【連載154】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?)

9月14日水曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

皆様こんにちは。本日14日午前10時48分、熊本地方気象台発表です。『阿蘇、天草地方では本日14日夕方まで土砂災害に警戒』してください。

九州北部地方は前線や湿った空気の影響により概ね雨で激しい雨が降っている所があります。

本日14日の熊本県は前線や湿った空気の影響により『雨で雷を伴って激しく降る』所があります。

明日15日の熊本県は、はじめ前線や湿った空気の影響により概ね『雨で雷を伴って激しく降る』所がありますが次第に曇りとなる見込みです。

波の高さは外海では本日14日、15日ともに1メートル、内海では本日14日、明日15日ともに0.5メートルの予想です。

阿蘇山(中岳)上空およそ1500メートルの風は本日14日午前9時現在、西の風7メートル、午後21時の予想は南西の風6メートル、霧島山(新燃岳)上空およそ1500メートルの風は本日14日午前9時現在、西の風10メートル、午後21時の予想は南西の風6メートル。

本日14日正午~明日15日正午までの1時間雨量は多い所では40ミリ、24時間雨量は多い所では120ミリの見込みです。

かなり激しい雨が降ります。二次災害には十分お気を付けください。またまた避難などの指示もあるものと思われますが『命』第一優先してください。何もないことを祈ります。

4月に県内を襲った『熊本地震の前震から本日14日で5カ月』になります。『ピーク時には県民の1割に及ぶ18万3千人に上った避難者』は『昨日13日、502人』となっています。市町村による指定避難所の閉鎖や集約が進んでいますが『現在約1万3千戸が整備・確保』された応急仮設住宅(みなし仮設を含む)で被災者の避難生活は継続。生活環境が変わる中で、孤立化防止など被災者支援の重要性は増しています。

県によりますと昨日13日現在、自治体が設置する指定避難所は

美里町(3カ所)

大津町と南阿蘇村(各2カ所)

熊本市、宇土市、宇城市、益城町、御船町、西原村(各1カ所)

計13カ所。

このうち『益城町総合体育館では最多の225人が避難生活』を続けています。

『仮設住宅は16市町村で整備中で現時点の整備予定4266戸のうち3576戸』が完成。県は『9月末までに4058戸が完成すると見込ん』でいますが『追加建設する木造仮設住宅の完成は11月になる見通し』。アパートなどを利用する『みなし仮設は22市町村で9421戸』に達しています。

被災者の住居の確保が進む一方、仮設住宅では世帯ごとに孤立しがちになるため、県は「見守り活動や生活支援などの取り組みに力を入れる」(蒲島郁夫知事)との方針を示しています。

本日で熊本地震発生から5カ月になりました。季節は春夏を超えあっという間に9月になってしまいました。避難所生活はピーク時に18万3千人に上りましたが『昨日13日現在502人』です。まだ『ゼロありませ』ん!しかし県は『明日15日で避難所を全て閉鎖』します。ただし最多の225人が避難所生活している益城町総合体育館では継続の予定です。残りの方々はどうなってしまうのでしょうか?筆者の調べによりますと益城町以外の自治体では継続とも閉鎖ともとれれる回答をしており避難所生活者の『明日からの生活』が大変心配です。まだ1日ありますので、とにかく全避難所生活者が路上生活にならなうようお願いしたいと思います。

ホンダは昨日13日、熊本地震で被災した国内唯一の二輪車生産拠点である熊本製作所(熊本県大津町)が完全復旧したと発表しました。4月14日の地震直後に生産が完全に止まりましたが6月から徐々に再開。今月5日には三つある二輪車生産ラインすべてが動くなど、地震からおよそ5カ月で回復しました。建物の構造部分は壊れなかったものの高い場所の配管が壊れたほか生産機器が動くなどの被害を受けました。このため機器の固定の方法などの社内の基準を厳しく見直しました。この基準は他の工場にも適用する方針だそうです。2017年3月期決算への影響は復旧費用132億円、生産停止による販売減119億円の計251億円を見込んでいます。20万台を目指していた年間生産台数は17万5千台になる見通しです。

