5月7日土曜日昼
【熊本地震・震災・ライフライン&交通情報】
今朝歌手で女優の大場久美子さんから連絡があり、これから熊本にいらっしゃるとのことでした(筆者とはFACEBOOK友達)。子供達が暴力化し大人も疲れ切っている現在、大場さんの笑顔で多くの被災者が勇気づくことでしょう。東区東野中学校にいらっしゃいますので被災者の方でお時間がある方は是非行ってみてください。さて現在私は被災地に居ますが毎日熊本の行政や議員の怠慢を書くたびに熊本の皆さんには本当に申し訳なく思います。ですがメディアが惰性的なことは既に周知の通り。読売を中心とした新聞も政府寄りです。真実を書くことで嫌な思いをする方も多いと思いますが少しでも熊本が、広義に言えば日本が良くなる為だけの目的で書いていますのでご理解いただければ幸いと存じます。尚、僕は2011年に起きた東日本(東北)震災の時も同じような投稿を毎日行いましたがあまりにも真実を書き過ぎて当時の管政権に投稿記事及びブログを全部消されました。抗議しても返してくれませんでした。なので2011年から数年間の僕の投稿記事はありません。残念です・・・
1.被災地情報
①熊本市の避難所の小学校23人が腹痛など訴え!
熊本市の避難所では昨日6日、嘔吐などを訴えた6歳~84歳の23人が搬送され11人が入院しました。同市消防局によると通報があったのは午後15時半頃。重症者はいないそうです。市中心部にある城東小学校と隣接する藤園中学校に避難している人達で同じ炊き出しの食事を摂ったところ嘔吐が起きました(おにぎり、野菜炒め)。市保健所は食中毒か感染症の疑いがあるとみて調べています。
②熊本地震による失業などの相談5300件!
熊本地震で、工場の操業停止が相次ぐなど、経済的な影響が懸念されるなか、仕事を失った人などから寄せられる労働相談が急増し、5日までに5300件に上ることが熊本労働局への取材で分かりました。
③車中避難の大家族に新しい命!避難所は閉鎖!募る不安!
震災後、避難生活を送る熊本県『益城町』の大家族に8人目の子どもが生まれました。3世代17人が車中泊を続けながら出産の日を迎えました。新しい命の誕生に家族は喜びに包まれましたが身を寄せる避難所は6日に閉鎖され再び移動を余儀なくされました。「この先どうなるのか」不安は消えません。車中泊を始めて約1週間たった4月22日。益城町宮園の会社員、尾崎善隆さん(35)の妻・清美さん(31)に陣痛が来ました。避難先の町立益城幼稚園にたどり着きまもなくのこと。善隆さんが車を走らせ夜20時ごろに熊本市内の病院に到着。清美さんは疲れからか、これまでの出産と違って体に力が入らず、気を失わないよう看護師から何度も声をかけられました。
➃ため池も被害!農業に懸念!
