6月1日水曜日昼
【熊本地震・震災・ライフライン&交通情報】
皆様こんにちは。一連の熊本地震で勤務していた会社が被災するなどして一時的に離職や休業をした人は3000人を超えていることが分かりました。また熊本地震に関連して仕事を失った人などから労働局やハローワークに寄せられた相談はこれまでにおよそ1万6000件に上っているということです。厚生労働省は「対応する応援の職員を増やすなどして被災地の雇用の維持に努めたい」としています。
また一連の地震で被害を受けた住宅がおよそ11万3000棟に上っていると発表しました。熊本県の災害対策本部によりますと昨日31日午後13時半現在、県内では被害を受けた住宅は合わせて11万2967棟に上っているということです。全壊は益城町で2304棟、熊本市で2149棟、御船町で505棟、西原村で456棟、宇城市で370棟など、合わせて6976棟。半壊は熊本市で1万292棟、益城町で2448棟、宇土市で1072棟など、合わせて22万590棟。さらに一部破損は熊本市で5万6971棟、益城町で5207棟、合志市で4034棟、菊陽町で3229棟など、合わせて8万5401棟となっています。
かなりのダメージを受けた九州旅行再建の為に国は九州旅行のパックツアーや宿泊代割引に180億円を充てることにしました。割引率は熊本、大分両県は7~9月が平均50%、10~12月は同52%。その他の5県は7~9月が同20%、10~12月が同10%。各県から委託を受けた全国の旅行会社で九州旅行を予約すると行き先や時期に応じた割引が受けられる仕組みで約150万人を呼び込むことを目指しています。
熊本県益城町で一時570人を超える人が避難生活を送っていた「テント村」と呼ばれる場所が、梅雨の時期を前に昨日31日で閉鎖されることになり、残っていた人たちが次の避難所などに向かうためテントの後片づけを行いました。「テント村」の呼びかけ人の1人で登山家の野口健さんも避難者たちのテントの撤去を手伝いました。野口健さんは「テント村に避難する方が求めていたのはプライバシーが確保された空間だった。これまで日本ではテントを避難所として活用するという概念がなかったが、今回を前例に災害時の選択肢の1つになってほしい」と話していました。
一連の地震による大規模な土砂崩れが起きた熊本県南阿蘇村で、今も行方が分からなくなっている大学生について、熊本県は中断していた地上からの捜索を1か月ぶりに行っています。熊本県阿蘇市の大学4年生、大和晃さん(22)は4月16日、大規模な土砂崩れで崩落した南阿蘇村の阿蘇大橋の付近を車で走っていたとみられ、一連の地震で『ただ1人』今も行方が分かっていません。捜索の様子を近くで見守っていた大和さんの父親の卓也さんは「捜索が行われるのはありがたく、何か手がかりが見つかってほしいと願っています。中断していた間も家族でできる範囲で捜してきましたが限界があり、今後もこうした形で捜索を行ってほしいと願っています」と話していました。本日1日の捜索は午後15時頃まで行われる予定で、熊本県によりますと明日2日以降の予定は決まっていないということです。
1.被災地情報
①熊本 地震で不明の大学生、1か月ぶりに捜索!
一連の地震による大規模な土砂崩れが起きた熊本県南阿蘇村で、今も行方が分からなくなっている大学生について、熊本県は、中断していた地上からの捜索を1か月ぶりに行っています。
熊本県阿蘇市の大学4年生、大和晃さん(22)は、4月16日、大規模な土砂崩れで崩落した南阿蘇村の阿蘇大橋の付近を車で走っていたとみられ、一連の地震でただ1人、今も行方が分かっていません。
熊本県は、土砂崩れによる二次災害のおそれがあるとして、地上からの捜索を中断していましたが、梅雨を前に、本日1日、1か月ぶりに捜索を行っています。捜索は橋が崩落した現場の下流に当たる、川沿いのおよそ4キロの区間で行われ、午前10時前から警察官と消防隊員合わせておよそ120人が、河原の茂みをかき分けたり水中に潜ったりして、手がかりになるものがないか確認しています。
捜索の様子を近くで見守っていた、大和さんの父親の卓也さんは「捜索が行われるのはありがたく、何か手がかりが見つかってほしいと願っています。中断していた間も家族でできる範囲で捜してきましたが、限界があり、今後もこうした形で捜索を行ってほしいと願っています」と話していました。
本日1日の捜索は午後15時ごろまで行われる予定で、熊本県によりますと、明日2日以降の予定は決まっていないということです。
②熊本で被災のスーパー、59店舗で防煙壁が落下!