世界を代表するホンダの熊本工場が震災から5か月経ち、ようやくフル稼働に近い状態になりました。多くの従業員をかかえることからこれで休職を余儀なくされていた従業員も働くことが可能になり、熊本の産業界の大きなカンフル剤になると思われます。しかし多くの企業がフル稼働になるまで数年かかる見通しです。休職者から失業者になった方も多く、生活に大きな影響を及ぼしています。衣食住という言葉がありますが住まい、仕事など何もかも一度に復旧復興を強いられ、被災者は何が何だかわからない状態で生活し続けていることでしょう。震災から5か月経ち、安堵した日は一日もないはずです。どうぞ決して無理なさらずに自治体や議員に相談し、甘えることも大事です。熊本全体の復旧復興はまだ始まったばかりです。辛く、虚しくなることもありますが『生き抜いて』ください。犯罪や自殺など、決して変なことを考えないよう、切に願います。

熊本地震で大きな被害を受けた上益城地域では御船町の滝尾小(73人)と甲佐町の乙女小(121人)が今も各町内の中学校に間借りを続けています。通学路が寸断されていたり地盤沈下で校舎に立ち入れなかったりするためです。地震から5カ月。両校は「一日も早く戻りたい」と願っています。

御船中の多目的ホール。ついたてで仕切られた四つの空間を滝尾小の1~4年が教室として使っています。滝尾小は校舎に目立った被害はなかったものの通学路の国道445号が土砂崩れや落石で寸断され通行止めが続いてます。県は当初、秋ごろまでの開通を目指していましたが作業は難航。「現時点で復旧時期は明言できない」(県上益城地域振興局)としています。

一方、甲佐中に間借りする乙女小は空き教室などを利用し1~6年の全6学級の教室を確保。乙女小の上杉奈緒子校長(58)は「普段通りの授業ができ、児童も元気に過ごしている」と話しています。小中合同の始業式など児童と生徒の交流も進み17日に予定する体育大会も合同で取り組みます。リレーなど一緒に競技するプログラムも用意し本番に向けて熱のこもった練習が続きます。乙女小は敷地の地盤が沈下し壁に亀裂が入るなど校舎も被災しました。甲佐町は8月末までに調査を終え今後は地盤の修復や校舎の補修工事に取り掛かる予定で「2学期中の再開を目指す」としています。

5月9日の授業再開以降、両校の児童は臨時のスクールバスで登下校しています。県教育委員会によりますと地震の影響で今も間借りしている公立小中学校は『滝尾小と乙女小の2校』だけです。

山あいの豊かな自然に囲まれた両校。乙女小6年の大塚一姫(かずき)さんは「小学校は中学校よりも自然の遊び場が多い」、滝尾小の6年男子も「木々に囲まれた小学校のほうが落ち着く」と懐かしそうに声をそろえています。慣れ親しんだ学びやへ。両校の児童、教師は、その日を待ち望んでいます。

5月9日に再開した県内の小中高ですが、未だに公立では滝尾小と乙女小の2校だけが間借りして授業を受けています。自分達の学校で勉強、運動できないことは子供達にとって大きなストレスでしょう。一日も早く自分達の学校に戻れることを願ってやみません。

復旧復興は自分達の衣食住だけ確保すればいいものではなく、仕事、学校、り災証明書の確定など被災者の生活が元通りになるまで本当に大変な試練を乗り越えていかなければなりません。もしこれを自分にあてはめたら……気がくるってしまいます。しかも自宅を取り壊したり、ローン問題を抱えたり、会社を建て直すために悪戦苦闘している人もいます。昨日も書きましたが数が限られている自治体公務員のみに頼るのには限界があります。今こそ議員は自分を選んでもらった恩を返す為に命がけで被災者支援をしてほしいと切に願います。メディアももっと熊本支援をPRすべきです。少なくとも今年の年末年始には全被災者がささやかでも年を越せるだけの状態になっていてほしいことを希望します。

1.被災地情報

①熊本地震から5カ月!住まいの確保など課題!

