【連載136】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?)

8月27日土曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

皆様こんにちは。本日27日午前10時41分熊本地方気象台発表です。

熊本県では本日27日昼過ぎから夜のはじめ頃まで『急な強い雨や落雷』に注意を要します。九州北部地方は晴れている所もありますが湿った空気の影響で概ね曇りとなっています。

本日27日の熊本県は高気圧に覆われて概ね晴れますが湿った空気や強い日射の影響により『夕方から雷を伴った激しい雨』が降る所があります。高温が予想され『熱中症の危険が特に高くなる』見込みです。暑さを避け『水分をこまめに補給』するなど十分な対策が必須です。

明日28日の熊本県は気圧の谷や湿った空気の影響により概ね雨で『雷を伴い非常に激しく降る』所があります。

波の高さは外海では本日26日は1メートル、明日28日は1メートルのち2.5m、内海では本日27日、明日28日ともに0.5メートルの見込みです。

阿蘇山(中岳)上空およそ1500メートルの風は本日27日午前9時現在、東の風3メートル、午後21時の予想は南東の風3メートル、霧島山(新燃岳)上空およそ1500メートルの風は本日27日午前9時現在、北東の風2メートル、午後21時の予想は南東の風3メートル。

本日27日正午~明日28日正午までの1時間雨量は多い所では40ミリ、24時間雨量は多い所では80ミリの見込みです。

熱中症には十分ご注意ください。電気代がかかってもエアコンはつけましょう。エアコンが無駄だと思う場合は図書館などエアコンが効いている場所に行きましょう。水分補給も忘れずに!

九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)を直ちに停止するよう要請した鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事。異例の措置に踏み切った背景には熊本地震による原発への不安の高まりがあります。一方の九電は停止に応じた場合の他原発への影響を警戒し「落としどころ」を探ります。

「原発事故は二度と起こしてはならない。県民の声に真摯(しんし)に耳を傾け、誠意ある対応を」。三反園知事が語気を強めると、九電の瓜生(うりう)道明社長は時折目をつぶりながら聞きました。知事はさらに「原発に頼らない社会を目指す。九電にも協力いただければ」と付け加えました。

川内原発1号機は今年10月月に定期検査が予定されていますが三反園知事は「できるだけ早く再点検、再検査してほしい」と直ちに停止するよう求めまし。ただ、その後の運転再開については「総合的に判断したい」と答えるにとどめました。

昨年末に立候補を表明した段階では、川内原発の一時停止については触れていませんでした。考えが一変したのは今年4月に起きた熊本地震。震度7の揺れで多くの住宅が倒壊しました。地震発生直後の1週間で停止を求めるメールや電話が九電に5千件も寄せられたそうです。三反園知事は反原発グループと候補者を一本化する際に交わした政策合意書で初めて「停止」を盛り込みました。

7月に就任すると「県民の不安に応えるのがトップの役割」と述べ、原発停止に加え、避難計画の見直しも繰り返し主張してきました。今月19日には川内原発周辺を視察し、避難経路やモニタリングポストなどを確認。住民や福祉施設関係者からは「余震が続くなかで屋内退避ができるのか」「いつ事故が起きてもお年寄りが安全に避難できる手立てを」といった声を聞き、要請に盛り込みました。

ただ、鹿児島県議会は14年、知事に先駆けて川内原発の再稼働に「同意」を表明しています。最大会派の自民党県議団(37人)は知事選で三反園知事の対立候補だった前知事を支援しました。

同会派出身の池畑憲一議長は「知事が政治判断で行ったこと。議会の判断は当時と変わるものではない」と冷ややかです。

就任後初の定例会は来月14日から予定されている。

⑴検査後に稼働できるか懸念?

要請書を受け取った九電の瓜生社長は報道陣に対し「会社に持ち帰って内容をしっかり確認し、検討したい」と述べるにとどめ、要請にどう対応するかは明言しませんでした。

ただ九電は、1号機、2号機ともに、それぞれ10月と12月に予定する定期検査入りまで計画通り稼働させる方針を固めています。「検査に入る日程は簡単に動かせない」(幹部)などとして早期停止には否定的です。

立地自治体トップによる「異議申し立て」は重いものの、容易に応じられない事情があります。東日本大震災後の新しい規制基準で審査を通った原発が立地自治体の意向で止まる前例をつくれば、原発がある他の自治体にも影響を与えかねないとの懸念からです。原発をもつ他の大手電力幹部は「九電の対応を見守る」としつつも、「前例になるのは困る」と話しています。

