【連載151】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?)

9月11日日曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

皆様こんにちは。熊本地震で大きな被害を受けた熊本城修復のため熊本市は広く支援を募る「復興城主」制度を創設します。1万円以上を寄付した人の名前をデジタル画像化し近くの観光施設のスクリーンに寄付者名を映し出す計画。年内にも受け付けを開始します。市は熊本城復元整備事業の財源として1万円以上の寄付を募る「一口城主」制度を1998年度に始め今年3月末までに約18億円を集めました。一口城主には城主証などを発行し天守閣に芳名板を掲示。しかし地震で熊本城内が立ち入り禁止になり市は一口城主制度を休止しています。

新たな復興城主制度は熊本城近くの観光施設「桜の馬場 城彩苑」内に専用のスクリーンを設け、城主証に記された個人番号や氏名を装置に入力することで芳名板の画像が映し出される仕組み。従来の一口城主約7万7千人も対象となります。

地震以降、熊本城災害復旧支援金に1万円以上寄付した人も希望があれば城主に登録するとのこと。同支援金には8月末現在8123件、約11億7千万円が寄せられています。

市の試算では熊本城全体の復旧費用は600億円を超える見通し。市熊本城総合事務所は「地震後も城主制度の復活を求める声が多かった。完全復旧まで多くの人に長く支援してほしい」と話しています。

熊本復興のシンボル熊本城再建には20年かかるとされています。早く全面的に工事に入らないと崩れるところも多数出てきます。一人1万円はたやすく出せるモノではありませんが熊本地震後に始めた熊本城災害復旧支援金は4か月間で12億円弱集まりました。熊本復興復旧に少しでも貢献したいけどどうしたらよいかわからないと思っている方は熊本城復旧の為に寄付してみてはいかがでしょうか?

熊本地震により病人だった人は大きな試練に耐え、またエコノミー症候群、心筋梗塞など、熊本地震関連死も増えています。熊本地震による影響はどこまで出ているのか?報告致します。

熊本地震が発生した4月~6月にかけ『急性心筋梗塞』を発症した患者が『前年同期比で約1.16倍』に増加したことが昨日10日分かりました。熊本大大学院の小島淳(すなお)特任准教授が熊本市で開かれた県急性心筋梗塞医療推進検討会議で報告しました。4~6月の患者数は308人で前年より42人増えました。4月は109人、5月は99人といずれも前年同月の90人、76人を大きく上回りました。6月は100人で前年と同じでした。小島特任准教授によりますと『地震直後のストレスや避難所でのインスタント食品など塩分が多い食事などが原因』とみられます。『急激にストレスがかかると血圧や脈拍が上昇し心臓に強い負担』がかかるとのことです。『心筋梗塞は心臓に酸素や栄養を供給する冠動脈が閉塞(へいそく)する』ことで『心臓の筋肉が壊死(えし)した状態』。高血圧や糖尿病など慢性疾患のある人や喫煙者は発症するリスクが高いとされています。東日本大震災でも『直後の約2か月間に急性心筋梗塞の患者が増加』しています。小島特任准教授は「仮設住宅など慣れない環境での生活でストレスがたまり発症する恐れもある」として注意を呼び掛けています。

避難所での慣れない生活でのストレス、塩分が多いインスタント食品の過剰摂取は結局は『(急性)心筋梗塞』を発症させる原因となりました。多くの避難者は現在は仮設住宅に移っていますが仮設住宅も本来の自分の家とは違い自由があるようでない生活が続きます。ストレスが出ないよう軽い体操をするとか、近所の人と話せる余裕があればいいのですが実際には医師の希望通りにはなりません。心筋梗塞は汗がびっしょり出るとか胸が頻繁に痛くなるとか『前兆』はあるようですが『急性』となるといつ発症するかわかりません。自治体は病院と連携して、仮設住宅内の住民に周知徹底すべきではないでしょうか?今後『死者ゼロ』が続きますことを願います。

9月9日の「救急の日」にちなんだ講座が9日夜、熊本市中央区のホテル日航熊本で開催され『熊本地震で多発したエコノミークラス症候群』や『熱中症』の予防『子供の心のケア』について専門医が解説しました。

