【レビュー】オーフィウム・シアターの『マンマ・ミーア!』

批評家はオーフィウム・シアターの『マンマ・ミーア!』をどう評価したのでしょうか?

『マンマ・ミーア!』という大成功ミュージカルの勢いに巻き込まれずにいるのは難しいでしょう。
2001年にブロードウェイで初演されて以来、興行収入45億ドル以上7,000万人以上が鑑賞し、2本の大ヒット映画化16カ国語での上演と、驚異的な成功を収めています。

本作はジュークボックス・ミュージカルの完璧な要素が揃っています。
甘くロマンティックなストーリー、そしてABBAという、音楽史における最も売れたアーティストのひとつによる時を超えた名曲たち
今回の公演も、観客は大いに楽しみ、盛り上がりました
個性豊かなコミカルな脇役たち、明るくカラフルな照明、テンポの良い振付、そして新しい愛、過去の恋、そしてハッピーエンドというロマンチックなテーマの全てが愛されていました。

L’Oréal Roaché(リサ役)、エイミー・ウィーバー(ソフィ・シェリダン役)、ヘイリー・ライト(アリ役)。

*上記画像をクリックすると動画に移行します。

キャサリン・ジョンソンによる脚本は興味深く、音楽なしでも十分に独立して成立する内容です。

物語は、若く恋するソフィ(エイミー・ウィーバー)が結婚を控えているところから始まります。
母親の日記を読んだ彼女は、自分の父親の候補が3人いることを知ります。
結婚式で父親にバージンロードを歩いてもらいたいソフィは、母親に内緒で3人全員を式に招待します。
こうして、ドタバタ劇が始まるのです。

成功するミュージカルには歌えて、踊れて、演技もできる俳優が不可欠です。
この公演の女性キャストたちは、その全てを見事にこなしていました。

  • 母親ドナ役のクリスティーン・シェリル
  • ロージー役のカーリー・サコローブ
  • ターニャ役のステファニー・ジェニート(ドナの親友たち)
  • ソフィ役のエイミー・ウィーバー

本作はやはり女性たちの物語であり、彼女たちの関係が中心です。
一方で、男性陣はやや印象が薄いものの、3人の父親候補たちも歌唱力は十分でした。
コミカルなサイドキック役としてのスティールとサコローブは、「テイク・ア・チャンス」「チキチータ」「ダズ・ユア・マザー・ノウ」で素晴らしいシーンを披露しました。

(左から右)ジム・ニューマン(ビル・オースティン役)、ヴィクター・ウォレス(サム・カーマイケル役)、ロブ・マーネル(ハリー・ブライト役)。

ただし、音響面に問題があったのは残念です。
小編成のオーケストラがギターを中心とした非常に大音量で演奏しており、俳優たちはそれに負けないよう必要以上に声を張らざるを得ませんでした。
そのため、繊細さやニュアンスに欠けた演出になってしまいました。
まるで映画『スパイナル・タップ』のように、音量が「11」に設定されていたかのようでした。

それでも、カーテンコールのアンコールで「マンマ・ミーア」「恋のウォータールー」「ダンシング・クイーン」が演奏されると、観客は総立ちで踊り、ABBAの世界に酔いしれ、すべてがうまく収まったのでした。

(左から右)ジャリン・スティール(ターニャ役)、クリスティーン・シェリル(ドナ・シェリダン役)、カーリー・サコローブ(ロージー役)

『マンマ・ミーア!』は5月11日まで上演が続きます
チケットはbrodwaysf.comで購入可能です。

※オーフィウム・シアター(サンフランシスコ)**は、
カリフォルニア州サンフランシスコ市内にある歴史的劇場で、全米ツアーのブロードウェイ作品が上演される代表的な会場の一つです。

  • 開業:1926年

  • 住所:1192 Market Street, San Francisco, CA 94102(シビックセンター近く)

  • 収容人数:約2,200席

  • 運営会社:BroadwaySF(旧SHN)

https://www.broadwayworld.com/san-francisco/article/Review-MAMMA-MIA-at-Orpheum-Theatre-20250502

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