九電の懐事情も大きく影響しています。燃料費が節約できるとして原発の稼働を経営安定の柱と位置付けているためです。

とはいえ、申し入れを無視はできず、「落としどころ」も探る構えです。情報公開の強化や避難計画の見直しへの協力など、「自主的な企業努力の範囲内」(九電幹部)で検討していく方針。九電は9月上旬までに対応方針を回答します。

九電が避けたいのは、定期検査まで稼働しても、検査後に運転再開する際に反対を受けることです。三反園知事は方針を明確にしていないものの、要請に対する九電の対応が理解を得られなければ、再開が長く先延ばしになる可能性もあります。瓜生社長は、検査後の再稼働に地元の同意がそもそも必要かについて、「今の原子炉等規制法や安全協定の中には、その文言はないと理解している」と述べ、検査後のスムーズな運転再開への期待をにじませました。

事故直後や電力会社の不祥事をのぞけば、地元自治体の首長が運転中の原発の停止を求めるのは異例です。原発再稼働を推進する政府も、「九電が要請に応じるとは考えにくい」(経済産業省幹部)と受け止めつつも動向を注視しています。

政府は「知事としっかりと話をしながら適切に対応する」と、話し合いで解決していく方針を繰り返してきました。再稼働を認めた原子力規制委員会の審査や、熊本地震後も「停止する必要はない」とした判断などが妥当だと説明する考えです。

⑵屋内退避前提、改善求める声

鹿児島県が中心になって作った川内原発の避難計画は14年9月、安倍晋三首相が「具体的かつ合理的」として了承しています。ただ、「了承」は法に基づく手続きではなく、国は自治体を支援する立場にとどまります。避難計画は再稼働に必要な原子力規制委による審査の対象にもなっていません。

国の避難の指針は原発の単独事故を想定し、広い範囲で屋内退避を前提としています。熊本地震で住宅倒壊の不安を抱いた自治体からは、避難計画の実効性を担保する仕組みを求める声が、あらためて高まりました。

福岡市で7月下旬に開かれた全国知事会議。滋賀県の三日月大造知事は「大規模地震が発生した時に、多くの住民が屋内にとどまることに懸念を抱くと思われる」。島根県の溝口善兵衛知事も「防護対策の見直しが必要で、政府全体で考えるべきだ」と話しました。

関西電力高浜原発(福井県高浜町)の運転を差し止めた3月の大津地裁の仮処分決定は「避難計画も視野に入れた幅広い規制基準が望まれる」と指摘しています。

避難計画への国の積極関与と制度見直しを求めてきた新潟県の泉田裕彦知事は昨日26日、「規制委には、地域の安全をいかに確保するかという本来の目的を果たし、実効性のある対策をすみやかに構築してもらいたい」とコメントしました。

原発問題は国民の知らないところで次々に「稼働準備」されています。ただ住民が全員反対かと言うとそうでもなく、中には「原発が稼働することで生活が潤う」住民もいます。その為、原発の取材に行くと「反対派」と「賛成派」が真っ二つに分けています。これは基地問題と同様です。ただ川内原発の場合、このままほおっておくと2号機が稼働し始めます。三反園知事の今後の動向に注目し、小生もこの件に関しては引き続き皆様にご報告いたします。

熊本地震で落ち込んだ観光を支援する「九州ふっこう割」について九州観光推進機構は25日、第2期分の販売を9月9日から始めると発表しました。九州ふっこう割は九州7県への旅行を国の補助で割り引く仕組み。『第2期分の対象は10月1日~12月28日までの宿泊分』。『割引率は熊本、大分への旅行が最大で5割』となります。インターネットの旅行予約サイトや旅行会社を通じて先着順で購入できる旅行商品のほか各県が発行する宿泊施設で使える割引券があります。熊本県が発行する「熊本宿泊券」の場合1枚5000の宿泊券を2500円で販売します。約12万枚を用意し1人6枚まで購入可能。7月に発売した第1期分は先着順でしたが『今回は抽選方式に変更』しました。販売窓口のウェブサイト「VISIT熊本県」にアクセスが集中し売り切れ時までつながりにくい状態が続いたため。『応募期間は9月9日~同14日』。『サイトでの登録のほか、はがきでも受け付け』ます。県観光課は「前回は苦情が殺到した。今回はより公平になるよう抽選にし、はがきでも応募できるようにした」と話しています。東京都内で記者会見した同機構事業本部の村岡修治副本部長は「九州外からの誘客を強化し、元気な九州を知ってもらいたい」と強調。宿泊施設を代表してPRした天草女将の会の國武裕子会長は「ふっこう割が終わった後も来てもらえるよう、素晴らしいおもてなしで迎えたい」と話していました。