エコノミークラス症候群について熊本大大学院の小島淳(すなお)・特任准教授が「仮設住宅に入居した後に、活動が減って発症が増える危険性があり、検診を続ける必要がある」と指摘しました。

悠愛病院(熊本市)の田代尊久副院長は熱中症予防について「水分とともに塩分も補うことが大切。喉が渇いてからではなく、活動を始める前に飲んでほしい」と呼び掛けました。

熊本大病院の田中恭子特任助教は子供のストレス反応について解説。「通常の反応であり、心配し過ぎなくてもいい。大人がいつも通りの生活を取り戻すことが大切だ」と述べました。

会場にはくまモンも来場。参加者と一緒に、救急隊員の指導でAEDや蘇生法を学びました。

『エコノミー症候群』は前述した『心筋梗塞』同様、ストレス、同じ姿勢でいることによる体の硬直に起因しています。ただ『心筋梗塞』に比べ、軽い体操、運動、散歩などである程度防げるとのことですので面倒かもしれませんがせめて軽い散歩くらいは日課にしてほしいと思います。『熱中症』は単なる水やアクエリアスのような糖分入りの飲料水よりも『経口補水液』がBESTとされていますが『経口補水液』は1本水の3倍、アクエリアスの2倍以上の値段です。被災者が簡単に毎日購入できる金額ではありません。アクエリアスやポカリスウェットは運動している人には良いようですが、ほとんど動かない人には糖分が溜り、返って他の病気の原因となるようです。ならば水が良いかというとそうでもありません。『塩分』が大事だそうで、水とスポーツ飲料を交互に飲むか、あるいはスポーツ飲料を2倍か3倍に薄めて飲むことがBETTERではないかと思われます。一日も早く経口補水液が安価になることを願います。『子供のストレス』は学校が始まった時には同級生に暴力をふるう、喧嘩するなどが目立ちましたが今は落ち着いているようです。ただ子供は大人と違い何でも自由にしゃべるわけではありません。自分の心の中に何もかも溜めてしまいます。大人は子供のいつもと違う仕草を見たら話しかけてみるかあるいは専門家に相談することをお勧めします。子供の方が感受性が高いため大人よりも『万が一』が多いのは地震などの異常時ではよく言われることです。ご注意を!

熊本地震で被災した『人工透析患者の約98%が地震後約1か月の間に通常より短時間の透析を余儀なくされた』ことが県内の患者でつくる県腎臓病患者連絡協議会(熊腎協、坂梨安徳会長)のまとめで分かりました。糖尿病や糸球体腎炎などで腎機能が衰えた患者は『人工透析によって血液中の老廃物を定期的に取り除くこと』が必要。熊腎協によりますと『4時間を週3回実施することが多い』とのこと。『1人当たり300~500リットルの水が必要』で断水や停電、医療機関の被災により通常の透析治療ができなかった状況が浮き彫りになりました。内訳は「2~3時間」が67.8%、「3時間超~4時間未満」は29.9%でした。また42.8%はかかりつけ医とは別の医療機関で一度は透析を受けていました。透析時間が短い場合は頭痛や倦怠感が起きるとされ今井政敏事務局長(63)は「今回は、時間的には命をつなぐためだけの透析だったが、お互いの協力で乗り切った」と話しています。地震直後の1~2週間は渋滞のため透析施設への移動に時間がかかるなど想定外の状況が続いたそうです。今井事務局長は「バスで患者をまとめて移動させたり、県外へ移したりするなど、より緻密で安心できる仕組みが必要だ」と提言しています。

これは熊本に限ったことではなく被災地ではどこでも起こる現象です。透析をしないと『命の危機』に陥ります。日本全国の自治体は『透析患者』を把握し『万が一』の場合どうしてらよいかを今のうちから想定しておくべきではないでしょうか?大事なことは『弱者から救うこと』だと小生は思います。明日は我が身。熊本地震を他人事とは思わず、しっかりとした準備、計画を余裕のある今こそ自治体は各病院と連携して早急に考察してほしいと切に願います。

1.被災地情報

①熊本城「復興城主」募る!1万円以上の寄付者!

