【連載237】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?

『くまモンイラストハンコ15種類発売!文化財保護、民間レベルで5900点を回収!』

12月5日月曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

*下記熊本情報はあらゆる箇所で重複しています。ご了承ください!

くまモンのかわいいイラスト入りハンコ「くまずかん くまモンバージョン」が登場しました。売り上げの一部は熊本地震の義援金として寄付されます。

「くまずかん くまモンバージョン」は、好きなイラストと自分の名前を組み合わせて作るオリジナルのハンコ。作っているのは「ねこずかん」などを手掛けたインターネットのハンコ屋さん「印鑑はんこSHOPハンコズ」です。

今回用意されたのはくまモンの笑顔やお昼寝中の姿など15種類のイラスト。もしかしたら初めて見るポーズもあるかもしれません。

ハンコの材質は銀行印として登録できる黒水牛タイプ・木彫りタイプ(各3500円)と、宅配便の受取りなどに使えるセルフインクタイプ「JOINTY J9」(1800円)があり、材質によって選べるイラストが変わってきます。

今回の「くまずかん くまモンバージョン」は従来の「くまずかん」に比べて黒水牛・木彫りタイプは500円、セルフインクタイプは300円値上がりしています。これは熊本地震・復興支援の義援金として寄付するため。

値上げ分と同額をハンコズが義援金として用意し、黒水牛・木彫りタイプは1本あたり1000円、セルフインクタイプは1本あたり600円を日本赤十字社を通して寄付するそう。寄付の総額は同店のサイトで報告されます。

※価格は全て税・送料込

※銀行印として登録できる金融機関:みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行、池田泉州銀行、イオン銀行

※利用対象外の銀行:スルガ銀行、八十二銀行

※受領印として使用できる宅配業者:ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便

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熊本地震の被災地では、文化財の専門家でつくるチームが、民間の古文書など23件約5900点を、倒壊した建物から回収しました。その状況が昨日4日、九州国立博物館(九博、福岡県太宰府市)で開かれたシンポジウム「熊本地震と文化財レスキュー」において報告されました。関係者は「今後、修復作業を含めて長丁場になる」と、さらなる支援を求めました。

地震では、寺社や民家の土蔵なども数多く被災し、所蔵する古文書や陶磁器などが被害を受けました。特に、国や県などの指定を受けていない文化財は、損害の程度を把握しづらいのです。

国立文化財機構(東京)と九博、地元関係者がこうした文化財をレスキューしようと、4月16日の「本震」直後から熊本県内で活動に取り組んでいました。

活動は、自治体から得られる土蔵などの解体情報を元に実行しました。チームのメンバーが実際に解体現場に出向き古文書などを回収しました。江戸時代の庄屋が書きためていた会計文書など、これからの研究には欠かせない史料も数多くあったそうです。

集めた文化財は熊本市内に2カ所設けた保管所に移し、紙を食べる虫や微生物を退治し、仮修復も進めました。

震災7カ月後の11月22日までに延べ589人が作業に従事し、約5900点の文化財を回収しました。

こうした文化財レスキュー活動は、阪神大震災(平成7年)をきっかけに関心が高まり、東日本大震災(23年)などで活発になりました。

文化庁主任文化財調査官の朝賀浩氏はこの日のシンポで「レスキューでは、所有者の管理が不十分になってしまったことを認識することが大切だ。活動は国や地方公共団体から指定を受けていない文化財が主な対象になる。法的根拠や予算措置などが、今後の課題といえる」と述べました。

実際、被災地の活動では、文化財の保管場所や管理について、誰がどのような責任で行うかの調整が難航し、研究者の確保も難しかったとのことです。

熊本大学教授の稲葉継陽氏は「史料は地域住民の間に、重層的に存在している。(被災建物の解体が進むに連れ)ダメージが蓄積した史料が五月雨式に生まれることが予想される」と訴えました。

九博の三角菜緒アソシエイトフェローも「相談数は増えている。搬出だけでなく、修復など膨大な作業があり、長丁場になる。支援と協力をお願いしたい」と訴えました。

九博の前館長で、文化財保存支援機構の三輪嘉六理事長は「文化財は国や地域のアイデンティティーを示すもので、非常に重要だ。また、熊本県では地域に点在する古文書などについて、もれなく調べる悉皆(しっかい)調査を実施していた。地震後のレスキュー活動で、大いに参考となった」と語っていました。

