【デイリー・エコー紙レビュー】『マンマ・ミーア!』@メイフラワー劇場

デイリー・エコー紙レビュー:『マンマ・ミーア!』@メイフラワー劇場(Mayflower Theatre)(※)

*『マンマ・ミーア!』のワンシーン
(画像提供:ブリンクホフ=メーゲンブルク/Brinkhoff-Moegenburg

あなたの人生で最高の時間を過ごせる――これぞ究極の“フィール・グッド”ミュージカル。
『マンマ・ミーア!』が街に戻ってきました。そして昨夜、私は再びこの作品に恋をしました。
もう観劇回数は二桁に突入していると思いますが、それでもやはりこれは今まで観た中でも最高のショーのひとつです。間違いなく、他のジュークボックス・ミュージカル(既存のヒット曲で構成されたミュージカル)はこの作品には遠く及びません。

そもそも“ジュークボックス・ミュージカル”と呼ぶこと自体が失礼かもしれません。
確かにこの作品はスウェーデンのスーパーグループ ABBA の音楽に基づいており、名曲が次々と登場します。
しかし、それだけではなく、しっかりとした物語、美しい南国の舞台設定、そして舞台上で目を見張るような振付があるのです。
しかも、このショーは今もなお進化を続けています。

*『マンマ・ミーア!』のワンシーン
(画像提供:ブリンクホフ=メーゲンブルク/Brinkhoff-Moegenburg

昨夜のこと――私と友人(40代の母親2人)と、思春期まっさかりの11歳の娘たち。
4人で劇場を出たあと、「ダンシング・クイーン(Dancing Queen)」を大声で歌いながら、通りを踊って帰りました。
その光景こそ、この作品がどれほど素晴らしいかを物語っています。

このショーは歓喜と喜びに満ちていて、まさに圧倒的に感動的です。

上演時間は休憩を含めて約2時間40分。テンポよく構成されるよう一部曲順に手が加えられていますが、映画版のファンもおなじみの名場面はすべて含まれています。
もちろん――シュノーケルの足ヒレと花柄のスイミングキャップのシーンも健在です。

私が特に好きだったのは、アクロバティックなビーチのシーン(「ダズ・ユア・マザー・ノウ」Does Your Mother Know)、チャペルでの「テイク・ア・チャンス」(Take A Chance On Me、今回は中年カップルのハッピーエンドにつながる演出!)、
そしてドナ&ザ・ダイナモスがバチェロレッテ・パーティーで「スーパー・トゥルーパー」(Super Trouperをスパンコールのレオタード姿で披露する場面。どれも最高でした。

*『マンマ・ミーア!』のワンシーン
(画像提供:ブリンクホフ=メーゲンブルク/Brinkhoff-Moegenburg

物語の中心となるのは、母と娘――ドナとソフィ・シェリダン
今回のツアーでは、ジェン・グリフィン(Jenn Griffin)リディア・ハント(Lydia Hunt)が演じており、その歌唱力は圧倒的。
ですが、『マンマ・ミーア!』の真の魅力は、何よりも
アンサンブル(全員の一体感)にあります。

グループダンスの完成度は驚異的で、ショー全体に溢れるコメディ要素も見逃せません。
ロージー役のロージー・グロッソップ(Rosie Glossop)ターニャ役のサラ・アーンショウ(Sarah Earnshaw)は特に笑いのセンスが抜群で、前者はあのジュリー・ウォルターズ(映画版ロージー)にも匹敵するほどの存在感です。

さらに、ルーク・ヤシュタル(Luke Jasztal)(サム・カーマイケル役)とリチャード・ミーク(Richard Meek)(ハリー・ブライト役)は、それぞれ映画版のピアース・ブロスナンコリン・ファースに劣らぬスター性を放ちながら、より優れた歌声を披露しています。

結論――完璧な勝者(An absolute winner)です。

『マンマ・ミーア!』は11月8日(土)までメイフラワー劇場で上演中。
チケットは mayflower.org.uk から入手できます。

※メイフラワー劇場(Mayflower Theatre) は、イギリス南部の都市 サウサンプトン(Southampton) にある、イングランド最大級の地方劇場のひとつです。
ロンドン以外で最も有名なツーリング・シアター(巡回公演を受け入れる劇場)のひとつとして知られ、ミュージカルやオペラ、バレエ、コンサートなど幅広い舞台芸術が上演されています。

🎭 基本情報

  • 正式名称: Mayflower Theatre
  • 所在地: Commercial Road, Southampton, England
  • 開館: 1928年(当初は「Empire Theatre」として開業)
  • 収容人数: 約2,300席(改装後の最大収容数)
  • 運営: 非営利団体「Mayflower Theatre Trust」により管理運営
  • 公式サイト: www.mayflower.org.uk

🏛️ 歴史

  • 1928年: 「Empire Theatre」としてオープン。当時は映画上映とライブ公演を併用する総合娯楽施設でした。
  • 1950〜70年代: 演劇、バレエ、コンサートなど多様な公演を開催。
  • 1987年: 「Mayflower Theatre」に改称。非営利団体が劇場を買い取り、地域文化の中心として再スタート。
  • 2018年: 大規模改修を経て、舞台設備・客席・音響を全面リニューアル。クラシックな外観を保ちながら、最新の劇場環境を整備。

🌟 特徴

  • ツアーミュージカルの拠点: 『マンマ・ミーア!』『レ・ミゼラブル』『ウィキッド』『ミス・サイゴン』など、ロンドン・ウエストエンドの人気作品がツアーとして上演されます。
  • 優れた音響と視認性: どの座席からもステージが見やすい設計で、オーケストラピットの音響評価も非常に高いです。
  • 地域の文化拠点: 教育プログラム、演劇ワークショップ、地域イベントなども積極的に実施。地元住民との結びつきが強い劇場です。

🎶 雰囲気と人気公演

メイフラワー劇場は、ロンドン以外で最も“ウエストエンドらしい”劇場と称されることも多く、ツアー公演の初演地としても選ばれます。
広々としたロビーと豪華な内装、赤いベルベットの座席が印象的で、観劇体験を特別なものにしてくれます。

✨ 豆知識:
劇場名「Mayflower(メイフラワー)」は、1620年にイギリスからアメリカへ出航した移民船「メイフラワー号」に由来しています。サウサンプトンはその出発地のひとつとしても知られています。

https://www.dailyecho.co.uk/news/25579309.daily-echo-review-mamma-mia-mayflower-theatre/

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