一連の地震で被災した熊本県内のスーパーのうち、少なくとも59の店舗で、天井に設置された「防煙壁」と呼ばれる、火災などのときに煙の拡散を防ぐガラス製の板が割れ、落下する被害が相次いでいたことが分かりました。専門家は「人的な被害につながるおそれがある」として、国が対策を急ぐべきだと指摘しています。
「防煙壁」は、火災などが起きたときに、ほかの区画に煙が拡散するのを防ぐため、天井を仕切るように設置された板で、燃えないなどの理由で多くがガラス製となっています。法律で一定の規模以上の商業施設などに防煙壁を設置することが義務づけられていますが、耐震基準は設けておらず、東日本大震災でも被災したスーパーなどで防煙壁が落下するなどの被害が相次ぎました。
熊本県内の主なスーパー15社を対象に防煙壁の被害状況を取材したところ、少なくとも13社の59の店舗で、防煙壁が割れて、落下していたことが分かりました。このうち、熊本市内のスーパーでは、10枚以上の防煙壁が割れて、食料品などの売り場に多くのガラス片が落下し、中には重さ2キロほどのガラス片もあったということです。59の店舗では、いずれも売り場の天井に設置していた防煙壁が落下していましたが、被害が出たのが夜間だったことなどから、けが人はいなかったということです。
建築物の耐震性に詳しい熊本大学大学院の山成實教授は「今回の熊本地震でもガラス製の防煙壁が地震に弱いことが明らかになった。人的被害が起きる前に、国は耐震基準や補助制度を設けるなどして対策を急ぐべきだ」と話しています。
国土交通省によりますと、防煙壁は、建築基準法で、延べ床面積500平方メートルを超える商業施設などに設置が義務づけられています。
火災などのときに煙が拡散するのを防ぐために天井に設置するもので、法律で、板の長さは天井から50センチ以上で、燃えない材質であることと定められています。
防煙壁を製造する大手メーカーによりますと、売り場を明るく見せたいというスーパーなどの意向から、透明で燃えないガラス製が主流になっているということです。ただ、ガラス製の場合、板1枚当たりの重さは平均的なもので20キロほどになるということです。
名古屋市に本社を置き、防煙壁のガラス建材などを扱う商社では、防煙壁の地震の揺れへの強度を調べる実験の様子をインターネット上で公開しています。
実験は、地震の揺れを再現できる起震車を使って行われ、天井に取り付けられた防煙壁に人工的な揺れを加え、どのような影響があるのかを確かめています。その結果、震度4に相当する揺れでは大きな影響は見られませんでした。しかし、震度6強や震度7に相当する揺れではすぐにガラス板が割れ、次々と落下していました。
東日本大震災で防煙壁が落下する被害が相次いだことを受けて、大手スーパーなどが防煙壁を割れにくい材質のものに交換するなど、対策の動きも出ています。
このうち、熊本県八代市にある「イオン八代店」では、ことし3月にガラス製の防煙壁を樹脂製のものに交換したばかりでした。一連の地震で八代市は最大で震度6弱の揺れを観測しましたが、防煙壁が破損したり落下したりする被害はなかったということです。イオンによりますと、東日本大震災で宮城県などの店舗でガラス製の防煙壁が落ちるなどの被害が相次いだため、全国の店舗で落下しにくい材質のものに交換を進めているということです。イオン八代店の店長は「今回は日中にも震度5強の地震が起きたが、対策をとっていたので防煙壁が落ちることはなかった。店内の客も無事でほっとしている」と話しています。
一方、防煙壁を製造する大手メーカーによりますと、東日本大震災以降、大手スーパーを中心に割れにくい素材の防煙壁に交換する動きが広がりつつあるということですが、中小のスーパーなどではコスト面の問題もあって対策が進んでいないところも多いということです。
③文科省、 熊本地震教訓に広域で教員支援へ!
