは『助かってよかった』と思っている。その時にいち早く食べ物や水を届ける。ただ、初動で期待を常に上回ることがいかに難しいかは、この複雑なニーズが現れた4月の分布図からもわかると思います」。

◆「踏ん張れるぞ」を示す検索語

5月に入ると、【り災証明】や【補助金】、【義援金の配分】、【ボランティアの状況】といった言葉が増えています。

「これらは支援を受ける『受援』の要望ですね。そして6月になると生活再建。生活再建というのは、ふたつあるんです。ひとつは住まい。もうひとつは経済。経済の再建の方で言うと、熊本地震の特徴は、倒産が少ないことです。この6か月で4件だけです」。

「なぜかと言うと、『グループ補助金』という支援策を政府が打ち出したんです。中小企業の支援策で、地域内の複数の事業者で一緒に公費補助を申し込める制度。県が説明会をやったのが6月です。ものすごくたくさんの人が説明会に来ました。6月の検索ワードで、まさに上がっていますね」。

「検索が増えたということは、『この制度を使いたい、どうやったら使えるのか』と自ら調べにいったということ。こういう政策は、単に行政から下ろすだけではあまり効果がない。支援を受ける方が発奮して、『これを使えば踏ん張れるぞ』と参加していくことで補助金は生きてきます。6月に【グループ補助金】という言葉が入っているということは、みんなの目が生活再建のうち、経済の再建に向き始めたということだと思います」。

◆「半壊」は6~8月に多く

もうひとつの生活再建である「住まい」では、【罹災証明】や【半壊】といった公費補助につながる単語が、6~8月に多く検索されています。

「全壊や半壊と判定する『罹災証明』は、ちょっと混乱した時期がありました。半壊と一部損壊では全然違うんですよ。半壊だと義援金も有利ですし、(5月末に県が出した方針で)条件付きで仮設住宅にも入れるようになった。だから、それを調べようと思った人たちが出てきているんですね」。

◆検索データを活用する道

今回は、検索というビッグデータを使い、熊本地震後の人々のニーズを検証した。今後の行政に、活用する道はあるのでしょうか?

「可能性はあると思いました。たとえば『風呂がない』とか、人々のニーズがリアルタイムでわかれば、行政も対応ができます。災害直後の混乱した時期に、想定外のことに対応していくのはとても大事なので、そのためにはやはり情報が必要です。たとえば情報分析官とか、人々のニーズを分析し、行政の中枢に伝える役割の人をおいてもいいと思う」。

「それから、データから熊本県と全国との関心の違いを知ることができる。これは、永田町・霞が関と、被災地の違いに似ているかもしれません。こうしたデータを見ることで、両者の差を縮める作業を考えられる」。

◆過去の大地震と合わせたデータ分析を

さらに、蒲島知事は、過去の大地震と合わせたデータ分析を提案します。

「検証は、次にどう生かすかが大事。日本は近年、大きな地震を経験しています。阪神、中越、東日本、熊本。それぞれにビッグデータがあります。同じなのはどこか、違いはどこか。それが分かれば次に生かせます。災害後、どのタイミングでどんな期待値が高まるのかを知ることができれば、行政の対応力の向上につながると思います」。

1.被災地情報

①『ワンピ』熊本復興支援が始動

人気アニメ『ONE PIECE』の熊本復興プロジェクトの詳細が、きょう24日発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)47号で、明らかになりました。今年4月の熊本地震により、甚大な被害を受けた熊本を元気にするべく『ONE PIECE』と県内の各自治体が協力して、5つの『ONE PIECE熊本復興プロジェクト』がついに始動します。

プロジェクト内容は、被災した熊本城の復興を応援する『熊本城復興応援プロジェクト(熊本市)』、被害の大きかった益城町に1万円以上の「ふるさと納税」を集う『益城町ふるさと納税』、海のまち上天草市をスタンプラリーで冒険する『とことん楽(タノ)SEA観光スタンプラリー』や『復興列車&スタンプラリー』などが展開されます。

参加者には、同県出身であり原作者の尾田栄一郎氏が、プロジェクトのためにイラストを描き下ろした、限定グッズなどを贈呈。なお、プロジェクトの最新情報は今後「ONE PIECE.com」にて随時公開します。

半年前の4月20日に尾田氏は、主人公、モンキー・D・ルフィや同県のPRキャラクター・くまモンの絵を添え「子供達に、1番に笑ってほしい! そしたら大人は頑張れるんだ!! 今、まだ民間から手をだすのは難しいですが、必ずや復興のお手伝いさせて頂きます。どうかフンバってください!!」と誓い、ルフィも「フンバれよー!!」「必ず行くぞーー!!」と約束していました。

◆『ONEPIECE熊本復興プロジェクト』

◎熊本城復興応援プロジェクト<熊本市>

開催期間:11月1日(火)~2017年3月31日(金)

被災した熊本城の復興を応援。1万円以上の寄附をすると“復興城主”となり、城主証と城主手形(提示により、熊本市内で特典を受けられる優待証)とともに、尾田氏の描きおろしイラストを使用した『ONE PIECE』限定グッズ(クリアファイル、ポストカード、ステッカー ※各1枚)がセットでもらえます(※限定グッズは数に限りがあるため、なくなり次第配布終了)。