一連の熊本地震で、最初に震度7を観測した地震から本日14日で5カ月になります。計画されている仮設住宅の8割余りが完成しましたが、一部の地域では仮設住宅が完成していなかったり周辺の道路などの復旧が追いついていなかったりすることなどから、今もおよそ500人が避難所での生活を続けていて、引き続き、住まいの確保や生活インフラの復旧が課題となっています。

一連の熊本地震では、震度7の揺れを2回観測した益城町をはじめ、県内12の市町村で、災害関連死と認定された42人を含む合わせて98人が死亡しました。

熊本県によりますと、住宅の被害は今月6日の時点で16万7000棟余りに上り、昨日13日までに、現時点で計画されている仮設住宅の83%余りにあたる3576戸が完成しています。こうしたことなどから、最も多いときで855か所あった避難所は、昨日13日までに13か所に減り、熊本市も明日15日、唯一残されていた避難所を閉鎖することにしています。

一方、一部の地域では、仮設住宅が完成していなかったり、仮設住宅周辺の道路や電気などの復旧が追いついていなかったりすることなどから、昨日13日の時点で、502人が避難所での生活を続けています。このうち、益城町や南阿蘇村など8つの市町村では、避難所を閉鎖する見通しが立っていないということで、引き続き、住まいの確保や生活インフラの復旧が課題となっています。

②熊本城復旧工事費用 634億円見積もる!

一連の地震で大きな被害を受けた熊本城の復旧工事にかかる費用について、城を管理する熊本市が、現時点で634億円に上ると見積もっていることが関係者への取材で分かりました。費用は、さらに膨らむ可能性もあり、市は、引き続き詳しい調査を進めることにしています。

国の特別史跡に指定されている熊本城は、一連の地震で石垣が50か所で崩落するなどの被害を受け、城を管理する熊本市は、天守閣を3年後の平成31年までに、石垣などを今後20年かけて復旧させたいとしています。

復旧工事にかかる費用について、熊本市は、当初、600億円を超えるという見通しを示していましたが、これまでの調査の結果、現時点で634億円に上ると見積もっていることが関係者への取材で分かりました。

費用の内訳は、石垣の組み直しに425億円、天守閣や本丸御殿などの再建と公園施設の整備に合わせて137億円、国の重要文化財の建造物の修復に72億円となっています。

一方、一部の建造物で調査が済んでいないことなどから、費用はさらに膨らむ可能性もあり、熊本市は、引き続き詳しい調査や復旧に向けた基本計画の策定を進めることにしています。

③ホンダ、 熊本地震の被災工場が全面復旧!

大手自動車メーカーの「ホンダ」は、ことし4月の熊本地震で設備などに大きな被害を受けたオートバイ工場の復旧を終え、およそ5カ月ぶりに生産を全面的に再開しました。

この工場は熊本県大津町にある「ホンダ熊本製作所」です。ここではオートバイや自動車部品などを生産していますが、震度7を観測した4月の地震で生産設備に大きな被害が出て操業を停止しました。6月からは一部で操業を再開していましたが、このほど完全に復旧しました。

昨日13日は工場の内部が報道陣に公開され、従業員が生産ラインを次々と流れるオートバイにシートやタンクなどの部品を取り付けていました。原田勝光ユニットリーダーは「従業員全員がチーム一丸となって、なんとか復旧できた。今はオートバイを普通に作ることができる喜びを感じています」と話していました。

ホンダによりますと、今年度は20万台のオートバイを生産する予定でしたが、今回の生産再開で地震の影響で生じた遅れを挽回し17万5000台は生産したいとしています。ホンダの八郷隆弘社長は「地元の方々の支援を受け、予想以上に早い復旧ができた。今後も、ホンダにとって国内唯一の二輪の製造拠点である熊本での生産を続けていきたい」と話していました。

➃熊本パルコ、地震前より売上高増!郊外店の復旧遅れ影響!