熊本地震で多くの教員たちが教育関連の仕事に加えて学校に設けられた避難所の運営にも追われたのを教訓に、文部科学省は、今後、大規模な災害が発生した際には周辺の自治体どうしが協力して教員を派遣し合うなどして負担を減らしていく態勢作りを進めることを決めました。
熊本地震では多くの学校が避難所となり、自治体の職員だけでは人手が足りずに教員たちも避難所の運営に携わり、子どものケアや物資の搬入、食事の配布などの対応に追われました。
教員たちはみずからも被災するなか、教育関連の仕事に加えて被災者支援の業務を担い、負担が大きくなっていたということで、文部科学省は、今後、大規模な災害が発生した際には周辺の自治体どうしが協力することで教員の負担を減らしていく態勢作りを進めることを決めました。
具体的には、災害発生直後に近くの自治体が教員などを被災地に派遣し、避難所の運営や、学校を再開させるための準備、子どもの学習支援などに当たることを検討するということです。
さらに、避難所で食料が不足した場合や高齢者に介護が必要な場合などにどう対応すればよいのか、事例を集めた手引きを作成し、全国の教育委員会に配布するということです。
文部科学省は、熊本地震だけでなく東日本大震災など過去の災害を経験した教員などからも聞き取り調査を行ったうえで、ことし秋ごろに態勢作りの案をまとめることにしています。
➃熊本地震 一時的に離職・休業 3000人超える!
一連の熊本地震で勤務していた会社が被災するなどして一時的に離職や休業をした人は3000人を超えていることが厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省によりますと、地震の影響で休業した企業が従業員の賃金の一部について国から補助を受けられる雇用調整助成金の申請件数は、先月26日時点で熊本県と大分県で予定も含めて100件に達し、対象となる従業員は2109人に上っています。
また、震災後、熊本県で雇用保険の失業給付を受けた人のうち、一時的に離職や休業をして震災の特例で給付の対象となった人は先月29日の時点で921人になり、震災の影響で一時的に離職や休業をするなどした人は、合わせて3030人に上っています。
また、熊本地震に関連して仕事を失った人などから労働局やハローワークに寄せられた相談はこれまでにおよそ1万6000件に上っているということです。
厚生労働省は「対応する応援の職員を増やすなどして被災地の雇用の維持に努めたい」としています。
⑤首相、 補正予算活用し熊本地震の復旧・復興を!
安倍総理大臣は、東京・千代田区で開かれた全国市議会議長会の定期総会であいさつし、熊本地震の復旧・復興に向けて、先に成立した補正予算を活用して、生活やなりわいの再建を後押ししていく考えを強調しました。
この中で、安倍総理大臣は、熊本地震の復旧・復興に関連して、「補正予算で、本日早速、第1弾の使いみちを閣議決定した。中小企業の方々が力を合わせて復興していけるようにグループ補助金を設けるなど1000億円超を計上している」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は「今後とも、この補正予算をフルに活用して、1日も早い生活の再建やなりわいの復興をきめ細かく後押ししていく」と述べました。
また安倍総理大臣は「アベノミクスのエンジンをもう一度最大限に吹かしていく決意だ。第2ステージに入った地方創生の推進は、その重要な政策の1つであり、地域が元気になって初めてわが国の未来はひらかれていく。国として地方の意欲的な挑戦を情報・人材・財政の3つの側面から支援し、地方創生を加速させていく」と述べました。
⑥熊本地震で被害のビル、アスベスト飛散のおそれ!
一連の地震で被害を受けた熊本県内の建物のうち、少なくとも14の商業ビルで、アスベストが飛び散るおそれがあることが、熊本県などの調査で分かりました。アスベストは、吸い込むと肺がんや中皮腫を引き起こすおそれがあり、県などは周辺の人たちに注意を呼びかけています。
一連の地震を受けて、熊本県と熊本市は、被災地の9つの市町村でアスベストが飛び散るおそれがある建物がないか調査することになり、アスベストが使われていたと考えられる平成7年以前に建てられた建物のうち、特に被害が大きかったおよそ1200棟を調べました。
その結果、熊本市で13、益城町で1つの、合わせて14の商業ビルで、アスベストが飛び散るおそれがあることが分かったということです。
これらは、いずれも昭和50年代に建設されたとみられ、県と熊本市は、ビルにシートをかぶせるなどの応急処置を行うとともに、所有者や周辺の人たちに注意を呼びかけています。熊本市は、来月中旬まで調査を続ることにしています。
熊本市環境政策課の八浪哲也主査は「危機感を持って調査を続けたい」と話しています。
⑦益城町の「テント村」閉鎖で後片づけ!
