【レビュー】MYCOに脱帽! 今夜の『CHESS』の2回目で最後の公演に戻りたくなりました

レビュー:「MYCOに脱帽! 今夜の『CHESS』の2回目で最後の公演に戻りたくなりました」オックスフォード・プレイハウスにて。

*アナトリー(アイザック・ジャクソン)、写真クレジット: Hannah Veale。

MYCOのキャストは、初日の緊張を解くのに10秒もかかりませんでした。そこからは、昨夜オックスフォード・プレイハウスで彼らの『CHESS』の再演を見る幸運にただ驚嘆するばかりでした。

「ABBAファンやミュージカルファンなら、これを愛するでしょう」。

3度目の正直! MYCOは4年前のオリジナルキャストの一部を迎え、『CHESS』をオックスフォード・プレイハウスで誇らしげに再演します!

『CHESS』はもともと1984年に上演され、冷戦時代を背景にした未だに痛々しいほど現実的な風刺劇です。愛の三角関係に巻き込まれた登場人物たちは、冷笑的なマネージャーたちにCHESSの駒のように操られます。

*CHESS Company 2024、写真クレジット: Hannah Veale。

音楽はABBAのベニーとビヨルンが担当し、歌詞はティム・ライスが手掛けました。このチームが揃えば、MYCO(Musical Youth Company of Oxford)のパフォーマーたちが自信を持って舞台を歩くのも当然のことでしょう。

「歌、音楽、ダンス、スクリーンが見事に組み合わされ、スリリングで脈動する全体が生まれた」。

とはいえ、観客が自分たちと同じくらいよく知っている曲を歌うとなると、プレッシャーがかかることは想像に難くありません。
まず最初に、(バンコクのアービター役の)リリー・バトラーに拍手を送りたい。彼女は鮮やかなピンクのトレンチコートを身にまとい、堂々とした「ワン・ナイト・イン・バンコク」のパフォーマンスでそれを見事にやり遂げました。そして2番目に、(アナトリーの妻と恋人役の)フレイヤ・ドブソンとグレース・ノーブルに感謝したい。彼女たちは美しく哀愁漂うデュエット「アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウェル」を見事に歌い上げました。

*動画は2009年モスクワ公演の一部にて。

*音楽はホイットニー・ヒューストンのカバー・バージョン。

また、ダニエル・ノースとアイザック・ジャクソン(アメリカとロシアのチェスチャンピオン役)も、ウェストエンドの舞台に立ってもおかしくないほどの才能を持ち、若さを感じさせない堂々とした演技を見せました。

*CHESS Company 2024、フローレンス・ヴァッシー(グレース・ノーブル)とフレディ・トランパー(ダニエル・ノース)、写真クレジット: Hannah Veale。

そして忘れてはならないのがライブバンドです。舞台上のパフォーマーたちを支える安定したリズムで、完璧なグルーヴ感を提供していました。
音楽だけではなく、振付も見事で、チェスの駒に扮した全キャストがバックドロップスクリーンに投影されたゲームを再現する場面で頂点に達しました。

*フレディ・トランパー(ダニエル・ノース)、写真クレジット: Hannah Veale。

歌、音楽、ダンス、スクリーンが見事に組み合わされ、スリリングで脈動する全体が生まれました。この公演が2回しかないという事実は犯罪的です! 私は今夜の2回目で最後の公演に戻りたくてたまりません。MYCOカンパニーにおめでとうを送りたいです。
※MYCO:Musical Youth Company of Oxford(オックスフォード・ミュージカル・ユース・カンパニー)の略で、若いパフォーマーたちによるミュージカル劇団です。MYCOは、オックスフォードを拠点に活動しており、若い才能にミュージカルや演劇の舞台経験を提供することを目的としています。プロフェッショナルな演出や指導のもと、様々な舞台作品を上演し、地域の観客に楽しんでもらうと同時に、若者たちに演技や歌、ダンスのスキルを磨く機会を提供しています。

※オックスフォード・プレイハウス(Oxford Playhouse):イギリス・オックスフォードにある歴史的な劇場です。1938年に開業したこの劇場は、演劇、コメディ、ミュージカル、ダンス、音楽など幅広い公演を開催しており、地域の文化的な中心地として知られています。
オックスフォード・プレイハウスでは、ロンドンのウェストエンドのヒット作品やツアー公演も行なわれているほか、地元の劇団や若いパフォーマーによる公演もサポートしています。オックスフォード大学とも強い結びつきがあり、大学の学生や卒業生がこの劇場でパフォーマンスを行なうこともあります。
その豊かな歴史と活気あるプログラムにより、オックスフォード・プレイハウスは地元住民や観光客に人気のある劇場のひとつです。

REVIEW: ‘Hats off to MYCO! We’re very tempted to return for tonight’s second and final performance of Chess’ at Oxford Playhouse

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