【連載232】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?

『三反園知事「私に原発を稼働させるか稼働させないかの権限はない」県民を事実上裏切り!』

12月1日木曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

*下記熊本情報はあらゆる箇所で重複しています。ご了承ください!

皆様こんにちは。原子力規制委員会は昨日30日の定例会合で、九州電力が免震構造による整備を撤回し、耐震構造で新設する計画を申請した川内原発(薩摩川内市)重大事故対応拠点「緊急時対策所(緊対所)」について、「新規制基準に適合している」としてこれを了承しました。九電は、昨年夏の再稼働前の審査で、緊対所は免震重要棟内に新設することを前提として合格。ところが、再稼働後に同方針を撤回したため、地元住民などから批判の声が上がりました。これに対し九電は、「新たな仕様の免震装置が必要と判明したものの、設計できる見通しが立たない」ことなどを変更理由に挙げていました。

同日の会合では、これまでの審査内容や計画を変更した経緯などについて説明があり、委員5人の全員一致で了承しました。

これを踏まえ、鹿児島県の三反園訓知事は本日午前、「私に原発を稼働させるか稼働させないかの権限はない」と述べ、定期検査で停止中の九州電力川内原子力発電所1号機が予定通り8日にも再稼働することを事実上容認しました。鹿児島県議会12月定例会で代表質問への答弁で語りました。

定期検査後の再稼働について、地元による改めての同意は不要ですが、知事は公約に基づき川内原発の即時停止を九電に2度要請した経緯があり、対応が注目されていました。

県は三反園知事が設置を公約した「原子力問題検討委員会」の運営事業費を含む補正予算案を12月定例会に提案しました。同検討委は川内原発の安全性の確認や避難計画の検証などにあたり、知事はその見解を踏まえて県の対応を決めます。

三反園知事は「検討委で川内原発の安全性に問題があるとの意見が示された場合、私は九電に稼働の有無に関わらず強い対応を取りたい」とも語りました。ただ県議会での補正予算案の採決は定例会最終日にあたる16日の予定。可決されても、検討委の設置は川内1号機の再稼働予定時期の後となります。

どうやら川内原発は三反園知事も停止を断念したようで、このまま予定通り進行するようです。自民党の意のままです。

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熊本県益城町は熊本地震の影響で中断していた「ふるさと納税」の返礼を本日12月1日から再開します。1万円以上寄付すれば町特産の米や漬物のほか、先着順で人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」のオリジナルグッズも選べます。

町の担当者は「これまで全国から寄付をいただいた。感謝の気持ちと復興

町によりますと、地震後からふるさと納税の申し込みが急増し、10月末時点で約1億1200万円が寄せられました。ただ、町役場庁舎は損壊し、米などの返礼品を生産する農家も被災したため、寄付してもらっても返礼できない状態が続いていました。

1万円以上の寄付で約20種類の特産物の中から選べます。再開に合わせ、ワンピース作者で熊本市出身の尾田栄一郎さんが描き下ろしたイラスト入りブランケットやエコバッグも用意しました。

寄付はふるさと納税のポータルサイト大手「ふるさとチョイス」などで可能。問い合わせは町企画財政課、電話096(286)3223。

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4月の熊本地震で深刻な被害を受けた熊本県阿蘇市などで、一部農地の復旧が進まず、来年どころか再来年の営農さえ危うい事態となっています。被災した農地面積が広く、業者が足りないためです。県は3年ほどかけて復旧を進める方針ですが、その間の所得補償はなく、農業経営への打撃は避けられない見通しです。行政から復旧費用の補助を受けるには年内に国による査定を終える必要がありますが、その作業さえ滞っています。

亀裂や段差が生じた水田、波打つあぜ、砕けた農道……。阿蘇市では、今も被災直後と変わらない光景が残っています。市によると、農地9410ヘクタールのうち被害届が出ているのは約725ヘクタール(8%)。約180ヘクタールは何も作付けできない状態です。

水稲5ヘクタールを栽培していた山本九州男さん(66)も、ほとんどの水田で地割れが発生、今年作付けできたのはわずか40アール。農業所得はほぼゼロになりました。復旧工事は来春に始まる見通しですが、被害が深刻なため相当の時間がかかるとみられ「再来年の作付けにも間に合わない」と嘆いています。

収入が途絶えた今年は、昨年の蓄えを切り崩して生活しています。体調を崩し、月5万円ほどの国民年金は医療費で消えます。「来年、農業ができなければ生活できない」。思いは切実です。

水田14ヘクタールを経営していた五嶋幸也さん(44)も、3ヘクタールで作付けができませんでした。収入は300万円ほど減少。「農機代の返済が苦しくなり、4人の子どもの学費を払えるか不安もある。出稼ぎに行かなければならないかもしれない」。