◎益城町ふるさと納税<益城町(ましきまち)>

開催期間:12月1日(木)~

熊本地震でも被害の大きかった益城町に、1万円以上の「ふるさと納税」をした方が対象。熊本復興プロジェクト描き下ろしイラストグッズを返礼品としてプレゼント。グッズの詳細は今後発表。※限定グッズはなくなり次第終了

◎『ONE PIECE』復興列車&スタンプラリー

熊本県阿蘇郡高森町を走る南阿蘇鉄道と、球磨郡湯前町を走るくま川鉄道がルフィの車内アナウンスが流れる『ONE PIECE』ラッピング列車に変身して運行。列車に乗車した方に、高森町・湯前町の風景を描いたカードをプレゼント。

南阿蘇鉄道/開催期間:11月27日(日)~2017年2月28日(火)※毎日運行

くま川鉄道/開催期間 10月29日(土)~2017年2月26日(日)※土日祝のみ運行・要予約

高森・湯前スタンプラリー<高森町(たかもりまち)・湯前町(ゆのまえまち)>

開催期間:10月29日(土)~2月28日(火)まで

高森町・湯前町ポイントのうち2ヶ所を回りスタンプを押すと、もれなくオリジナルステッカーをプレゼント。また、上天草市で同時開催中の「とことん楽SEA観光スタンプラリー」の拠点、「天草四郎メモリアルホール」、高森町のラリー拠点「高森町湧水館」、湯前町のラリー拠点「湯前まんが美術館」のスタンプをそろえると3市町オリジナルステッカーが贈られます(景品がなくなり次第終了)。さらに、高森町湧水館、湯前まんが美術館では『ONE PIECE』のイラストや台本、フィギュアなどを展示。(期間中は入館無料)

※スタンプラリー拠点は、高森町湧水館、湯前まんが美術館で、プレゼントの交換は、湯前まんが美術館、高森湧水トンネル公園入口で実施。

◎とことん楽(タノ)SEA観光スタンプラリー<上天草市(かみあまくさし)>

開催期間:11月12日(土)~2017年2月28日(火)

海のまち上天草市をスタンプラリーで冒険。天草四郎メモリアルホールを中心に、市内6ヶ所の観光ポイントを巡り、スタンプを集めると特産品やTシャツ、ステッカーなどが抽選で当たります。また、高森町・湯前町で同時開催中のスタンプラリーの拠点のスタンプをそろえると3市町オリジナルステッカーをプレゼント。

◎ショウワノート チャリティグッズ<全国>

期間:2016年12月~期間限定

ショウワノートから、くまモンと“ミニ麦わらの一味”イラストを使用したチャリティグッズが発売。収益の全額は熊本へ寄付。

②済生会熊本病院で大規模災害訓練

県の災害拠点病院に指定されている済生会熊本病院(熊本市南区近見5丁目)で昨日23日、熊本地震後初の大地震を想定した災害訓練がありました。病院関係者や消防隊員ら約340人が参加しました。

八代地域を震源とした最大震度7の地震が発生したとの想定で、消防隊員らが扮する「患者」約80人が同院に運ばれ、正面玄関やホールで治療の優先順位を決めるトリアージをされ、応急手当てを受けました。

同病院では、熊本地震の本震が発生した4月16日に300人以上の救急患者を受け入れました。職員の配置や指揮に課題が残り、今回の訓練では本部の立ち上げや職員が集まった際の受付手順の確認と配置の訓練に特に力を入れたとのことです。同病院の前原潤一・救急救命センター長は「細かい部分の課題は見つかったが、(訓練を)繰り返すしかない」と話していました。

③ちびっこ妙見祭にぎわう!後継者育成目指す

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産登録を目指す八代妙見祭の後継者を育成するため、保存振興会(浜大八郎会長)などが取り組む子どもたちの「ちびっこ妙見祭」が昨日23日日、八代市の本町商店街でありました。

獅子舞や、妙見神を載せて海を渡ってきたという伝説がある想像上の動物「亀蛇(きだ)」(愛称ガメ)などの行列のほか、約80人の幼稚園児による「がめさんダンスカーニバル」があり、大勢の人出でにぎわいました。

獅子舞で獅子をあやす役をした小学4年の守田貴哉君(9)は「6年生までやって、伝統を継いでいきたい」。11月23日の本番の妙見祭で獅子を舞う宮本幸一郎さん(36)は「子どもたちに伝えて祭りを盛り上げたい」と意気込んでいました。

➃「震災体験」の絵も!熊本の画家、福岡で展示

熊本市在住の画家、青柳綾さん(39)の絵画が福岡・天神の岩田屋本館正面入り口で展示されています。熊本地震を受けて、岩田屋から「熊本の復興に」と提案があり、青柳さんに白羽の矢が立ちました。地震の体験をモチーフにした絵もあり、独特の画風の約20点が並びます。明日25日まで。

「あめつち」は、大地に根を張った木と、地面に座り込んで肩を寄せ合う親子3人を温かいタッチで描いた油彩画。「地震の後、植物の生命力と、支えあって生きなければならない人間を思い、対比させてイメージした」と青柳さん。「あめつち」は「『天と地』の意味で、生きることはどういうことか考えて描いた」と語ります。

「共に」は、南太平洋の島で笛を吹く男女の絵です。太平洋戦争の激戦地、ペリリュー島(パラオ共和国)とタイを訪れた際に目にした風景や物などを絵に落とし込みました。「共に」は「島の歴史や、そこに生きる人たち、平和など『共に』あることへの願いを込めた」。

