『CHESS』リア・ミシェル、アーロン・トヴェイト、ニコラス・クリストファーの圧巻の歌唱で高評価

ブロードウェイ版『CHESS』リバイバル、

リア・ミシェル、アーロン・トヴェイト、ニコラス・クリストファーの圧巻の歌唱で高評価

*ブロードウェイ公演『CHESS』より、リア・ミシェルニコラス・クリストファー
クレジット:マシュー・マーフィー

長年待ち望まれていたミュージカル『CHESS』のブロードウェイ・リバイバルが、11月16日(日)、ニューヨーク市のインペリアル・シアターで開幕した。これは、カルト的人気を誇るこの作品が、約40年ぶりにフルスケールでブロードウェイに戻ってきたことを意味する。
相変わらず複雑で入り組んだ物語は、すべてのドラマ的な一手が完全に決まるとは言い難いものの、この舞台の中心にある「声」については、議論の余地がまったくない。

その明快さをもたらしているのが、作品を牽引する三人の主役だ。
アメリカ代表のチャンピオン、フレディ・トランパー役のトニー賞受賞者アーロン・トヴェイト、ロシア代表のライバル、アナトリー・セルギエフスキー役のニコラス・クリストファー、そして二人の間で忠誠心と心が揺れ動くCHESS戦略家フローレンス・ヴァッシー役のリア・ミシェル
この三人のダイナミズムが物語の感情的な緊張感を生み出しており、その圧倒的な歌唱力の総和は、今のブロードウェイで聴ける中でも最高峰と言っていいかもしれない。

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*ブロードウェイ公演『CHESS』より、アーロン・トヴェイトリア・ミシェル
撮影:マシュー・マーフィー

『CHESS』には、長い歴史がある。
1984年、ABBAのベニー・アンダーソンビヨルン・ウルヴァースが音楽を、ティム・ライスが作詞を手がけたコンセプト・アルバムとして構想され、1986年にロンドンで初演されると、たちまちセンセーションを巻き起こした。
しかし1988年のブロードウェイ初演は成功とは言えず、「ワン・ナイト・イン・バンコク」「ノーバディズ・サイド」「アンセム」「アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウェル」といったポップ・ロックの名曲を擁しながらも、わずか68回の通常公演で幕を閉じた

長年にわたり、多くのプロダクションが、この作品のアキレス腱とされてきた脚本の再生を試みてきたが、完全な解決には至っていない。

今回のリバイバルでは、ダニー・ストロングがその難題に真正面から挑んでいる。
『リカウント』『ゲーム・チェンジ』『ドープシック』などで知られる、エミー賞・ゴールデングローブ賞受賞の脚本家である彼にとって、これが初のブロードウェイ作品だ。
ストロングは、冷戦下の陰謀劇を整理し、世界CHESS選手権を巡る政治的駆け引きに埋もれがちだった感情面の緊張感を明確にすることを目指している。

彼の改訂版は、人間関係を引き締め、動機を簡素化するなど、確かな改善を見せている。
それでもなお、物語は濃密で、ときに混乱を招く。外交、国家の誇り、個人的な遺恨が、突飛なテレビ中継のチェス対局に託され、観客の忍耐力を試す場面もある。

*ブロードウェイ公演『CHESS』より、ニコラス・クリストファー
撮影:マシュー・マーフィー

だが幸いなことに、舞台の中心にいる俳優たちのパフォーマンスがあまりに刺激的なため、物語上の綻びの多くは凌駕される。

ミシェルは、2022年の『ファニー・ガール』リバイバル以来となるブロードウェイ復帰作として、フローレンス役にスーパースター級の歌唱力を存分に注ぎ込んでいる。
この役は、感情面でも音楽面でも高度な器用さを要求されるが、ミシェルはそれを難なくこなし、「他の誰かのストーリー(サムワン・エルスズ・ストーリー)」では、泣きながら歌っても音程を外さないという稀有な技まで披露する。

静かな脆さから、天を突くようなパワーへと自在に移行するその表現力が、フローレンスという人物像に豊かな奥行きを与え、舞台全体をしっかりと支えている。
時に、彼女の演技が「解き放たれている」というより「整いすぎている」と感じられる瞬間はあるものの、壮大なバラードでの歌唱はあまりに卓越しており、他のすべてを圧倒してしまう。