今年は何も作付けできなくても苗の準備などを終えていれば、稲発酵粗飼料(WCS)の場合、政府から水田活用の直接支払交付金(10アール8万円)が出ました。主食用米も農業共済から10アール3万円ほどの補助がありました。しかし来年は、こうした助成は見込めません。

そこにのしかかるのが、農地の復旧費用です。災害復旧事業の補助を受けても自己負担が伴います。被災面積は大きく、測量・設計を担う業者は不足、補助を受けるために必要な査定も進んでいません。

県によりますと査定が必要な場所は推定5600カ所で、例年の10年分に相当します。既に査定を終えたのは2292カ所と、全体の4割にとどまっています。

災害復旧事業は、年度内に予算を手当てするため、災害が発生した年に査定を終える必要があり、間に合わなければ原則補助を受けられません。しかし、「年内に査定が終わらない恐れがある」と話す被災自治体は多く、県は査定簡素化などで年内完了を目指すが、「かなり厳しい」(農地整備課)状況です。

阿蘇市などは作付け時期が水稲より遅い作物への転換を促す方針ですが、「農道は被災し、2メートルもの段差が生じた農地では何も作れない」(同市地域農業再生協議会)。復旧の見通しが立たないまま、被災農家は年を越すことになりそうです。

1.被災地情報

①国道3号の大幅改修始まる!熊本市、地震で路面が沈下

熊本地震で路面が沈下し、通行に危険が生じている熊本市の国道3号で、大規模な改修工事が始まりました。北区の4車線区間約2キロと南区の4車線区間約4キロで、来年2月に完成予定。総工費約20億円を見込んでいます。

国土交通省熊本河川国道事務所熊本維持出張所によりますと、北区の約2キロは1960年代に開通。ひび割れや凹凸が生じ、路面の下から幅3メートル、高さ3メートルの水路跡などが見つかりました。70年代~2005年にかけて整備された南区の約4キロでは、路面下に埋設された複数の水路が浮き上がっています。

工事は夜間に一部車線を閉鎖して行う予定で、通行できます。熊本維持出張所の古賀尚永所長は「調査に予想以上に時間がかかった。両区間は1日約5万台が通行する重要幹線であり、迅速に復旧させたい」と話しています。

②登録決定、熊本で未明にくす玉割り!無形文化遺産

無形文化遺産への登録が決まった「八代妙見祭」の地元、熊本県八代市では昨晩から、市中心部の商店街アーケードの中に市民ら数十人が詰めかけて朗報を待ちました。祝賀行事を見越して八代妙見祭保存振興会と市が事前に紅白幕やくす玉を取り付けました。

本日1日午前2時ごろ、エチオピアでの審議の進行をアナウンスしていた司会者が「たった今、日本の審議が始まりました!」と興奮した声で告げ、それからまもなく登録が決まったことを告げると、会場から歓声と拍手がわき起こりました。くす玉が割られ、鏡開きをして日本酒が振る舞われました。

保存振興会の浜大八郎会長(72)は「これからは後継者の育成、用具の保存、世界発信の3点に一層取り組む。11月の祭りの季節だけでなく、1年間毎日発信できるようにして街の活性化につなげたい」。同振興会の副会長で、妙見祭神幸行事で神馬の奉納会長を務めた渕田義昭さん(71)は「決定を待つ間の長い時間は苦にならなかった。後継者育成が一番重要。子どもたちに喜んで参加し継いでもらえるように努力しなければならない」と語っていました。中村博生市長(58)は「八代の誇りだけでなく、世界の宝として後世に守り伝えなければならない」とコメントを発表しました。

3日には八代神社(妙見宮)で、同市内の経済団体が主催する「メモリアルフェスタ」が催され、無形文化遺産登録を祝います。

③デパート店員などを名乗る特殊詐欺が多発

有名デパートや銀行協会の職員を名乗ってキャッシュカードの暗証番号を聞き出そうとする不審な電話が、県内の高齢者宅で相次いでいます。県警によりますと11月下旬に16件あり、うち2件で計約300万円の被害がありました。県警は「詐欺を疑いすぐに警察に相談してほしい」と、同様の手口に注意を呼びかけています。

生活安全企画課によりますと、まず、県内外のデパート店員を名乗る女から「あなた名義のクレジットカードが使われている」などと電話があった後、銀行協会の職員を名乗る男が電話で「調査するのでキャッシュカードが必要」と言って暗証番号を聞き出し、自宅を訪問してカードを回収しようとする手口で、11月21日と28日に熊本市や宇城市で相次ぎました。