一連の地震で熊本県宇城市では20か所を超える農業用のため池で堤防に亀裂が入るなどの被害が出ていて、今後の農業への影響も懸念されています。
『宇城市』によりますと、一連の地震で農業用水を確保するための市内の人工のため池のうち22か所で堤防に亀裂が入ったり陥没したりする被害が出ています。
宇城市豊野町にある広さ18ヘクタールの「萩尾ため池」でも堤防の上部に複数の亀裂が入っているのが見つかりました。
市は亀裂にため池の水や雨水が入り込めば、堤防の損壊につながるおそれもあるとして、被害が出たすべてのため池の貯水量を半分以下に減らし、堤防にシートをかぶせて水が入らないようにしています。
市内にはおよそ450軒の農家がコメやレンコンを栽培をしていてこれから9月にかけて大量の農業用水が必要ですが、市によりますと、地震が続く間は修復作業に手が着けられないということで、今後の農業への影響も懸念されています。
2.断水・給水
「断水約7000世帯」
本日7日午前11時時点で断水しているのは
『益城町』のおよそ32%にあたる3633世帯
『南阿蘇村』の1350世帯
『西原村』のおよそ37%にあたる991世帯
『阿蘇市』の975世帯
『御船町』の325世帯
県内では、以上の5つの市町村の7274世帯で断水が続いています。
「本日5月7日の給水場所」
『熊本市』
熊本市上下水道局
熊本新港船着き場
『菊陽町』
西部支所キャロッピア
『益城町』
益城町役場
広安小学校
広安西小学校
ひろやす荘
総合体育館
いこいの里
保健福祉センター
中央小学校
グランメッセ
『御船町』
玉来郵便局
*午前10時~10時30分と午後16時~16時30分。
玉虫団地
西部分館
*午前9時45分~9時55分と午後15時45分から15時55分
中野消防倉庫
*午前8時30分~8時50分と午後14時30分~14時50分
座女木入口
*午前9時~9時20分と午後15時~15時20分
下山バス停
*午前9時30分~9時40分と午後15時30分~15時40分
『西原村』
山西小学校
河原小学校
西原中学校
高遊地区
『宇城市』
小川ラポート
『美里町』
美里町役場中央庁舎
『阿蘇市』
中通公民館
乙姫公民館
永草公民館
赤水公民館
阿蘇西小学校
『南小国町』
自然休養村管理センター
『南阿蘇村』
南阿蘇中学校体育館
村営住宅室町団地
下田区消防詰所前
東下田中組防火用水前
長野公民館下
旧立野小学校
3.医療
「神経難病患者のための相談窓口」
熊本大学附属病院神経内科ではパーキンソン病など神経難病特定疾患の患者や家族からの相談を受け付ける窓口を開設しました。専門の医師が症状に関する相談に対応するほか避難先の近くで受診できる医療機関や薬局なども紹介します。
*電話:096-373-5893
*平日の午前10時~午後14時までです。
*FAX:096-373-5895
*24時間受け付けています。FAXで相談する場合は、直接連絡が取れる電話やFAXの番号を必ず書き添えてください。
4.注意喚起
「避難所での食中毒に注意」
今後、気温が上がるにつれて、食中毒が発生する可能性が高くなります。
熊本県などは、避難所で生活する人や炊き出しなどのボランティアをする人に対し次のような点に注意するよう呼びかけています。
①調理をするときは手をしっかり洗う。
② 水がない場合は、ウエットティッシュなどで代用して清潔にする。
加熱が必要な食品はしっかり火を通す。
③おにぎりを握るときは素手ではなくラップを使う。
➃弁当や生菓子など傷みが早い食品は必ず「消費期限」のうちに食べる。
⑤一度開封したら、表示されている期限より早めに食べる。
⑥「消費期限」を過ぎた食品はもったいないと思いますが食べないようにしましょう。
* 食中毒を防ぐためこうした点を心がけてください。
*万一具合が悪くなった場合は、早めに医師などに相談してください。
5.住宅提供
「県内の公営住宅無償提供」
