スウェーデンのスーパーグループABBAが40年ぶりに新アルバムをリリースするにあたり、NateとCharlieがその音楽が多くの人に愛され、同時に嫌われる理由を探る絶好のタイミングとなりました。ABBAの熱狂的なファンがいる一方で、伝説的なポップ批評家ロバート・クリストガウ(※)のような批判者も存在します。彼はABBAについて「敵に遭遇した。我々の敵は彼らだ」と述べたことがあります。
このような批判は、ABBAの音楽のキャッチーさと真摯な歌詞によって引き起こされたものですが、彼らの音楽についてどう感じるかに関係なく、その作曲の才能は否定できません。
彼らの曲が長く愛され続けているのは、その音楽的な輝きの証です。NateとCharlieは「スーパー・トゥルーパー」「マンマ・ミーア」「ダンシング・クイーン」のような世界的大ヒット曲を生み出した、ボーカルの対比、音楽のマキシマリズム(最大主義)、そしてスタジオ技術を徹底的に分析します。
その後、彼らはバンドの最新シングル「Don’t Shut Me Down」と「I Still Have Faith in You」に耳を傾けます。この新曲が古典的なABBAスタイルへの回帰を示しているのか、それとも新しい音響的領域への挑戦を意味しているのかを判断しようとします。
※ロバート・クリストガウ(Robert Christgau) :アメリカを代表する音楽評論家であり、特にポピュラー音楽の批評で知られています。彼の独自の視点や批判的な洞察は、音楽業界やメディアにおいて非常に影響力を持っています。そのため「村の声(Dean of American Rock Critics)」と称されることもあります。
◆主な経歴と業績
- 生年月日: 1942年4月18日、ニューヨークで生まれる。
- キャリアの始まり: 1960年代後半から音楽批評を始め、1970年代以降、ニューヨークの『The Village Voice』で「Consumer Guide(コンシューマーガイド)」というコラムを執筆。このコラムでは、アルバムの短評をアルファベット(A+からF)で評価し、わかりやすいスタイルで読者に紹介しました。
- 影響力: クリストガウは、ロック、ポップ、R&B、ヒップホップ、ワールドミュージックなど、幅広いジャンルに対して鋭い洞察を提供し、多くの音楽ファンや業界関係者に影響を与えました。
◆批評スタイル
クリストガウの批評スタイルは、率直で時に挑発的です。彼はアーティストや作品に対して遠慮のない意見を述べることで知られています。そのため、彼の批評はしばしば議論を巻き起こしますが、同時に彼の洞察力や独特のユーモア感覚は広く評価されています。
◆ABBAについての見解
クリストガウはABBAの音楽についても辛口な評価を下しました。例えば、彼は「ABBAの曲は耳に残るが、それが問題だ」とし、「我々の敵は彼らだ」とまで表現しています。彼の批判は、ABBAの音楽のキャッチーさや大衆性に対する皮肉を込めたものでした。
◆その他の活動
クリストガウは評論家としての活動に加え、複数の本を執筆しています。その中には、自身の音楽批評をまとめたエッセイやコラムが含まれており、音楽批評の歴史において重要な資料とされています。
ロバート・クリストガウは、音楽に対する鋭い批評を通じて、何十年にもわたり音楽文化に影響を与え続けている人物です。彼の評価が賛否両論を巻き起こすこともありますが、それが彼を音楽批評界の中心に位置づける理由ともいえます。