オーペスが語るゲーム、ABBA、そしてミカエル・オーカーフェルトの独裁的な一面

人々 vs. オーペス:スウェーデンのプログレ・メタルの王者が語る、ゲーム、ABBA、そしてミカエル・オーカーフェルトの独裁ぶり

2024年11月29日
文:ニック・ラスケル
写真:テルヒ・ユリマイネン

「おお、こんな質問されたの初めてだな…くそ、どう答えようか…」。
ロンドンのカルマ・サンクタムホテルのバーで、ミカエル・オーカーフェルトが人生の大きな疑問について頭を悩ませています。隣ではギタリストのフレドリック・オーケソンが、オーペスのファンから寄せられた質問に真剣な表情で考え込んでいます。
「俺たちがこんなにイケてる理由なんて、誰が気にするんだ?」と、最終的にミカエルは言います。「重要なのは、ただ俺たちがイケてるってことだけさ」。

8月のブラッドストック・フェスティバルでは、ミカエルがバンドの新アルバム『The Last Will And Testament』について詳しく話してくれました。そこで今回は、ファンから寄せられた最も深い、切実な質問に答えてもらうことにしました。

以下は彼らからの回答です。


ルーカスの質問:なぜあなたたちはそんなにイケてるの?

ミカエル:「良い遺伝子。そして良いジーンズ」。
フレドリック:「ジーンズにシミがないからさ」。
ミカエル:「俺たちはこれについてよく考えるんだ。彼には彼女がいるし、俺にも彼女がいる。それで、『どうして俺たちが醜い野郎だと思われないんだ?何が彼女たちに魅力的に見えるんだ?』ってね」。
フレドリック:「謎だよ。自分がイケてるとは思わないけど、それが俺の意見だね」。


テッドの質問:ミカエル、ソロアルバムを作るつもりはまだありますか?

ミカエル:「ないね。リッチー・ブラックモアみたいに『これが俺のソロアルバムだ』って言おうと思ったけど、俺たちはバンドとしての状況がすごく大事なんだ。たとえ俺がほとんどの曲を書いているとしても、このバンドが俺たちがやりたいことを全部叶える車なんだよ。限界なんてないしね。それに、俺にはレゲトンのソロアルバムを作るような奇妙な趣味もない。やりたいことは全部このバンドでできると思っているんだ。フレドリックはソロをやるけどね」。
フレドリック:「そうだね、制作中だよ。でもオーペスが100%最優先だ。2曲は既にマスター済みで完成しているけど、残り7曲を仕上げないといけない。全部で9曲になる予定だ」。
ミカエル:「なんで9曲なんだ?」。
フレドリック:「ダンテの『神曲』さ。それにオカルト的な数字でもある。3曲目もほぼ完成しているよ。サクソンのビフ・バイフォードが歌う予定のメタル曲もあるけど、他の2曲はインストゥルメンタルでギターソロ満載だ。ギターのオーバードースって感じだね」。


デス・トーメンターの質問:お気に入りのゲームは?

ミカエル:「『The Last Of Us Part II』だね。傑作だよ。ゲームを超えている。感情移入してしまって、キャラクターに愛着が湧いたんだ。こんな経験は初めてだった。頭を撃つだけのゲームも楽しいけど、それを超えたものを探しているならこれが一番だね。次点は『Grand Theft Auto』と『Red Dead Redemption』かな」。
フレドリック:「俺は『アサシン クリード』シリーズが好きだ。特にヴァイキングのやつ。初期のゲームは少し制約があったけど、今は広大な世界があって、自由に探索できるんだ。ミッションもあるけど、修道院を略奪したり村を襲ったりもできる。ストーリーも面白いよ。ノルウェーから始まってイングランドに行き、最終的にはロンドンに入るんだ。それに、侍をテーマにしたゲーム『Ghost Of The~』も好きだ」。
ミカエル:「それはいいね。切腹もできるのか?」。
フレドリック:「できるよ。かなり血まみれだけどね」。
ミカエル:「俺は70年代生まれだから、子どもの頃は友達と『コモドール64』で遊びまくっていた。でもあの頃は、親が1時間経つと『今日はここまで』って言ってきたんだ。今は50歳になってもゲームしていいのかって?もちろんさ!」。

ベンの質問:これは最後のアルバムですか?