昨日6日現在、無償で公営住宅を提供している県内の市町村は下記通りです。
『人吉市』8戸
*問い合わせ:管理課市営住宅係
*電話:0966-22-2111
『天草市』40戸
*問い合わせ:天草市熊本地震被災者相談窓口
*電話:0969-23-1111
『上天草市』15戸
*問い合わせ:企画政策課
*電話:0964-26-5511又は0964-26-5539
『錦町』9戸
*問い合わせ:地域整備課
*電話:0966-38-4418
『水上村』2戸
*問い合わせ:産業振興課
*電話:0966-44-0314
『多良木町』5戸
*問い合わせ:環境整備部
*電話:0966-42-1259
『球磨村』1戸
*問い合わせ:総務課
*電話:0966-32-1111
『苓北町』4戸
*問い合わせ:苓北町総務課
*電話:0969-35-1111
「公務員住宅を無償提供(5月17日締切)」
『熊本県』は住宅が半壊以上の被害を受けた人を対象に県内の公務員住宅186戸を無償で提供します。
対象となるのは住宅が「全壊」「半壊」の被害を受けた人です。ただし、『熊本市在住の人は除き』ます。
希望者が多い場合は抽選で入居者を決定しますが『75歳以上の高齢者だけの世帯や障害者のいる世帯』『3歳以下の乳幼児や妊産婦のいる世帯』『中学生以上の子どもが3人以上いる世帯』などは『入居の決定にあたり配慮』されます。
入居開始の予定日は5月20日で、入居できる期間は原則として6か月以内ですが最長で1年まで延長できます。
* 申し込みは『郵送』もしくは『窓口』で直接受け付けます。
*締め切りは5月17日必着です。
*申し込みに必要な書類は所定の申請書、り災証明書、住民票、誓約書などです。
*申請書と誓約書は熊本県のホームページからダウンロードできます。市町村でも配布しています。
*り災証明書や住民票が間に合わない場合は後日提出することができます。
*申し込み・問い合わせ:熊本県土木部住宅課管理班
*電話:096-333-2550で受け付けています。
「熊本市が仮設住宅800戸建設へ」
『熊本市』は、地震からの速やかな復旧・復興を図るため、住宅に被害を受けた人たちが入居する仮設住宅を800戸建設するための費用などを盛り込んだ補正予算を決定しました。
これは、熊本市の大西市長が記者会見を開いて明らかにしたものです。
それによりますと、熊本市は平成28年度の補正予算として、一連の地震からの復旧・復興に向けた経費、81億1200万円あまりを議会の議決を経ない市長の専決処分で決定しました。
補正予算では、プレハブの仮設住宅800戸を建設するための費用、58億5900万円を計上し、熊本市では、5月半ばから300戸の建設を先行して始め、6月中の完成を目指しているということです。
また、補正予算には民間の賃貸住宅1500戸を借り上げるための費用などとして13億9700万円が盛り込まれています。
大西市長は「一日も早い、被災者の生活再建を急ぐため必要な予算措置をした。 先手先手で対策を打ち、復旧に全力をあげていきたい」と述べました。
6.交通
「本日7日の熊本県内の交通機関への影響」
『在来線』
JRは豊肥線が熊本県の肥後大津と大分県の豊後荻との間で、土砂崩れのため当面、列車の運転ができないということです。JRは、学校の授業が再開するのにあわせて、9日から平日の朝と夕方に限って一部の区間で通学バスを運行し、代行バスとあわせて使えば、不通区間をバスで行き来できるようにします。
『三セク鉄道』
また、南阿蘇鉄道も土砂崩れのため全線で列車が運転できなくなっていて、復旧までにはかなりの時間がかかる見通しです。
『高速道路』
このほか、九州自動車道は、すでに全線で通行できるようになっていますが、道路の一部が損傷している影響で車線が規制されるなどしています。
『空の便』
熊本空港を発着する空の便は、けさ霧の影響で、羽田や大阪などからの便が、着陸できなくなり、各社であわせて11便が欠航になったり、行き先を変えたりしました。
