【レビュー】ABBA Voyage ― これまでにないコンサート体験

専用に建設された会場と画期的なテクノロジーでロンドンを席巻してから3年。

👉📸 ヨハン・パーソン/ABBA Voyage

ABBA Voyageは今なお、勝利に満ちた、本当に唯一無二のコンサート体験であり続けている。
若き日のデジタル・ABBAターとしてABBAがステージに戻ってくるというアイデアは、2022年にすべての人の度肝を抜いた(特に私の)。そして2026年の今も、この“ABBAtars(アバターABBA)”は健在だ!

👉📸ラルフ・ラーマン/ABBA Voyage

2021年9月のあの日のことを覚えている(私の頭の中ではつい先週くらいの感覚)。クイーン・エリザベス・オリンピック・パークからのライブ配信で、ついに噂が現実になった瞬間――バーチャルABBAショーが正式にロンドンに来ると発表された日だ。
ABBAがデジタル・ABBAター(後に“ABBAtars”と呼ばれるようになる)を制作中だと最初に明かしたのは、なんと2017年。だからこそ、この発表はまさに「ついに来た!」という瞬間だった。

しかも、その興奮に追い打ちをかけるように、9枚目にして最後となるスタジオアルバム『Voyage』が2021年11月に発売されることも同時に発表された。
40年ぶりの新曲だ。本当に、生きていてよかったと思える時代だった。正直、その場にいなきゃ分からない(まあ、もしあなたが2歳なら話は別だけど、それなら仕方ない)。

私は両親と、そしてもちろんABBAに感謝している。私はABBAの音楽を聴いて育ったし、今でも彼らの音楽は私を最高の気分にしてくれる。
年を重ねて、少し賢くなった今(自分で“賢い”なんて言ったの初めてかも…ひえっ)、あの抗いがたいポップなフックの裏に、「必死さ」「失恋」「離婚」といった、とてもリアルで共感できるテーマが重なっていることを、より深く味わえるようになった。
純粋な喜びと、静かな哀しみ。そのコントラストこそが、ABBAを時代を超えた存在にしているのだと思う。
そしてもちろん、『マンマ・ミーア!』の映画もミュージカルも大好きだ。

それにしても、ストックホルムに2回も行っておきながらABBA博物館に行っていないなんて、自分でも信じられない。明らかに3回目の旅を計画して、次は最初に行く場所にしないと。
あと一つ言わせてほしい……ABBAや『マンマ・ミーア!』が好きじゃない人を、私は心から信用できない。以上。

ABBA Voyageは、これまでに体験したことのないものだと断言できる。小指をかけて約束するし、専門家も「1月の憂うつを吹き飛ばす最高の方法はABBA Voyageを見ること」だと言っている。
P.S. 私がその専門家です。

実際の生演奏ミュージシャンがABBAtarsと共演し、ABBA自身が設計に関わった、驚異的なハイブリッド・ショーを作り上げている。こんなABBA、いや、こんなコンサートは見たことがない。スケールがとにかく規格外だ。
5週間で、1000人ものアニメーターがアグネタ、フリーダ、ベニー、ビヨルンを最先端のデジタルABBAtarsへと変貌させた。
ABBA Voyageは、本当に「百聞は一見にしかず」。どんな言葉を使っても、この壮大さ、この異世界感を言い表すことはできない。

👉📸 ベイリー・ウォルシュ

*上記画像をクリックするとインスタグラムに移行します。

ABBAアリーナ自体が、まるで宇宙船に乗り込むような感覚だ。私は昨日、人生で3回目(なぜか“バカな人生”って言いたくなる)にパディング・ミル・レーンのABBAアリーナを訪れた。
とにかく衝撃的に素晴らしくて、この体験は「生きたい欲」を爆上げし、魂に直接“純粋な喜び”を注入してくる。特に一年で一番長く感じる1月には必要不可欠だ。
ショーが始まる前にアリーナに足を踏み入れた瞬間から、感覚のフルオーバーロード……もちろん、最高の意味で。

