『マンマ・ミーア!』レビュー:ブロードウェイに復活、夏にぴったりのABBAのスプラッシュ

棚の上の歴史の本は、いつも同じことを繰り返している!
再び夏がやってきたブロードウェイのウィンターガーデン・シアター。夢のディスコ・ミュージカル『マンマ・ミーア!』が、10年ぶりに木曜の夜ここに戻ってきたのだ。

ギリシャの島を舞台にしたロマンティックなドタバタ喜劇に、70年代のABBAの耳に残る名曲を組み合わせたこの素晴らしい逃避型ミュージカルは、批評家たちをいつも「アンダー・アタック」の歌詞さながらの気分にさせる。
崩壊寸前、防御が崩れていく!

私たちは本来、ジュークボックス・ミュージカルを褒めてはいけないことになっている。シットコム的なお気楽さを認めてはいけない。厚底靴や目がくらむほどカラフルなベルボトムを見て、目を回すのが正しい反応だ。
だが私はこう言いたい。「音楽をありがとう」。『マンマ・ミーア!』は深刻さや憂鬱から解放してくれる、今まさに必要なバカンスだ。そしてその土台は核爆発にも耐えうる。古典的ポップソングを新しい物語に織り込むジャンルの“母”であるこの作品は、今でもゲームの中で最高の存在なのだ。

20年以上前に初めて観たときから、この作品の引き締まった構成と機知に富んだ巧みさには今なお感心し続けている。
カロカイリという架空の島、そして亡命者ドナのタベルナを何度も訪れた私のような観客にとって、今回のウィンターガーデン公演にはいくつか明らかな“刈り込み”が見られる。

ブロードウェイ復活公演『マンマ・ミーア!』のカーテンコール。
『マンマ・ミーア!』は10年ぶりにブロードウェイに戻ってきた。
ZUMAPRESS.com

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舞台にかかっているのは全国ツアー版であり、ブロードウェイ用に特別に作られたプロダクションではない。そのため規模も小さく、コストも抑えられている。「ヴーレ・ヴ―」で石畳が光る演出はなく、アンサンブルが壁から顔をのぞかせてタイトル曲を歌う場面もない。
最初はその“ドラクマ節約”に腹が立ったが、「I work all night, I work all day」と歌うドナとザ・ダイナモス、そして花嫁になるソフィと3人の父候補にすぐに心を掴まれた。
どうしてあなたを拒めるだろう?

『マンマ・ミーア!』の公演で本を覗き込む3人の女優。
ソフィ(エイミー・ウィーヴァー)が、自分の本当の父親が誰なのかをこっそり探ろうとする。
AP

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観客はクリスティーン・シェリル演じるドナを決して抗えないはずだ。彼女はこの役を演じた中でも最も印象に残る一人だろう。
「マネー。マネー、マネー」を歌うオーバーオール姿のビジネスオーナーとして、1970年代の3人の元恋人が20年後に同じ日にホテルを訪ねてくる。シェリルは『潮風のいたずら』(ゴールディ・ホーン主演)のような奔放な楽しさと笑顔を見せながら、「スリッピング・スルー」や11(23)時のナンバー「ザ・ウィナー」では観客を不意打ちのように感情で圧倒する。
彼女のバラードはまさにスタンドを飛び越えていく。

ドナの「スーパー・トゥルーパー」仲間であるロージーとターニャを演じるカーリー・サコローブとジャリン・スティールは、使い古されたギャグに新しい命を吹き込む。「テイク・ア・チャンス」や「ダズ・ユア・マザー・ノウ」を歌えば、笑いはウーゾのように溢れ出す。

ドナを演じるクリスティーン・シェリル(中央)が舞台をさらい、彼女の仲間ダイナモスであるターニャ(左・ジェイリン・スティール)とロージー(右・カーリー・サコローブ)と共演。
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『マンマ・ミーア!』はいつだって男性の肉体美を見せるショーでもあったが、男性陣の才能を主役に据えたことは一度もない。なにせタイトルは『ダッダ・ミーア!』ではないのだから。男たちはみな、それぞれ父親役を無難にこなす。逞しいサムを演じるヴィクター・ウォレス、荒々しい冒険家ビルのジム・ニューマン、そして落ち着かない英国人ハリーのロブ・マーネル。必要な役割はしっかり満たしている。
(2008年のメリル・ストリープ映画版のファンは、ピアース・ブロスナンについて「ノーコメント」と言うのが常だ)。

若い恋人たちソフィとスカイを演じるエイミー・ウィーヴァーとグラント・レイノルズも、これまで通り甘く爽やかだ。
作品自体も同じく、多少ほころびはあるが健在だ。

『マンマ・ミーア!』がブロードウェイに戻るのはわずか6か月間。しかし、すぐに幕を閉じる理由はどこにもない。
より新しいABBAの曲を引用するなら、こう言いたい——「Don’t shut me down!」

https://nypost.com/2025/08/15/entertainment/mamma-mia-review-back-on-broadway-a-much-needed-summer-splash-of-abba/

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