現在は通常運航に戻っています。
7.学校
「学校再開向け避難所で移動」
一連の地震で大きな被害の出た『益城町』では、すべての小中学校が休校となっていましたが、9日から学校が再開されることになりました。このうち、およそ300人が避難している広安小学校では、教室を避難所として開放していましたが、授業の再開を前に校内で避難生活を続けることを希望する人には体育館に移動してもらうことにしています。
避難生活を送っている人たちはそれぞれの教室から衣類や生活用品を抱えて、体育館へと移動していきました。本日7日は兵庫県の大学生など、多くのボランティアが引っ越し作業を手伝っていて、畳や毛布などをお年寄りの代わりに運んでいました。『益城町』によりますと、広安小学校で避難生活を送るおよそ300人の中には別の施設や自宅などへ移ることを検討している人もいるということです。体育館へ移動した女性は「私たちの家族が過ごしていた教室にはほかの家族がいませんでしたが体育館にはたくさんの人がいるので、孫の泣き声が心配です」と話していました。
「5月9日から学校再開」
一連の地震で大きな被害を受けた熊本県『益城町』では、すべての小中学校が休校していましたが、避難生活を送っている人に移動してもらったり、別の学校の教室を借りるなどして、5月9日からすべての学校で授業が再開されることになりました。
一連の地震のあと、『益城町』では、学校の校舎が被災したり、避難所として使われたりしたため7つの小中学校すべてが休校していました。
これについて昨日記者会見した森永好誠教育長は5月9日からすべての学校で授業を再開することを明らかにしました。
現在あわせて800人あまりが避難生活を送っている4つの小学校については、教室にいる人には体育館などに移動してもらうということで、このうち、広安小学校では教室などで避難生活を送るおよそ300人のうち半数ほどは別の避難所や自宅などへの移動を検討しているとしています。
また校舎が大きな被害を受けた木山中学校については、隣接する小学校の教室を借りて授業を行うということです。
学校の再開にともなって『益城町』では通学路の危険がある一部の小学校ではスクールバスを運行するほか、それ以外の学校でも保護者や職員が登下校に付き添い、子どもの安全を確保したいとしています。
8.相談窓口
「無料の法律相談会開催」
『熊本県消費生活センター』と『熊本県司法書士会』は5月9日~20日まで無料法律相談会を開きます。
場所は『熊本県庁にある熊本県消費生活センター』で司法書士2人が電話や、直接面談して相談に応じます。
*面談を希望する場合は、事前に電話で予約をしてください。
*相談や予約の電話:096-383-0999
*平日の午後13時~16時まで受付
「無料の法律相談窓口を開設」
『熊本県弁護士会』では被災地でのトラブルや住宅ローンの返済など法律にかかわるさまざまな相談を受け付けています。窓口には、「地震で隣の家のブロック塀が倒れて被害を受けたが、どうしたらいいか」「借家が壊れて住めない状態になっても家賃を支払う義務があるのか」などといった相談が寄せられているそうです。
*電話:0120-587-858
*※午前10時~午後16時まで
*当面は土曜・日曜も受け付けています。
『九州全県司法書士会』でも無料の電話相談を受け付けています。
*電話:0120-863-123
*午後16時~午後19時まで
*土・日・祝日も受け付けています。
5月7日土曜日夕方
【熊本地震・川内原発レポートと考察】
熊本地震の取材に行くならば「川内原発」も是非に!と思い現地まで行ってみました。政府は「安全だ」と言いながら警備員、警察が数名居ました。
問題の「放射能値」ですが僕の持っているガイガーカウンターでは0.044μSv/hでした。正常値でした。ただガイガーカウンターはセシウムなどは測れてもプルトニウム、ストロンチウムなど「半減期」が長い放射線は測れません。果たして「川内原発」は本当に正常なのでしょうか?