1.被災地情報

①災害時の育児をサイトで共有!南阿蘇村の宮崎さん開設

熊本地震後の育児体験を共有して災害対応に生かそうと、熊本県南阿蘇村のフリーライター宮崎景衣(けい)(本名・渚)さん(38)がインターネットサイト「ママたちの熊本地震」を開設しました。ミルクやおむつの確保や子どものストレスケアなど、災害時の課題や対応を学ぼうと、県内の母親たちの体験談を募っています。

同村下野の自宅アパートで4月16日の本震に遭った宮崎さんは、夫と一人娘の礼衣(れい)ちゃん(5)と4日間、車中泊をしました。停電し、電話も通じない中、「ほかの母親はどう対応したのか」と、自宅へ戻った後、ママ友たちやその知人らから体験談を聞き始めました。

これまで30人ほどに聞き取りをし、課題が浮かんできたそうです。小さい子がいる家庭は避難所を遠慮し、車中泊が多数派でした。「子ども用の支援物資の情報が少ない」との声もありました。「地域で乳幼児などがいる世帯を把握しておくことも大切」と宮崎さん。

地震後の心のケアについては、「子どもを不安にさせないよう、言葉に気を付けた」「『キャンプみたいだね』と明るい言葉をかけ続けた」といった体験談もありました。一方、数カ月後に親が体調を崩したケースも複数あり、親のケアの必要性も見えてきました。

サイトには、体験談を参考に、備蓄や防災に関するアドバイスも。宮崎さんは「地震の記憶を風化させず、実践的な防災に生かせるデータベースにしたい」と体験談の提供を呼びかけています。

サイトはhttps://www.mamakuma.jp/。体験談は主に電話で取材する。宮崎さんTEL090(8403)0705。

②親子でアニメ「ワンピース」最新作楽しむ!南阿蘇村

熊本地震で甚大な被害が出た南阿蘇村の親子を対象にしたクリスマス上映会が昨日4日、同村の南阿蘇中であり、地元の小中学生らが人気アニメ映画「ONE PIECE(ワンピース)」の最新作を楽しみました。

阿蘇青年会議所が企画。配給元の東映の協力により、熊本出身の尾田栄一郎さんが作者で劇場公開中の「ONE PIECE FILM GOLD」を特別に無料上映しました。長崎青年会議所も義援金などで協力しました。

県内では被災して夏休みに休館した映画館がある中、南阿蘇村は道路環境の悪化で映画館に行くこともままならない状況が続いています。上映会には大勢の親子連れが参加し、主人公の海賊「ルフィ」らが繰り広げる迫力いっぱいのバトルシーンに息をのんで見入っていました。

③阿蘇神社復旧へ農畜産物販売会、熊本市

熊本地震で被災した熊本県阿蘇市の阿蘇神社に売り上げの一部を寄付する「JA阿蘇 農畜産物販売会」が3日、熊本市中央区上通町のびぷれす広場でありました。阿蘇産の新鮮野菜などが並び、大勢の買い物客でにぎわいました。

阿蘇神社の再建に貢献しようと、熊本公徳会とJA阿蘇が開きました。同JAや地元の生産者グループなど8団体が、キャベツやダイコン、阿蘇コシヒカリ、高菜漬け、ジャージー牛乳ヨーグルトなどを販売。阿蘇神社の被災状況を伝える写真の展示もありました。

ツクネイモなどを出品した阿蘇市の農業小島加代子さん(67)は「地震、噴火など逆境が続いたが、こうして多くの消費者が阿蘇の野菜を買い求めてくれている。阿蘇神社の復旧にも貢献したい」と話していました。

➃復興願い、競り威勢良く!田崎市場で感謝祭

熊本市西区の熊本地方卸売市場(通称・田崎市場)で昨日4日、恒例の感謝祭があり、早朝から約5万万人(主催者発表)が訪れました。来場者は熊本地震の被災者や市場関係者の復興を願い、新鮮な魚や青果などを次々に買い求めました。

