ビヨルン・ウルヴァースの“奇想天外な”1974年ユーロビジョン・スター・ギターの舞台裏

「輝いて、きらめいていなければならなかった」

ビヨルン・ウルヴァースの“奇想天外な”1974年ユーロビジョン・スター・ギターの舞台裏

ストックホルムのギター製作家ヨーラン・マルムベリが、究極のグラムロック小道具がわずか6週間で完成した経緯を明かす。

ABBAは1974年のユーロビジョン・ソング・コンテストで「恋のウォータールー」を披露し、歴史に残るパフォーマンスを成し遂げた。
バンドのグラムなスタイリングは瞬く間にポップ・アイコンとなり、そのイメージの中心にあったのが、リード・ギタリストのビヨルン・ウルヴァースの肩に掛けられた、13本の突起を持つ銀色の星形ギターだった。

この楽器はすぐにABBAのビジュアル・アイデンティティの一部となったが、その誕生の経緯は長年誤解されてきた。多くの人は、ビヨルンが頻繁に使用していたスウェーデンのブランド、ハグストロームによる特注品だと考えていた。しかし実際には、このきわめて派手なギターを製作したのは、ストックホルムのルシアー(弦楽器製作家)ヨーラン・マルムベリだった。

『Guitar World』誌の新たなインタビューで、マルムベリは、ブライトンで行なわれたユーロビジョン本番を目前に控えた極度の時間的制約の中で、この伝説的ギターがどのように構想され、完成に至ったのか、そしてなぜそれが彼の言葉で「輝いて、きらめいていなければならなかった」のかを詳しく語っている。

マルムベリによれば、ユーロビジョンまで残りわずか6週間というタイミングで、ビヨルンが彼のもとを訪れたという。依頼内容は実にシンプルだった。
ABBAのグラムな美学にふさわしい、視覚的に強烈なものを作ること。

「ビヨルンと会って、どんな見た目にするかを話し合いました」
とマルムベリは振り返る。
「輝いて、きらめいている必要があったので、星形というアイデアが出ました。そこで、私がいくつかギターのデザイン案を描き、それを彼に見せることにしました。ビヨルンはそのうちの一つを承認してくれましたが、ユーロビジョンまで残り6週間しかなかったのです!」。

デザインが決まると、すぐに製作が始まった。ネックはストラトキャスター風のものが選ばれたが、13本の突起を持つ過激なボディ形状には、極端なデザインにありがちな問題を避けるため、慎重な設計が求められた。

「ビヨルンがネックから手を離しても、ギターがその位置を保てるよう、正しい重量バランスが必要でした」
とマルムベリは説明する。
「さらに、星形の先端部分が、演奏中の邪魔になってはいけなかったのです」。

鋭い突起が折れるのを防ぐため、ボディは複数層の合板を接着して作られた。最外層には、塗装面のひび割れを最小限に抑えるため、厚さ1ミリの白樺合板(いわゆる“航空機用合板”)が使用された。また、ビヨルンが演奏中にネックから手を離しても、ストラップで安定してバランスを保てるよう、細心の注意が払われた。

「非常に長いホーン(突起)がショルダーストラップの取り付け位置のバランスを取り、さらにボディの両側には2本ずつホーンがありました」
とマルムベリは語る。
「コントロールノブの配置やカッタウェイのホーンも、重量バランスを取る助けになっています」。

エレクトロニクスについては、次のように説明している。

「ハムバッカー・ピックアップは、特にトレブル側をブリッジから少し離して取り付けました。そうすることで、リズムギター演奏に適した、ややダークな音色が得られたのです」。

そして最後に、ビヨルンが求めていた“ショーストッパー”としての効果を生む仕上げが施された。

「ギターは銀色のベースの上にメタルステインで塗装され、その上から20層のクリアラッカーが重ねられました」
とマルムベリは言う。
それにより、ユーロビジョンのステージ照明の下で、まばゆく輝くことが保証されたのだ。

この星形デザインの正確なインスピレーションは今も明確ではないが、ユーロビジョンの直前にスウェーデンをツアーしており、同様に星形ギターで知られていた英国のグラムロック・バンド、ザ・グリッター・バンドの影響を指摘する声もある。

「ザ・グリッター・バンドはスウェーデンをツアーしていて、彼らは私たちの演奏を観に来ました。音楽が本当に気に入った、と言ってくれたんです」
と、ベーシストのジョン・スプリンゲイトは以前語っている。
「それから3週間後、ユーロビジョンで彼らを見たら、僕らと同じような格好をして、星形ギターを持っていた。それがABBAだったんです!」。

https://guitar.com/news/gear-news/abba-eurovision-star-guitar/

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