展示は、熊本地震を受けて「熊本の作家のものを展示できたら」と岩田屋から取引業者に依頼があり、実現。定期的に描いているというカラーの花の絵や街並みなど多彩な絵が並んでいます。青柳さんは20代後半から独学で絵を描き始め、「ずっと見ていたいと思え、(見る人の)心に残る一枚を描きたい」と語っています。

⑤阿蘇観光、復興道半ば!訪日外国人の客足戻らぬまま

熊本地震から半年を経た熊本観光の顔「阿蘇」への客足の回復が道半ばだ。国の助成で宿泊費などが割引になる「九州ふっこう割」の効果で国内客は戻りつつありますが、インフラ復旧が終了しておらず国際便の運休も続くなか、外国人客は落ち込んだままです。被災場所に案内するツアーなど新たな取り組みも始まりました。

◆バスの団体客が減少

熊本県阿蘇市のJR阿蘇駅。17日朝に到着した大分・別府発の九州横断特急から降りたのはスイス人の男女2人だけでした。

JR豊肥線の阿蘇―肥後大津間が不通のため、熊本から別府に回り、2日がかりできたそうです。この女性は「熊本からの代替バスが分からなかった。ゆっくり阿蘇に滞在しようと思ったのに残念」と語り、草千里行きのバスに乗り込みました。

阿蘇駅の改札横にある市観光協会の案内所は、昨年度1年間で1万3千人余の外国人が訪れました。協会によりますと、今は1日数組だそうです。

阿蘇の司ビラパークホテル(阿蘇市黒川)の9月の宿泊客は例年の半分以下の4千人弱。海外客を含むバスの団体客が減っています。

水田浩二営業本部長(35)が特に感じるのは交通網の影響です。土砂崩れで通行止めが続く国道57号の迂回路、ミルクロードは度々渋滞が起きます。「時間が測れない行き先は旅程に組みにくい。観光復興には57号の復旧が欠かせない」。

阿蘇山前の草千里ケ浜へのアクセス路となる県道の通行止めは9月に解除されましたが、急な解除だったため数カ月前にコースを決めて売り出すツアーの客が戻るには時間がかかるとみています。

3便あった熊本空港の国際定期便は地震後に運休しました。台湾・高雄便は再開しましたが、ソウル便と香港便は再開の予定が決まっていません。県交通政策課の担当者は「両便の再開の要望を続けている」と話しています。

地震後にキャンセルが相次いだ黒川温泉(熊本県南小国町)では、ふっこう割の利用が始まった7月以降、週末は満室の旅館が増えました。黒川温泉観光旅館協同組合は「ふっこう割効果で9割まで回復した」とみています。ただ、年明け以降のふっこう割が未定のため、その後は「不透明で懸念もある」。

熊本県は2012~15年度の観光立県推進計画で、阿蘇と熊本城を観光ブランドの中心に据えました。14年の県観光統計では、県内の宿泊客数約692万人のうち熊本市が36%、阿蘇地域(阿蘇市、小国町、南阿蘇村など)が28%でした。特に県の外国人宿泊客数は前年比14%増の約48万4千人。15年には目標の60万人を達成したと県はみています。

阿蘇市観光課によりますと、外国人宿泊客は14年の約8万5千人から15年は約14万9千に伸びました。

ところが今年4月に熊本地震が発生。県観光課によりますと、復旧・復興作業にかかわった人や避難者の宿泊などで4~6月に県内の主な宿泊施設に泊まった国内客は8%減の約29万人にとどまりましたが、海外客は60%減の約4万人。集計中の7~9月も海外客は大きくは回復していないそうです。

◆復興支援ツアーの動きも

新たな動きも出ています。阿蘇温泉観光旅館協同組合は9月から、震災で楼門や拝殿が崩れた阿蘇神社などの被災場所に宿泊客を案内する「復興支援ツアー」を始めました。

市観光協会事務局長でもある松永辰博さん(52)がガイドするツアーの目玉は大きな地割れができた自身の田です。「地元の元気を伝え、お客さんに喜んでもらいたい。震災を風化させないことにもなる」。

阿蘇神社には夏以降、参拝客が戻ってきました。権禰宜の内村泰彰さん(38)は「復興支援ツアーで来た人も多いのでは」と話しています。

阿蘇神社は地震後に公式ホームページを立ち上げ、フェイスブック(FB)や動画サイトのユーチューブで情報発信を始めました。担当は3月まで東京でテレビ番組の制作などをしていた中島昌彦さん(35)。神社近くの実家に戻っていた時に地震に遭いました。全国に神社や門前町の人々の声を届けようと提案し、英語版や台湾語版もつくりました。

4月末の最初のFBの発信は46万人に届き、数万回再生されている動画もあります。中島さんは「頑張っている姿を発信し、多くの人を阿蘇に引きつけたい」と話しています。

⑥暮らしの喜び、悩み…「町外からも気軽に」!益城町で「災害FM」

益城町が熊本地震後に開設した災害FM局「ましきさいがいエフエム」が、住民から寄せられたメッセージやリクエスト曲を放送しています。これまでの生活情報に加え、被災者の喜びや悩みを分かち合う新たな試みです。