“県民の台所”を身近に感じてもらおうと、熊本地方卸売市場協同組合連合会がつくる実行委が開き、10回目。今年は復興支援も目的に、市場内の業者やJA、漁協など86団体が参加しました。

水産の競り場を開放。生鮮食品や加工品の販売のほか、復興支援のチャリティーオークションもありました。人気のマグロ解体ショーでは、重さ100キロのマグロ6匹が次々にさばかれ、大トロや赤身を買い求める人でにぎわいました。

青果と鮮魚の「模擬競り」もあり、競り人の威勢のいい声に、大人から子どもまで多くの人が元気よく手を挙げました。目玉商品のマツタケを家族で競り落とした同市中央区の会社員田中智博さん(41)は「競りを体験したのは初めて。市場も被災したと聞いていたが、とても活気があって元気をもらえた」と笑顔で話していました。

⑤よみがえれ「古文書」!学芸員らが被災時の応急処置学ぶ

地震などで被災した古文書の応急処置を学ぶワークショップが3日、熊本県宇城市松橋町の県博物館ネットワークセンターであり、県内外の学芸員や市民ら30人が参加しました。九州国立博物館(福岡県太宰府市)と九州・沖縄・山口各県の美術館、博物館などでつくる実行委が、3カ年で取り組む文化財保護事業の一環。

東北大災害科学国際研究所(仙台市)の天野真志助教が、東日本大震災で被災した古文書の応急処置に多くの市民ボランティアが携わっていることを紹介。参加者は、コーヒー豆で汚された疑似古文書を教材に、寸法や被害状況を専用用紙にまとめ、はけで汚れを落とす作業を学びました。

熊本地震でも多数の古文書が被災し、応急処置に当たる人材確保などが課題。古文書サークルに所属する宇城市の市丸かな子さん(67)は「応急処置は段階的に進めることが分かり、参考になった」と話していました。

新潟県十日町市教育委員会による被災した写真整理の研修もありました。

⑥お得に宿泊、天草楽しもう!割引券第2弾

熊本県天草市は熊本地震で落ち込んだ観光客を呼び戻そうと、額面5千円分を半額の2500円で購入できる「プレミアム宿泊割引券」を発行します。6月に続く第2弾で、今回は事前に宿泊施設を選択する「指定券」も用意。抽選販売で、申込期間は5~11日。

市内の全対象77施設で使える「一般券」(1932枚)と、48施設に16枚ずつ割り当てた「指定券」(計768枚)を用意。指定券は申し込み時に希望施設を選び、その中から抽選となる。対象施設は天草宝島観光協会ホームページに掲載。

1人4枚まで。ホームページか、往復はがきに氏名や電話番号、一般券か指定券か(指定券の場合は希望宿泊施設も)、枚数などを記入して申し込む(11日必着)。使用期間は来年1月4日~2月28日。

同協会は「前回は利用施設が大手など一部に集中してしまったため、指定券でより多くの宿泊施設を使ってもらいたい。冬の天草を楽しんでほしい」としています。同協会TEL0969(22)2243。

⑦地震で液状化、「傾いた家」の抜本策遠く!熊本市の日吉・近見地区

熊本地震で広く液状化が起きた熊本市。南区の日吉・近見地区の一部では、傾いた家を元に戻す工事が進んでいます。他方、家屋を解体する住民もいますが、その後の地盤改良や家屋再建までは見通せていません。震災からやがて8カ月。復旧の遅れに、地区では「自分たちだけ取り残されているようだ」という声も聞こえます。

「このまま傾いた家で暮らすことも考えていた」。南区日吉の北川俊博さん(65)は11月下旬、液状化で傾いた家を「ジャッキアップ」で直してもらいました。工具で家屋を持ち上げ、傾きを修正する工法です。

築11年の家は北東側に30センチ近く沈み込み、「大規模半壊」と判定されました。父の代から自宅で牛乳屋を経営。土地を離れることは考えられず、地震後も家族3人で生活してきました。

