【連載217】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?

『三反園知事「私は県民を裏切っていない!」相変わらずの苛立ちの中、釈明!』

11月16日水曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

*下記熊本情報はあらゆる箇所で重複しています。ご了承ください!

皆様こんにちは。「川内原発停止」の件で県民を裏切った鹿児島の三反園知事。一方的な三反園批判はフェアではないので知事の「釈明」を本日と明日で紹介いたします。

鹿児島県の三反園(みたぞの)訓知事は、11日に九州電力川内原発を視察した後、記者団の取材に応じました。川内1号機が定期検査を終え、12月上旬に再稼働する際の対応に質問が集中し「そんな単純なもんじゃない」と、いらだちを隠せない場面もありました。反原発団体からの支持も得て当選した三反園氏だが、就任から3カ月が経過し、エネルギー問題について「自民党と方向性は同じ」と議員に発言するなど、現実路線への転換を思わせる態度も見えてきました。

Q.(定期検査に加え実施中の)特別点検を視察しての率直な感想はいかがですか?問題は見つかりましたか?

A.やはり現場に来て、自分の目で見るのは大事だと率直に思いました。非常用電源は非常に大事ですが、それがどこにあるのか、海抜どれくらいにあるのか、それが本当に機能するのかどうか、そこまで行く人が本当に行けるのかどうかということになるわけですよね。それも確認ができ、非常によかったと思っております。専門家と一緒に、きょう点検を見ることができました。それは私自身にとってはよかったと思っております。

Q.何か問題がありましたか?

A.詳細については、専門家の意見がたぶん一番重要だと思っております。専門家と今日、視察したわけでありますので、詳細に専門家から聞き取りをやっておりますので、事務方の方から、実際に点検した様子、本当によかったのかどうか、しっかりやられているのかどうか、そして課題は何かなかったのかどうかについても、そこあたりは後で、事務方の方から、詳細にみなさま方に説明したいと思っております。

Q.(有識者でつくる原発の)検討委員会設置の時期はいつ頃になりますか?

A.これまでも言っておりますが、できるだけ早く設置したいという気持ちでおります。議員の方のご理解が得られ次第、設置したいと思っております。

Q.今回の視察、安全協定に基づく立ち入り調査という形を取らなかった理由は?

A.特別点検の意味、これがどういう風に行われ、今後どのような形で生かしていくべきか、聞き取りをしておりますので、専門家から詳しく説明をさせたいと思っております。私自身は、ご存じの通り、熊本地震が起こった直後から、この特別点検をお願いしているわけですよね。実際問題として地震の影響はどうなのか、そのあたりを踏まえながらですね、定期点検ではない点検を行うことに意味があるのではないかなと思っております。

あえていいますと、(原子力)規制委員会の方で、安全だという話をしたとしますね。でもそれによって、県民が本当に安心と思うかどうか、そこがやっぱり大事だと思うんです。やはり特別な点検を行うことによって、安心ということが、少しでも増していくのではないかなと、私自身思っております。

今回、熊本地震を受けて、県民は不安に思っている。だからトップとしては、九州電力に対しては、点検をしてほしいと訴えて、そして今回、行われたということであります。

Q.1号機の再稼働前に、止めるという要請を(九電に)しないのですか?

A.それは私、これまでもブレないで、そのことについてはお答えしているわけでありますが、(原発が)稼働しても稼働しなくても、放射性物質はそこに残るわけですよね。福島の場合もそうじゃないですか。今日、使用済み核燃料ピットを見ました。使用済み核燃料の方が、より放射性物質を出すわけですよ。それはずっとそこに残るわけですよね。廃炉にならなかったら、そこに放射性物質は残り続けるわけです。だから、トップとして何が必要かというと、リスクを減らしていくこと、安全安心を増していくこと、これが私の役目だと思っております。そのための方策を考えて、九州電力に対しては、さらなる要請をしていきたいと、そういう風に個人的には思っております。

そして、検討委員会をできるだけ早く設置したいという思いはあります。議会の理解を得て検討委員会ができれば、その場で、今回の検査を踏まえて、そこで安全かどうか、総合的に判断していただくわけですよね。安全じゃないということであれば、私は強い対応を取ろうと思っております。私は、安全かどうかで判断していきたいと思っております。また、原発に対する考え方については、私なりの考え方がありますので、それは後日、みなさま方に記者会見の場でお伝えできればなと思っております。

Q.後日会見の場で(伝える)というのは、1号機の再稼働についてのことですか?