熊本地震で大きな被害を受けた熊本城修復のため、熊本市は広く支援を募る「復興城主」制度を創設します。1万円以上を寄付した人の名前をデジタル画像化し、近くの観光施設のスクリーンに寄付者名を映し出す計画。年内にも受け付けを開始します。

市は、熊本城復元整備事業の財源として1万円以上の寄付を募る「一口城主」制度を1998年度に始め、今年3月末までに約18億円を集めました。一口城主には城主証などを発行し、天守閣に芳名板を掲示。しかし、地震で熊本城内が立ち入り禁止になり、市は一口城主制度を休止しています。

新たな復興城主制度は、熊本城近くの観光施設「桜の馬場 城彩苑」内に専用のスクリーンを設け、城主証に記された個人番号や氏名を装置に入力することで芳名板の画像が映し出される仕組み。従来の一口城主約7万7千人も対象となります。

地震以降、熊本城災害復旧支援金に1万円以上寄付した人も、希望があれば城主に登録するとのこと。同支援金には8月末現在、8123件、約11億7千万円が寄せられています。

市の試算では、熊本城全体の復旧費用は600億円を超える見通し。市熊本城総合事務所は「地震後も城主制度の復活を求める声が多かった。完全復旧まで多くの人に長く支援してほしい」と話しています。

②心筋梗塞、地震後に増!ストレスや塩分原因か!

熊本地震が発生した4月~6月にかけ、急性心筋梗塞を発症した患者が、前年同期比で約1.16倍に増加したことが昨日10日、分かりました。熊本大大学院の小島淳(すなお)特任准教授が、熊本市で開かれた県急性心筋梗塞医療推進検討会議で報告しました。

熊大は2004年から、国立病院機構熊本医療センターなど、急性心筋梗塞の治療が可能な21施設の患者数を調査しており、小島特任准教授が4~6月の患者数を集計しました。15,16年分は速報値。4~6月の患者数は308人で、前年より42人増えました。4月は109人、5月は99人と、いずれも前年同月の90人、76人を大きく上回りました。6月は100人で、前年と同じでした。

小島特任准教授によりますと、地震直後のストレスや、避難所でのインスタント食品など塩分が多い食事などが原因とみられます。急激にストレスがかかると血圧や脈拍が上昇し、心臓に強い負担がかかるとのことです。

心筋梗塞は、心臓に酸素や栄養を供給する冠動脈が閉塞(へいそく)することで、心臓の筋肉が壊死(えし)した状態。高血圧や糖尿病など慢性疾患のある人や喫煙者は、発症するリスクが高いとされています。

東日本大震災でも、直後の約2か月間に急性心筋梗塞の患者が増加しています。小島特任准教授は「仮設住宅など慣れない環境での生活でストレスがたまり、発症する恐れもある」として、注意を呼び掛けています。

③「救急の日」被災と健康の備え学ぶ!

9月9日の「救急の日」にちなんだ講座が9日夜、熊本市中央区のホテル日航熊本であり、熊本地震で多発したエコノミークラス症候群や熱中症の予防、子供の心のケアについて専門医が解説しました。

県救急医療連絡協議会(会長、福田稠(しげる)・県医師会長、20団体)主催で23回目。人吉、水俣、天草の3会場でも中継し、合わせて約220人が聴きました。

エコノミークラス症候群について、熊本大大学院の小島淳(すなお)・特任准教授が「仮設住宅に入居した後に、活動が減って発症が増える危険性があり、検診を続ける必要がある」と指摘しました。

悠愛病院(熊本市)の田代尊久副院長は熱中症予防について「水分とともに塩分も補うことが大切。喉が渇いてからではなく、活動を始める前に飲んでほしい」と呼び掛けました。

熊本大病院の田中恭子特任助教は子供のストレス反応について解説。「通常の反応であり、心配し過ぎなくてもいい。大人がいつも通りの生活を取り戻すことが大切だ」と述べました。

会場にはくまモンも来場。参加者と一緒に、救急隊員の指導でAEDや蘇生法を学びました。

➃力合わせ永遠の思い出、南関高で最後の体育大会!