熊本市の中心部にある商業施設「熊本パルコ」の売上高が、熊本地震の被害を受けたにもかかわらず、前年を上回っていることがわかりました。ライバルよりも早い4月下旬に営業再開にこぎ着けたことに加え、被災した郊外型ショッピングセンターの復旧に時間がかかっていることも、好調の一因のようです。

パルコによりますと、地震のあった4月は売上高が前年同月比35.6%減少したものの、5月は2.4%増、6月は21.2%増と盛り返しました。16年8月中間期(3~8月)でも、前年同期を2.9%上回りました。

小堤直己店長は「予想以上に早い回復だった。地震以降、中心市街地に人が戻ってきたことも大きい」と話しています。

⑤盛り上がれ隠街道市、来月8・9日!

古い町並みが残る名張市中心部のにぎわい再生を目指す「隠(なばり)街道市」が10月8.9日の両日に開かれます。11回目を迎えた今年、主催する名張地区まちづくり推進協議会は「脱マンネリ」を目指し、住民アンケートも行って検討を重ねました。熊本県のゆるキャラ「くまモン」を目玉に、盛り上げと復興支援、さらに防災意識ログイン前の続きの向上をめざします。

同協議会の田畑純也会長によりますと、10年を経て盛り上がりに陰りが見え始め、昨年は4万3千人の人出を見込みましたが約2万5千人にとどまりました。今年1月、協議会は検討委員会を立ち上げ、地区の約2千戸を対象にアンケートを実施しました。

約300戸から得た回答には「さらに盛り上げを」「もっと人が来るように」と前向きな声が多く、実行委の伊集基之委員長は「地域の人の思い入れが改めて分かった」。何点かを見直しつつ、新たな10年のスタートを切ることにしました。

メインの9日、開会のファンファーレは市立名張中学校オーケストラ部、司会進行は県立名張高校放送部が担当。くまモンは、実行委の本部とする市総合福祉センターふれあい(丸之内)で9日午前10時に始まる「ご当地キャラ大集合inなばり」に登場すします。大ホールにご当地キャラ13体などが集結します。被災地支援の野菜や馬肉、からしレンコンなど熊本県の物産の販売にも、くまモンが一役買って出るとのことです。東日本大震災も含め、被害状況を伝える写真展もあります。

周辺の「まちなか」では、フリーマーケットや手作り市も含め、70店舗以上が出店。「一の鳥居」近くには、アンケートで要望が多かった海産物を扱う4店舗が並びます。ミニSLの体験乗車、古い町並みの散策ツアー、外国の料理や音楽、民族衣装などを紹介するイベント、名張生まれの作家江戸川乱歩にちなんだクイズラリーなどもあります。

昨年まで丸2日で開いてきた隠街道市ですが、今年は初日の8日を午後16時からの前夜祭「隠・伝統文化の夕べ」とし、主に「大人のおもてなし」をします。宇流冨志禰(うるふしね)神社(平尾)を会場に薪能があり、名張能楽振興会が謡や仕舞、南町神事講獅子神楽保存会が獅子神楽を披露。能面や獅子を身につける体験もできます。

これらに先立ち、同市美旗地区に江戸期から伝わる火縄作りのただ一人の技術保持者、岩崎筧一(けんいち)さんの実演も。火縄は京都・八坂神社の年越し行事「おけら詣(まい)り」で、参拝者が火種を持ち帰るために使われます。

境内では甘酒、周辺でも郷土料理「のっぺ汁」を振る舞います。参道や城下川沿いには300個近い手作りあんどんを置き、町屋の風情を楽しんでもらいます。

無料。雨天決行、荒天中止。問い合わせは名張市民センター(0595・64・2605)内の実行委へ。

⑥県内企業が面接会!就活生「熊本盛り上げたい」!