その前に「放射能」について5年前の福島原発を思い出し確認しましょう。
人間は地球上のどこに住んでいても常に放射線を浴びています。世界で平均すると、人体は年間およそ2.4ミリシーベルト(2.4mSv:1シーベルトの1000分の1×2.4)の自然放射線に常にさらされています。放射線を短期間に全身被ばくした場合の致死線量は、5%致死線量(被ばくした人の20人に1人が死に至る線量)が2シーベルト(2000ミリシーベルト)、50%致死線量が4シーベルト、100%致死線量が7シーベルトと言われ、200ミリシーベルト以下の被ばくでは、急性の臨床的症状(急性放射線症)は認められないとされています。
ここで言う「短期」とは約1時間と考えてください。普通に生活していて1年間に吸収する放射線量の1000倍の量を1時間で吸収すると、20人に1人が亡くなる程度の危険性ということです。1シーベルトだと吐き気を感じる、2~5シーベルトで頭髪が抜ける、3シーベルトを超えると30日以内に50%の人が亡くなる、とも言われます。
報道では「毎時」が省略されている場合がありますが、シーベルトとは「ある期間に被ばくした量の合計」をあらわす単位であり、1時間その場所で過ごした人が1シーベルト「被ばく」することになるという状態が「1シーベルト毎時(Sv/h)」です。もちろん「毎秒」や「毎年」といった表現もできますが、特に説明のないかぎりテレビなどの報道で省略されているのは「毎時」のようなので、例えばある地域で「1マイクロシーベルトが観測された」という報道があれば、人間がそこで1時間過ごすと1マイクロシーベルトを「被ばく」することになる、と考えてください。「2.4ミリシーベルト毎時」であれば、普通に過ごしていて1年間に浴びる放射線量を1時間で浴びる、というレベルです。
「通常の○○倍の数値が測定された」といった表現の報道が多いですが、1年は8760時間(24×365)なので、おおまかに「普通に過ごしていて1000年間に浴びる量を1時間で浴びると致死率5%」と考えると、「毎時」単位の測定値が普段の876万倍になったところで防護なしに1時間過ごすと20人に1人が死亡する程度、と考えてください。
2011年3月15日11:00に発表された福島第一原発3号機付近の「400ミリシーベルト毎時」という数字ですが、ここで何の防護もなく1時間過ごした場合の被ばく量が、5%致死線量(2シーベルト=2000ミリシーベルト)の5分の1にあたります。つまりこの5倍の線量に約1時間さらされた場合、20人に1人が死に至る可能性があります。また、この数字が観測されたのはあくまで原子炉からごく近い場所であるということにも注意が必要です。
ニュースで「8217マイクロシーベルト(μSv)」「1941マイクロシーベルト」などと聞くととてつもなく大きな数のような気がするかもしれませんが、「マイクロ」というのは「ミリ」のさらに1000分の1。1マイクロシーベルトは1シーベルトの100万分の1です。200万マイクロシーベルトで5%致死線量なので、2000マイクロシーベルトでも5%致死線量の1000分の1です。
つまり分かりやすく表現すると以下のようになります。
1シーベルト(Sv)=1000ミリシーベルト(mSv)=100万マイクロシーベルト(μSv)
大量の放射線は人体に有害ですが、微量なら人体に影響はありません。万一の場合を考えて、できる限りの対策を取ることは重要ですが、関東などに住んでいる人は「マイクロシーベルト」というのはとても小さな単位であるということを心にとめて、むやみに焦って行動しパニック状態におちいらないよう気をつけたいものです。
放射線被ばくと健康への影響の関係。単位はマイクロシーベルト(μSv/h『マイクロシーベルト毎時」)ですが、10万マイクロシーベルト(100ミリシーベルト)を超えるとガンになる人が増加するとされています。
「ガンになる人が増加」と聞くとドキッとするかもしれませんが、すべての人が高い確率でガンになるというわけではなく、発がんリスクが高まるという意味です。「発がんリスクが高まる」と言っても、例えばいわゆる「発がん物質」というものを習慣的に摂取してもすべての人が発がんするわけではない、喫煙者の全員が肺がんとなるわけでなく、肺がんとなった人の全員が死亡するわけではないということを思い出して、必要以上に不安にならないようにしてください。
目に見えない放射線の人体への影響をはかる単位「シーベルト」とは一体何をどう表しているのか、もやもやしている人も多いのではないでしょうか?少し長くなりますができるだけ直観的に把握できるよう説明していきたいと思います。
「シーベルト」(Sievert、Sv)というのは放射線防護についての研究で大きな功績のあるスウェーデンの物理学者ロルフ・マキシミリアン・シーベルトにちなんで名付けられた単位で、これを理解するにはまず「グレイ」(Gy)という単位について知っておいた方がわかりやすいかもしれません。
「グレイ」という単位は、放射線を照射された物質が吸収する質量(kg)あたりのエネルギー(J:ジュール)をあらわし、1kgあたり1ジュールの吸収線量を1グレイ、と定義します。
ジュールというのは「質量×加速度×距離」などで求められる仕事量をあらわす単位で、電力の話題でよく聞く「キロワット時(kWh)」と同じ次元の単位です。1ジュールは1ワット秒(Ws)で、これは1キロワット時を1000(キロ)で割ってさらに3600(1時間は3600秒なので)で割った量。洗濯機を3回運転すると1kWhと言われるので、1Wsというとかなり微量の電力量です。1ジュールは小さなリンゴ(約102g)を重力に逆らって1メートル持ち上げる時の仕事量に相当する、と聞くとイメージしやすいでしょうか?