A.先ほど述べたのは、どういう風に原発はあるべきで、今後、原発はどういう風に私として、向き合っていくのかどうか、そこあたりを踏まえて、総合的に、私の原発に対する考え方を述べたいなと思っています。

これまで、いわゆる原発に頼らない社会をつくっていくとは言っています。そしてそのためには、いわゆる自然再生エネルギーをどんどん、どんどん推進して、鹿児島を自然再生エネルギー県に変身させる、それによって、原発に頼らない社会ができあがるんですよと、それが基本にあるわけですよね。じゃあ、そういうことを今後、どういう形で進めていくかについて、ご説明する場を設けたいなという風には思っております。

Q.1号機の再稼働について、判断を示すとこれまで言っていたのではないですか?

A.これまでみなさん方に説明したのはこういうことだと思います。検討委員会をつくって、検討委員会の場で、みなさんに安全かどうかをお諮りして、結果をみて、私は総合的に判断しますと、何回も何回もお伝えしております。安全でないということになれば、強い対応を取るということであります。それはずっと一貫しておりまして、変わっていないということであります。

Q.12月8日に1号機が運転を再開する。(それまでに)判断を示すのでしょうか?

A.これは何回も今、いっておりますけど、できるだけ検討委員会を早く設置して、その場で総合的に判断してもらって、それが出たときに私なりの判断を総合的にしたいと思っております。それで安全でなければ強い対応をとるということであります。

Q.検討委員会が12月8日までに間に合わない場合はどうしますか?

A.まあそこあたりを踏まえながら、いわゆる私が言っていることが全てであります。いわゆる専門家の集まりである検討委員会があるわけですよね。私は県民が安全安心と思っていただけるような、そういう対応を取りたいという思いがあるわけです。だから安全がどうかで判断していきたいなという風に思いますし、12月8日までかどうか分かりませんが、どういう風な形の中で原発に向き合っていくかについては、みなさん方にお伝えしたいと思っております。

Q.運転再開の是非は示さないのですか?

A.いや、そこあたりを踏まえて、今、私にいえることは、できるだけ早く検討委員会を設置して、総合的にその場で判断すると、その結果をふまえて総合的に判断すると。それが安全かどうかで私は判断するということでありまして、安全でないということであれば、その場で強い対応を取っていきたいなという風に思っております。今後とも、九州電力に対しては、安全、安心のための方策、対応ということに関して、要請していきたいなという風に思っております。

Q.先日の記者会見で、「どういう対応をとろうが、九電は稼働させるのではないか」と言っていました。来月の起動は九電の判断ということでしょうか?

A.いや、そういうことを言っているわけではないです。要するに私に稼働させる稼働させないという権限はないじゃないですか。それはみなさんご存じじゃないですか。でしょ? ですよね。そういう中で、私は総合的に判断して、安全じゃないということであれば強い対応を取るということは明言しているわけですよ。実際問題としてね。それだけです。あとは九電さんがどう対応するかということになるんじゃないかということを、言っただけであります。

*この続きは明日

1.被災地情報

①道路規制なお77カ所、県内幹線35カ所通行止め

熊本地震とその後の豪雨、阿蘇中岳噴火で通行止めなどの規制が掛けられた県内の幹線道路延べ約350カ所のうち、地震発生から7か月が経過した現在も、2割以上の77カ所で規制が続いていることが昨日15日、分かりました。

規制箇所のうち、全面通行止めは35カ所。南阿蘇村立野で崩落した国道57号と、県が管理する国・県道34カ所(14日現在)で、路面の陥没や崩落、落石などの影響が長引いています。国土交通省は2日、国道57号の新ルート開設工事に着手。それぞれ復旧を急いでいるが当面の完了は見通せず、県道路保全課は「落下した橋など大規模な被災を除き、2018年度末までには復旧させたい」としています。