県立高校の再編整備計画によって来年3月に閉校する南関高(南関町)で昨日10日、最後の体育大会がありました。青空の下、卒業生や町民ら約500人が参加し、在校する3年生15人と一緒に心地よい汗を流しました。

在校生だけでは人数が少ないため、大会を盛り上げようと昨年から卒業生らにも参加を呼び掛けています。本来は5月に予定していましたが、熊本地震の影響を考慮して延期していました。

出場者は三つの団に分かれて100メートル走や綱引き、リレーなどで熱戦を繰り広げました。くまモンや同町のキャラクター「なんかんトッパ丸」も来場し、一緒に踊ったり、記念撮影したりして会場を盛り上げました。

在校生チームの団長を務めた大森慎さんは「最後の大会をみんなで協力して成功させることができた。卒業生や地域のみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです」と爽やかな笑顔で話していました。

⑤人工透析“時短”余儀なく、地震後1か月間!

熊本地震で被災した人工透析患者の約98%が、地震後約1か月の間に、通常より短時間の透析を余儀なくされたことが、県内の患者でつくる県腎臓病患者連絡協議会(熊腎協、坂梨安徳会長)のまとめで分かりました。

糖尿病や糸球体腎炎などで腎機能が衰えた患者は、人工透析によって血液中の老廃物を定期的に取り除くことが必要。熊腎協によりますと、4時間を週3回実施することが多いとのこと。1人当たり300~500リットルの水が必要で、断水や停電、医療機関の被災により、通常の透析治療ができなかった状況が浮き彫りになりました。

熊腎協は、地震後約1か月の状況について、熊本市や益城町など被害の大きかった地域の患者2720人にアンケートを実施。回答した1615人のうち、家屋などが被災した649人の透析の状況をまとめました。

このうち、634人(97.7%)が透析時間を短縮。内訳は「2~3時間」が440人(67.8%)、「3時間超~4時間未満」は194人(29.9%)でした。また278人(42.8%)は、かかりつけ医とは別の医療機関で一度は透析を受けていました。

透析時間が短い場合は頭痛や倦怠感が起きるとされ、今井政敏事務局長(63)は「今回は、時間的には命をつなぐためだけの透析だったが、お互いの協力で乗り切った」と話しています。

地震直後の1~2週間は、渋滞のため透析施設への移動に時間がかかるなど想定外の状況が続いたそうです。今井事務局長は「バスで患者をまとめて移動させたり、県外へ移したりするなど、より緻密で安心できる仕組みが必要だ」と提言しています。

⑥仮設団地が大票田、西原村議選、11日投開票!

熊本地震で深刻な被害を受けた西原村の村議選が本日11日、投開票されます。甚大な被災地で初の地方選で、10議席を13陣営が争います。各陣営とも被災住民の心情に配慮しながらの苦心の選挙戦となり、最終日の昨日10日夕刻には、“大票田”の小森仮設団地で最後の訴えを繰り広げました。

小森団地は自宅が全半壊した被災者302世帯が入居しています。団地内の掲示板のポスターには「復興」「再生」の文字が踊り、「村の復旧復興」が選挙のテーマです。

「表札がないので、だれがどこに入居しているのか、全く分からない」-団地を訪ねた60代の現職候補は戸惑い気味です。

知り合いの姿に、「おばちゃん、元気だったねー。体は大丈夫ね?」と握手を重ねます。しかし、マイク演説は取りやめました。「最も支援が必要な人たちに、逆に『応援してください』とは言いにくい」と打ち明けます。

「これまで被災者に遠慮していた」という現職候補はこの日夕に初めて団地入りしました。「仮設住宅は暑くないですか。何か困ったことはないですか」と入居者に声を掛けて回るが、早々に団地を後にしました。

選挙カーのマイクで政策を訴え、名前を連呼する通常の選挙戦を行う陣営もある一方で、「団地内ではマイク不使用がルール」として、一切使わない候補もみられました。

多くの支持者と一緒に、入居者と握手を重ねた60代の現職候補は「大票田の仮設団地で、どれだけ多くの人と握手できるかが当落の鍵」と精力的に動きました。一方、60代新人候補は対照的に、名前の入ったのぼり旗を手に、出入りする車一台一台に頭を下げるだけ。「今は選挙どころじゃない、と疲れている被災者も少なくない。静かにアピールした方が思いは届く」と意に介しません。

団地に入居する60代女性は候補者を遠目に見ながら「主張はみんな似たり寄ったり。本当に村の復興と村民のために尽くしてくれる候補者に投票したい」とつぶやいていました。

⑦熊日の被災状況を追加、新聞博物館「熊本地震展」!