熊本県益城町で一時570人を超える人が避難生活を送っていた「テント村」と呼ばれる場所が、梅雨の時期を前に昨日31日で閉鎖されることになり、残っていた人たちが次の避難所などに向かうためテントの後片づけを行いました。
「テント村」は、車で寝泊まりしていた人などに避難場所として利用してもらおうと、登山家の野口健さんらの呼びかけで、4月24日、益城町にある総合運動公園の陸上競技場に設営されました。
最も多かった先月11日には156張りのテントで、571人が避難生活を送っていましたが、益城町は、梅雨の大雨による浸水や気温の上昇で熱中症になるおそれが高いとして、今月いっぱいでの閉鎖を決めました。
最終日の昨日31日は、午前8時の時点で173人がいて、次の避難所などに向かうため真夏のような強い日ざしがさし込むなか、テントや荷物の後片づけを行っていました。
町では、次の避難先として隣接する総合体育館など6か所を用意していて、こうした場所に移る人がいる一方で、プライバシーや余震への不安などから自分でアパートを借り上げて避難する人や、別の場所でテント生活を続けるという人もいます。
1か月余りテントで避難生活を続けてきた61歳の男性は「少し寂しい気持ちはありますが雨や風のことを考えれば閉鎖はしかたないかと思います」と話していました。
「テント村」の呼びかけ人の1人で登山家の野口健さんも避難者たちのテントの撤去を手伝いました。野口健さんは「テント村に避難する方が求めていたのはプライバシーが確保された空間だった。これまで日本ではテントを避難所として活用するという概念がなかったが、今回を前例に災害時の選択肢の1つになってほしい」と話していました。
⑧熊本地震による住宅被害 約11万3000棟に!
熊本県は、一連の地震で被害を受けた住宅が、これまでにおよそ11万3000棟に上っていると発表しました。
熊本県の災害対策本部によりますと、昨日31日午後13時半現在、県内では被害を受けた住宅は合わせて11万2967棟に上っているということです。
全壊は益城町で2304棟、熊本市で2149棟、御船町で505棟、西原村で456棟、宇城市で370棟など、合わせて6976棟です。
また、半壊は熊本市で1万292棟、益城町で2448棟、宇土市で1072棟など、合わせて22万590棟となっています。
さらに一部破損は熊本市で5万6971棟、益城町で5207棟、合志市で4034棟、菊陽町で3229棟など、合わせて8万5401棟となっています。
⑨地震で閉鎖の病院医師が南阿蘇村に診療所開設!
熊本地震で閉鎖された南阿蘇村の中核病院、阿蘇立野病院の医師らが本日1日、村内に新たな診療所を開設し、診療を始めました。
阿蘇立野病院は入院や救急の患者を受け入れる南阿蘇村で唯一の中核病院でしたが、地震で裏山が崩れるおそれが指摘され、閉鎖されました。
しかし、地域の住民から通い慣れた病院の再開を求める声が多く上がっていたことから、本日1日に阿蘇立野病院の医師らが村内の福祉施設の一部を使って診療所を開設しました。
午前8時45分に受け付けが始まると、さっそく地域のお年寄りらが手続きをして診察を受けていました。このうち、今も避難所にいて糖尿病など手持ちの薬がなくなったという95歳の女性は、診察を受けたあと、薬を処方してもらっていました。女性は「病院で以前から担当してくれていた先生なので安心しました」と話していました。
診療は医師4人が交代で行い、月曜日から金曜日の午前と午後に受け付けます。ただし大がかりな検査と手術、そして救急の患者は引き続き近隣の自治体の病院に搬送するということです。
診療所を開設した上村晋一医師は「診療所の開設で住民に安心感を持っていただくとともに、復興のきっかけになればと思っています」と話していました。
⑩熊本地震復旧の予備費、1023億円の使い道を閣議決定!