電話の後で自宅を訪れた男にキャッシュカードを渡した熊本市中央区の80代女性が約100万円、宇城市の70代の女性が197万円の被害にあったとのことです。

④ヒオウギ貝の出荷盛ん、苓北町

お歳暮シーズンを迎え、天草特産のヒオウギ(緋扇)貝の出荷が盛んです。苓北町富岡の福島水産では、箱詰め作業があわただしさを増しています。

代表の福島晴喜さん(56)によりますと、貝は昨年6月に生まれ、富岡沖で育てました。色は天然で、赤、だいだい、黄、紫、茶の5色。「今年は茶系統の色が多くて地味だが、身の部分はおいしく仕上がっている」とのことです。

出荷時に紫外線殺菌した無菌の海水に12時間ひたし、年内に15万トンを全国に送るそうです。20個入りが3800、30個入りが5千円(送料・消費税込み)。問い合わせは天草灘ヒオウギの会(0969・35・2377)へ。

⑤天草版お遍路、般若心経もアーメンも!御朱印集め企画

熊本県天草地域で「四国遍路」の天草版「天草八十八ケ所霊場巡り」が復興し人気が広がりつつあります。450年前にキリスト教が伝来した土地らしく、巡拝の途中にカトリックの崎津教会に礼拝する習わしも定着。地元では仏教と神道、キリスト教の霊場に参拝して「御朱印」を集める巡拝企画の準備も進んでいます。

天草版のお遍路は、天草市本渡町の明徳寺を1番札所に計10の島にある霊場を巡ります。渡船が必要な離島の湯島(上天草市)と御所浦島(天草市)も含む約400キロの行程で、踏破に10日ほどかかります。よその霊場が祈願を主とするお遍路であるのに対し、天草の霊場では仏様に感謝とお礼をしながら巡る「感謝の遍路」であるのも特徴です。

10月下旬。京都市の東寺真言宗の総本山である東寺(教王護国寺)の松崎全信僧正ら一行11人が、天草市河浦町崎津の「札所」の普応軒に巡拝した後、近くの崎津教会を訪れました。渡辺隆義神父(68)立ち会いのもと、祭壇の前で、白装束のお遍路姿で般若心経を唱え、最後に「アーメン」と唱和しました。

松崎僧正は2014年5月に天草八十八ケ所霊場が正式に復興した際にも招かれ、92人の巡拝者とともに記念巡拝した縁があります。

復興を仕掛けたのは、天草市で社会教育ボランティア団体「あまくさ生きがいネット」を主宰する社会教育家の山口誠治さん(53)です。明治期から大正期にかけて「新四国八十八ケ所霊場」と称して天草地域の寺院を巡る「お遍路」があったという話を聞き、まちおこしの素材として着目ました。「四国には年間約20万人のお遍路が行っている。その1割でも来てくだされば、天草中が活気づいて地域が振興していく」。そう考えたとのことです。

約1年かけて、真言宗の開祖空海(弘法大師、774~835)の仏像がまつられた寺などかつての「新四国八十八ケ所霊場」を調査。現在は参拝を望まない寺院もあったため、離島の天草市御所浦町から新たに札所を選定するなどして88の霊場を再編成しました。本来の遍路で巡る真言宗系の寺院は2カ寺しかなく、あとは曹洞宗と浄土宗、浄土真宗の寺院で、宗派を越えた構成です。参拝ガイド役の「先達会」も組織しました。以来、天草を巡った「お遍路さん」は千人に上ります。

今年はポルトガル人宣教師ルイス・デ・アルメイダが天草の地にキリスト教を伝えて450年の節目にあたり、新たな動きもあります。

崎津教会では6月、地元の僧侶と宮司を招き、約250年にわたりキリスト教徒が迫害された歴史を聖職者としてどう思っているのかと神父が問いかける「対話と平和の祈り」の集いがあり、率直な意見が交わされました。傍聴者も参加した懇親の場では「宗派の垣根を飛び越えて、隔たりなくみんなで平和の島にしていこう」という雰囲気が盛り上がったそうです。

山口さんは様々な宗教が入り交じる様子を「みなの宗」と言い表し、異なる宗教をまたいでお参りする「みなの宗の霊場めぐり」の企画も進めています。寺院や神社の参拝の証しでもある御朱印を崎津教会にも用意してもらい、御朱印を記す「天草三大宗教霊場巡拝納経帳」も完成しました。