九州ふっこう割1期分は「早い者勝ち」でしたが、またしても「オークションによる販売」が目立ち、問題になりました。またイッキに応募があったためシステムが壊れ購入できない人も多くいました。今回は「抽選」とのことですが、ネットオークションで売ろうと思っている業者は数百名で申し込んできます。個人には『圧倒的に不利』です。なぜ希望者全員に販売しないのか?残念でなりません。尚、今回は身分証明書の提示など規制をかけるそうですが、いずれにしても「ネットオークション」は避けられません。『誰の為の九州ふっこう割なのか?』もう一度考えてほしいですね。

1.被災地情報

①鹿児島県知事 川内原発の一時停止を要請!

鹿児島県の三反園知事は昨日26日午後、九州電力に対し鹿児島県の川内原子力発電所を一時停止して安全性を再点検することなどを要請しました。

川内原発の一時停止を訴えて先月の鹿児島県知事選挙で初当選した三反園知事は昨日26日午後、鹿児島県庁で九州電力の瓜生道明社長と面会しました。

三反園知事は「熊本地震のあと県民から不安の声が多く上がっている。川内原発をいったん停止して安全性を再点検、再検証してほしい」と述べ、瓜生社長に要請書を手渡しました。

要請書では、原発を直ちに停止したうえで施設の点検や周辺の活断層の調査を行い安全性を確認することや、事故の際に避難に使う車両の確保など自治体の避難計画への支援を求めています。さらに要請書では、正確な情報発信などについて改善策を検討し報告するよう求めているほか、原発に頼らない社会を作るため再生可能エネルギーの推進に協力してほしいと口頭で要請しました。

瓜生社長は「社に帰って真摯(しんし)に検討したい」と答えました。知事に原発を停止させる法的な権限はなく、今後、九州電力がどう対応するかが焦点となります。

九州電力は今回の要請とは別に、川内原発の定期検査に伴って1号機でことし10月から、2号機でことし12月から原子炉を停止する計画です。

鹿児島県の三反園知事は要請のあと、「できるだけ早くいったん停止してほしいという思いだ。九州電力は県民の声に真摯(しんし)に耳を傾けて誠意ある対応を取ってほしい」と述べました。

要請書を受け取ったあと九州電力の瓜生道明社長は「社に持ち帰ってしっかり内容を確認して検討を進めたい」と述べました。また、「熊本地震後、安全に問題はないと確認しているが、住民に安心してもらえるような対応を進めるとともに、原子力の安全性を継続的に高めていくことを第一の経営課題としてしっかりと対応したい」と述べました。

原発の運転に反対する鹿児島県薩摩川内市の市民グループの鳥原良子会長は「今回の知事の要請は住民の不安の声を反映したもので非常に評価しています。熊本地震という大きな地震もあり、安全性をもう一度確認することは当然で九州電力には1日も早く原発を止め、安全性や情報発信の在り方を確認してほしい」と話していました。

鹿児島県薩摩川内市の川内商工会議所の荒木貞夫副会頭は、「原子力発電所は薩摩川内市の経済を支える大きな企業の1つです。停止していた時は飲食業や宿泊業などに大きな影響がありましたが去年再稼働したことで、先が見えてきたという安心感が戻ってきています。今回のことでまた止まると元の状態に戻ってしまうという不安があります」と話していました。

鹿児島県の三反園知事の九州電力への要請について、原子力規制庁の松浦克巳総務課長は会見で、「川内原発は新たな規制基準の審査に合格し熊本地震が起こったあとも規制委員会は安全性に問題はないという判断していて、現時点で何か対応をとることはないと考えている。いずれにしても九州電力が対応を決めた段階で規制庁の対応も決めることになる」と述べました。

②復興の思い、42.195mの書に!熊本城マラソンPR!

熊本地震で一時開催が危ぶまれた「熊本城マラソン」(来年22月19日)への参加を呼びかけようと、熊本市中央区の下通アーケードで昨日26日、熊本中央高校の生徒10人が書道パフォーマンスを披露しました。

フルマラソンにちなんだヨコ42.195メートル、タテ1メートルの紙に「心は今も変わらない 諦めない 希望を追いかけて 今こそ熊本を駆け抜けよう 熊本城マラソン2017」と復興への思いを揮毫(きごう)した。作品は大会当日、ゴール近くに掲げるとのこと。

大会へのエントリーは9月1日に開始。事務局の担当者は「全国からの支援に感謝し、熊本の元気な姿を見せる大会にしたい」と話していました。

③ネットラジオで災害情報!熊本市と2町が9月1日から!