「平衡感覚がおかしくなり、気が狂いそうだった。扉の開け閉めすら満足にできず、腰や首を悪くした」と顔をしかめていました。

知人から業者を紹介してもらい、10月末に着工。費用は約270万円で、義援金や支援金を充てると、80万円程度の手出しで済みました。北川さんは「解体しても家は新築しなければならない。今の家のローンも残っており、この年齢で二重ローンは抱え込めない」と選択の理由を話していました。

近くの樋口文江さん(70)も「半壊」の家屋をジャッキアップで持ち上げました。「元に戻った家の玄関を開けた時、空気が違った。新築の家のように感じました」と喜んでいました。

一方、近見地区の元会社員の男性(66)は、「全壊」した自宅を公費解体することにしました。現在は中央区の親戚宅に身を寄せており、「地盤が強化されない限り、このまま地元で暮らすのは不安だ」と漏らしています。ただし、解体がいつになるか決まっておらず、地盤改良の公的な支援制度がどうなるのかも知らされていません。一帯の飲食店の中には営業の再開を諦め、すでに転出した店もあります。

地元自治会などによりますと、県内外の施工・解体業者が地区を訪れており、一部で代金トラブルや工事不良も発生しています。

近見地区の森田正弥さん(70)の自宅は「半壊」。東から西側に向けて家が傾き、屋内の廊下を歩くと体が前のめりになるほどです。台所のテーブルの脚には、バランスを保つため雑誌を敷いています。森田さんは「寝る時も体が斜めになって、腰や首が痛い。いまだに傾いた家で暮らす人は多い」と声を沈ませていました。

⑧復興願う、冬の明かり、合志市の竹迫城跡公園

合志市上庄の竹迫城跡公園・寛永堀橋一帯で3日夜、イルミネーションの点灯が始まりました。色とりどりの光が城跡の斜面や橋の欄干を彩り、堀の水面にも映り込んでキラキラと輝いています。

地域のボランティア団体「上庄魅力化推進委員会」が、約5万個のLED電球を飾り付けました。点灯すると、暗闇の中に熊本地震からの復興を願う「がんばろうくまもと 今こそ心一つに立ち上(あが)ろう」のメッセージが浮かび上がりました。

例年、夏の「ホタル祭り」の名物だった電飾ですが、今年は地震の影響で中止に。同委員会の緒方明さん(67)は「大変な1年だったが、イルミネーションだけはできてよかった。冬の明かりを楽しんでほしい」。点灯は午後18時半~同22時。24日まで。

⑨なが~い巻きずし完成!菊水東小児童が挑戦

和水町の菊水東小の全児童26人が昨日4日、長さ10メートル級の巻きずし作りに挑戦しました。保護者や先生らと協力しながら、見事に2本を巻き上げました。

学校側と地域住民との恒例の交流会で「親子で一緒に体験できるイベントをしよう」と保護者が提案しました。

会場の多目的ホールでは、机の上に巻きすを連ねて設置。子どもたちはのりに酢飯を広げ、カニ風味のかまぼこやキュウリなどをのせてタイミング良く一気に巻き上げました。

学年ごとに分かれて2度作り、計測結果は10.39メートルと8.48メートル。6年の有働若菜さんは「息を合わせるのが難しかったけど、10メートルもつながってびっくり」と笑顔で話していました。

⑩巫女姿「正月楽しみ」!加藤神社で衣装合わせ

熊本市中央区本丸の加藤神社で昨日4日、初詣客の応対にあたる臨時の巫女(みこ)の衣装合わせがあり、高校生や大学生らが白衣と緋(ひ)ばかまを身にまといました。

正月に合わせて募集しており、今年は62人を選びました。この日は53人が参加し、常勤の巫女から、はかまのひもの結び方などの手ほどきを受けながら、衣装を着付けました。

初めて参加する必由館高2年、吉村彩花さんは「憧れの格好で気が引き締まった。今からお正月が楽しみです」とにっこり。

今年は正月三が日で48万人の参拝客が訪れた同神社。熊本地震で熊本城一帯の交通規制が続きますが、湯田崇弘宮司は「一人でも多くの人に今の城の様子を見に来てほしい」と話していました。

⑪ 平穏な一年に」赤ら顔で祈る!御船町

御船町滝尾の玉虫地区で昨日4日、大杯に注がれた1升3合3勺(しゃく)(約2.4リットル)の酒を飲み回す「節頭回し」がありました。山の神に五穀豊穣(ほうじょう)を感謝し、一年を締めくくる伝統行事。

