アーティストでソングライターのカリン・グレンマルクが亡くなったと、彼女の家族が『イェスタズ・アレハンダ(Ystads Allehanda)』紙に確認しました。享年73歳でした。
*写真:ジャック・ミクルト/TT
カリン・グレンマルクは、50年以上にわたる音楽キャリアを誇り、単独アーティストとして、グループ〈グレンマルクス(Glenmarks)〉の一員として、そして兄アンダース・グレンマルクとの兄妹デュオ〈ジェミニ(Gemini)〉として、メロディーフェスティバーレンに5回出場しました。
彼女が最も知られている曲のひとつは、1987年の映画『ミオ・ミン・ミオ(Mio min Mio)』の主題歌であり、この曲はビヨルン・ウルヴァースとベニー・アンダーソンによって書かれ、ジェミニによって歌われたものです。
カリン・グレンマルクは、コンサート版『チェス(Chess)』のツアーでスヴェトラーナ役を歌い、『レ・ミゼラブル(Les Misérables)』ではファンティーヌ役も演じました。彼女の最後のソロアルバムは、マイケル・サクセルとジャック・ヴェルプによる楽曲で構成され、1996年にリリースされています。
『CHESS』ツアーなどでグレンマルクと共演したトミー・シェルベリ(トミー・ケールベリ、Tommy Körberg)は、彼女を優れた歌手としてこう振り返っています。
「私は彼女のことがとても好きでした。彼女は歌が上手で、感性も豊かでした──音楽性と人間的な温かさを兼ね備えた人で、この業界でそんな人は本当に少ないのです」と、TT通信に語っています。
また彼は、ある公演でカリン・グレンマルクがステージを救った出来事も思い出しています。
「あるソリストが本番直前にあがってしまったとき、カリンは合唱席からそのまま飛び出し、即座にその役を歌い演じたんです。イレイン・ペイジと私が舞台にいて、カリンが突然そうしたものだから、私たちはまるで“二つの鳥小屋”みたいにぽかんとしていました」と笑いながら回想しています。
50代に入ってから、グレンマルクは部分的に芸術活動から離れ、彼女の住むイェスタで医療分野の仕事に従事しました。彼女にとって、地元で知られた存在であることは問題ではありませんでしたが、スウェーデンの他の地域では違いました。
「ほかの場所では、人々が妙に怖がるんです。まるで私が本当の自分とは違う“特別な何か”だと思っているみたいで。本当に退屈なことですよ」──2006年に『YA』紙に語った言葉です。