*ブロードウェイ公演『CHESS』より、リア・ミシェル
撮影:マシュー・マーフィー

トヴェイトもまた、ミシェルに引けを取らない存在感で、彼がなぜブロードウェイで最も信頼されるスターの一人なのかを改めて証明する。
フレディ役として、虚勢と傷ついた誇りが混じり合う危険な人物像に全身全霊で向き合い、その尊大さの裏に潜む不安を垣間見せることで、魅力的かつ痛々しい複雑さを生み出している。

歌唱面でも、トヴェイトは切れ味抜群だ。
「かわいそうな子(ピティ・ザ・チャイルド)」ではロック色の強い明るさが鋭く突き刺さり、「ワン・ナイト・イン・バンコク」では、ほぼ裸の状態でアンサンブルに着替えさせられながら歌うという大胆な演出の中で、楽曲のポップなエッジを存分に受け止める
(どうやら「ズボンは一度に片脚ずつ履く」という常識には、明確な例外があるらしい)。

*ブロードウェイ公演『CHESS』より、アーロン・トヴェイト
撮影:マシュー・マーフィー

しかし、この舞台で最も心を奪うパフォーマンスを見せ、今後何年も語り草になるであろう存在は、クリストファーだ。

『ハミルトン』『ミス・サイゴン』『スウィーニー・トッド』などの出演歴を持つベテランだが、『CHESS』における彼は、まさに啓示的だ。
スター誕生を告げるブレイクスルーとなる演技で、彼を確実に集客力のあるブロードウェイ俳優として再紹介している。
アナトリーを、抑制された、ほとんど警戒心すら感じさせる佇まいで演じ、葛藤を表面下で静かに煮え立たせる。そして楽曲が心を解き放つ瞬間、押し殺していた感情をすべて音楽に注ぎ込み、その豊かで力強い声が役に圧倒的な重みを与える。

これは、歌による物語表現の名手本だ。
「私の目指す場所(ホエア・アイ・ウォント・トゥ・ビー)」は疑念を孕んだ静かな告白となり、「アンセム」はじわじわと燃え上がった末に、観客を総立ちにさせる全開の解放へと至る。
そして「エンドゲーム」では、彼が放つ一音があまりに壮絶で、劇場全体が息を止め、時間そのものが音のために静止したかのような瞬間が訪れる。

*ブロードウェイ公演『CHESS』より、ニコラス・クリストファー
撮影:マシュー・マーフィー

ミシェル、トヴェイト、クリストファーを取り巻くキャスト陣も同様に素晴らしい。
とりわけ、スヴェトラーナ・セルギエフスキー役のハンナ・クルーズは、静かな緊張感で役を格上げし、その余韻を長く残す。「ヒー・イズ・ア・マン、ヒー・イズ・ア・チャイルド」での歌声は圧巻で、「アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウェル」ではミシェルとの力強いデュエットで完璧な対比を見せる。

物語の曲折を観客に案内するのが、ナレーター兼アービター役のトニー賞ノミニー、ブライス・ピンカムだ。
彼の生来の魅力とコメディセンスは、複雑な展開を和らげ、随所に心地よい軽やかさをもたらす。
トランプ、バイデン、RFK Jr. への言及など、現代的なネタが一瞬観客を現実に引き戻す場面もあるが、ピンカムの語り口がトーンの崩壊を防いでいる。

*ブロードウェイ公演『CHESS』より、ハンナ・クルーズ
撮影:マシュー・マーフィー

それでもなお、ストロングの改訂脚本が『CHESS』のすべての結び目を解くことはできていない。
そのため演出のマイケル・メイヤーは、オーケストラを舞台上に配置する様式化されたコンサート風の演出に舵を切り、音楽のポップな遺産を否定するのではなく、むしろ全面に押し出している。
常に音楽こそが最大の武器であったこの作品にとって、サウンドを中心に据えることで、物語の感情の流れは、たとえ筋立てが絡み合ったままでも、鮮やかに浮かび上がる。

最終的に、それが勝利の一手となった。
ミシェル、トヴェイト、クリストファーの声が作品を運び、堂々たるチェックメイトへと導くのだ。

『チェス』のチケットは現在発売中。

*ブロードウェイ公演『CHESS』より、アーロン・トヴェイトリア・ミシェル
撮影:マシュー・マーフィー

https://people.com/broadway-chess-revival-scores-lea-michele-aaron-tveit-and-nicholas-christopher-review-11850544

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