同局は町が用意した原稿をボランティアが読み上げ、り災証明書の交付や災害ごみ置き場などの情報を発信。親しみやすい番組にしようと、8月上旬にリクエストコーナーを設けました。内容は週1回更新し、毎時30分から20分程度放送しています。

ボランティアでパーソナリティーを務める同町惣領の主婦吉住英子(えいこ)さん(69)は「『地震後に息子家族と暮らし始め、にぎやかになった』という投稿があった。同じ町民の前向きな姿に励まされた」と話しています。

毎回の投稿は3~5件とまだ少なく、宮園の司会業木下知香(ちか)さん(49)は「仮設住宅の悩み、町外からの応援などを気軽に送ってもらい、生活情報とともに元気も発信したい」と投稿を待っています。

ラジオの周波数は89.0メガヘルツで町内で受信できます。スマートフォンアプリ「災害FM」を使えば、町外でも聞くことができます。投稿はアプリかメールで。mashiki890@gmail.com

⑦阿蘇神社、にぎわい戻る!「ふっこう割」呼び水に

熊本地震で大きな被害を受けた阿蘇市の阿蘇神社が、にぎわいを取り戻している。多くの参拝客が連日訪れ、案内役のボランティアガイドも大忙しです。ガイドの予約は、阿蘇中岳の噴火後も例年の2倍を超え、「復興に向かっている」と関係者は実感しています。

心地よく晴れた10月中旬。阿蘇神社の駐車場には平日にもかかわらず、車や観光バスが次々に到着しました。「この楼門は日本の三大楼門に数えられます。本震で倒壊しましたが、前震に耐えました。6年ほどで復旧する見込みです」。ボランティアガイドの中村幸典さん(82)は地震発生前の写真も使い、約30人の団体客に語りかけました。

説明に耳を傾けた熊本市の福島通安さん(82)は「ガイドさんの話で理解が何倍も深まる。火山灰も心配だったが、大丈夫そう」と笑顔を見せました。

同神社は実数を把握していませんが、参拝客は地震で減少した後、宿泊費が割り引きになる「九州ふっこう割」が7月発売されたのを機に回復。池浦秀隆権禰宜(ごんねぎ)(44)は「支援の輪が広がったおかげです」と喜んでいます。

同時に、一の宮町インフォメーションセンターが手掛けるボランティアガイドの予約も急増。同センターによりますと、1カ月間の案内数は8月が762人、9月は1802人に倍増しました。昨年最も多かった11月の774人と比べても、今秋の多さは際立ちます。10,11月も「ふっこう割」の第2弾が呼び水になり、それぞれ千人超の予約が入っているそうです。

ボランティアガイドは2003年に始まりました。現在は4人が主に県外の団体客に、神社や建造物の歴史、門前町商店街などを紹介。代表の石崎義彌さん(81)は「地元の心の拠り所である神社を見てほしい」とPRしています。

ただ、予約の急増に伴ってガイド不足が悩みの種になりました。いまは4人がフル稼働し、休日は案内を2~3回繰り返します。それでも、これまでに数十件の予約を断ったほどで、同センターは「十分に対応できずに心苦しい」と恐縮しています。またガイドは70代が2人、80代が2人で、高齢者に頼っている点も課題です。

このためインフォメーションセンター以外で、ガイドを充実させる動きが出てきました。阿蘇神社は常駐のガイドセンター(仮称)を設けようと、人材確保に向けて関係者と調整中だそうです。地元の一の宮中は「子どもガイド」育成を開始。9月に生徒2人がデビューし、参拝客に好評とのことです。

石崎さんは「次世代のガイドを育てる意義は大きい。多くの人が阿蘇神社の観光を担ってほしい」と期待しています。

⑧インド舞踊で笑顔咲く 大津町の被災者が挑戦

熊本地震の被災者に笑顔を届けようと、東京や熊本で活動する舞踊家の安延佳珠子さん=東京=が22日、大津町の南出口仮設団地集会所でミニ公演。入居する南阿蘇村立野地区の住民ら約20人と一緒にインド舞踊を楽しみました。

インド大使館の文化センターで講師を務める安延さんは、ピンクに水色の民族衣装サリーで登場。参加者は、手の指で花や鳥を表現しながら、手足や腰をあでやかに動かす幻想的な踊りに見入っていました。

最後は参加者全員で、安延さんから教わった通りに手足を動かしながらインド舞踊に挑戦。曲に合わせて懸命に踊り、歓声を上げていました。

安延さんは「みんな踊りが上手なので驚いた。踊っていると自然と笑いが出て、笑顔になってもらえて良かった」と汗を拭っていました。

⑨れんこん万十、復興に力 修復費確保へ販売開始、宇城市

宇城市の小川町商店街にある交流施設「風の館・塩屋」で、地元の女性グループが「れんこん万十(まんじゅう)」の販売を始めました。熊本地震で、旧商家を活用した施設は白壁が崩れるなど被災。女性たちは「特産品を売って建物修復につなげたい」と張り切っています。

塩屋は明治期の旧商家。2001年に住民グループが修復し、予約制で食事を提供したり、ミニコンサートや展示会を開いたりしてきました。

塩屋を運営する森田加代子代表(65)と冨士田シゲ子さん(81)によりますと、4月の地震で施設の瓦や天井、白壁などが破損。国や県が復旧費用を支援する「グループ補助金」を活用して修復する計画ですが、数百万円の自己負担が必要だそうです。

