『クリスティーナ(・フラン・ドゥヴェモーラ)』
コンサート版 2026
リビングスネース・セーテリ史上、最大規模の取り組み
――『クリスティーナ(・フラン・ドゥヴェモーラ)』コンサート版
ついに『クリスティーナ(・フラン・ドゥヴェモーラ)』がスモーランドにやってきます。
コンサート形式による本作は、リビングスネース・セーテリの自然舞台(ナトゥールシェーン)(※)で上演されます。
「この傑作を、ここほど見事に、そして本物として体現できる場所は、世界のどこにもありません」
――フィリップ・ヴァーレボーン(リビングスネース・セーテリ/プロデューサー)
スモーランドの中心部、高地地方(ホーグランデット)。
飢餓や貧困、そして“約束の地”アメリカでより良い人生を求めて大西洋を渡った大移民の記憶が根付くこの地で、時代を超えたこの作品は、唯一無二で真正な舞台背景を得ることになります。
リビングスネース・セーテリに誕生する新しい自然舞台
この自然舞台は、リビングスネースにとって3つ目のステージとなり、コンサートホール(マシンハレン)の裏手、建物に隣接する場所に設置されます。
観客はコンサートそのものだけでなく、舞台を囲む森林公園を望む唯一無二の景観も同時に楽しむことができ、本物のスモーランドらしさがいっそう強調されます。
森のざわめきを背に、歴史ある土地を背景として、クリスティーナの物語は新たな命を得ます。
それは、これまで多くの世代の心を打ち、そして今もなお人々を感動させ続けている物語です。
大規模で壮大な音楽体験
『クリスティーナ(・フラン・ドゥヴェモーラ)』の指揮・編曲を務めるのは、アンデシュ・エルヤス。
彼の指揮のもと、フル編成の交響楽団(ストックホルム・コンサート・オーケストラ)、5人編成バンド、そしてヨンショーピングのクリスティーネ室内合唱団が共演します。
これらが一体となって届けるコンサート体験は、スモーランドでは、これまでにほとんど、あるいは一度も実現したことのない規模のものとなるでしょう。
ソリストと配役
クリスティーナ役 ― マティルダ・アンブレ
主役クリスティーナを演じるのはマティルダ・アンブレ。
彼女は2012年ヘルシンキ公演で同役を演じた経験があり、2025年秋にはヨンショーピングのカルチャーハウス・スピラにて『Så som i himmelen(空のように)』のガブリエラ役を務めました。
その経験と歌声は、まさにこの役にふさわしく、誰ひとりとして心を動かされずに帰る人はいないでしょう。
ウルリカ役 ― リンネア・ヘンリクソン
『レット・ザ・ミュージック・スピーク』ツアーでのウルリカ役の大成功を経て、今回の起用は必然でした。
批評家から高く評価された楽曲「アルドリグ(決して)」の解釈は、本公演でも力強く胸を打つ体験を約束します。
ロベルト役 ― ソニー・エネル
トロノース出身のミュージカルスター、ソニー・エネルが、温かさと安定感をもってロベルトを演じます。
経験豊富なミュージカル俳優であり、これまで何度もクリスティーネ室内合唱団と共に、ベニー・アンダーソンへのトリビュート・コンサートで主要ソリストを務めてきました。
カール=オスカル役 ― ヨナス・ブレーマー
カール=オスカル役には、ヨナス・ブレーマー。
ファルケーピング近郊ファーレクヴァルナ育ちで、現在はスウェーデンを代表するミュージカル俳優の一人です。
過去にも『クリスティーナ(・フラン・ドゥヴェモーラ)』に出演し、『レ・ミゼラブル』『ノートルダムの鐘』などに参加。2025年秋にはカルチャーハウス・スピラで『Så som i himmelen』のアンサンブルおよびダニエル役のアンダースタディを務めました。
フィーナ=カイサ/語り部 ― マリア・メッレル
マリア・メッレルが、フィーナ=カイサおよび語り部を務めます。
その舞台存在感、経験、深い表現力によって、観客を温かさと敬意をもって物語へと導きます。
コンサート版における要(かなめ)となる存在であり、この重要な役を引き受けてくれたことを、私たちは大変誇りに思っています。
参加アンサンブル
ストックホルム・コンサート・オーケストラ
2005年設立のストックホルム・コンサート・オーケストラは、柔軟性と多様性を備え、ポピュラー音楽への深い愛を持つオーケストラです。
ABBAのアルバム『ヴォヤージ』のオーケストラ録音や、ロンドンでのABBAアバター・ショーにも参加しています。
この卓越した音楽家たちを乗せたバスが、リビングスネースに到着する日を、私たちは心から楽しみにしています。
クリスティーネ室内合唱団
カリン・エドワルドソンの指揮のもと、ヨンショーピングのクリスティーネ教会を拠点とするプロフェッショナル合唱団。
近年は、16世紀音楽から、ベニー・アンダーソンへのトリビュート・コンサート(ソニー・エネルと共演)まで、幅広い活動を行っています。
この合唱団が、コンサート全体に確かな響きと感情の深みを与えてくれることは間違いありません。
※リビングスネース・セーテリの自然舞台(ナトゥールシェーン)とは、スウェーデン・スモーランド地方の歴史的荘園リビングスネース・セーテリ敷地内に新設された屋外パフォーミングアーツ舞台で、自然そのものを舞台装置として生かすコンサート/舞台芸術空間です。



自然舞台(ナトゥールシェーン)の概要
- 正式名称:Naturscen(ナトゥールシェーン=自然舞台)
- 所在地:リビングスネース・セーテリ(スモーランド地方・高地〈ホーグランデット〉)
- 性格:屋外・常設型の公演空間
- 位置関係:既存のコンサートホール(マシンハレン)背後に隣接
- 役割:セーテリにおける第3の公式ステージ
最大の特徴
● 自然そのものが「舞台美術」
森、空、風、夕暮れ、鳥の声――
人工的な装置に頼らず、スモーランドの森と地形がそのまま舞台背景になります。
照明が落ち、音楽が始まると、物語と土地の記憶が重なり合う空間が生まれます。
● 作品と土地の“物語的な一致”
特に
『クリスティーナ(・フラン・ドゥヴェモーラ)』のように、
- 飢饉と貧困
- 土地に縛られた生
- アメリカへの大移民
を描く作品にとって、スモーランドという土地そのものがドラマの一部になります。
この自然舞台は、単なる会場ではなく、物語の延長線上にある空間です。
● 観客体験を重視した設計
観客席からは、
- 舞台
- 森林公園の眺望
- 空の色の移ろい
を同時に体験できます。
音楽と風景が一体化する没入感が、屋内劇場とはまったく異なる感動を生みます。
なぜ「ここで」コンサート版なのか
プロデューサーの言葉が、その理由を端的に示しています。
「この傑作を、これほど本物として表現できる場所は、世界に他にありません」
フル編成の交響楽団、合唱、ソリストによるコンサート形式だからこそ、
- 大がかりな舞台転換を必要とせず
- 音楽と言葉、風景に集中できる
その結果、自然舞台という形式が、作品の核心を最も純粋な形で浮かび上がらせるのです。
ひとことで言うと
リビングスネース・セーテリの自然舞台(ナトゥールシェーン)は、
「スモーランドの大地そのものが語り部になる舞台」です。