熊本市と大津町、益城町は9月1日から熊本シティエフエム(熊本市)のインターネット放送を活用し、災害時の情報提供の運用を開始します。

提供するのは避難勧告・指示、避難所の開設状況、給水や断水などライフラインなどの情報。日本コミュニティ放送協会(東京)のホームページから、スマートフォンやパソコンで聴くことができます。スマホは機種によって別途、アプリのダウンロードが必要。熊本市内は同局のラジオ放送でも流れます。

熊本市は1996年から、同局の放送を通じて市内に災害情報を提供。居住地と勤務地が異なる住民のため広域的な災害情報を届けようと、3月の「熊本連携中枢都市圏」連携協約に基づき、近隣自治体に参加を呼び掛けました。インターネット放送開始に必要な費用約232万円は3市町が負担しました。

➃避難のウンピョウ元気!絶滅危惧種きょうだい2頭福岡市動物園で公開!

熊本地震で猛獣舎が被災した熊本市動植物園のウンピョウ2頭が、避難先の福岡市動物園で一般公開されています。新しい環境にもすっかり慣れ、元気な姿を見せています。

2頭は雄のジュールと雌のイーナのきょうだいで、ともに11歳。横浜市の動物園で生まれ育ち、ことし3月に熊本入り。一般公開を間近に控えた4月に被災し、同月23日に福岡市に移送されました。

絶滅危惧種で、九州での飼育はこの2頭のみ。福岡市動物園では4人のチームをつくり飼育しています。飼育員リーダーの三宅一平さん(60)によりますと、2頭とも移動の疲れはありましたが、地震の影響は見られず落ち着いており、健康状態も良好だそうです。

公開はストレスを与えないよう午後15時まで。夜間開園の土曜は同18時までで、ウンピョウ舎を訪れる来園者に熊本市動植物園の被害状況も説明しています。

三宅さんは「熊本より先に公開して申し訳ないが、熊本地震を風化させないという思いで取り組んでいる。2頭が熊本に戻れる日まで、大事に預かりたい」と話しています。

⑤国道57号復旧4車線で!市議会議長会が知事に支援要望!

県内14市市議会でつくる県市議会議長会(会長・澤田昌作熊本市議会議長)は昨日26日、熊本地震で寸断された熊本県南阿蘇村立野の国道57号の復旧について、4車線(片側2車線)での復旧または新ルート整備を国へ働き掛けるよう求める要望書を蒲島郁夫知事に手渡しました。国土交通省は、現国道の復旧と併せ、北側を回る約13キロの新ルート整備の双方を進めています。今のところ、いずれも2車線(片側1車線)での復旧、整備になる見通しのため、議長会は「長年求めてきた4車線化を実現してほしい」と訴えました。このほか、環太平洋連携協定(TPP)の発効をにらんだ農業基盤の強化や、熊本市と天草市を結ぶ熊本天草幹線道路約70キロの早期全線開通などについても求めました。蒲島知事は「要望の趣旨に沿ってみなさんと連携して取り組みたい」と応じました。

⑥九州ふっこう割、来月9日から第2期分販売!

*昨日と一部重複

熊本地震で落ち込んだ観光を支援する「九州ふっこう割」について、九州観光推進機構は25日、第2期分の販売を9月9日から始めると発表しました。

九州ふっこう割は、九州7県への旅行を国の補助で割り引く仕組み。第2期分の対象は10月1日~12月28日までの宿泊分。割引率は熊本、大分への旅行が最大で5割となります。

インターネットの旅行予約サイトや旅行会社を通じて先着順で購入できる旅行商品のほか、各県が発行する宿泊施設で使える割引券があります。

熊本県が発行する「熊本宿泊券」の場合、1枚5000の宿泊券を2500円で販売します。約12万枚を用意し、1人6枚まで購入可能。

7月に発売した第1期分は先着順でしたが、今回は抽選方式に変更しました。販売窓口のウェブサイト「VISIT熊本県」にアクセスが集中し、売り切れ時までつながりにくい状態が続いたため。応募期間は9月9日~同14日。サイトでの登録のほか、はがきでも受け付けます。

県観光課は「前回は苦情が殺到した。今回はより公平になるよう抽選にし、はがきでも応募できるようにした」と話しています。

東京都内で記者会見した同機構事業本部の村岡修治副本部長は「九州外からの誘客を強化し、元気な九州を知ってもらいたい」と強調。宿泊施設を代表してPRした天草女将の会の國武裕子会長は「ふっこう割が終わった後も来てもらえるよう、素晴らしいおもてなしで迎えたい」と話していました。

⑦映画楽しんで!西原村で無料上映会!