ミカエル:「違うね。このタイトルでそう思う人もいるだろうけど、それが意図ではないんだ。もっとアルバムを出すつもりだよ。でも、少なくとも俺は毎回、これが最後のアルバムかもしれないと思いながら作業している。それが健全だと思うんだ。それが俺たちを奮い立たせ、音楽に全力を注ぐ理由になる。だからいつも最後のレコードだと思って取り組むんだ。未来はわからないからね。それに、そう考えることで、ただのアルバム以上の意味を持たせられる。俺たちは幸運にもこのキャリアを続けてこれたし、音楽には魂を込めている。ビジネスやキャリアとしてではなく、本当に重要なものとして取り組んでいるんだ。そういう理由で、この考え方は健全だと思うよ」。
フレドリック:「新しいドラマーもいるんだ。ウォルテリ・ヴァユリネンっていうんだけど、新しい火力とパワーを持ち込んでくれている。彼は俺たちより若いから、彼の血を少し吸わせてもらってるよ」。
ミカエル:「俺たちは彼を吸い尽くしてるんだ。エナジーヴァンパイアだね」。


アニーの質問:最初に覚えたリフは何ですか?

ミカエル:「たぶん『Smoke On The Water』だね。全部高音弦(E弦)で弾いてたよ」。
フレドリック:「『Breaking The Law』(ジューダス・プリースト)かな。子どもの頃、7~8歳くらいの時にバイオリンを習っていたんだけど、ハードロックやメタルにハマり始めて、それをバイオリンで弾いていたんだ。そしたら先生がめちゃくちゃ怒ってさ」。
ミカエル:「俺は練習する根性がなかった。ただギターを持つのがかっこよかったんだ。それに、エレキギターが欲しかったけど、祖母がナイロン弦のクラシックギターをくれたんだ。10歳にもなってなかったな。本当にエレキギターが欲しくて、つまみやピックガードを絵で描いて飾ってたよ」。


トビーの質問:自分のアルバムで一番誇りに思うのはどれですか?

ミカエル:「いつも最新作だね。これまでの作品を『2作目だな』なんて言うのは奇妙だろう?もっと作品を作ってきたのに、そういう言い方をするのはおかしいよね。どのアルバムも悪いとか良いとかは思わないよ」。
フレドリック:「俺は最新作が本当に素晴らしいと思う。プログレの面とデスメタルの面がうまくまとまって、一つの素晴らしいユニットになっている」。
ミカエル:「それにジェスロ・タルのイアン・アンダーソンが参加してくれたのも大きなポイントだね」。


ヴィルヘルムの質問:デス(Death)かアシィースト(Atheist)?

ミカエル:「デスだね。アルバムが多かったから。アシィーストのアルバムは最初の1枚しか持っていないんだ。でも彼らは初期のデスメタルバンドの一つとして、もっと評価されるべきだと思う。プログレ的な要素を取り入れてたし。『Piece Of Time』ってアルバムは良かった。でもやっぱりデスだね」。
フレドリック:「俺もデスかな。正直、アシィーストはあまり聴いたことがないんだよ」。


ジョセフの質問:好きなABBAの曲は?

フレドリック:「『イーグル』だね。少し暗くて悲しい雰囲気があって、あまりハッピーじゃない感じが好きだ」。
ミカエル:「俺はほとんどの曲が好きだね。彼女とABBAについて話してたときに『チキチータ]の話になった。『これはABBAのベストソングではないよね』って言ってたんだけど、再生してみたらめちゃくちゃ素晴らしい曲だって気づいたよ。それに『レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー』も傑作だね。本当に本当に好きなのは、彼らが最後に録音した曲『ザ・デイ・ビフォア・ユー・ケイム』だよ。すごく悲しくて変わったプロダクションがされてて、スウェーデンらしさが詰まってるんだ。素晴らしい曲だよ」。


デイヴの質問:フレドリック、ミカエルとスタジオで仕事するのはどんな感じ?

フレドリック:「独裁者だね。完全にクソ野郎だよ。いや、冗談だよ。時々少し独裁的になるけど、全ては良い結果のためだよ。彼はアイデアにはオープンだし、それが俺にとってすごく重要なんだ。アンプの音作りとか、そういう部分では多くの自由と責任を与えてくれる。もちろん彼が曲を書くけど、レコーディングでは一緒にアイデアを出し合うし、チームとして作業している感じがするね」。
ミカエル:「俺はスタジオでは少し視野が狭くなることがあるんだ。意見が多すぎると混乱してしまう。そういう時は少し独裁者っぽくなるね。『黙って!これをやるぞ!』ってね」。
フレドリック:「そうだね、やっぱり独裁者だよ…今思い返してもさ」。

オーペスのアルバム『The Last Will And Testament』は現在Reigning Phoenixから発売中です。

https://www.kerrang.com/the-people-vs-opeth-prog-metal-interview-mikael-akerfeldt-fredrik-akesson

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です