松崎僧正は「天草には山口さんが言う『みなの宗』という土壌があるのだろう。宗教の垣根を越えていかれる姿勢はすばらしいと思う」と話しています。

御朱印などの問い合わせは天草八十八ケ所霊場先達会(0969・23・3276)へ。

◆信仰守り250年、潜伏集落も

「お遍路さん」が巡る天草の地では、450年前に伝えられたキリスト教を受け入れ、江戸幕府の禁教政策による弾圧下でも250年以上にわたり信仰が守られてきました。

天草下島の南西部にある崎津集落(天草市河浦町)も、信者らがひそかに信仰を続けた潜伏集落として知られています。山と海に囲まれた古くからの漁村で、漁網や魚を干す「カケ」と呼ばれる作業場が残る風景は国の重要文化的景観にも選ばれています。この一角にある崎津教会は、かつてキリストや聖母マリアの絵を信者に踏ませる「絵踏み」が行われた場所に立っています。内部は国内でも数少ない畳敷きです。

崎津諏訪神社の秋の例大祭では、みこしの一行が崎津教会の正面に出向き、太鼓をたたきます。その様子を教会の中から神父や信者らが温かく見守る姿には、異なる宗教同士が共存する土地の雰囲気が漂います。

「天草の崎津集落」は、世界文化遺産への登録をめざす「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつ。来年1月には政府が閣議での了承を経て国連教育科学文化機関(ユネスコ)に正式な推薦書を提出する予定です。

⑥「ゆめタウンサンピアン」全館再開 熊本市

イズミ(広島市)は30日、熊本地震で被災した熊本市東区のショッピングセンター「ゆめタウンサンピアン」の3階部分の営業を再開しました。地震から7カ月半ぶりに全館での営業となりました。

3階には子供服売り場や本屋などがあり、15店が営業を再開。フードコートやゲームセンターなど11店も順次営業します。

同店によりますと、地震で壁のヒビや天井の崩落などの被害があり、補修とともに耐震補強工事を実施。3階は地震の被害が最も大きかったそうです。9月に1階、10月に2階と、段階的に営業を再開していました。

2歳の娘と訪れた同市東区の山岡鮎美さん(36)は「子どもが遊べるスペースもきれいになって再開し、うれしいですね」とにっこり。同店の井上宏春店長は「年末に向けて、なんとか再開できた。地域のお客さまに楽しみを提供できるよう頑張っていく」と力を込めていました。

この日は、同市南区の「ゆめタウンはません」でも、衣料品を中心に扱う2階部分が再開。ベビー・子供用品などの専門店「アカチャンホンポ」など県内初の出店もあり、多くの買い物客でにぎわっていました。

映画館やフードコート、3階の店舗など全館の営業再開は来春となる見込み。

⑦地震の復興願い店内に「竹あかり」!岩田屋三越

岩田屋三越(福岡市)は昨日30日、熊本地震の復興を願う「竹あかり」の演出を、岩田屋本店、福岡三越(ともに福岡市)、岩田屋久留米店(久留米市)の3百貨店で始めました。12月25日まで。

全国の三越伊勢丹グループ28店が、竹あかりの演出を手掛ける「ちかけん」(熊本市)の協力で取り組むクリスマスプロジェクト。岩田屋三越は独自に「復興への灯(あか)り」をサブテーマに設定しました。

販売員有志21人が、「ふるさと再生」「未来へのつばさ」などと題したデザインを考案。熊本県産の竹をくりぬいて、竹あかり約70点を制作しました。店舗内通路や入り口に飾られ、やわらかな光を放っています。

プロジェクトリーダーの田中直子さん(48)は「福岡の人が被災地に思いをはせるきっかけになれば」と話しています。

⑧全国の地銀行員に県産品をカタログ販売へ

熊本銀行は、熊本地震からの復興支援の取り組みで、全国の地方銀行の行員らを対象にした県産品のカタログ販売を企画しました。12月上旬~1月末まで、県内の取引先41社の商品を売り込みます。

あか牛や熊本ラーメン、バンペイユ、いきなり団子、球磨焼酎など、食品を中心に名物を紹介します。対象は地銀、第二地銀105行と保険会社7社。従業員数は銀行だけで約14万人に上り、カタログ3万部と注文書20万部を準備します。

7~8月に取り組んだ中元向け企画に続く第2弾で、大幅に規模を広げました。中元向けは地銀12行に協力を呼び掛け、約1万1千点、3900万円の販売実績を上げたそうです。

竹下英頭取は「県産品を広く全国にアピールするとともに、事業者の復興支援に資する取り組み。今後も継続したい」と説明しました。

⑨ボランティア調整役を地元に引き継ぐ、JVOAD 2

熊本地震の被災者ニーズを共有し、支援するボランティア団体間や行政との調整役を担った全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD=ジェイボアード)が昨日30日、県内での常駐体制を解きました。役割を引き継ぐ地元組織が発足し、避難所が全て閉鎖するなどしたためで、今後はボランティア団体を側面から支援します。