「映画で西原村に笑顔を!」を合言葉に生協くまもとなどが本日27,明日28の両日、熊本地震で甚大な被害の出た同村で、映画の無料上映会を開きます。

日本生協連やみやこ映画生協などとの共催。村生涯学習センター「山河の館」で、本日27日午後15時半から、子どもに人気の米アニメ映画「ミニオンズ」。明日28日は午後13時と午後16時10分から、震災前の熊本を舞台にした短編映画「うつくしいひと」、午後14時からは、阿蘇や天草などが登場する「男はつらいよ 私の寅さん」をそれぞれ上映します。

本日27日午後13時~同15時は、皿回しやゲームコーナーなど子ども向けイベントもあります。

⑧割れ瓦に寄付の墨書!

熊本地震から3か月余りたった7月下旬。5月に続き2回目となる熊本城(熊本市中央区)の公開で、報道陣の注目を集めたのは、割れた天守の瓦でした。

瓦の裏に墨で書かれた「吉村」「林田」と名前らしきもの。「京町」「国府」と、これは住所のようです。「昭和35年(1960)に天守閣が復元された時の『瓦募金』の瓦ですよ」と熊本城調査研究センターの職員が説明しました。

瓦募金とは、瓦1枚を「寄付」する形で決まった額を払い、名前や住所を書いたもの。当初「瓦募金に関して詳しい資料がない」とされていたが、同センターの木下泰葉さん(26)が、一部の名簿や収支簿などを発見しました。

資料によりますと、平瓦や丸瓦は100円、かけ瓦は200円、鬼瓦は3千円……と募金額を5段階に設定。「昭和三十四年度 瓦寄贈収支簿」には、昭和34年10月~同35年6月までの合計が87万4334円とありますが、最終的な募金額は不明。受け付けは熊本城のほか、大洋デパートや鶴屋百貨店、市役所。募金した人に領収書を発行し、瓦の入荷後、領収書を持参して熊本城内で署名したとみられます。

当時、熊本市は天守閣の再建費用について、約2億円と見込みました。1億5千万円を起債し、残り5千万円を寄付などで賄おうと計画。そこで、熊本市内(6万5千戸)は1戸あたり100円、市外(27万戸)は50円ずつ強制的に集めようとしたようです。

ただ、この県民への寄付金徴収は“未遂”に終わりました。「相場でもうかったお金をお城に」と、熊本証券金融会社(当時)の松崎吉次郎さんが独りで5千万円を寄付したためでした。

「昭和35年は『ほんの少し前』だと思うが分からないことばかり。これも一つの歴史。資料を残す重要性を感じる」。木下さんはしみじみ語っていました。

⑨「世界の公園」、復興の励みに! 阿蘇山 期待膨らむ「満喫プロジェクト」!

国立公園の魅力を世界水準に高める環境省の「国立公園満喫プロジェクト」の対象に「阿蘇くじゅう」(熊本、大分県)が「霧島錦江湾」(宮崎、鹿児島県)など他の全国7カ所とともに選定されました。水害、火山噴火、熊本地震と自然災害が続く阿蘇。ただ、それは地球の諸活動を端的に示すカルデラ地形の宿命でもあります。試練を乗り越え、大自然の迫力を内外に発信していく道筋が、震災からの復興の力になります。

「満喫プロジェクト」が発表された翌日の7月26日、井上信治環境副大臣が、熊本地震で被災し、一般の立ち入りが禁止されている阿蘇山上一帯を視察。崩壊した登山道路や、草原が表土とともにはがれ落ちた山々の景観を目の当たりにし「ひどい」と絶句しました。

国名勝の草千里ケ浜を望む山上には、阿蘇火山博物館やレストランなどの観光施設が並んでいます。しかし、道路は途絶し、復旧後の営業再開に必要な給水施設も被災したままだ。井上副大臣と会談した佐藤義興阿蘇市長は「阿蘇の代表的観光地である山上の環境整備を急ぎたい」と支援を求めました。

海外からの観光客誘致に力を入れるという環境省の取り組みは、地震で客足が遠のいて消沈した地元に、希望を与えています。

火山学者で阿蘇火山博物館学術顧問の須藤靖明さん(72)は「観光客を受け入れる環境が整備されるのは復興の大きな力になる。情報発信を強化するなど、国の支援がないと、補助金だけでは地震前の姿に戻すのが精いっぱい。プロジェクトによって、阿蘇を世界に売り込むブランドを作り上げていく」と歓迎しています。