同課によりますと、地震が直接の原因となって陥没、段差などが生じた県管理道路の通行規制は14日までに100カ所で解除。規制中は36カ所で、このうち崩落した阿蘇大橋や南阿蘇橋がある国道325号など19カ所が全面通行止めのままです。片側通行は12カ所。宇城市松橋町の県道313号など2カ所は、歩道のみが通行止めとなっています。

地震後の豪雨などによる通行規制は172カ所で解除されましたが、40カ所で継続。のり面が崩壊した山都町市原の県道219号など155カ所で全面通行止めが続いています。

一方、上益城地域や阿蘇地域などの被災地では、市町村道も複数箇所で通行規制が続いています。熊本市では沿道のビルや家屋、石垣などが倒壊する恐れがあるとして、市道や里道の計27カ所(10月末現在)を通行止めにしています。市道路整備課は「危険性がなくなれば通行止めを解除できるが、私有地も多く、なかなか対処が難しい」としています。

②サントリー 熊本の工場、来春にも清涼飲料生産再開

大手飲料メーカーの「サントリー」は、ことし4月の熊本地震で被害を受けた熊本県内の工場で操業の停止が続いている清涼飲料について、来年3月にも生産を再開すると発表しました。

熊本県嘉島町にあるサントリーの「九州熊本工場」は、震度7の揺れを観測した4月の地震で大きな被害を受けましたが、およそ半年たった今月8日からビールの一部のラインで生産を再開しています。

一方、飲料水やお茶など清涼飲料のラインは復旧工事に時間がかかっていましたが、会社では、来年3月にも缶コーヒーなどから順次、生産を再開させると発表しました。

また、復旧工事に合わせておよそ38億円を投資して、清涼飲料の生産能力を30%余り増強する工事を行っていて、来年5月にも新しい設備での生産を全面的に始める予定です。また、会社では観光拠点となっていた工場見学も来年5月には再開させたいとしています。

③RDF発電、22年度終了へ 大牟田・荒尾など

大牟田・荒尾清掃施設組合は昨日15日、大牟田市役所で議会全員協議会を開き、ごみ固形化燃料(RDF)発電の「大牟田リサイクル発電事業」を2022年度末で終了する方針を了承しました。大牟田・荒尾の組合を含む参画している福岡県の5組合が協議し、月内にも最終判断します。

同事業の発電所(大牟田市)は福岡県や電源開発(東京)、大牟田、荒尾両市などが出資する第三セクター「大牟田リサイクル発電」が運営。同組合や阿蘇広域行政事務組合など熊本、福岡両県の6組合と菊池市のRDFを焼却し、発電しています。

事業を主導した福岡県と電源開発は撤退を決定。同県は10月、17年度末で契約が終了する熊本県内の2市・組合を除く5組合に、22年度末での事業終了を提案しました。23年度以降について、5組合主体で継続するかどうかなどの検討を求めていました。

同日の協議会では、23年度以降も継続すると、老朽化施設の改修に約50億円必要で、組合の処理委託料の大幅増額が見込まれ、電源開発の撤退で運営企業の確保が困難なことなどが示されました。

これを受け、管理者の中尾昌弘大牟田市長が「市民の理解を得ることは難しい」として「事業継続は困難」との意向を表明。荒尾、大牟田の両市議による組合議員も全会一致で了承しました。

両市は発電事業の終了が正式決定すれば、年度内をめどにごみのRDF化の継続や、新たな処理施設建設などの対応を決める方針。

➃おいしい!マジャドッグ 荒尾・岱志高生が開発

荒尾市の荒尾・岱志高の生徒が13日、地元特産のマジャクをパンに挟んだ「マジャドッグ」を初披露しました。同校であった文化祭で用意した120個が完売。「食べやすくておいしい」と上々の評判でした。

市などと共同で、新たなマジャク料理を試作してきた同校の家庭クラブ役員と理科部の生徒が中心になって調理。10センチ弱のマジャクをてんぷらにしてパンに挟み、マヨネーズやケチャップで作った特製ソースをたっぷり絡めました。