神事の後、玉虫公民館で“開宴”。直径約30センチの「節頭鉢」と呼ばれる大杯に、かんをつけた日本酒があふれんばかりに注がれ、男性約20人が上組・中組・下組の集落ごとに挑みました。

「減っとらんぞ」「頑張らんかい」と掛け声がかかる中、大杯を回し飲み。各組最後の一人が飲み終わり、杯をひっくり返して頭上に掲げると大きな拍手が湧きました。

豪快な飲みっぷりを披露した増田公紀区長(76)は「ことしは災害が多かった。来年は平穏な一年になってほしい」と赤ら顔で願っていました。

⑫ジブリ流自由な発想で復興提案!「お菓子の城を」

熊本地震で被災した建物の復旧や復興について、自由に発想を出し合う「妄想会議」と題したイベントが昨日4日、熊本市中央区の熊本市現代美術館でありました。約60人が参加、様々な発想で提案しました。

来月9日まで開催中の「ジブリの立体建造物展」の催しの一つ。展示を監修した藤森照信・江戸東京博物館長とスタジオジブリの青木貴之・イベント事業室プロデューサーも参加。パネリストで熊本市在住のグラフィックデザイナー、河北信彦さんは、熊本城修復の現場を見学できる電車などを提案。会場からは「全国でお菓子の熊本城をつくって食べて応援してもらう」「地下空間を活用し、地上に広々とした空間を作る」などの意見も出ました。

昨年の会議で出たアイデアの中で実現されたものもあるといい、熊本大の田中尚人准教授は「妄想を通して考え、様々な人と交流する場づくりになった」と話していました。

⑬水俣漁師市客続々!安い魚介、会話楽しく

水俣市の丸島漁港で月1回開かれる水俣漁師市が人気だ。アジ、タチウオ、タイなど生きのいい天然の魚が安く、県内外から常連客が訪れます。「水俣」につきまとう風評に負けまいと、あえて「水俣」の名を冠して2014年12月に始めた市は、漁師たちの心意気が結実した催しでもあります。2周年となる10日は、記念イベントも企画。主催する水俣市漁協は「開場直後に品切れになることも予想されるので、お早めの来場を」と呼び掛けています。

11月12日、漁港に威勢のいい声が響く。「はい、いらっしゃい」。トロ箱に漁師たちが前夜から当日朝にかけて捕った魚が並びます。鹿児島県出水市から友人と訪れた60代女性は漁師から調理法を教わり、アジなどを買いました。「漁師さんと会話しながら買えるのが魅力です」。スーパーでは味わえない漁師との対面販売は、漁港ならではの趣向です。

漁師市を始めたのは、魚価が下落し国内水産業が軒並み苦境にあった時期。かつて不知火海が水俣病の原因物質に汚染された時期があり、1997年に当時の県知事が水俣湾の安全宣言をしてからも、風評被害が払拭(ふっしょく)されたわけではありません。

だからこそ、漁師たちはじっとしているわけにはいきませんでした。「目の前に広がる海と漁師の今の姿を見てほしい」。水俣市漁協の諌山弘樹参事(51)は、漁師市を始めるに至った思いをこう振り返ります。「水俣」の名を掲げて船出する一抹の不安は、いつも足を運んでくれる常連たちの笑顔がかき消してくれました。

10日に迎える漁師市の2周年イベント。諌山参事は「普段、海に接する機会がない人も、漁師たちを困らせるくらいどんどん質問を投げ掛けてほしい。漁師の人柄や仕事ぶり、海に関する豊富な知識などを知る機会になるはず」と話しています。

⑭石橋の魅力や活用策探る!散策ツアーとフォーラム、八代市東陽町で開催

国指定重要文化財の通潤橋(つうじゅんきょう)(山都町)などを築いた石工集団「種山石工」が拠点にした八代市東陽町(旧種山村)で昨日4日、石橋散策ツアーと、石橋の魅力や保存、活用策を考える「石橋フォーラム」がありました。