震災後、阿蘇山上で観光業に関わる人たちの意識も変化し始めました。先日、阿蘇市であった会合ではこんな発言が相次ぎました。

「山上観光はこれまで、火山活動を続ける中岳火口に頼りきり、観光客を楽しませる工夫を怠ってきた。そうした面での業者間の連携もなく、あぐらをかいていた。これからは体験型の新しいプログラムを提供するなど、喜んでもらうための工夫と連携が必要だ」。

「阿蘇山はかつて山岳宗教の聖地だった。その歴史と文化は貴重な観光資源だが、眠ったままになっている。手つかずの資源を掘り起こし、草原再生や世界ジオパークを観光に生かす取り組みも考えていきたい」。

意識の変化について、業者の一人は「熊本地震の観光への影響は熊本県にとどまらず、九州全域に及んでいる。熊本が痛めつけられたことで九州の観光の様相が変わった。特に、多くの人が訪れる阿蘇山は九州観光を担っている。そういう意識を持った」と話しています。

阿蘇山を歩き、雄大な自然を体感することを好む外国人の観光スタイルへの対応や、ガイドの充実など、「満喫プロジェクト」推進の課題は大きいです。しかし、地元は「震災に負けず頑張るきっかけになる」(佐藤阿蘇市長)と意を強くしています。

⑩児童合唱組曲「くまモン」初演へ!明日28日、熊本県立劇場で地元180人の大合唱団!

熊本県のPRキャラクターをテーマにした児童合唱組曲「くまモン」が完成、熊本県立劇場(熊本市)で明日28日、国際的な指揮者山田和樹さん(37)のタクトにより初演されます。劇場は4月の熊本地震でコンサートホールの壁に亀裂が入るなど被害が出て25日に再開したばかり。ホールでの劇場主催公演は再開後初めてとなります。

初演されるのは県芸術文化祭のオープニングステージと位置付けられた演奏会。熊本のシンボルくまモンを素材にした合唱曲の創作は、同ステージ芸術監督を務める山田さんが提案し、劇場側が今年1月、大分市出身の作曲家森田花央里さん(29)に委嘱していました。

歌詞はくまモンのイメージ、優しさや希望を持つことの大切さなどがつづられ、ジャズやタンゴの要素も入れたリズミカルでユニークな曲に仕上がりました。本番では森田さんがピアノ伴奏を務め、この日のために地元の小中高校生約180人で編成した「芸文祭少年少女合唱団」が歌います。

当日のプログラムは、公募による大人の合唱団や特別編成のオーケストラが出演し、山田さんの指揮で混声合唱とオーケストラのためのカンタータ「土の歌」などの演奏も。山田さんは「震災後、県立劇場のオープンを飾る特別な舞台。熊本に輝いてほしいという願いを込めたい」と話しています。

*熊本県立劇場=096(363)2233。

⑪28診療科、392床に!熊本市民病院再建!

熊本市は昨日26日、熊本地震で損壊し、近隣の国有地に移転新築する市民病院(東区)について、外科や内科、周産期医療などの27診療科、392床とする再建基本計画案を公表しました。市役所議会棟で開いた有識者懇談会で示しました。市は計画案で示した27診療科に加え、歯科口腔(こうくう)外科の設置も提案し、了承されたまし。懇談会での意見を踏まえて市は9月中に、28診療科での再建基本計画をまとめる方針。

計画案によりますと、診療科は外科系、内科系、周産期医療、新設の「救急・総合診療科」などで構成します。病院運営の基本方針に市民の生命と健康を守る自治体病院としての役割の発揮、地域医療を支える公立病院の使命を果たす、質の高い医療サービスの提供-の三つの柱を掲げました。

新病院の延べ床面積は3万5千平方メートル程度。1~2階に総合相談や外来、検査部門、3~4階に総合周産期母子医療センターなど高度医療部門、5~6階に病棟を配置します。災害に備えて免震構造とし、井戸や自家発電機なども設けます。

概算事業費は約234億円で、2018年度内の完成を目指します。

2.生活情報

【災害ごみ】

『玉名市』

市民を対象に被災家屋や小屋の瓦を同市の仮置き場で受け入れます。9月30日までの平日(午前9時~午後17時)に市環境整備課で申請を受け付け、搬入許可証を発行します。

申請には

(1)市発行の、り災証明書か罹災届出証明書(コピー可)

(2)本人確認書類(免許証など)