2年の木下萌恵さんは「若い人にも食べやすいように、ソースを工夫してマジャク独特の苦味が強調されないようにした。荒尾市の新しいご当地グルメになればうれしい」と期待を込めました。

マジャクは同市の魚でもあり、市産業振興課は「正式に商品化できるかは未定だが、イベントなどで出せないか検討したい」としています。

⑤阿蘇神社の拝殿、解体終了 今月中に更地に 2016年11月15日

阿蘇市の阿蘇神社で昨日15日、熊本地震で倒壊した拝殿の重機による取り壊しが終わりました。今後は保存する部材と処分する部材の整理をしながら撤去を進め、今月中に更地になります。

最後まで残っていた拝殿の一部が昼前、「メキメキ」と大きな音を響かせて倒れ、奥の神殿3棟が姿を現しました。七五三で訪れていた親子連れや参拝客らは、拝殿跡を向いて静かに手を合わせていました。

南小国町の農業、掘清二さん(61)は「壊すのはあっという間。これから時間をかけて再建する神社を見守りたい」と寂しそう。池浦秀隆権禰宜(ごんねぎ)は「長年神事を執り行ってきた場所だけに名残惜しい気持ちもあるが、再建のため乗り越える必要がある」と話していました。

同神社の本格的な復旧工事は今月1日にスタート。未指定文化財の拝殿は部材を再利用する必要がないため、国指定重要文化財の楼門など6棟に先行して解体を進めていました。拝殿の再建計画は策定中。

⑥頑張る姿風船に乗せて!阿蘇中が地震支援への「感謝祭」

熊本県阿蘇市の阿蘇中(星山晃校長、415人)で13日、熊本地震で受けた支援への「感謝祭」があり、生徒たちは約300個の風船を飛ばし、頑張っている自分たちの姿を発信しました。

阿蘇中は、恒例の学習成果発表会を衣替えし、生徒会を中心に感謝祭を準備。劇や弁論といったステージ発表に加え、外部に協力してもらい楽器の演奏や自転車の曲芸、出店など地域住民も楽しめる多彩な企画を考えました。

風船飛ばしは保護者や住民らも参加。卒業生で、地震で亡くなった大和晃さんら犠牲者に黙とうをささげ、「支えてくれてありがとう」という掛け声とともに空に放ちました。

阿蘇中には全国から激励の手紙や寄せ書きが多数寄せられ、生徒会長で3年生の伊藤照太さんは「地震の経験をこれから生かすことが、恩返しになると思います」と語りました。

避難所になった阿蘇中で支援活動に当たった自衛隊や阿蘇市社会福祉協議会へ感謝状も贈りました。

⑦熊本地震、九州企業に打撃!売上高減、特損…影響幅広く

熊本地震は九州の上場企業や銀行の業績に打撃を与えました。2016年9月月中間決算では、特別損失の計上や売上高の減少など幅広い業種に影響が広がりました。

被害額が大きかったのはインフラ系企業。特別損失に計上した被災設備の復旧費用は九州電力が97億円、JR九州が88億円。36億円を計上した西部ガスは、4年ぶりの最終赤字となりました。

県内企業では、コンクリート製品製造のヤマックスが本社の改修費など1億6千円を計上し、赤字転落。電気通信工事のSYSKENは社屋の改修費9千万円を計上しましたが、地震の応急復旧工事が増え、増益を確保しました。

西部電気工業は情報通信インフラの応急復旧が4億円の増収要因となった半面、「経済活動の停滞で8億円の受注機会を失った」と分析しました。

流通では、県内店舗が被災したMrMaxが11億円の損失を計上したものの、地震保険金で穴埋め。益城町に物流拠点を置くヤマエ久野は、商品の被害も含め3億円、ナフコも県内店舗の復旧に10億円をそれぞれ計上し、ともに減益でした。

交通は明暗が分かれました。西日本鉄道は高速バスの減便などで6億円の減収。一方で、第一交通産業はタクシー事業で損害保険会社の貸し切りが発生し、増収要因となりました。

県内地銀2行は、熊本地震による融資先の経営悪化に備えた不良債権処理費用が利益を押し下げました。肥後銀行は34億円を積み増し、減益。熊本銀行は37億円を積み増し、9年ぶりの赤字。熊本銀を傘下に置くふくおかフィナンシャルグループ全体では55億円増やしました。