熊本地震からの復旧のための2016年度補正予算のうち「熊本地震復旧等予備費」(7千億円)の一部の使い道が5月31日、閣議決定されました。インフラ復旧や農業の再開支援、九州の観光振興や中小企業対策など計1023億円。熊本県や大分県などはこれを受けてそれぞれ補正予算を組み、事業化を始めます。
九州旅行のパックツアーや宿泊代の割引に180億円を充てます。割引率は、熊本、大分両県は7~9月が平均50%、10~12月は同52%。そのほかの5県は7~9月が同20%、10~12月が同10%。各県から委託を受けた全国の旅行会社で九州旅行を予約しますと、行き先や時期に応じた割引が受けられる仕組みで、約150万人を呼び込むことをめざします。
外国人客向けのPRには20億円を使い、韓国、中国、タイ、香港、台湾への情報発信などをする予定。こうした観光支援策として計201億円を充てました。
中小企業の支援策には657億円。取引先や地域内の複数の企業が一緒に再開に取り組む場合、工場や商店の設備の復旧にかかる費用の4分の3(地方負担分を含む)を補助する「グループ補助金」に400億円、低利融資などの金融支援には204億円を配分しました。
このほか農業の再開支援として、畜舎やハウスの再建・修繕35億円、水稲の作付けができなくなり大豆などに転作する経費の助成に8千万円など計57億円。道路や南阿蘇地区のテレビの難視聴対策などのインフラ復旧に109億円を充てました。
予備費の残りについては、被災自治体からの要望を受けた各省庁が財務省と折衝を続けています。
⑪被災地の農業復旧へ86億円支援、熊本地震、農水省発表!
農林水産省は昨日31に、熊本地震で被災した農業者への支援として、総額85億8千万円の事業を実施すると発表しました。今年度補正予算に計上された予備費を財源とします。
ビニールハウスや畜舎、集荷施設などの農業施設の修繕・再建費用を補助するために約56億円、ため池や水路、農道などの緊急点検に約10億円、山地の亀裂の航空レーザーによる調査に約8億円などを計上しています。
田植えを控えて被災した農家には、大豆への作付け転換を促しており、種子の購入や作業委託の費用を補助する8千万円も計上しました。
⑫避難所よりも倉庫・ハウスで…「家空けたくない」!
熊本地震で2度の震度7に見舞われた熊本県益城町で、避難所に行かず、傾いた家や倉庫、ビニールハウスに身を寄せる人たちがいます。「自宅を空けたままは不安」「収穫期のスイカを放っておけない」といった理由からです。行政が把握する避難者数に含まれず、実態もよく分かっていません。
段ボールやブルーシートが天井に張られ、ベッドやテレビ、食器などの日用品がぎっしりと置かれたビニールハウス。益城町の平田地区に住む左官、吉野新一郎さん(68)と広子さん(74)夫婦が寝起きを始めて、1か月が過ぎました。
自宅の庭にあるハウスは元々、メロンの栽培用です。壁が落ち、ほとんど骨組みだけになった自宅から、夫婦は電気を引いています。食事は毎夕、避難所に行って弁当をもらいます。風呂は家で入りますが、屋根が落ちるのが怖くて5分で済ませます。
日中は家の補修などをして過ごします。「昼は暑くていられんとです」と広子さん。夜は四つの蚊取り線香に火をつけます。
4月16日日の本震後、2人は避難所に行きましたが、知らない人と暮らす集団生活に耐えられず、1週間で帰宅しました。「今じゃあ一番のねぐらです」と新一郎さん。避難生活の疲れや、台風の時期までに自宅の応急修理が終わるのかという不安を、気丈な笑顔で隠していました。
谷岡ハルミさん(84)はブルーシートで覆われた平屋で息子と暮らしています。地震で壁はひび割れてゆがみ、網戸も障子も閉まらないそうです。
本震後、指定避難所の体育館に身を寄せませた。しかし、ひざが悪くて和式便所が使えません。食事と水を控えたところ、膀胱炎に。2日後、自宅に戻りました。
庭に止めた軽自動車での車中泊は1か月に及びます。隣の納屋は先月21日の余震で完全につぶれました。最近、雨の日以外は自宅で寝ていますが、裏山の土砂崩れが怖いと言います。健康保険証や補聴器を入れたかばん、靴をベッドの下に置いています。
「避難所は年寄りにはこたえた。どんなに怖くても家がよか。でも、安心して寝ることはなかです」
同じ平田地区の福嶋瞳さん(25)の一家5人は自宅敷地の倉庫で日中を過ごします。テレビやソファ、日用品は、全壊した自宅から掘り出しました。夜は車や庭のビニールハウス、倉庫内のテントに分かれて寝ています。
スイカ農家の両親は収穫時期を迎えて忙しく、家族は避難所に行きませんでした。瞳さんは「農家はここを離れられない。やむを得ないです」。自宅の再建は1,2年先と考え、庭にはトイレや流し台を作りました。壁が無く、梅雨の大雨や夏の猛暑をどうしのぐかが差し迫った課題だということです。
こうした避難者の全体像がつかめず、町は日本財団に調査を依頼。14~29日、調査員が町内4地区の住宅を訪ね、被災状況や寝泊まりの場所などを聞きました。島田地区では全173世帯の約9割が避難所に行かず、損傷が小さかった自宅や、庭の倉庫、テント、車などで暮らしています。3地区は分析中です。町は残り18地区も日本財団に依頼し、全容把握を目指したいとのことです。
2.水道情報
「本日6月1日の給水場所」
『熊本市』
・熊本市上下水道局
『益城町』
・益城町水道センター
『西原村』
・山西小学校
・河原小学校
・西原中学校
*上記3か所は24時間
『美里町』
・美里町役場中央庁舎
『南阿蘇村』
・ 長陽中央公民館前
・長野公民館下
・旧立野小学校グラウンド
・沢津野公民館
・東急第一別荘
・旧長陽西部小学校
*上記6か所は午前9時~午後18時まで
3.支援
「孤立しやすい障害者支援」
障害者手帳を持っていても、日常的に福祉サービスを受けている人は、その一部の方にとどまっており、普段から福祉サービスを受けていない障害者の方々は、今回の震災後、周囲に把握されずに、孤立している可能性があります。