フォーラムでは「日本の石橋を守る会」の上塚尚孝事務局長が、のみ跡が残るぬくもりや無駄をそぎ落とした構造美、耐久性、四季の景色との調和など、石橋の魅力について基調講演。

パネル討論もあり、東陽石匠館の中野敏憲館長が「地域の宝は地域で守るのが前提だが、地域住民の高齢化も進んでおり、行政と連携しながら石橋の保存を図る必要がある」と指摘。「山都町の石橋を守る会」の石山信次郎副会長は熊本地震による損傷で放水が中止されている通潤橋について「年内にも展望所ができる予定なので、復旧していく通潤橋の様子をぜひ見にきてほしい」と呼びかけていました。

⑮佐賀の高校生が仮設住宅に縁台、西原村に50脚寄贈、応援メッセージ添え

佐賀県内の工業系高校5校の生徒がこのほど、熊本地震で被災した西原村の仮設住宅に手製の縁台50脚と玩具を贈りました。

5校は佐賀工高、鳥栖工高、唐津工高、塩田工高、北陵高。不自由な生活を強いられている被災者を励まそうと、クラブ活動の中で作製しました。スギ材を用いて組み立てた縁台には県のPRキャラクター「くまモン」のイラストのほか「九州はひとつ」「力を合わせて頑張ろう」といった応援メッセージも添えました。

佐賀市の佐賀工高で11月27日に出発式があり、生徒6人がトラックに積み込みました。塩田工高3年の松尾歩美さん(18)は「縁台に腰掛けて語り合い、安らかな気持ちになってもらえたらうれしい」と話していました。

⑯仮設で「学習支援」好評!講師役は若者や大学生!益城町にNPO法人開設

熊本地震で被災し、仮設住宅などで暮らす子どもたちに学習する場を提供しようと、東日本大震災の被災地で子どもの学習支援などに取り組むNPO法人「カタリバ」(東京都)が、益城町の中学校や仮設団地の集会所で無料の学習会を開いています。講師役は大学生など若者が中心です。震災で生活環境が変わり、ストレスを抱えがちな子どもたちがほっとできる居場所としての役割も期待されています。

11月28日午後20時すぎ、県内最大規模の益城町の「テクノ仮設団地」のF集会所で学習会が「本開校」しました。この日、10人の中学生が英語の教科書や数学の参考書などを机に広げ、真剣な表情で筆記具を走らせました。設問の意味や専門用語の暗記の仕方など、疑問があればスタッフに声を掛け、活発に質問していました。

熊本地震発生後、益城町内の中学校2校は約3週間にわたり休校しました。避難所に身を寄せ、勉強する場所を確保できない子どもたちのために「カタリバ」は授業再開後の5月中旬から学習会「ましき夢創塾」を開設。職員2人のほか、熊本市内の大学生たちが講師を務め、生徒たちの自習をサポートするようになりました。仮設住宅への入居が進み、町内の全ての避難所が解消されたことから、仮設団地の集会所でも学習会を始めることを決めました。

「子どもたちが学びを通じ、自分の成長を実感できる場にしたい」。スタッフの芳岡孝将さん(32)は、生徒たちを温かく見守ります。芳岡さんは東日本大震災の被災地、宮城県女川町と岩手県大槌町で、熊本地震が発生するまでの4年間にわたり子どもの学習支援を続けました。

地震直後の「非常事態」の時期が終わり、仮設住宅での暮らしが日常になり始めました。そんな中、芳岡さんは子どもたちに疲れや不安が出始めていると感じています。「つらいことを話したいときに吐き出せる、近くにいるちょっと年上の先輩でありたい」と話していました。

看護師を目指し、受験勉強に励む木山中3年の長広桃子さん(14)は「バスに乗って塾まで通うのはしんどい。学習会は家の近くで勉強でき、先生と学校の話もできるから楽しい」。母千代さん(49)は「荷物が多くて勉強机も置いてあげられないことがつらかった。本当にありがたい」と喜んでいました。カタリバは、2017年度末まで学習支援活動を続ける予定です。