今後の見通しは、「下半期は復興工事が加速し、受注が伸びる」(ヤマックス)、「復興需要が本格化する時期が見通せない」(西部電気工業)とさまざまです。

⑧復興基金から初支出!神社復旧などに26億円、県方針

熊本県は、熊本地震の被災地を支援する総額約523億円の復興基金から初めて26億円を取り崩し、予算化する方針を固めました。地域で守られてきた神社やほこらなど地域コミュニティーの維持に必要な施設の復旧支援などに充当。12月1日日開会の定例県議会に提案します。

コミュニティー施設の復旧支援には15億5千万円を充てます。地域の神社など未指定文化財の復旧には公費補助がなく、住民の負担が大きいため、基金で後押しします。自治公民館や消防団詰め所なども対象にします。

民営水道施設や農地の復旧支援には6億4千万円。住宅耐震診断に取り組む市町村の支援には2億4千万円を手当てします。被災者の生活支援としては、私立幼稚園や認可外保育施設の授業料・保育料の減免支援に1億2千万円、住宅再建の二重ローン対策に2千万円など、計1億7千万円を計上します。

地滑りや液状化など熊本地震で多発した宅地被害の復旧支援にも基金を活用する方針ですが、今回は予算化を見送りました。県は宅地被害に対し、国庫補助制度の拡充を求めており、国の結論を待って判断します。

⑨熊本いのちの電話、相談1146件!深刻さ増す被災者の声

「熊本いのちの電話」が7月に開設した熊本地震の被災者向けフリーダイヤルへの相談が、10月までの4か月で計1146件に上っています。相談は増加傾向で、事務局は「住宅再建が見通せないなど、将来の不安に対する相談は今後も増える」とみています。

いのちの電話は地震後、通常の相談を5月24日に再開。7月1日からは、地震に絡む24時間対応のフリーダイヤルを設けました。宮崎を除く九州・沖縄各県もバックアップし、10月から愛知、岐阜、三重、島根の4センターも加わって相談体制を維持しています。

相談件数は7月213件、8月252件、9月304件、10月377件で、40代~60代の相談が目立ちます。

内容は「地震のショックで体調を崩した。死にたい」「屋根の修理代が高すぎる」「避難所での人間関係に苦労している」など、健康問題や家庭内のトラブル、経済的な不安など生活全般に及んでいます。「悩んでいる人にどう対応していいか分からない」といった支援者の悩みもありました。

9月までは自殺をほのめかす「念慮」が30件台で、自殺の「危険」や「予告」はごくわずかでした。しかし10月に入ると危険や予告が増え、「実行中」も2件寄せられるなど深刻さが増しています。

生活再建を果たした人をうらやむ「被災者格差」も顕在化しつつあります。事務局は「矛先のない怒りを誰かにぶつけたいといった相談が増えています。じっくり耳を傾けたい」としています。フリーダイヤル(0120)874343。

⑩益城町の震災関連死「却下」!2遺族が不服申し立て

益城町は14日、熊本地震の震災関連死認定で、災害弔慰金の申請を却下した80代の男性2人の遺族が、町に不服申し立てをしたと明らかにしました。町への不服申し立ては初めて。

町によりますと、申し立ては7日付と11日付。男性2人はいずれも4月の本震後間もなく死亡し、遺族が災害弔慰金の支給を申請。県の合同審査会が地震との因果関係を調べた結果、「関連は認められない」と結論付けました。西村博則町長は9月1日、審査会の答申に沿って申請を却下しました。町は個人情報を理由に、2人の死亡の経緯を明らかにしていません。

町はこれまで7人を関連死に認定し、今回申し立てのあった2人を却下しています。

関連死認定について町の決定に不服がある場合、申請者は3カ月以内に行政不服審査法に基づき審査請求できます。町は第三者でつくる上益城行政不服審査会に諮問し、答申を受けた町長が最終判断します。