「熊本地震展」を開催中の新聞博物館(熊本市中央区世安町、熊日本社内)は9日、地震発生直後から復旧が進む現在までの熊日社内の様子を伝える写真など百点を展示に追加しました。

4月14日に前震が起きた直後の編集局内の緊迫した場面や、同16日の本震で印刷局の輪転機が急停止し、床に部品が散乱した状況などの写真84点を展示。新聞博物館内で倒れた常設展示の旧式印刷機などを引き起こす様子も伝えています。

展示を見た同市西区二本木の主婦楠田優子さん(67)は、「地震後も休まず新聞が届いていたが、こんなひどい状況で発行していたとは想像もしなかった」と話していていました。

「熊本地震展」は熊日2号館5階の同館で24日まで。無料。午前10時時~午後16時半。日曜・休日も開館。

⑧被災地励ます音楽家の夕べ、24日、産山村で!

東京などで活躍するバイオリニストのツルノリヒロさんら音楽家4人が、熊本地震の被災地を激励しようと、24日夕に産山村山鹿のうぶやま牧場で、無料の野外コンサートを開きます。同日昼にはコンサート会場で、村がフリーマーケットを予定しています。

ツルさんはスタジオジブリの短編映画やテレビ番組の音楽を手掛けた人気奏者。同村に住む知人を通じ、支援公演を申し出ました。開演の午後18時から約2時間、チェロやギター、パーカッションの奏者と演奏します。

フリーマーケットは午後14時から同17時半まで開かれ、村は出店者を12日まで募集します。手数料などは無料。飲食以外は県内外の誰でも参加できます。出店事務局TEL050(5275)3077。

⑨地表に露出「仮設水道管」今も、益城町!

熊本地震で大きな被害を受けた熊本県益城町は、地中に埋設した水道管も大きく損傷。一部地域には今も仮設の水道管で水を届けています。地表に露出しているため気温変化の影響を受けやすく、町は「本格復旧を急ぎたい」としています。

町によりますと、町内約1万1400戸のうち、熊本地震では最大約1万戸が断水。5月末までに解消しました。

ただ、町東部の上陳、下陳地区の計約110戸について、町は「水道管の損傷が激しいため、地面を掘って修復するには数カ月かかる」と判断。仮設管で対応する方針を決め、5月中旬までに設置を終えました。

仮設管はステンレス製で道路に沿って地表に設置。仮設管とつないだポリエチレン製のチューブで各家庭に水を送っています。

町水道課は「気温が高い日などは水道の水が生ぬるいという声も聞いている。年内に仮設管から本来の水道管への切り替え工事に着手したい。冬場は凍結を防ぐ放水弁を付ける」と話しています。

上陳区長の廣田律男さん(68)は「水が出るだけありがたいが、元通りになればうれしい」と話しています。

このほか、町は水源地が被害を受けた平田や、倒壊家屋が道をふさぐなどした寺迫、宮園の各地区の一部でも仮設管を設置しています。

⑩国立公園「阿蘇」魅力磨け、環境省復興後押しプロジェクト始動!域内再整備外国人客ら誘致へ!

国立公園の機能を世界水準に高め、外国人観光客を呼び込もうという環境省の「国立公園満喫プロジェクト」が、「阿蘇くじゅう」(熊本、大分県)で動きだしました。推進へ課題を洗い出す官民の協議会が1日、阿蘇市で初会合を開き、環境を整備する議論の舞台ができました。熊本地震に痛めつけられた試練を乗り越え、大自然の魅力を内外に発信していく道筋が、震災からの復興の力になります。

満喫プロジェクトは、全国に32ある国立公園の中から阿蘇くじゅうなど8公園を選定し、特色を生かして外国人観光客の誘致につながる整備を進めます。阿蘇くじゅうでいえば、火山、草原、温泉、登山などを楽しんでもらえるよう、公園域を再整備します。