言った通り、アリーナは宇宙船で、ABBAtarsは別次元から降り立った天体のような存在。65メートルのスクリーンにきらめきながら現れる。
正直、最初は超なめらかな肌や完璧に揺れる髪に少し違和感はある。でも自分のABBAtarなら完璧に見せてほしいし、すぐ慣れる。慣れないと言う人がいたら……私は疑いの目で見る。👀

👉📸 ヨハン・パーソン/ABBA Voyage

ADHD脳の私でも、目を離すことは不可能だ。実在しないと分かっていても信じられなくて、つい“透けて見えないか”試してしまう。でも見えない。
そして「本当にABBAを見ている」という感覚と、あの純粋な幸福感に包まれた瞬間、違和感なんて消え去る。本当に、ABBAがそこにいるように感じる。これはもう異常なレベルだ。

ショーは過小評価されがちな「ザ・ヴィジターズ」と「ホール・イン・ユア・ソウル」で幕を開け、その後は怒涛の人気曲ゾーンへ突入。Z世代でも知っている曲ばかりだ。
セットリストはこれ以上ネタバレしないけれど、どうしても今すぐ知りたい人のために、Scene HQ公式Spotify用のプレイリストを作った(ここにリンクあり)。

👉📸 ストゥーフィッシュ

※Stufishは、ABBA Voyageのアリーナ設計なども手がけている有名なデザインスタジオ名です。

ABBAは実際の10人編成バンドと共にステージに立つ。クラクソンズのジェームズ・ライトンの指導のもとに結成され、キーボードにはリトル・ブーツも参加。
マチュー・ドゥベイのレーザーを多用した照明が空間を未来型ディスコ・レイヴへと変貌させ、ABBAが一時的に姿を消すと、Shynolaによるアニメーション短編が『Voyage』の物語を引き継ぐ。神話を追う孤独な英雄の物語で、実はとても感動的だ。

👉📸 ヨハン・パーソン/ABBA Voyage

*上記画像をクリックするとインスタグラムに移行します。

確かに、熱心なABBAファンなら「これがない!」と思う曲はいくつかある。でも名曲が多すぎるのだ。
ちなみに私はもう4回目を計画中。昨日は33回目の観覧だという女性にも出会った。目標にしたい。
70代になった今も、ABBAは「ライブ音楽とは何か」を再定義し続けている。1974年にブライトンでユーロビジョンを制した時には、きっと想像もできなかったはずだ。

ちなみに豆知識:2024年4月(つまり私の感覚では“つい先週”)、ブライトン・ドームの外に、ABBAのユーロビジョン優勝を記念するブルー・プラーク(記念銘板)が設置された。約52年前の出来事だ。信じられない。

あれがブライトン・ドームで起きたことも、いまだに信じられない。私はあの会場が大好きだけど、今のユーロビジョンの巨大アリーナと比べると本当に小さい。
あの勝利がABBAを世界的スーパースターに押し上げ、ポップミュージックの流れを永遠に変えた。

👉📸 アーガス・フォトグラフィック・アーカイブ

さらにもう一つ豆知識。ブライトン・ドームには「Waterloo」と名付けられた楽屋がある。ABBAの優勝曲にちなんでだ。アイコニックすぎるでしょ?
世界を巡回できるよう設計された、組み立て式の専用ABBAアリーナ。このショーは永遠に続けられるかもしれないし、そうなってほしい。でも、だからといって待つ理由はない。

今ロンドンにABBA Voyageがあることは本当に幸運だ。カジュアルなファンでもいい、今すぐチケットを取るべきだ。
ライブ音楽が好きなら、これは義務。テクノロジーに少しでも興味があるなら、議論の余地なし。
これは「死ぬまでに見るべき」一生に一度のスペクタクル。
見ておいてよかったと一生感謝するか、見なかったことを一生後悔するか――どちらかだ。
⭐⭐⭐⭐⭐

https://www.scenemag.co.uk/review-abba-voyage/

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