(3)印鑑

が必要。市環境整備課TEL0968(75)1118。

『阿蘇市』

阿蘇畜産農業協同組合跡地で午前9時~午後16時半(正午~午後13時は中断)に受け入れます。日曜は休止。

『産山村』

平日午前9時~午後16時、村住民課に連絡。指定時間帯に産山地区公民館グラウンドで受け付けます。

『小国町』

平日に町住民課が対応します。TEL0967(46)2115。

『南小国町』

平日に町町民課が対応します。8月末まで。TEL0967(42)1113。

『南阿蘇村』

火、金曜は受け入れ休止。それ以外は午前9時~午後16時半(午前11時半~午後13時は一時中断)、立野ダムストックヤード、長陽パークゴルフ駐車場。持ち込む際はごみの分別と、被災証明書か、り災証明書が必要。

『大津町』

平日と土曜の午前9時~午後16時、室の永井運送敷地内で、解体木やコンクリートブロック、瓦などに限って受け入れます。罹災証明書などの提示が必要。日曜は休止。

『菊陽町』

一時中止。平日と土日を除く祝日の午前9時~午後17時、津久礼のし尿処理場跡地で、瓦やブロックなどのがれきに限って受け入れます。

『西原村』

平日と土曜の午前8時半~正午と午後13時~同16時半、布田の村民グラウンドで受け入れます。天候次第で中止や時間変更もあります。日曜は休止。

『熊本市』

燃やすごみは東部と西部の各環境工場で、埋立ごみは扇田環境センターで、それぞれ受け入れます。手数料免除は市役所や区役所への事前申請が必要。受け入れは午前8時半~午後16時半。市廃棄物計画課TEL096(328)2359。

『益城町』

火、水、木、土、日曜の午前9時~正午と午後13時~同16時、旧益城中央小で。9月からは許可証が必要になります。発行申請は、り災証明書、身分証明書、印鑑を持参し、町環境衛生課まで。

『嘉島町』

浮島周辺水辺公園北側で午前9時~正午、午後13時~午後17時。水、日曜は休止します。

『甲佐町』

午前8時半~正午、午後13時~同16時半、緑川グラウンド。月曜は休止します。

『御船町』

町民グラウンドで午前9時~正午、午後13時~午後16時。り災証明書(原本)の提示が必要。月曜は休止。雨天時は休止もあります。

『宇城市』

家屋の公費解体や自主解体を市に申請した人を対象に、家具や家財を仮置き場に搬入できる許可証を発行しています。搬入期限は発行から2週間以内(日曜休止)。申請は平日のみで、り災証明書と身分証明書、印鑑を持参して衛生環境課へ。

【避難所】

『大津町』

大津地区公民館分館、老人福祉センター。

『西原村』

構造改善センター。

『熊本市』

市総合体育館(中央区)と城南総合スポーツセンター(南区)で受け入れています。

『益城町』

町総合体育館、町交流情報センターなど5か所。

『嘉島町』

町民体育館を31日で閉鎖予定。

『御船町』

町スポーツセンター。

『宇城市』

市武道館。

『美里町』

町福祉保健センター湯の香苑、中央庁舎、砥用庁舎。

『宇土市』

走潟地区体育館。

【銭湯】

『全県』

県公衆浴場業生活衛生同業組合の加盟施設が、自宅で入浴できない被災者を対象に無料開放しています。利用者は、り災証明書もしくは身分証明書の提示が必要。熊本市内は龍の湯(中央区琴平本町)、大福湯(同区坪井)、たかの湯(東区栄町)、あしはらの湯(北区植木町)、松の湯(同)。同市以外はサンパレス松坂(山鹿市)、玉名ファミリー温泉(玉名市)、潮湯センター海老屋(長洲町)。

『山鹿市』

さくら湯は被災者の入浴料を無料に。り災証明書か身分証が必要。午前6時~翌日午前0時。

『熊本市』

ピースフル優祐悠は、避難所の利用者や自宅のふろが使えない人を無料に。午前5時~午前0時。住所、氏名、年齢の記入が必要。

『益城町』

阿蘇熊本空港ホテルエミナース「七福の湯」は、避難所の利用者や自宅のふろが使えない人を無料に。午前10時~午後22時。り災証明書もしくは運転免許証などの提示と、住所、氏名、年齢の記入が必要。

【給水】

『南阿蘇村』

沢津野詰所前、長野公民館前、袴野集会所前、袴野集会所前、旧立野小グラウンドは午前9時~午後18時。東急第一別荘前、黒川交差点まどか前、長陽中央公民館前は終日。

『西原村』

西原中、山西小は終日。

『熊本市』

市上下水道局(中央区)で飲料水を提供します。

『嘉島町』

町役場南側駐車場の水道を開放。

『美里町』

中央庁舎。

【医療】

・県医師会などの「夜間小児救急電話相談」。♯8000またはTEL096(364)9999。平日午後19時~、土曜午後15時~、日・祝日午前8時~、いずれも翌朝午前8時まで。

