ロチェスター発 — オールド・コロニー地域職業技術高校(Old Colony Regional Vocational Technical High School)(※)は、ベルボトムとウェディングベールを身にまとい、ミュージカル『マンマ・ミーア!』の上演に挑む。
このミュージカルは、英語教師アンバー・ロデリック(Amber Roderick)氏が演出を務めており、スウェーデンのポップグループABBAの楽曲のみで構成されている。出演者たちは「ダンシング・クイーン」「ヴーレ・ヴー」「ギミー!ギミー!ギミー!」といったヒット曲に合わせて、ステージ上を踊り、回転し、体を揺らした。
「子どもたちにとっても観客にとっても、誰もが知っている音楽で楽しめるものにしたかったんです」と、ロデリック氏は語る。
レイクビル出身のシニア(最上級生)、アビゲイル・ドウィッキー(Abigail Dawicki)さんは、数か月前にロデリック氏にメールを送り、春のミュージカルに『マンマ・ミーア!』を希望した。その理由は、卒業前最後の舞台でドナ・シェリダンを演じたいという夢があったからだ。そして現在、そのドナ役に抜擢され、まさに夢を叶えている。
「『マンマ・ミーア!』をやりたかったのは、みんながABBAを知っているから。ABBAの曲に“共感できない”って言う人、私は一人も知らないです」と彼女は話す。
ドウィッキーさんはドナ役に備え、以前『マンマ・ミーア!』でドナを演じたサウスイースタン地域職業技術高校の学生に連絡を取り、アドバイスをもらったという。
「彼女が、キャラクターに入り込み、音程をきちんと出しつつも感情を込めて演じる方法を教えてくれました」と語る。
彼女は、ドナのキャラクターとしての成長や、物語を通して見せる強さを尊敬している。
「最初は何人もの男性に恋をしていたことを歌うけれど、最終的には“誰かに頼らなくても幸せになれる”と気づいていく流れが、とても力強く、美しいと思います」と話す。
また、オールド・コロニー高校のドラマクラブは、彼女の1年生の頃と比べて大きく成長したという。
「当時は観客が30人くらいで、『親に向かって演じてるだけ』って感じでした。でも今では、学校全体が観に来てくれて、町でポスターを見た人たちまで来てくれるんです。もう家族だけじゃなく、もっと多くの人たちが見てくれています」
彼女はオールド・コロニー高校について「小さくて、絆の深いコミュニティ」と表現し、学生たちが互いに支え合っていると話す。
「オールド・コロニーで何か活動に参加すれば、自然と友達ができますよ」。
アクシュネット出身の2年生、カンドラ・アルメイダ(Candra Almeida)さんは、ドウィッキーさんの娘役であるソフィ・シェリダンを演じており、今回がオールド・コロニーでの初めての舞台出演となる。
「正直ちょっとストレスはあります。これまでずっと慣れてきたことではないので。でも、ここにいる人たちのおかげで、すごく安心して取り組めます」。
ドウィッキーさんとアルメイダさんは、オールド・コロニー高校の調理プログラムのクラスメートで、共に歌への情熱を通じて絆を深めてきた。
アルメイダさんは、高校初のミュージカル出演で直面したさまざまな課題を、ドラマクラブが助けてくれたと語る。
「音楽って、みんなを一つにしてくれるものだと思うんです。それが大好き。ダンスしてても、歌ってても、ただ演技してるだけでも、家族みたいな一体感があります」。
*2年生のジアナ・フリン、最上級生のアビゲイル・ドウィッキー、そして2年生のエマ・ダコスタが「スーパー・トゥルーパー」を披露。写真:グレース・アン・ナタナワン撮影。
*2年生のカンドラ・アルメイダと最上級生のジョナ・リッグスが「ヴーレ・ヴー」に合わせてダンスを披露。
*3年生のイジー・ジェジエルスキと2年生のカンドラ・アルメイダがステージ上で演技を披露。
*『マンマ・ミーア!』のキャストたちがダンスの練習をしている。
*3年生のキャム・マクッチと最上級生のアビゲイル・ドウィッキーがシーンのリハーサルをしている。
*3年生のキャム・マクッチと2年生のカンドラ・アルメイダがセリフのリハーサルをしている。
※オールド・コロニー地域職業技術高校(Old Colony Regional Vocational Technical High School)は、アメリカ・マサチューセッツ州ロチェスター(Rochester, Massachusetts)にある公立の職業技術高校(vocational technical high school)です。