来春の大学などの新卒者や3年以内の既卒者向けの就職面接会「job(ジョブ) navi(ナビ) 2016」(熊本労働局など主催)が6,7の両日、熊本市南区の市流通情報会館で開催されました。2日間で県内の計約100社が参加。リクルートスーツ姿の学生らはブースを回り、メモをとりながら業務内容などについて質問していました。

労働局によりますと、九州地区の今年3月の大学新卒者の就職決定率は96.3%で、前年同月より1.6ポイント改善しましたが、全国平均を下回っています。ただ、県内は熊本地震後も企業が出す求人数は減っておらず、担当者は「全体として地震の影響は表れておらず、全国の傾向と同じ売り手市場」とみています。就活生の中では事務職が人気で、給料より休日取得などを重視する傾向にあるそうです。

熊本地震後、就活に向けてようやく一歩を踏み出したという学生も。県内で事務職に就きたいという益城町の専門学校2年の女子学生(19)は4月以降、「町が大変な中で、先のことを考えられない」と、予定していた就職試験を受けませんでした。「ようやく就活に気持ちを向けられるようになった。これから県内のたくさんの会社の面接を受けて仕事を見つけ、熊本を盛り上げたい」と話していました。

⑦陸上合宿、今年も阿蘇で!復興支援兼ね実業団!

全国の陸上長距離の実業団チームが、阿蘇市の内牧温泉を拠点に例年通り秋の合宿に励んでいます。熊本地震で宿泊施設が被災し、練習で使う道路も傷んでいますが、復興支援を兼ねて続々と来訪。“常連客”の姿は、地元関係者を喜ばせています。

元阿蘇郡市陸上競技協会理事長の村本邦雄さん(79)によりますと、内牧温泉が実業団を本格的に受け入れるようになったのは、1990年の旭化成(宮崎)の合宿がきっかけ。夏場の涼しい気候や充実した練習環境を背景に、中高、大学の陸上部も大勢訪れるようになりました。

温泉街は4月の地震で被災。温泉がくみ上げられず、建物も傷つき宿泊客を受け入れられない施設が相次ぎました。しかし、復旧が進んだ7月中旬以降、観光客らと合わせて合宿の受け入れを再開する施設が増えました。

村本さんによりますと、合宿は春から秋にかけて例年約120団体が来ていましたが、今年は80団体ほどにとどまりそう。それでも8月は県内外の高校、大学の陸上部やサッカー部などが大勢訪れ、9月からは実業団陸上部が訪れています。

老舗旅館「蘇山郷」で16日まで合宿をしている旭化成の西政幸監督(52)は「阿蘇の復興応援をしたかった」と話し、同じく「金時」を利用した十八銀行(長崎)の高木孝次監督(54)も「余震もあり慎重な声もあったが、合宿が私たちにできる支援」と説明しています。

全天候型400メートルトラックがある、温泉街近くの競技場は地震で損傷。走り込みで使う道路も段差やひび割れで走りづらくなりましたが、「工夫しながら練習している」(西監督)とのことです。

一方、競技場や道路の損傷を理由に合宿を取りやめたチームもあり、「金時」は現時点で4件断られました。しかし、「金時」の湛(たたえ)ヨツ子社長(74)は「地震で落ち込んだ売上を合宿で補えることができ、感謝でいっぱい。損傷した練習施設は、市が早期に復旧してほしい」と話しています。

旭化成のメンバーで、2011年世界陸上男子マラソン7位の堀端宏行選手(29)=八代東高出身=は「ここ数年けがに苦しんだが、復調気味。今回の阿蘇合宿できっかけをつかみ、マラソンで再び快走して阿蘇の人たちに恩返ししたい」と意気込んでいます。

⑧「一日も早く元に戻りたい」今なお続く間借り授業!

熊本地震で大きな被害を受けた上益城地域では、御船町の滝尾小(73人)と甲佐町の乙女小(121人)が、今も各町内の中学校に間借りを続けています。通学路が寸断されていたり、地盤沈下で校舎に立ち入れなかったりするためです。地震から5カ月。両校は「一日も早く戻りたい」と願っています。

御船中の多目的ホール。ついたてで仕切られた四つの空間を、滝尾小の1~4年が教室として使っています。

支援物資として贈られたエアコンが涼風を運んでくれますが、「大広間なので他の学年に配慮して、教師も子どもも大きな声を出さないよう気を使っている」と滝尾小の上田晃生(てるお)校長(55)。5,6年は家庭科教室を半分ずつ分け合っており、「早く通常の教育環境に戻してやりたい」と顔を曇らせています。