・県助産師会の「妊娠・産後電話相談」。TEL096(325)9432。平日午前10時~午後16時。

・労働者健康安全機構の「心と健康に関する電話相談」。心の相談フリーダイヤル(0120)783728。平日午前10時~午後17時。健康相談同(0120)021506。月・水・金曜午後13時~午後17時。問い合わせは熊本産業保健総合支援センターTEL096(353)5480。

・がん患者や家族の相談を、熊本大病院など県内19カ所所の「がん相談支援センター」で受け付けています。県健康づくり推進課TEL096(333)2208。

3.ここ一週間の地震

2016/08/27 10:22 27日 10:19頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/27 04:39 27日 04:36頃 根室半島南東沖 2

2016/08/27 03:19 27日 03:16頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/26 21:50 26日 21:47頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/26 20:25 26日 20:22頃 千葉県東方沖 1

2016/08/26 19:44 26日 19:41頃 千葉県東方沖 1

2016/08/26 18:31 26日 18:28頃 千葉県北西部 1

2016/08/26 10:04 26日 10:00頃 茨城県沖 1

2016/08/26 08:05 26日 08:00頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/26 02:31 26日 02:28頃 熊本県熊本地方 3

2016/08/26 02:10 26日 02:05頃 鳥島近海 2

2016/08/25 12:43 25日 12:40頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/25 10:04 25日 10:01頃 宮城県沖 1

2016/08/25 09:02 25日 08:59頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/25 04:12 25日 04:09頃 大分県中部 1

2016/08/24 19:25 24日 19:21頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/24 19:04 24日 18:59頃 鳥取県中部 1

2016/08/24 14:58 24日 14:55頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/24 08:07 24日 08:04頃 有明海 1

2016/08/24 07:06 24日 07:02頃 奄美大島北東沖 2

2016/08/24 05:39 24日 05:35頃 宮城県沖 1

2016/08/23 23:58 23日 23:54頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/23 20:13 23日 20:10頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/23 19:24 23日 19:19頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/23 17:42 23日 17:39頃 有明海 1

2016/08/23 16:52 23日 16:49頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/23 12:31 23日 12:27頃 広島県北部 2

2016/08/23 09:10 23日 09:07頃 有明海 1

2016/08/23 08:30 23日 08:26頃 与那国島近海 2

2016/08/23 06:48 23日 06:45頃 内浦湾 1

2016/08/22 18:38 22日 18:34頃 鳥島近海 1

2016/08/22 15:16 22日 15:11頃 宮城県沖 3

2016/08/22 13:52 22日 13:48頃 千葉県東方沖 1

2016/08/22 13:01 22日 12:58頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/22 08:18 22日 08:13頃 三陸沖 2

2016/08/22 05:45 22日 05:41頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/22 02:33 22日 02:30頃 沖縄本島近海 1

2016/08/21 23:11 21日 23:07頃 鳥取県中部 1

2016/08/21 21:58 21日 21:49頃 三陸沖 2

2016/08/21 21:53 21日 21:47頃 父島近海 1

2016/08/21 21:33 21日 21:29頃 徳島県南部 1

2016/08/21 18:21 21日 18:18頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/21 15:41 21日 15:38頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/21 01:32 21日 01:28頃 三陸沖 1

2016/08/21 01:15 21日 01:10頃 三陸沖 2

2016/08/21 01:02 21日 00:58頃 三陸沖 3

2016/08/20 22:26 20日 22:23頃 浦河沖 3

2016/08/20 21:00 20日 20:56頃 大阪府北部 1

2016/08/20 20:16 20日 20:13頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/20 18:06 20日 18:01頃 三陸沖 3

2016/08/20 14:20 20日 14:15頃 三陸沖 2

2016/08/20 14:13 20日 14:05頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/20 12:13 20日 12:09頃 鳥取県中部 1

2016/08/20 11:20 20日 11:17頃 長野県南部 1

2016/08/20 09:01 20日 08:58頃 岩手県沿岸北部 2

2016/08/20 08:53 20日 08:50頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/20 08:21 20日 08:16頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/20 08:17 20日 08:14頃 能登半島沖 2

2016/08/20 07:28 20日 07:25頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/20 04:27 20日 04:23頃 熊本県天草・芦北地方 1

2016/08/20 02:08 20日 02:05頃 神奈川県西部 1

2016/08/20 00:52 20日 00:48頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/20 00:31 20日 00:27頃 熊本県熊本地方 2

(続く)

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