自己資金確保のために販売を始めた「れんこん万十」は宇城産のレンコンや白玉粉などが材料で、市商工会が2年前に開発した特産品。これまでも塩屋の女性スタッフらが手作りし、物産展などに出荷していましたが、9月下旬からは塩屋での販売を始めました。

同商店街では塩屋をはじめ伝統的な建物が10軒ほど被災しましたが、建築士を招いて修復の勉強会を開くなど、町並み保存に力を入れています。

塩屋の森田代表らは「れんこん万十は復興に向けたシンボル。販売を増やし、古い建物を守ることで商店街の活性化につなげたい」と話しています。塩屋TEL0964(43)6191。

⑩熊本工-松山商の名勝負!OBが20年ぶり再会!“再戦”は…

1996年の全国高校野球選手権決勝(甲子園球場)で、「奇跡のバックホーム」と語り継がれる名勝負を繰り広げた熊本工と松山商(愛媛)の当時の選手たちが22日、熊本市中央区の藤崎台県営野球場で20年ぶりに再会しました。雨で予定されていた試合は中止となりましたが、当時のユニホームに身を包んだメンバーらは昔話に花を咲かせました。

当時、延長十回裏1死満塁の三塁走者としてサヨナラの生還を阻まれた星子崇さん(38)=熊本市=と、好返球をした松山商の右翼手・矢野勝嗣さん(38)=松山市=が中心となり企画しました。

中止となった“再戦”の代わりにバックネット裏の観客席で、ファンら約300人を前に急きょイベントを開催。松山商監督だった澤田勝彦さん(59)=松山市=が「熊本の皆さんに歓迎されて気持ちは晴れ晴れ感激しています」とあいさつ。熊本工の1年生で九回裏に同点本塁打を放った澤村幸明さん(36)も東京から駆けつけ「またホームランを打てるか心配していたので、(中止で)ほっとした」と笑わせていました。

熊本工吹奏楽部のOBらが両校の校歌や応援曲などを演奏して盛り上げました。売上金の一部を震災復興に充てる「20年目の奇跡」と記したTシャツ(3000円)は約200枚売れました。

この日の“再試合”も両チームで約束しました。星子さんは「1カ月後に熊本で。詳しい日時や場所は早く決めます」と話していました。

⑪中越地震から12年!新潟の教訓を熊本へ

新潟県中越地震の経験を通して熊本地震の復興について考えるシンポジウム「中越から熊本へ」が22日、新潟県長岡市の長岡震災アーカイブセンター「きおくみらい」でありました。西原村の内田安弘副村長らが出席し、今後の復興の在り方や課題を探りました。

中越地震発生から12年を迎えるのを機に、新潟の復興モデルを熊本の被災地に生かそうと、官民協働による新潟県の支援組織「チーム中越」が主催しました。熊本側の4人を含め計12人が議論しました。

明治大大学院の中林一樹(いつき)特任教授は、公的支援が乏しいソフト事業などの財源となった中越地震の復興基金をめぐり、「基金による復興支援員を活用し、埋もれがちな住民ニーズを拾い出すことで、きめ細かな対応ができる」と話しました。

内田副村長は村の被災状況を説明し、「日ごろのコミュニティーの関係性が質の高い避難生活につながった。集落の力に助けられた」と報告。長岡技術科学大の上村靖司(かみむらせいじ)教授は「野焼きなどの共同作業、伝統文化によって、地域の防災力が高まっている」と評価しました。

災害報道に関して、長岡造形大の平井邦彦名誉教授は「中越では新潟日報が地域の応援団になってくれた。マスコミが大学とタッグを組むことも必要だ」と話し、地元紙の役割の重要性を指摘しました。

中越地震は2004年10月23日に発生し、最大震度7を記録。中山間地域で土砂崩れなどが多発し、68人が犠牲になりました。

⑫一部損壊にも義援金!益城町長が独自に配分意向

益城町の西村博則町長は、22日まで計7回開いた住民意見交換会で、公的支援がほとんどない住宅の一部損壊世帯に、町に寄せられた義援金を独自に配分する意向を示しました。

町によりますと、町への義援金は総額約8億5千円に上ります。配分対象は一部損壊以上の全世帯とする方針で、配分額や時期などは今後決めていきます。

一部損壊世帯への義援金は、県と県内45市町村が一定の条件を満たした場合に支給すると決めました。県や日本赤十字社に寄せられた義援金を財源に、県が配分の具体的な基準などを検討しています。

⑬県道拡幅に質問相次ぐ!益城町で復興計画骨子意見交換会

熊本地震で大きな被害を受けた益城町の復興計画骨子に関する住民意見交換会は22日、全ての日程を終えました。町中心部を横断する県道熊本高森線の拡幅見通しに質問や意見が相次いだほか、市街地と集落部の格差拡大を懸念する声も目立ちました。

町は12日、将来像や復興に向けた取り組みを示した復興計画骨子を決定。17~22日に地区別の意見交換会を計7回実施し、延べ533人が参加しました。

町が骨子に明記した県道熊本高森線の拡幅については「沿線には住宅や店舗が連なっている。本当に拡幅できるのか」「拡幅する範囲や時期などを早く示してもらわないと、住宅を再建する場所が決められない」との意見が上がりました。