民間のボランティア団体は被災地で重要な役割を果たしますが、東日本大震災では情報が共有されず、支援の重複や空白が発生しました。この反省から調整役に特化したJVOADが6月発足。熊本地震の発生時は設立準備中でしたが、前震翌日の4月15日から数人が県内に常駐し、地元団体や行政も加わる「火の国会議」の運営を担いました。

会議には延べ約300団体が参加。災害時に官民が連携し、組織的な支援活動につながった初めてのケースとして注目されました。

30日はメンバーら7人が県庁を訪ね、蒲島郁夫知事に活動を報告。栗田暢之(のぶゆき)代表理事が「今回の連携は一つの支援モデルになる」と伝え、蒲島知事は「災害におけるボランティアの力強さを感じた」と謝意を示しました。

火の国会議などの今後の運営は、10月発足したくまもと災害ボランティア支援団体ネットワーク(KVOAD=ケイボアード)が担当。JVOADのメンバーは月2回ほど来熊し、活動を支えます。栗田代表理事は「今後も交流を続け、熊本での反省や成果を全国に発信していきたい」と語りました。

⑩庭の手入れ任せて!必由館高生たち清掃奉仕

熊本市中央区の必由館高1年の生徒35人が昨日30日、高齢者宅で清掃ボランティアに汗を流しました。市高齢者支援センター「ささえりあ浄行寺」が協力し初めて実施しました。

生徒は9組に分かれ、バケツや雑巾などを持参して近くの高齢者宅を訪問。田尻明男さん(85)、真智子さん(82)宅では、生徒8人が庭の草を取ったり、熊本地震で亀裂が入った住居の基礎部分に土のうを運んだりしました。

きれいになった庭を前に、真智子さんは「私たちだけではできなかった。本当に助かった」と感謝。草取りを担当した元田京助さん(16)は「田尻さんのうれしそうな顔に、こちらまでうれしくなった」と笑顔でした。

同校では本年度、家庭科の授業の一環として、1年生全員が夏祭りのボランティアなど地域貢献に取り組んでいます。同科の松並直子教諭(48)は「生徒が地域の一員として、近隣住民と関わりを持つ格好の機会。今後も継続したい」と話していました。

⑪被災の「日本国」救え!山都町の地区名「日本国」ジオラマ修復

熊本県山都町島木の暮瀬(ぼぜ)集落の住民らが27日、熊本地震で被災した、住民手作りの「日本国公園」の修復を始めました。

公園は地元の小字「日本国」の高台に昨年12月に完成しました。地名にちなみ、日本列島のジオラマや展望台、休憩所を整備。地域の憩いの場となっていました。

ところが地震でジオラマに亀裂が入り、展望台や休憩所も傾きました。しかし、その後の豪雨の対応などに時間を取られ、公園は手つかずのままでした。

この日は雨の中、10人ほどの住民がジオラマの亀裂をモルタルで埋め、木造平屋の休憩所をワイヤで引っ張って傾きを修正する作業に汗を流しました。竹を組み上げて作った展望台も含め、年内に修理を終わらせます。

地元区長の嶋村心治(むねはる)さん(68)は「見に来る人も増えている。早く元に戻したい」と話していました。

⑫応援ドライブ、阿蘇ぐるーっと「コペン」全国の愛好家集合

ダイハツ工業のスポーツタイプ軽自動車「コペン」の愛好家らでつくる全国コペンの会が26日、熊本地震で被災した熊本県阿蘇地域へ復興支援のドライブに訪れました。

同会は神戸市の司法書士、高橋眞一代表(63)らが約1年前にフェイスブックで呼び掛けて発足。会員は約400人いるそうです。今回は会員の交流も兼ねて愛知や北九州市などから12台が集合。九州支部の松本和昭支部長(59)=熊本市東区=らの案内で阿蘇市や南阿蘇村を巡りました。

会員はオープンカーの愛車と好天の風景を一緒にしてビデオや写真に収め、自然を満喫しながらドライブを楽しみました。高橋代表は「阪神大震災を経験し、被災地を見ると当時を思い出す。阿蘇を訪れることが少しでも支援になればと思う。熊本が早く元気になってほしい」と願っていました。

⑬外国人宿泊者向けに避難実地訓練!阿蘇市のホテル

国土交通省は昨日30日、大地震を想定した外国人宿泊者向けの避難実地訓練を熊本県阿蘇市内牧の阿蘇プラザホテルで実施しました。モニターの外国人が本番さながらに臨みました。