滝尾小は校舎に目立った被害はなかったものの、通学路の国道445号が土砂崩れや落石で寸断され、通行止めが続いてます。県は当初、秋ごろまでの開通を目指していましたが、作業は難航。「現時点で復旧時期は明言できない」(県上益城地域振興局)としています。

一方、甲佐中に間借りする乙女小は、空き教室などを利用し、1~6年の全6学級の教室を確保。乙女小の上杉奈緒子校長(58)は「普段通りの授業ができ、児童も元気に過ごしている」と話しています。小中合同の始業式など児童と生徒の交流も進み、17日に予定する体育大会も合同で取り組みます。リレーなど一緒に競技するプログラムも用意し、本番に向けて熱のこもった練習が続きます。

乙女小は敷地の地盤が沈下し、壁に亀裂が入るなど校舎も被災しました。甲佐町は8月末までに調査を終え、今後は地盤の修復や校舎の補修工事に取り掛かる予定で、「2学期中の再開を目指す」としています。

5月9日の授業再開以降、両校の児童は臨時のスクールバスで登下校しています。県教育委員会によりますと、地震の影響で今も間借りしている公立小中学校は、滝尾小と乙女小の2校だけです。

山あいの豊かな自然に囲まれた両校。乙女小6年の大塚一姫(かずき)さんは「小学校は中学校よりも自然の遊び場が多い」、滝尾小の6年男子も「木々に囲まれた小学校のほうが落ち着く」と懐かしそうに声をそろえています。

慣れ親しんだ学びやへ-。両校の児童、教師は、その日を待ち望んでいます。

⑨熊本市動植物園、一部再開へ!

熊本市は12日、熊本地震で閉園中の市動植物園(東区健軍)を、平成28年度中に一部再開することを明らかにしました。動物ゾーンのうち「動物ふれあい広場」、植物ゾーンのうち花畑などを再開します。市議会予算決算委員会などで説明しました。

再開時期は未定ですが、安全な通路の確保や仮設トイレの設置などができ次第、営業を始めるそうです。土・日曜と祝日に限っての開園で、営業時間も未定。植物ゾーンで亜熱帯植物などを展示している「花の休憩所」や「緑の相談所」は除きます。

市動植物園は「早く利用したいという声が多く寄せられている。一部でも開園することで、被災者の心のケアにつながれば」と話しています。

熊本地震で園内は道路の亀裂や地盤隆起などの被害を受けました。年明けに復旧工事を始める予定で、石櫃紳一郎経済観光局長は「進捗状況に合わせて開園エリアを広げたい」と述べました。

⑩活動していない断層に注意、阿蘇火山博物館の須藤さん!

熊本地震について学ぶ講演会が11日、熊本市西区のホテルニューオータニ熊本であり、阿蘇火山博物館(阿蘇市)学術顧問の須藤靖明さん(72)が「一連の地震で活動していない空白領域がある」と話し、今後、地震が起こり得るとして注意を呼びかけました。

須藤さんは、熊本地震の前震や本震、余震の震源を地図で説明しながら「日奈久断層帯の八代市以南や、阿蘇地域にある二重の峠断層西部など、活動していない断層がある」と指摘。警戒と備えが不可欠だと話しました。

また、昨年11月に鹿児島県の薩摩半島西方沖で起きたマグニチュード(M)7.1の地震が熊本地震と関係している可能性があり、注視していく必要があるとしました。

講演は、県医師会(福田稠(しげる)会長)が民間医療機関に勤務する従業員の表彰式に合わせて実施。勤続3~40年以上の看護師ら228人を表彰しました。

⑪住まい確保「着実に進む」!地震対応で蒲島知事強調!