市街地と集落部に分けた土地利用の構想については「そもそも分ける必要があるのか」「さらに二極化が進むのではないか」と危惧する声がありました。被災した学校給食センターの早期復旧、企業や工場の誘致推進を求める意見もありました。

意見交換会を終え、西村博則町長は「地域ごとにさまざまな意見があった。県道沿線の住民にとって拡幅見通しは切実な問題。早期に示せるよう引き続き県に強く要望する」と述べました。

町は11月上旬に復興計画素案を作成。素案に対する意見を募り、12月にも復興計画をまとめます。

⑭明治大校友会熊本県支部が6高校に義援金300万円

19日、明治大卒業生でつくる県支部が熊本地震の支援金として済々黌高など6校にそれぞれ50万円を贈りました。全国の支部などから寄せられた約360万円から、同大に10人以上の在校生がいる出身高校への寄付を決めました。中央区のホテルであった贈呈式では、高宮宏支部長が「学校施設の補修や破損した図書の補充に使ってほしい」とあいさつ。済々黌高の飯田裕副校長は「趣旨に沿い大切に使いたい」と謝辞を述べました。

⑮阿蘇神社の拝殿、楼門など本格復旧へ、11月1日から

熊本地震で甚大な被害を受けた熊本県阿蘇市の阿蘇神社は11月1日、倒壊した拝殿や国指定重要文化財の楼門などの本格的な復旧工事を始めます。今月31日に境内の仮拝殿で安全祈願祭を開きます。

倒壊した楼門は全解体、比較的被害の少ない神殿など5棟の国重文は部分解体して修復します。11月から来年3月までに足場を組み、通年行事「阿蘇の農耕祭事」に支障を来さないようにして解体、復旧作業を進めていきます。

今月中に、境内の関係者用駐車場にプレハブの2階建て格納庫2棟を建設。解体後の部材を運び込み、損傷具合などを調べます。最も部材が多い楼門の調査は2018年度に終え、22年度中の復旧を目指します。他の国重文は17年度までに修復予定。

未指定文化財である拝殿の再建計画は策定中。倒壊による部材の痛みが激しいため、再利用せず年内に撤去します。年末年始に備え、跡地には仮設の参拝所を用意します。同神社は「部材の一部は保存を検討しているが、譲渡や売却などはしない」と話しています。

⑯熊本城保存活用委が地震後初会合、管理計画来年度改定へ

熊本城跡保存活用委員会(委員長・平井聖東京工業大名誉教授)の2016年度第1回会合が21日、熊本市教育センター(同市中央区)でありました。見直しを進めていた「特別史跡熊本城跡保存活用(管理)計画」は、熊本城復旧基本計画と合わせ、予定よりも1年遅れの17年年度末にまとめることを申し合わせました。

熊本地震発生から初めての会合で、同市が熊本城の被害状況や経過を報告。「天守閣の早期復旧」「文化財的な価値を損なわない」「過程の段階的公開」など、復旧の基本的な考え方について説明しました。

⑰「七転び八起き」で復興を!群馬の中学が“だるま”寄贈

熊本地震で被災した熊本県益城町の益城中を励まそうと、群馬県高崎市の寺尾中から「七転び八起き」の縁起物として知られる高崎だるま3体が届きました。

まゆが鶴、ひげが亀を表した高崎だるまは高さ約50センチ。正面には「夢」「笑顔」「希望」の文字が躍り、背面には「復興を心から願っています」「全力で応援します」など全校生徒279人のメッセージがびっしりと書き込まれています。

益城町で地震の支援活動に当たった寺尾中の前PTA会長の体験談を聞き、生徒が「自分たちも何かできることをやろう」と発案。13日に届きました。

益城中生徒会長の吉川暉眞(きしん)さん(15)は「一つ一つの言葉が温かく、元気をもらった。地震を乗り越えたい」と感謝しました。

だるまには目を入れず、校舎の玄関などに飾ります。松本正文校長は「益城町が復興を遂げた時、だるまを開眼させてほしい」と思いを託しました。

委員からは「考え方の前に、被災の原因究明を明確にするべきだ」「残った石垣も寿命が一気に縮まっている。災害と共存する意識が必要」「建造物において、重要文化財と復元とは別々に修理の検討を」などさまざまな意見が出ました。

また委員会内の5部会のうち、史跡と建築は17年度に改編。「文化財修復検討部会(仮称)」として、石垣と建造物の修復方針を専門家の立場から検討します。次回は本年度末に開く予定。

同委員会は県内外の有識者20人で組織。1982年度に策定された保存管理計画について、4年前から改定を検討してきました。

⑱あか牛の灯消さぬ!南阿蘇住民、仮設から通い農作業

熊本地震で土砂崩れが多発した南阿蘇村の立野地区は、今も避難勧告が続く。多くの住民が村外での生活を余儀なくされていますが、日中は立野に戻って農作業をする姿があります。地元での生活再建は見通せないものの、住民らは「やれることから」と汗を流します。

「穏やかな目でしょ」。あか牛の繁殖農家上村征二さん(71)は、近く初産を迎える2歳の「まりも」の頭を優しくなでました。

地震で牛舎が倒壊。飼育中の3全てを、地区内の酪農家の牛舎へ避難させました。6月の豪雨で避難指示が出ると、さらに高森町へ。上村さんは大津町の仮設住宅から週2回、寸断された道路を迂回して片道1時間以上かけて通いました。しかし、「体調の変化を見てやれなかった」。牛が熱を出し、種付けの機会も逸しました。