同省は2011年の東日本大震災を受け、14年に自然災害発生時の外国人観光客向け初動対応マニュアルの指針を策定。熊本地震で避難誘導に問題があったことなどを踏まえ、20年の東京五輪を見据えた受け入れ体制充実へ本年度中の新たな指針策定を進めています。

課題を探る実地訓練は初めてで、同ホテルが協力。中国や韓国、ロシアなどの留学生ら男女10人のモニターが、滞在中に震度6弱の地震が起き、停電したとの想定で臨みました。

モニターはロビーに避難後、ホテル従業員らに母国語で矢継ぎ早に質問。従業員は、多言語で記した指さしシートを見せながら必死に意思疎通を図りました。

モニターからは「地震の経験のない外国人は怖くて指示に従わないのではないか」「シートの文字が小さい」などの意見が出ました。

視察した九州運輸局観光部は「課題を検証し、安心して来日してもらえる指針を策定したい」と話しました。実地訓練は9日に大分県由布市の旅館でも行います。

⑭「くまモン」グッズの販売収益1700万円!百貨店協会が県に寄付

日本百貨店協会(東京)は昨日30日、熊本地震の復興支援のため、熊本県のPRキャラクター「くまモン」のチャリティーグッズを販売した収益金約1700万円を県に寄付しました。

8月から、全国の百貨店202店舗で4種類のオリジナルフィギュアを販売。日本新聞協会がPRに協力しました。フィギュアは鶴屋百貨店で2千個が完売するなど人気で、10月末までに全国で17万633個を売りました。

この日、同協会会長の大西洋三越伊勢丹ホールディングス社長、鶴屋百貨店の久我彰登社長、熊本日日新聞社の河村邦比児社長らが県庁を訪問。式典にはくまモンも駆けつけました。

大西会長が「百貨店業界として、少しでも役に立ちたいとの思いで取り組んだ。引き続きできる限りのことをしたい」とあいさつし、小野泰輔副知事に目録を贈呈。小野副知事は「被災地も勇気づけられる。今後も復興支援について発信してほしい」とお礼を述べました。

同協会は大分県にも約132万円を寄付しています。

⑮私学復旧、県が独自補助!国庫分に上乗せ

県は、熊本地震で被災した私立学校施設の復旧費用について、幼稚園と中学・高校へ6分の1、専修学校へ4分の1を独自に助成する方針を固めました。激甚災害指定などによる国の補助に上乗せします。これによって、幼稚園と中学・高校への公的な補助は6分の5、専修学校は4分の3まで引き上げられます。

本日開会の12月定例県議会に提出する2016年度一般会計補正予算案に助成費用21億8600万円を計上しました。

熊本地震で大学を除く県内の私学は、163校中7割以上の123校(幼稚園50園、中・高29校、専修学校44校)が被災。校舎の壁が損壊したり、体育館の天井が落ちたりするなどしました。復旧費は幼稚園6億円、中・高109億円、専修学校12億円の総額127億円に上りました。

激甚災害指定による国庫補助率は原則、私立が2分の1。専修学校は補助がありませんでした。熊本地震の特例措置として、私立は3分の2までかさ上げされ、専修学校は半額補助されるようになりましたが、国から99~99.5%の補助を受ける公立との間には開きがありました。

県私立中学高校協会、県私立幼稚園連合会、県専修学校各種学校連合会の3者は「子どもたちの安全な学習環境を確保する費用に公私は関係ない」などとして、県独自の支援を要望していました。

被災した保育園や認定子ども園など508施設については、国と県による補助に国の経済対策分を上乗せした計6分の5の助成が決まっています。

⑯草原保全へ「草小積み」!阿蘇の風物詩再現 [熊本県]

野草を刈って積み上げた「草小積(くさこづ)み」の風景をよみがえらせる取り組みが、阿蘇地方の草原を舞台に進んでいます。草原保全に取り組む公益財団法人阿蘇グリーンストック(理事長・佐藤義興阿蘇市長)が、草原の歴史を伝える試みの一環として始めました。

阿蘇の草原は農家が放牧や採草地に利用することで維持されてきました。しかし、野草利用の減少や大型機械の導入など、農業の形態が変化したのに伴い、草の保存策である草小積みはほとんど見られなくなrました。

しかし近年、野草堆肥を使った農作物の生産が注目を集めるなど、野草利用を見直す動きが出ています。阿蘇の風物詩として郷愁を覚えるとの声もあり、阿蘇グリーンストックは「草小積み再生プロジェクト」を10月に立ち上げました。