⑪阿蘇市の下水道復旧工事、入札8件不調

阿蘇市が10,11月に実施した熊本地震に伴う下水道復旧工事の指名競争入札で、計8件で入札参加がなく、「不調」となったことが14日、分かりました。

市によりますと、入札不調となったのは、地震で下水管が破断や変形するなどした内牧や狩尾地区の復旧工事。10月26日と11月1日に計9件の入札を実施しましたが、このうち8件で、指名した7~14社が全て参加しませんでした。予定価格は500万円~5千万円。

市の下水管の本管は地震後も使用されています。関係者によりますと、使用状態で破断箇所を工事するのは特殊な技術を要し、対応の難しさや経費設定が見合わないのが入札不調の要因とみられています。

下水管を修繕、埋設した後でなければ道路の舗装工事もできないため、交通網の復旧へも影響することが懸念され、市は市外の数社から見積書を取った上で早急に随意契約する方向で検討しています。

地震の復旧工事については、技術者不足など、事業者側の対応が追いつかないことから、入札不成立の可能性が県議会などでも指摘されていました。

阿蘇市は「災害復旧工事は国の基準で予定価格を設定するため、上乗せするのは困難。今後は工事の内容や事業社側の状況を見ながら、入札時期を見極めて実施したい」としています。

⑫お歳暮に「熊本」贈ろう!復興後押し、百貨店が品ぞろえ

熊本地震の発生から14日で7か月が過ぎました。各地で復興を目指す活動が続く中、百貨店では、お歳暮売り場に熊本県産品を扱うコーナーをつくり、被災地を支援する動きが広がっています。売り上げは好調で、贈られる人だけでなく、被災した生産者にも温かな気持ちが届いています。

熊本市の中心市街地にある鶴屋百貨店で今月1日に開かれた早期展示会では、「くまもとを贈ろう」と書かれたポスターが貼られ、熊本県産品など約1200品が並びました。県外の知人に贈る商品を選んでいた、熊本市の谷山律子さん(82)は「少しでも復興の支援になるように、県産品を選びたい」と話していました。

鶴屋は本日16日から店舗での受注を始め、25日には本格的な特設コーナーをつくります。最終的に販売する約1400点のうち約130点が県産品になる予定です。南阿蘇村にある木之内農園の「阿蘇高原の手作りジャムセット」(税込み4482円)や阿蘇健康農園の「バジルペーストギフト」(同2592円)など、被災して生産停止になるなどした商品も多くあります。

復興支援の兆候は、今夏のお中元商戦でも出ていました。鶴屋では前年を1割ほど上回る売り上げがありました。復興支援で県産品を選ぶ機運が高まったためとみられる。「県外からの支援に対するお礼品の需要も多かった」(広報)そうです。

動きは熊本以外にも広がっています。岩田屋三越(福岡市)は、岩田屋本店と福岡三越に熊本コーナーを設置。自然な飼料や飼育方法へのこだわりで知られる阿部牧場(阿蘇市)の生乳を使ったプリン「ASO MILKのシブーストプリン」(三越のみ、税込み4104円)など、オリジナル商品を含む約30点を販売。全国の三越のカタログにも、熊本コーナーをつくりました。

贈答品を担当する岩田屋三越の佐藤克美さんは「お歳暮ならば自然な気持ちで熊本を支援できる。品質のいい農産品が多いので全国で需要がある」と話しています。

◆再起かける生産者

「ASO MILK」の阿部牧場は、今夏のお中元だけで牛乳やヨーグルトなど2万数千セットを販売しました。昨年はお中元とお歳暮を合わせても約3500セットでしたから、まさに特需です。阿部寛樹社長は「お中元商戦に比べ支援ムードは落ち着いているが、(地震直後よりも)商品ラインアップも充実しているので、お歳暮も同程度の販売を目指したい」と話しています。

地震で販売が激減した業者もお歳暮に期待します。「阿蘇丸漬本舗徳丸漬物店」(高森町)は、鶴屋のお歳暮として「冬の詰め合わせ」(同3456円)を初めて出品しました。

地震後2週間は製造ができず、阿蘇地域の交通寸断で、同町にある直営店の売上高は一時期、約8割減りました。徳丸将悟代表は「つらくて辞めてしまおうと思ったこともあるが、お客様の『やめないよね?』など多くの声が寄せられ、踏みとどまった。お歳暮をもらった人が、阿蘇に足を運んでもらうきっかけになれば」と考えているそうです。