2.ここ一週間の地震

2016/12/05 11:24 05日 11:21頃 伊豆大島近海 2

2016/12/05 07:34 05日 07:31頃 神奈川県西部 1

2016/12/05 06:34 05日 06:30頃 トカラ列島近海 1

2016/12/05 06:13 05日 06:09頃 紀伊水道 1

2016/12/05 05:47 05日 05:43頃 福島県沖 2

2016/12/05 02:51 05日 02:48頃 宮城県沖 2

2016/12/05 01:04 05日 01:01頃 栃木県北部 1

2016/12/04 23:57 04日 23:53頃 留萌地方中北部 2

2016/12/04 22:31 04日 22:28頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/04 20:46 04日 20:42頃 福島県沖 3

2016/12/04 18:50 04日 18:47頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/04 14:39 04日 14:36頃 福島県沖 3

2016/12/04 14:36 04日 14:33頃 福島県沖 2

2016/12/04 14:24 04日 14:21頃 鳥取県中部 1

2016/12/04 14:17 04日 14:14頃 沖縄本島近海 1

2016/12/04 12:02 04日 11:59頃 岩手県沖 1

2016/12/04 08:38 04日 08:34頃 福島県沖 2

2016/12/03 08:32 03日 08:29頃 長野県南部 2

2016/12/03 05:56 03日 05:50頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/03 05:19 03日 05:16頃 千葉県北西部 2

2016/12/02 22:13 02日 22:10頃 宮古島近海 1

2016/12/02 18:59 02日 18:56頃 熊本県天草・芦北地方 2

2016/12/02 18:44 02日 18:41頃 日向灘 1

2016/12/02 15:54 02日 15:51頃 福島県沖 1

2016/12/02 15:38 02日 15:35頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/02 10:10 02日 10:07頃 福島県沖 1

2016/12/02 08:07 02日 08:03頃 福島県沖 2

2016/12/02 06:23 02日 06:19頃 熊本県熊本地方 3

2016/12/02 05:26 02日 05:22頃 茨城県北部 1

2016/12/02 04:46 02日 04:42頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/02 02:47 02日 02:44頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/01 23:08 01日 23:04頃 愛媛県南予 1

2016/12/01 22:59 01日 22:57頃 奈良県 1

2016/12/01 19:10 01日 19:07頃 鳥取県中部 2

2016/12/01 18:43 01日 18:39頃 福島県沖 1

2016/12/01 16:09 01日 16:06頃 鳥取県東部 1

2016/12/01 15:13 01日 15:10頃 鳥取県東部 2

2016/12/01 15:08 01日 15:05頃 釧路沖 1

2016/12/01 14:16 01日 14:13頃 愛媛県南予 1

2016/12/01 14:06 01日 14:04頃 福島県沖 1

2016/12/01 12:00 01日 11:57頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/01 11:16 01日 11:12頃 福島県沖 2

2016/12/01 00:25 01日 00:22頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/30 20:15 30日 20:12頃 福島県沖 1

2016/11/30 17:23 30日 17:20頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/30 12:36 30日 12:32頃 福島県沖 2

2016/11/30 11:51 30日 11:46頃 和歌山県北部 1

2016/11/30 08:22 30日 08:19頃 福島県沖 1

2016/11/30 08:10 30日 08:07頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/29 20:50 29日 20:44頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/29 12:49 29日 12:46頃 岩手県沖 2

2016/11/29 10:06 29日 10:03頃 岩手県沿岸北部 2

2016/11/29 09:29 29日 09:26頃 三陸沖 2

2016/11/29 07:31 29日 07:26頃 鹿児島県薩摩地方 1

2016/11/29 07:18 29日 07:16頃 宮崎県南部山沿い 1

2016/11/29 02:37 29日 02:34頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/29 00:35 29日 00:30頃 鳥取県中部 1

2016/11/28 23:42 28日 23:37頃 トカラ列島近海 1

2016/11/28 21:34 28日 21:31頃 釧路地方中南部 2

2016/11/28 19:28 28日 19:24頃 福島県沖 1

2016/11/28 17:50 28日 17:46頃 福島県沖 2

2016/11/28 07:20 28日 07:17頃 福島県沖 3

2016/11/28 04:47 28日 04:44頃 福島県沖 1

2016/11/28 02:17 28日 02:12頃 青森県東方沖 1

2016/11/28 00:31 28日 00:29頃 福島県沖 1

(続く)

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