そういう障害者の方々を支援する団体「被災地障害者センターくまもと」では、「被災障害者の困りごとについてどんなことでも手助けします」と記されたチラシを配り、支援が必要な障害者の声を掘り起こそうとしています。
熊本市長峰にある「被災地障害者センターくまもと」には、昨日31日、東京や大阪などから訪れた8人のボランティアが、被災した障害者の方が自力ではできない、散らかった部屋の片付けや、壊れた家から公営住宅への引っ越し作業など、4件の支援にかけつけました。これまでの1か月ほどの活動で、のべおよそ300名が支援を続けてきました。
「被災地障害者センターくまもと」の事務局長、東俊裕さんによると、「いまの時期になっても、住民が退去した壊れたアパートの1室で暮らしている障害者が見つかっています。避難所などでは、車いすトイレがないなど生活がしづらく、車中泊で我慢している人もいます。そういう方へ、われわれのような団体があることを知ってほしい。ぜひ支援を依頼してほしい」と話していました。
「被災地障害者センターくまもと」では、熊本県内の障害者の方々やその家族、近隣の方からの電話相談を受け付けています。
*電話:096‐234‐7728(午前9時~午後18時)
*ファックス:096‐234‐7729(24時間)
現在障害者の方々のために支援している内容は『物資の提供』『片づけや、引っ越し支援』『洗濯や入浴支援』などニーズにあわせて多岐にわたります。
東さんによりますと、熊本市の障害者の状況はまだ把握できてきているが、益城町・西原村・甲佐町など熊本市外の地域では、状況把握は完全ではなく、支援の網から漏れている人が多いはずなので、周囲の方が支援団体「被災地障害者センターくまもと」があることをぜひ伝えてほしいということでした。
4.ここ一週間の地震
2016/06/01 04:45 01日 04:41頃 茨城県北部 1
2016/06/01 03:33 01日 03:30頃 熊本県阿蘇地方 1
2016/05/31 19:53 31日 19:49頃 豊後水道 2
2016/05/31 16:19 31日 16:16頃 有明海 1
2016/05/31 14:28 31日 14:24頃 石垣島北西沖 3
2016/05/31 05:22 31日 05:18頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/31 00:30 31日 00:27頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/30 23:42 30日 23:38頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/30 21:24 30日 21:20頃 千葉県東方沖 2
2016/05/30 20:55 30日 20:52頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/30 19:37 30日 19:33頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/30 18:53 30日 18:48頃 宮古島近海 1
2016/05/30 18:16 30日 18:13頃 岩手県内陸南部 1
2016/05/30 14:53 30日 14:49頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/30 03:27 30日 03:23頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/30 01:44 30日 01:40頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/30 01:43 30日 01:38頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/30 01:36 30日 01:30頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/30 00:35 30日 00:31頃 宮古島近海 1
2016/05/29 17:18 29日 17:15頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/29 13:25 29日 13:21頃 埼玉県秩父地方 1
2016/05/29 12:14 29日 12:10頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/29 11:33 29日 11:29頃 宮城県沖 1
2016/05/29 10:58 29日 10:55頃 和歌山県北部 1
2016/05/29 06:57 29日 06:53頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/29 01:23 29日 01:18頃 熊本県熊本地方 3
2016/05/29 00:19 29日 00:15頃 根室半島南東沖 1
2016/05/28 19:35 28日 19:30頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/28 18:14 28日 18:10頃 茨城県北部 2
2016/05/28 18:05 28日 18:01頃 三宅島近海 1
2016/05/28 15:22 28日 15:19頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/28 12:41 28日 12:38頃 熊本県天草・芦北地方 1