⑬熊本産米使った近大マグロ丼販売!くまモンも感謝

奈良市中町町の近畿大学奈良キャンパスの食堂で14,15日、同大で養殖する近大マグロを使った「近大マグロ丼」が学生に1食300円で提供されました。熊本地震の復興支援で熊本産の米が使われており、同県の人気ゆるキャラ「くまモン」が駆けつけて感謝しました。

食を通じて復興を支援しようと企画。9,10日に販売した前売り券千枚はすぐに完売しました。

昨日15日にはくまモンが登場し、県産米を使ってくれたことにペコリ。熊本県の観光や産業を伝える出前講座にも顔を出し、熊本をアピールしました。農業生産科学科1年の西尾侑里子さん(18)は「マグロ丼もおいしかったし、くまモンもかわいかった」。

2.ここ一週間の地震

2016/11/16 11:28 16日 11:24頃 鳥取県中部 2

2016/11/15 23:30 15日 23:27頃 山梨県東部・富士五湖 1

2016/11/15 22:50 15日 22:47頃 釧路地方中南部 2

2016/11/15 22:44 15日 22:41頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/15 19:43 15日 19:36頃 釧路地方中南部 1

2016/11/15 17:48 15日 17:44頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/15 17:33 15日 17:30頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/15 10:57 15日 10:54頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/15 08:18 15日 08:15頃 鳥取県中部 1

2016/11/15 01:49 15日 01:46頃 石川県能登地方 2

2016/11/15 01:19 15日 01:15頃 茨城県沖 3

2016/11/15 00:21 15日 00:16頃 和歌山県北部 1

2016/11/14 23:55 14日 23:52頃 宮城県北部 1

2016/11/14 02:51 14日 02:48頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/13 23:05 13日 23:02頃 福島県浜通り 1

2016/11/13 06:35 13日 06:32頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/13 04:56 13日 04:49頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/13 01:36 13日 01:33頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/11/13 00:49 13日 00:46頃 宮城県沖 1

2016/11/12 23:40 12日 23:37頃 長野県北部 1

2016/11/12 21:23 12日 21:19頃 神奈川県西部 2

2016/11/12 16:04 12日 16:01頃 宮城県沖 1

2016/11/12 09:34 12日 09:30頃 トカラ列島近海 1

2016/11/12 07:30 12日 07:25頃 与那国島近海 2

2016/11/12 06:53 12日 06:43頃 宮城県沖 4

2016/11/12 06:48 12日 06:43頃 宮城県沖 4

2016/11/12 02:58 12日 02:55頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/12 02:45 12日 02:41頃 栃木県南部 2

2016/11/11 22:10 11日 22:07頃 宮城県沖 1

2016/11/11 13:59 11日 13:54頃 伊勢湾 1

2016/11/11 10:16 11日 10:12頃 熊本県熊本地方 4

2016/11/11 01:02 11日 00:59頃 鳥取県中部 1

2016/11/11 00:50 11日 00:44頃 薩摩半島西方沖 1

2016/11/11 00:15 11日 00:09頃 トカラ列島近海 1

2016/11/10 17:52 10日 17:49頃 大隅半島東方沖 1

2016/11/10 11:34 10日 11:31頃 長野県中部 1

2016/11/10 07:32 10日 07:28頃 宮城県沖 1

2016/11/10 07:26 10日 07:20頃 宮城県沖 2

2016/11/10 03:59 10日 03:55頃 埼玉県南部 1

2016/11/10 00:11 10日 00:08頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/09 22:13 09日 22:09頃 福岡県北九州地方 1

2016/11/09 20:12 09日 20:08頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/09 15:40 09日 15:37頃 紀伊水道 1

2016/11/09 15:17 09日 15:14頃 豊後水道 1

2016/11/09 07:12 09日 07:09頃 千葉県北東部 1

2016/11/09 05:53 09日 05:50頃 福岡県北九州地方 1

2016/11/09 00:05 09日 00:02頃 熊本県熊本地方 2

(続く)

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