冬になれば迂回路が凍結する恐れもあります。10月初め、最初に避難させた立野の酪農家の牛舎に3頭を戻しました。

断水が続く立野。2日に1回は、大津町から水を運びます。高齢化で減少した地元のあか牛農家は地震でさらに減 り、今では2軒のみ。それでも「立野からあか牛の灯は消さない」。解体した牛舎は年明けに再建します。

立野は農業用水も届かず、稲作ができません。荒れた田んぼを耕すなど手入れをする住民も多くいます。

久保田将(すすむ)さん(75)、シズ子さん(74)夫婦は自宅を解体した跡の更地に、田んぼの土を敷いて野菜の栽培を始めました。わずか約150平方メートルですが、タマネギなど14種類を育てています。大津町のみなし仮設住宅から農作業に通うのが日課です。

土砂災害への不安から、2人は大津町で生活再建を進めています。それでも「立野に住み続けたい。でも耐えられん」と思いは複雑です。「何もしていないと気持ちが沈んでいくような気がして。前向きに一歩ずつです」。

⑲伝統の舞、絶やさぬ、岩戸神楽奉納!南阿蘇村長野地区

熊本地震で甚大な被害を受けた熊本県南阿蘇村長野地区の長野岩戸神楽が29日、長野阿蘇神社の例大祭で奉納されます。住民の多くが家や畑を被災し、地区外で避難生活を続けますが、300年の伝統を絶やさず、地区の再起につなげようと神楽保存会の会員たちは練習に熱を入れています。

地区で地震と6月の大雨で家屋の倒壊や土砂崩れが相次ぎ、5月の夏季大祭は中止を余儀なくされました。30人弱の保存会員の半分ほどは、今も地区外の仮設住宅などで避難生活を送っています。

長野恵美莉さん(東海大星翔高3年)は飛瀬彩乃さん(高森高3年)と2人きりの女性会員ですが、交通網の遮断で通学できなくなったため、熊本市の祖母宅に引っ越しました。飛瀬さんは「なかなか会えなくなったけど、2人とも神楽が好き。祭りには地区外に出た人もみんな集まるはずなので、精いっぱい舞いたい」と、仲間との再会へ向け意気込んでいます。

地震の爪痕は地区各所に残り、再建はこれから。それでも、長引いた断水は10月初旬に復旧し、傾いた長野阿蘇神社の拝殿も県外のボランティアの協力で修復できました。

長野岩戸神楽は古事記の神話を描き、五穀豊穣(ほうじょう)を祝う躍動的な舞が見どころです。練習初日の20日夜は中学生が初めての舞に挑戦し、飛瀬さんの祖父で保存会長の孝治さん(69)が太鼓を打ちながら所作を指導しました。

「当たり前だった秋の神楽を舞えることのありがさを感じる」と孝治さん。自らも農家で、地震で地区の収穫は激減しましたが「来年、再来年と少しずつ戻さないかん。そのころには住民も帰って来られるように。今年の神楽は特別な思いがあります」と語りました。

奉納は29日午後18時から南阿蘇村長野の神楽殿で。

2.ここ数日間の地震

2016/10/24 11:15 24日 11:12頃 鳥取県中部 1

2016/10/24 11:11 24日 11:08頃 鳥取県中部 1

2016/10/24 11:01 24日 10:58頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/24 10:58 24日 10:54頃 千葉県東方沖 2

2016/10/24 10:58 24日 10:53頃 鳥取県中部 1

2016/10/24 10:43 24日 10:41頃 青森県津軽北部 1

2016/10/24 10:33 24日 10:30頃 鳥取県中部 1

2016/10/24 09:40 24日 09:36頃 鳥取県中部 1

2016/10/24 09:07 24日 09:04頃 鳥取県中部 1

2016/10/24 07:03 24日 07:00頃 鳥取県中部 1

2016/10/24 05:32 24日 05:25頃 北海道東方沖 2

2016/10/24 05:18 24日 05:15頃 熊本県熊本地方 2

2016/10/24 05:04 24日 04:59頃 鳥取県中部 1

2016/10/24 03:03 24日 03:01頃 鳥取県中部 2

2016/10/24 02:59 24日 02:55頃 鳥取県中部 3

2016/10/24 02:45 24日 02:42頃 鳥取県中部 1

2016/10/24 01:49 24日 01:45頃 鳥取県中部 1

2016/10/24 01:38 24日 01:35頃 鳥取県中部 2

2016/10/24 01:12 24日 01:09頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 22:38 23日 22:35頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 21:59 23日 21:57頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 20:55 23日 20:52頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 20:11 23日 20:07頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 17:37 23日 17:35頃 鳥取県中部 2

2016/10/23 17:32 23日 17:28頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 17:23 23日 17:20頃 種子島近海 2

2016/10/23 16:57 23日 16:54頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/10/23 14:37 23日 14:33頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 12:58 23日 12:55頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/23 09:30 23日 09:27頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 09:20 23日 09:17頃 鳥取県中部 2

2016/10/23 09:19 23日 09:15頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 08:50 23日 08:47頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 07:55 23日 07:52頃 佐渡付近 1

2016/10/23 07:10 23日 07:06頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 07:06 23日 07:03頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 06:40 23日 06:37頃 鳥取県中部 2