2016/05/28 12:22 28日 12:19頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/28 11:40 28日 11:36頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/28 11:39 28日 11:35頃 熊本県阿蘇地方 1
2016/05/28 10:23 28日 10:20頃 熊本県阿蘇地方 1
2016/05/28 10:08 28日 10:05頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/28 08:33 28日 08:29頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/28 06:37 28日 06:33頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/28 05:44 28日 05:40頃 宮城県沖 2
2016/05/28 04:46 28日 04:43頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/28 01:21 28日 01:18頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/27 22:32 27日 22:29頃 岩手県沖 1
2016/05/27 21:11 27日 21:08頃 千葉県南東沖 1
2016/05/27 19:29 27日 19:26頃 熊本県天草・芦北地方 1
2016/05/27 18:13 27日 18:10頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/27 17:21 27日 17:18頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/27 17:13 27日 17:10頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/27 16:05 27日 16:01頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/27 12:52 27日 12:47頃 奄美大島近海 2
2016/05/27 12:49 27日 12:44頃 奄美大島近海 2
2016/05/27 10:42 27日 10:39頃 宮城県沖 2
2016/05/27 08:29 27日 08:25頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/27 06:25 27日 06:20頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/27 05:11 27日 05:08頃 青森県東方沖 1
2016/05/27 04:37 27日 04:34頃 福島県沖 1
2016/05/27 01:21 27日 01:13頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/26 23:43 26日 23:40頃 有明海 1
2016/05/26 18:54 26日 18:50頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/26 17:21 26日 17:17頃 神奈川県西部 1
2016/05/26 16:19 26日 16:16頃 神奈川県西部 2
2016/05/26 12:33 26日 12:30頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/26 07:44 26日 07:37頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/26 03:36 26日 03:32頃 熊本県阿蘇地方 1
2016/05/26 00:16 26日 00:13頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/25 23:48 25日 23:45頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/25 22:10 25日 22:07頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/25 21:38 25日 21:34頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/25 20:51 25日 20:47頃 茨城県沖 1
2016/05/25 18:21 25日 18:18頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/25 14:42 25日 14:39頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/25 14:26 25日 14:22頃 青森県東方沖 2
2016/05/25 06:19 25日 06:16頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/25 03:41 25日 03:38頃 熊本県熊本地方 1
2016/05/25 03:04 25日 03:01頃 宮城県沖 2
2016/05/25 02:23 25日 02:20頃 熊本県熊本地方 2
2016/05/25 01:33 25日 01:29頃 和歌山県北部 1
2016/05/25 00:37 25日 00:34頃 熊本県熊本地方 1
(続く)