9月定例熊本県議会が12日開会し、788億200万円を追加する2016年度一般会計補正予算など50議案を上程しました。蒲島郁夫知事は冒頭の県政説明で、発生から5カ月になる熊本地震への対応について「応急仮設住宅とみなし仮設住宅が計1万2千戸以上提供され、被災者の住まい確保は着実に進んでいる」と強調しました。

蒲島知事は、復旧・復興関連の事業費4139億円を盛り込んだ政府の16年度第2次補正予算案について「県が要望した補助率かさ上げや制度拡充の多くで具体的措置が講じられる」と歓迎。県の復興基金に配分される予定の特別交付税510億円にも「被災者や地域の実情に応じたきめ細やかな支援が可能になった」と述べました。

一方、宅地被害への対応や新たなまちづくりへの支援制度創設、中長期の予算確保などを今後の課題に挙げ、「引き続き国の支援を求めていく」としました。

補正予算案は、熊本地震に対応する271億3500万円、6月豪雨災害対応の245億8900万円、3月の知事選で先送りしていた政策的経費などの270億7800万円で構成。補正後の一般会計総額は前年同期比52.4%増の1兆1616億100万円となります。

議案の内訳は、予算9、復興基金の設置など条例7、市町村負担金8、工事請負契約締結2、決算認定19、その他5。国の経済対策に対応する一般会計補正予算などを会期中に追加提案します。

会期は10月4日までの23日間。一般質問は9月16,20,21,23日。

⑫益城町、仮設住宅募集を終了!4次募集分の全て当選!

熊本県益城町は12日、熊本地震の応急仮設住宅の4次分として募集した6団地271戸について、応募があった253件のうち入居要件を満たした238件全てを当選としたと発表しました。4次分の応募件数が募集戸数に満たなかったため、町は「仮設住宅の必要戸数は確保できた」と判断。町に整備される予定の全17団地1556戸の募集を終えました。

町内の半壊以上の家屋被害は9日現在、6603棟。今後、り災証明書の2次調査で半壊以上と判定された世帯などが、新たに仮設住宅入居を希望することも考えられています。西村博則町長は12日、「入居希望があれば個別に対応していきたい」と述べました。

町によりますと、この日発表した6団地(小池島田、東無田、惣領、馬水西原、安永東、木山上辻)のうち、募集戸数を応募件数が上回ったのは馬水西原のみ。54戸に対し90件の応募があり、抽選で入居者を決めました。抽選に漏れた36件は、2,3次希望を基に、ほかの5団地に割り振りました。入居辞退、住宅被害の判定が一部損壊で入居要件を満たさないなどのケースが15件ありました。

県は12日現在、県内で107団地4266戸の仮設住宅の整備を計画。このうち、益城町には17団地1556戸を整備する予定で、既に1285戸は完成し入居が始まっています。今回募集分の271戸は10月上旬までに完成する予定。

⑬地震被災の「戦時資料」守ろう!市民団体が引き取り!

熊本地震で被災した民家に残る戦時中の資料を守ろうと、市民団体「くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク」が10日、熊本県美里町大沢水の古民家を訪れ、戦時中の出征のぼりや写真など約20点を譲り受けました。

同ネットは県内の戦争遺跡や資料の調査・保存に取り組んでいます。熊本地震後は、家屋の解体で貴重な資料が散逸する恐れがあるため、被災家屋から資料を探し出し、預かる活動を始めました。

この日、調査したのは「大森家」と呼ばれる、明治初期に建てられた大きな屋敷。地震で被害を受け、解体が予定されています。

同ネットの高谷和生代表(61)らが屋敷内から、戦時中に使われた出征のぼり3点や、軍の演習や海軍学校の写真、戦前の教科書など関連資料約20点点を発見し、引き取りました。

屋敷の所有者の篠塚和子さん(熊本市南区)は「貴重な資料を残してもらえるので安心した。戦争を忘れないために役立ててほしい」と話していました。

同ネットは今後も収集活動を続け、来年2月にも展示会を開く計画。高谷代表は「県内の戦時資料は少ない。依頼があれば可能な限り訪問したい」と話しています。高谷代表TEL0968(74)5030。

2.ここ一週間の地震

2016/09/14 12:33 14日 12:30頃 熊本県熊本地方 2

2016/09/13 23:59 13日 23:56頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/13 23:23 13日 23:20頃 熊本県熊本地方 3