2016/10/23 06:07 23日 06:04頃 島根県東部 1

2016/10/23 05:54 23日 05:51頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 03:37 23日 03:34頃 鳥取県中部 2

2016/10/23 03:35 23日 03:32頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 02:53 23日 02:47頃 トカラ列島近海 1

2016/10/23 01:54 23日 01:50頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 01:49 23日 01:46頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 01:40 23日 01:37頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 01:25 23日 01:23頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 01:17 23日 01:13頃 鳥取県中部 1

2016/10/23 00:40 23日 00:36頃 鳥取県東部 1

2016/10/23 00:08 23日 00:05頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 23:43 22日 23:40頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 23:02 22日 22:59頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 23:01 22日 22:57頃 鳥取県沖 2

2016/10/22 22:40 22日 22:36頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 22:09 22日 22:06頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 22:00 22日 21:57頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 21:10 22日 21:06頃 茨城県南部 1

2016/10/22 20:19 22日 20:16頃 根室半島南東沖 2

2016/10/22 19:48 22日 19:45頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 19:00 22日 18:57頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 18:35 22日 18:31頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 18:10 22日 18:06頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 17:55 22日 17:52頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 17:54 22日 17:51頃 浦河沖 1

2016/10/22 17:27 22日 17:24頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 16:48 22日 16:44頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 15:56 22日 15:53頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 15:37 22日 15:34頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 15:21 22日 15:19頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 15:13 22日 15:11頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 14:30 22日 14:27頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 14:22 22日 14:18頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 13:59 22日 13:57頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 13:39 22日 13:36頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 13:27 22日 13:25頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 12:56 22日 12:53頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 12:47 22日 12:43頃 宮古島近海 1

2016/10/22 12:11 22日 12:08頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 11:38 22日 11:35頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 10:46 22日 10:43頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 10:41 22日 10:39頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 10:24 22日 10:21頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 10:04 22日 10:01頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 10:01 22日 09:59頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 08:43 22日 08:40頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 07:50 22日 07:47頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 07:45 22日 07:42頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 07:36 22日 07:33頃 千葉県東方沖 1

2016/10/22 07:30 22日 07:27頃 千葉県東方沖 1

2016/10/22 07:28 22日 07:25頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 07:09 22日 07:06頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 06:42 22日 06:39頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 06:32 22日 06:29頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 06:31 22日 06:27頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 06:29 22日 06:26頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 06:20 22日 06:17頃 鳥取県中部 3

2016/10/22 06:16 22日 06:13頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 05:46 22日 05:43頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 05:42 22日 05:39頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 05:32 22日 05:29頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 04:30 22日 04:27頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 03:59 22日 03:55頃 鳥取県中部 3

2016/10/22 03:37 22日 03:33頃 日向灘 4

2016/10/22 03:27 22日 03:24頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 03:19 22日 03:16頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 03:16 22日 03:13頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 03:11 22日 03:07頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 03:05 22日 03:02頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 02:53 22日 02:50頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 02:12 22日 02:09頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 01:59 22日 01:56頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 01:51 22日 01:48頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 01:47 22日 01:44頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 01:35 22日 01:32頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/10/22 01:29 22日 01:26頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/10/22 00:59 22日 00:56頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 00:45 22日 00:42頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 00:43 22日 00:40頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 00:37 22日 00:34頃 鳥取県中部 1

2016/10/22 00:35 22日 00:32頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 00:23 22日 00:20頃 鳥取県中部 2

2016/10/22 00:01 21日 23:58頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 23:40 21日 23:36頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 23:26 21日 23:23頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 23:13 21日 23:10頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 23:07 21日 23:03頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 22:56 21日 22:53頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 22:53 21日 22:50頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 22:44 21日 22:41頃 鳥取県中部 3

2016/10/21 22:33 21日 22:30頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 22:29 21日 22:26頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 22:15 21日 22:12頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 22:06 21日 22:03頃 鳥取県中部 3

2016/10/21 22:00 21日 21:57頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 21:53 21日 21:50頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 21:44 21日 21:41頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 21:42 21日 21:38頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 21:19 21日 21:16頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 21:02 21日 20:59頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 20:53 21日 20:50頃 鳥取県中部 3

2016/10/21 20:43 21日 20:40頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 20:40 21日 20:37頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 20:19 21日 20:16頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 20:04 21日 20:00頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 19:59 21日 19:55頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 19:40 21日 19:37頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 19:33 21日 19:30頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 19:25 21日 19:22頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 19:23 21日 19:20頃 鳥取県中部 3

2016/10/21 19:06 21日 19:03頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 19:03 21日 18:59頃 鳥取県中部 3

2016/10/21 18:53 21日 18:50頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 18:50 21日 18:47頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 18:47 21日 18:44頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 18:38 21日 18:35頃 鳥取県中部 3

2016/10/21 18:36 21日 18:34頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 18:25 21日 18:22頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 18:21 21日 18:18頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 18:02 21日 17:59頃 鳥取県中部 4

2016/10/21 17:58 21日 17:55頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 17:56 21日 17:53頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 17:54 21日 17:51頃 鳥取県中部 3

2016/10/21 17:52 21日 17:49頃 鳥取県中部 2

2016/10/21 17:50 21日 17:47頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 17:47 21日 17:43頃 鳥取県中部 1

2016/10/21 17:45 21日 17:42頃 鳥取県中部 1

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(続く)

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