草小積みは牧野組合員などの協力を得て、来春の野焼きまで観光道路沿いの5カ所に計15~20基設けます。

⑰遠山監督「冬の蝶」にグランプリ!テヘラン国際短編映画祭!3日、故郷・八代市で上映会

八代市出身の映画監督遠山昇司さん(32)が監督・脚本を務めた短編映画「冬の蝶(ちょう)」が、第33回テヘラン国際短編映画祭(11月中旬、イラン)のアジア・コンペティション部門でグランプリを受賞しました。冬の蝶と遠山監督の別の新作長編映画「マジックユートピア」(共同監督・丹修一さん)の同時上映会が3日、八代市で開かれ、遠山監督が出演者たちと共に舞台あいさつして受賞を報告します。

映画祭は若手監督の世界的な登竜門の一つ。今年は117カ国から3600本以上の応募がありました。

冬の蝶は八代市泉町・五家荘が舞台で、1月に撮影が行われました。認知症の祖母が危篤との連絡を受けて帰省した女性が、山奥の集落で体験する現実と幻が交錯した世界を描いています。主演の女性をモデル・歌手のUna(ユウナ)さんが、その母親役を八代市出身の女優岩崎幸代さんが務めます。

遠山監督は受賞について「今まで描き続けてきた『生と死の姿』と、そこから派生する『新しい希望』というものが、国境を超えて共感を得られた」と喜ぶ。熊本地震にも触れて「熊本の美しい風景と営みを、冬の蝶を通して海外に発信できた。これからも多くの方々に届けられたらと思います」と話していました。

マジックユートピアも県内が舞台で、米国のアンカレジ国際映画祭とヒューストン国際映画祭で審査員特別賞受賞の高い評価を受けています。

上映会は午後13時半、八代市新町のやつしろハーモニーホールで。Unaさんと岩崎さんも舞台あいさつします。入場料は前売り2千円(当日500円増し、中学生以下は当日千円)。

⑱熊本にクリスマスプレゼントを贈ろう!(熊本復興支援フェア)!

2016年12月3日(土)ビーンズ赤羽にくまモンがやってきます!

昨年ビーンズ赤羽1周年の際にくまモンが遊びに来てくれたお礼と、今年4月の熊本地震復興支援のために、ビーンズ赤羽から熊本へクリスマスプレゼントを贈るイベントを開催いたします。

熊本県のPRキャラクターのくまモンが昨年に続き、ビーンズ赤羽に遊びにやってきます。大人気のくまモンと一緒に楽しく遊ぶことができます。

日程:12月3日(土)

時間:午後13時/午後15時(各回30分程度)

場所:ビーンズテラス スポーツオーソリティ前 特設会場

12月3日(土)・4日(日)の2日間限定で熊本への応援大型メッセージボードを設置いたします。お客さまに自由にメッセージを書いて貼っていただけます。また、募金箱の設置を行い、集まったお金は寄付いたします。

期間終了後はメッセージボードの写真を熊本県にプレゼントいたします。

◆熊本物産展&熊本関連商品の販売

熊本物産展と題して、赤羽澤光とニュー・クイックがくまもと県産商品の販売を行います。また、一部ショップにて熊本県産商品やくまモン関連商品を販売いたします。対象商品の売上金の一部を義援金として寄付させていただきます。

日程:12月3日(土)・4日(日)

時間:11:00~16:30

場所:ビーンズテラス スポーツオーソリティ前

2.ここ一週間の地震

2016/12/01 12:00 01日 11:57頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/01 11:16 01日 11:12頃 福島県沖 2

2016/12/01 00:25 01日 00:22頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/30 20:15 30日 20:12頃 福島県沖 1

2016/11/30 17:23 30日 17:20頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/30 12:36 30日 12:32頃 福島県沖 2

2016/11/30 11:51 30日 11:46頃 和歌山県北部 1

2016/11/30 08:22 30日 08:19頃 福島県沖 1

2016/11/30 08:10 30日 08:07頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/29 20:50 29日 20:44頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/29 12:49 29日 12:46頃 岩手県沖 2

2016/11/29 10:06 29日 10:03頃 岩手県沿岸北部 2

2016/11/29 09:29 29日 09:26頃 三陸沖 2

2016/11/29 07:31 29日 07:26頃 鹿児島県薩摩地方 1

2016/11/29 07:18 29日 07:16頃 宮崎県南部山沿い 1

2016/11/29 02:37 29日 02:34頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/29 00:35 29日 00:30頃 鳥取県中部 1