2016/09/13 19:28 13日 19:25頃 熊本県熊本地方 2

2016/09/13 19:23 13日 19:19頃 埼玉県南部 1

2016/09/13 19:17 13日 19:12頃 埼玉県南部 3

2016/09/13 18:01 13日 17:58頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/13 17:40 13日 17:37頃 岩手県沖 1

2016/09/13 17:33 13日 17:29頃 熊本県阿蘇地方 3

2016/09/13 14:35 13日 14:32頃 熊本県熊本地方 3

2016/09/13 08:35 13日 08:30頃 千葉県北西部 2

2016/09/13 05:24 13日 05:20頃 栃木県北部 2

2016/09/12 20:54 12日 20:49頃 茨城県沖 2

2016/09/12 20:37 12日 20:32頃 朝鮮半島南部 3

2016/09/12 19:49 12日 19:44頃 朝鮮半島南部 2

2016/09/12 18:03 12日 17:59頃 紀伊水道 1

2016/09/12 17:05 12日 17:01頃 宮城県沖 2

2016/09/12 13:37 12日 13:33頃 千葉県北東部 2

2016/09/12 10:13 12日 10:06頃 茨城県北部 1

2016/09/12 07:00 12日 06:57頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/12 06:47 12日 06:44頃 宮城県沖 1

2016/09/12 04:34 12日 04:31頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/12 04:30 12日 04:27頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/12 03:21 12日 03:18頃 岩手県沿岸北部 1

2016/09/11 17:46 11日 17:41頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/11 13:21 11日 13:17頃 熊本県阿蘇地方 2

2016/09/11 12:27 11日 12:22頃 福島県沖 3

2016/09/11 08:45 11日 08:42頃 新潟県中越地方 2

2016/09/10 13:55 10日 13:52頃 熊本県熊本地方 2

2016/09/10 12:58 10日 12:54頃 奄美大島近海 3

2016/09/10 00:48 10日 00:45頃 網走沖 1

2016/09/09 23:21 09日 23:18頃 茨城県北部 3

2016/09/09 22:22 09日 22:19頃 和歌山県北部 1

2016/09/09 20:56 09日 20:53頃 茨城県沖 3

2016/09/09 15:10 09日 15:06頃 宮古島近海 1

2016/09/09 13:50 09日 13:47頃 岩手県沖 2

2016/09/09 05:22 09日 05:18頃 千葉県北西部 1

2016/09/08 21:39 08日 21:35頃 熊本県熊本地方 2

2016/09/08 20:04 08日 20:00頃 奄美大島近海 2

2016/09/08 16:46 08日 16:43頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/08 16:10 08日 16:07頃 有明海 1

2016/09/08 15:19 08日 15:15頃 熊本県熊本地方 3

2016/09/08 15:12 08日 15:08頃 茨城県沖 2

2016/09/08 05:53 08日 05:50頃 岩手県沖 1

2016/09/08 00:00 07日 23:57頃 熊本県阿蘇地方 2

2016/09/07 22:52 07日 22:49頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/07 20:29 07日 20:26頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/07 18:46 07日 18:42頃 日高地方中部 3

2016/09/07 15:01 07日 14:57頃 十勝地方北部 1

2016/09/07 14:36 07日 14:33頃 福島県沖 1

2016/09/07 14:20 07日 14:17頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/07 13:33 07日 13:28頃 茨城県南部 4

2016/09/07 11:21 07日 11:17頃 沖縄本島近海 2

2016/09/07 07:50 07日 07:46頃 茨城県南部 1

2016/09/07 05:22 07日 05:19頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/07 03:49 07日 03:46頃 西表島付近 1

2016/09/07 02:23 07日 02:19頃 種子島近海 1

2016/09/07 02:17 07日 02:14頃 熊本県熊本地方 1

2016/09/07 01:59 07日 01:56頃 熊本県熊本地方 4

2016/09/07 00:27 07日 00:22頃 宮古島近海 3

(続く)

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