阿蘇くじゅう地域でその方向や課題を議論し、具体策をまとめるのは、阿蘇くじゅう地域協議会。事務局を務める環境省九州地方環境事務所は初会合で、空港と結ぶ交通や、魅力的な旅行プランの提供、上質な滞在環境の整備、自然体験型観光へのいざない-などを重点課題に挙げました。

その中で、阿蘇については「草千里ケ浜の草原景観を再生する」「景観を阻害する廃屋を撤去する」など懸案を指摘。震災には「地震の爪痕の状況と復興の過程を観光資源と捉える」と述べ、火山の活動を含めて地球の諸活動に身近に接する場として活用する-という考えを出しています。

地震では、阿蘇谷を貫く幹線の国道57号が立野地区(南阿蘇村)で断たれるなど、観光客の多くが利用する道路は各地でずたずたになりました。発生から間もなく5カ月になろうとする今、57号がいつ復旧するかはまだ見通せていません。

しかし、大分県日田市を経て福岡方面と結ぶ国道212号が、大分県側で復旧工事が進んで通行可能になるなど、進入路は徐々に回復してきています。草千里ケ浜に登る県道の復活も、9月中と見込まれています。観光客の足がすっかり遠のいた阿蘇にとって、復活へ一歩一歩、というところです。

被災地の状況を踏まえながら動きだした満喫プロジェクトは観光地に希望を与えています。火山学者で阿蘇火山博物館学術顧問の須藤靖明さんは「観光客を受け入れる環境が整備されるのは復興の力になる。プロジェクトによって阿蘇を世界に売り込むブランドを作り上げていく」と歓迎しています。

阿蘇山上で観光業に関わる人たちの意識も変化し始めています。先日、阿蘇市であった会合ではこんな発言が聞かれました。

「山上観光は活動を続ける中岳火口に頼りきり、観光客を楽しませる工夫を怠ってきた。これからは体験型の新しいプログラムを提供するなど、喜んでもらうための工夫が必要だ」。

「熊本地震の影響は九州全域に及んでいる。熊本が痛めつけられたことで九州の観光の様相が変わった。多くの人が訪れる阿蘇山は九州観光を担っている」。

満喫プロジェクトが真に阿蘇観光復活の力になることを期待しましょう。

⑪断水でも流せるマンホールトイレ熊本市が拡充へ!

*先日記載と重複

熊本地震直後に全域が断水した熊本市で、避難所になった中学校4校に設置されたマンホールトイレが活躍しました。断水していても学校にあるプールなどの水を使って流すことができ、段差がないことも被災者に好評だったとのことです。市は今後も整備を進め、下水道計画区域にある中学校38校に備える方針です。

マンホールトイレは、断水で水洗トイレが使えなくなった場合、マンホールのふたを開けて洋式の簡易便座を設置してつくります。周りをテントで囲み、用を足した後は上流側の注水用マンホールにプールなどの水を注いでし尿を下流側の下水道に流す組みです。段差がなく、車いす用もあります。

熊本市上下水道局によると、減災対策の一環として2012年度に整備計画を策定。1校に5台を並べ、このうち1台は車いす用とする計画で、清掃用の水を確保しやすい場所に整備を進めてきました。

4月の熊本地震では、断水のため多くの避難所でトイレ用水の供給が断たれました。そのなかで、すでに整備がすんでいた白川中、京陵中、西原中、下益城城南中の計4校に職員が計20台のトイレを設置。「段差がない」「においもあまりなく使いやすい」と好評で、西原中では設置期間が35日間に及んだそうです。

災害時の活用が評価され、市は今年度の国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)を受賞しました。同市上下水道局管路維持課の白岩武樹課長は「今後は避難所に位置づけられている小学校や公共施設にもマンホールトイレ整備を拡充し、地域住民にPRしていきたい」と話しています。

⑫帯山中と山鹿中が全国へ!九州合唱コンクール!