「被ばくする」というのは、放射線により仕事をされるということ。放射線を浴びた人体組織が質量1kgあたり1ジュールの仕事をされれば、1グレイ被ばくした、ということになります。「仕事をされる」という表現になじみがないという人は、例えばストーブに当たって指先が温まった時は、その温度上昇分(内部エネルギー変化分)の「仕事をされた」ということであり、お母さんが重力に逆らって赤ちゃんを抱き上げるときも、お母さんが赤ちゃんに対し、抱き上げた高さ分(位置エネルギー変化分)の「仕事をした」ということになる、と考えてください。
「シーベルト」も「グレイ」と同じように「J/kg」の次元の単位なのですが、放射線にはさまざまな種類があり、「物」ではなく「人」が放射線を浴びた場合は、その放射線の種類(アルファ線、ガンマ線など)により受ける影響が異なります。
同じ1グレイの吸収線量でも、人体組織が吸収した場合、例えばアルファ線で1グレイの吸収線量だとベータ線で1グレイの場合の20倍ほど影響が大きいとのことで、これに応じて放射線荷重係数をかけて、アルファ線で1グレイの被ばくなら人体への影響は20シーベルト(Sv)ということになります。物理量ではなく「人体への影響」を基準に考えた等価線量という概念にもとづく単位なのです。
また、「質量の大きなものほどたくさんエネルギーを吸収する」というのは事実ですが、同じ場所にいれば体重40kgの人より80kgの人の方が危険なのかというと、そんなことはありません。なので「1kgあたり」で考える「グレイ」や「シーベルト」が意味を持ちます。
【放射線量(シーベルト)の安全レベル(単位:/⒣)】
① レベルA;7シーベルト以上・・致死
② レベルB:4シーベルト以上・・50%の割合で致死
③ レベルC:1シーベルト以上/h、年間8760シーベルト=8.76ミリシーベルト>1ミリシーベルト(mSv)・・急性放射線、放射線障害、後障害
④ レベルD:0.1シーベルト以上/h、年間876シーベルト=0.876ミリシーベルト<1ミリシーベルト(mSv)・・胎児影響?後障害?
⑤ レベルE:0.01シーベルト以下/h、年間87.6シーベルト=0.0876ミリシーベルト<1ミリシーベルト(mSv)・・・ほぼ安全
⑥ レベルF(0.001シーベルト以下)・・安全
⑦ レベルG(0.0001シーベルト以下)・・核災害の影響は無視できる
【人間が浴びてもよい放射限度(線量限度)】
年間1,000マイクロシーベルト(μSv)=1mSv。
前述した通り1シーベルト(Sv)=1000ミリシーベルト(mSv)=100万マイクロシーベルト(μSv)ですので現在僕の居る川内原発での値を年間に変換すると0.044μSv/h×24h×365日=385μSv<1,000μSv(マイクロシーベル)となり「極めて安全」ということになります。
つまり毎時0.1141マイクロシーベル(μSv)あたりにいる場合は安全と言うことになります。
ちなみに現在の福島の放射能値は下記通りです(単位:毎時/h)
夫沢三:12.631μSv/h(福島第一原発)→大変危険!
大熊町:7.479μSv/h(福島第一原発)→大変危険
郡山駅:0.155μSv/h→ほぼ危険
猪苗代湖:0.072μSv/h→安全
(続く)