ABBAのヒット曲で彩られた名作が、2025年12月9日から2026年1月4日までエディンバラ・プレイハウスに帰ってくる。ダンディー出身のジョー・グランディがスカイ役を務め、ジェン・グリフィンがドナ役を率いるカンパニーでの上演となる。
キャストとスコットランドとの縁
ATGは、新しいUKツアー版『マンマ・ミーア!』の全キャストを正式に発表した。この公演はエディンバラ・プレイハウス(※)にて、12月9日から翌1月4日までの4週間のクリスマス公演を行う。
主演は ジェン・グリフィン(ドナ)。共演には サラ・アーンショー(ターニャ)、ロージー・グロソップ(ロージー)、ルーク・ヤスタル(サム・カーマイケル)、リチャード・ミーク(ハリー・ブライト)、マーク・ゴールドソープ(ビル・オースティン) が名を連ねる。
スコットランドとの縁もあるキャスティングだ。ダンディー生まれの ジョー・グランディ がスカイを演じ、レイチェル・オーツ がアンサンブルに加わる。リディア・ハント がソフィを務め、ビビ・ジェイ(アリ)、イヴ・パーソンズ(リサ)、ジョセフ・ヴェラ(ペッパー)、イーサン・ケイシー=クロシア(エディ)、ウィリアム・ヘイゼル(アレクサンダー神父) らが主要キャストに入り、大規模なアンサンブルが支える。
UKツアーの概要
このプレイハウス公演は、2025年10月24日から11月8日までサウサンプトンのメイフラワー・シアターで開幕する大型UKツアーの一環である。ツアーはブリストル、オックスフォード、エディンバラ、マンチェスターを巡り、現在発表されている最終地は2026年8月のグラスゴー。今後さらに会場が追加される見込みだ。
変わらない魅力
このツアーでは、世界的ヒット作となった創作陣の枠組みを変えるような誤りは犯さない。
- 脚本:キャサリン・ジョンソン
- 演出:フィリダ・ロイド
- 振付:アンソニー・ヴァン・ラースト
- 美術:マーク・トンプソン
- 照明:ハワード・ハリソン
- 音響:アンドリュー・ブルース & ボビー・エイケン
- 音楽監督/編曲:マーティン・コック
物語は変わらず「母と娘、そして3人の“かもしれない父親”」がギリシャの島で繰り広げるドラマであり、その語りを担うのはABBAの名曲たちだ。
ショーの生みの親でプロデューサーの ジュディ・クレイマー はこう語る。
「2025年UKツアー版『マンマ・ミーア!』のキャストを発表できることをとても嬉しく思います。母と娘、そして3人の父親候補の物語は、ABBAの抗しがたいヒット曲にインスパイアされています。観客の皆さんが全国各地でギリシャの島の楽園に飛び込み、“人生最高のひととき”を楽しんでくださるのが待ちきれません!」。
冬を彩る人気作
『マンマ・ミーア!』は26年目を迎え、ロンドンではすでに 1万回以上の公演 を突破し、ウエストエンドだけで 1100万人以上 が観劇している。国際ツアーは 42か国で3900回以上 の上演を重ね、世界での観客動員数は 7000万人以上 と報告されている。
これらの数字は広く知られているが、なぜ多くのUKの劇場で再演され続けるのかをよく示している。エディンバラもその例外ではない。
ファンのためのキャスト情報
キャストを細かく追いかけるファンに向けた補足:
- ジェン・グリフィン はロンドン・ノヴェロ劇場で「アンダースタディ(交代キャスト)」から昇格してドナ役の主演へ。
- サラ・アーンショー は過去のUK・国際ツアーでもターニャを演じ、今回再登板。
- マーク・ゴールドソープ は『メリー・ポピンズ』や『マチルダ』などの経歴を持つ。
今回のカンパニーは、経験者と新加入者が入り混じり、新鮮さを加えつつ、作品の“背骨”をしっかりと保っている。
エディンバラでの意味
エディンバラ・プレイハウスは、クリスマス期に大規模ミュージカルを提供する拠点的存在である。今年はABBAのカタログを全面に押し出した「安心感あるジュークボックス・ミュージカル」が観客を迎えることになる。
ABBAの歌を求める人も、南国リゾート風のストーリーを楽しみたい人も、その魅力はシンプルだ。大劇場ならではのスケール、チャートを忠実に再現できる生演奏バンド、そしてファンに愛される物語。冬のエディンバラで、観客をギリシャの島へ連れ出し、“人生最高のひととき”を約束してくれるだろう。メリークリスマス!
※エディンバラ・プレイハウス(Edinburgh Playhouse)とは
- 所在地:スコットランド、エディンバラ市中心部グリーン・ストリート(Greenside Place)
- 収容人数:およそ 3,000席 を有する、イギリス最大級の劇場の一つ
- 開館:1929年
- 設計者:建築家 John Fairweather
- 運営:現在は ATG(Ambassador Theatre Group) によって管理
歴史
- 当初は 映画館(シネマ) として開業。特に1930年代には「英国最大の映画館」とも呼ばれる規模を誇った。
- 1970年代には閉館の危機に直面したが、市民運動によって保存され、1980年に再オープン。
- その後はミュージカルやコンサート、オペラ、バレエ、コメディなどを上演する スコットランドを代表する劇場 へと発展。
現在の特徴
- スコットランド随一の大規模ミュージカル会場:『レ・ミゼラブル』『ライオン・キング』『マンマ・ミーア!』などのロングラン公演やUKツアー公演が上演される。
- コンサート会場:有名なロック・ポップアーティストの公演も開催。
- 建物の特徴:外観はシンプルだが、内部はクラシックな劇場様式で、特にステージと観客席の距離感が絶妙と評される。
文化的役割
エディンバラ・プレイハウスは、スコットランドの首都における 大規模エンターテインメントの中心。
毎年のクリスマスシーズンには大型ミュージカルが上演され、地元住民や観光客にとって冬の恒例行事となっています。
MAMMA MIA! announces full UK tour cast ahead of Edinburgh festive run