2016/11/28 23:42 28日 23:37頃 トカラ列島近海 1

2016/11/28 21:34 28日 21:31頃 釧路地方中南部 2

2016/11/28 19:28 28日 19:24頃 福島県沖 1

2016/11/28 17:50 28日 17:46頃 福島県沖 2

2016/11/28 07:20 28日 07:17頃 福島県沖 3

2016/11/28 04:47 28日 04:44頃 福島県沖 1

2016/11/28 02:17 28日 02:12頃 青森県東方沖 1

2016/11/28 00:31 28日 00:29頃 福島県沖 1

2016/11/27 23:59 27日 23:56頃 福島県沖 1

2016/11/27 23:50 27日 23:47頃 福島県沖 1

2016/11/27 21:53 27日 21:50頃 福島県沖 3

2016/11/27 19:20 27日 19:18頃 福島県沖 2

2016/11/27 17:10 27日 17:07頃 福島県沖 2

2016/11/27 17:07 27日 17:02頃 鳥取県中部 1

2016/11/27 09:55 27日 09:52頃 長野県北部 1

2016/11/27 06:32 27日 06:27頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/27 06:29 27日 06:26頃 福島県沖 1

2016/11/26 23:54 26日 23:51頃 福島県沖 2

2016/11/26 21:47 26日 21:40頃 父島近海 2

2016/11/26 21:31 26日 21:28頃 鳥取県中部 1

2016/11/26 19:11 26日 19:08頃 福島県沖 2

2016/11/26 15:12 26日 15:09頃 宮城県沖 1

2016/11/26 09:20 26日 09:17頃 鳥取県中部 1

2016/11/26 07:47 26日 07:44頃 鹿児島県薩摩地方 1

2016/11/26 03:55 26日 03:52頃 豊後水道 3

2016/11/26 02:32 26日 02:29頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/26 02:29 26日 02:26頃 福島県沖 1

2016/11/25 22:23 25日 22:20頃 福島県沖 1

2016/11/25 21:17 25日 21:14頃 福島県沖 1

2016/11/25 20:16 25日 20:13頃 福島県沖 1

2016/11/25 20:06 25日 20:03頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/25 19:34 25日 19:31頃 福島県沖 1

2016/11/25 18:36 25日 18:33頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/25 18:33 25日 18:30頃 日向灘 1

2016/11/25 17:32 25日 17:29頃 福島県沖 1

2016/11/25 17:26 25日 17:22頃 留萌地方中北部 4

2016/11/25 17:01 25日 16:57頃 福島県沖 1

2016/11/25 16:40 25日 16:35頃 福島県沖 2

2016/11/25 15:16 25日 15:12頃 福島県沖 1

2016/11/25 10:14 25日 10:11頃 熊本県阿蘇地方 2

2016/11/25 09:23 25日 09:20頃 福島県沖 2

2016/11/25 09:13 25日 09:09頃 福島県沖 2

2016/11/25 07:00 25日 06:56頃 与那国島近海 2

2016/11/25 03:21 25日 03:17頃 福島県沖 1

2016/11/25 02:00 25日 01:56頃 福島県沖 2

2016/11/25 01:01 25日 00:58頃 福島県沖 1

2016/11/24 23:53 24日 23:49頃 福島県沖 1

2016/11/24 23:46 24日 23:43頃 福島県沖 1

2016/11/24 23:32 24日 23:28頃 福島県沖 1

2016/11/24 19:32 24日 19:29頃 福島県沖 1

2016/11/24 13:51 24日 13:48頃 福島県沖 2

2016/11/24 13:28 24日 13:25頃 鳥取県中部 1

2016/11/24 13:04 24日 13:01頃 釧路地方中南部 1

2016/11/24 12:39 24日 12:36頃 千葉県北西部 1

2016/11/24 12:15 24日 12:12頃 福島県沖 2

2016/11/24 12:03 24日 12:00頃 福島県沖 1

2016/11/24 11:24 24日 11:21頃 福島県沖 1

2016/11/24 09:42 24日 09:35頃 鳥島近海 2

2016/11/24 07:59 24日 07:56頃 奄美大島近海 1

2016/11/24 07:01 24日 06:59頃 福島県沖 1

2016/11/24 06:54 24日 06:51頃 福島県沖 1

2016/11/24 06:46 24日 06:42頃 福島県沖 2

2016/11/24 06:37 24日 06:26頃 福島県沖 2

2016/11/24 06:28 24日 06:23頃 福島県沖 4

2016/11/24 05:52 24日 05:49頃 福島県沖 1

2016/11/24 04:16 24日 04:13頃 福島県沖 1

2016/11/24 03:27 24日 03:21頃 福島県沖 1

2016/11/24 03:22 24日 03:17頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/24 03:20 24日 03:15頃 福島県沖 2

2016/11/24 03:16 24日 03:13頃 福島県沖 2

2016/11/24 02:36 24日 02:33頃 鳥取県中部 2

2016/11/24 00:56 24日 00:53頃 福島県沖 1

(続く)

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