長崎県佐世保市で開かれている第71回九州合唱コンクール(全日本合唱連盟九州支部、朝日新聞社など主催)は昨日10日、2日目の中学部門があり、県内からは8校が出場しました。帯山と山鹿が金賞を受賞して全国大会出場を決めました。菊陽、東町も金賞を受賞しました。

帯山は51人の大所帯で「花火ひらく…」など2曲を披露。寺本文香(あやか)部長(3年)は「全国大会でも同じように私たちなりの歌を歌いたい」と話していました。

山鹿の斉藤結子部長(3年)は、初めてのホールに「緊張していました」。表現力を磨くことを心がけて練習を重ねたそうです。「みんながんばった。上出来です」と振り返りました。全国大会に向け「一番ベストな歌を、自信を持って本番で歌えるよう、もっと表現力を磨きたい」と意気込みました。

銀賞の熊本大付属は日本語の歌詞の曲を歌いました。言葉をしっかり伝えることを心がけました。原田佳綸(かりん)部長(3年)は「歌詞の最初の1文字の子音まで意識して練習した」とそうです。

2.ここ一週間の地震

2016/09/11 08:45 11日 08:42頃 新潟県中越地方 2

2016/09/10 13:55 10日 13:52頃 熊本県熊本地方 2

2016/09/10 12:58 10日 12:54頃 奄美大島近海 3

2016/09/10 00:48 10日 00:45頃 網走沖 1

2016/09/09 23:21 09日 23:18頃 茨城県北部 3

2016/09/09 22:22 09日 22:19頃 和歌山県北部 1

2016/09/09 20:56 09日 20:53頃 茨城県沖 3

2016/09/09 15:10 09日 15:06頃 宮古島近海 1

2016/09/09 13:50 09日 13:47頃 岩手県沖 2

2016/09/09 05:22 09日 05:18頃 千葉県北西部 1

2016/09/08 21:39 08日 21:35頃 熊本県熊本地方 2

2016/09/08 20:04 08日 20:00頃 奄美大島近海 2

2016/09/08 16:46 08日 16:43頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/08 16:10 08日 16:07頃 有明海 1

2016/09/08 15:19 08日 15:15頃 熊本県熊本地方 3

2016/09/08 15:12 08日 15:08頃 茨城県沖 2

2016/09/08 05:53 08日 05:50頃 岩手県沖 1

2016/09/08 00:00 07日 23:57頃 熊本県阿蘇地方 2

2016/09/07 22:52 07日 22:49頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/07 20:29 07日 20:26頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/07 18:46 07日 18:42頃 日高地方中部 3

2016/09/07 15:01 07日 14:57頃 十勝地方北部 1

2016/09/07 14:36 07日 14:33頃 福島県沖 1

2016/09/07 14:20 07日 14:17頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/07 13:33 07日 13:28頃 茨城県南部 4

2016/09/07 11:21 07日 11:17頃 沖縄本島近海 2

2016/09/07 07:50 07日 07:46頃 茨城県南部 1

2016/09/07 05:22 07日 05:19頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/07 03:49 07日 03:46頃 西表島付近 1

2016/09/07 02:23 07日 02:19頃 種子島近海 1

2016/09/07 02:17 07日 02:14頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/07 01:59 07日 01:56頃 熊本県熊本地方 4

2016/09/07 00:27 07日 00:22頃 宮古島近海 3

2016/09/06 17:54 06日 17:51頃 熊本県阿蘇地方 3

2016/09/06 08:55 06日 08:51頃 熊本県熊本地方 2

2016/09/06 04:00 06日 03:57頃 千葉県北西部 2

2016/09/05 22:57 05日 22:53頃 福島県会津 1

2016/09/05 20:58 05日 20:55頃 熊本県熊本地方 2

2016/09/05 17:47 05日 17:43頃 宮城県沖 1

2016/09/05 05:09 05日 05:06頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/05 01:47 05日 01:42頃 千葉県北東部 1

2016/09/05 00:26 05日 00:23頃 秋田県内陸南部 1

2016/09/04 23:52 04日 23:49頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/04 18:37 04日 18:34頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/09/04 17:53 04日 17:50頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/04 09:18 04日 09:15頃 宮城県沖 1

2016/09/04 08:39 04日 08:36頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/04 06:21 04日 06:17頃 熊本県熊本地方 3

2016/09/04 03:14 04日 03:11頃 青森県東方沖 1

2016/09/04 01:28 04日 01:24頃 青森県三八上北地方 1

(続く)

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