シカゴでの長年の活動、3人の息子を育てながらの生活、そして各地の地域劇場での印象的な役柄を経て――クリスティーン・シェリルはついにブロードウェイ・デビューを果たします。ウィンターガーデン劇場での『マンマ・ミーア!』再演版で、ドナ役としてカンパニーを率いるのです。
*『マンマ・ミーア!』でドナ・シェリダンを演じるクリスティーン・シェリル(中央)、ソフィ役のエイミー・ウィーバーとともに(写真:ジョーン・マーカス)。
「こんなに時間がかかるなんて。本当に不思議な気分です」とシェリルは言います。「ここに来るまで、本当に特別な旅路でした。母親として家族を育て、シカゴで教師や俳優として活動してきました。今こうしてここにいられることに胸が躍ります」。
シェリルにとって『マンマ・ミーア!』は初めてではありません。これまでツアー公演やラスベガス公演でターニャ役とドナ役の両方を演じ、長年この作品の“ファミリー”の一員として過ごしてきました。初めてリハーサルでウィンターガーデン劇場の舞台に立った瞬間は、とても感慨深いものでした。
「長年知っているクリエイティブ・チームと一緒に舞台に立てたのはとてもクールな体験でした」と彼女は振り返ります。「彼らの反応もすごく感情的で。この作品は長年、多くの人の人生の一部であり、私にとってもそうです。そして今、それが自分のキャリアの頂点になるなんて――本当に素晴らしいです」。
ドナ役への起用は、シカゴ時代の彼女がよく演じていた役柄からの転換でもありました。
「『ファースト・ワイヴズ・クラブ』ではエリーズ役、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』ではオードリー役――ヒールの高い靴を履く役が多かったんです」と彼女は笑います。「ターニャ役は私の得意分野でした。でも、このクリエイティブ・チームは俳優に新しい役を与えてチャレンジさせ、その結果を見守るのが得意なんです。ドナ役は、実は私自身により近いキャラクターですね」。
この作品を全米各地に届けるツアーを経験したことで、『マンマ・ミーア!』が観客にどれほどの喜びをもたらすかを改めて実感したといいます。
「クリエイティブ・チームは、9.11の後にこの作品がニューヨークにとってどれほど大切だったかを話してくれました。今も似ていると思います――人々は癒やしやつながり、喜びを必要としているんです」と彼女は言います。「これは共同体験です。音楽は誰もが知っていて、物語もみんなが大好き。どう受け入れられるか不安だった町でも、反応は素晴らしかったです」。
その“つながり”は、舞台上の関係性にも及びます。シェリルが楽屋口で聞く予想外の感想は、大切な宝物だといいます。
「女性や少女たちが、『一番感動するのはバラードじゃなくて、ドナ、ターニャ、ロージーが寝室でふざけ合うシーン』だと言ってくれるんです。無条件の愛と支え合いを描いているからだそうです。私たち3人は舞台の外でも本当にそういう関係で、それが舞台にも表れているんだと思います」。
このブロードウェイでの新たな章を可能にしてくれたのは、シカゴにいる家族の支えだとシェリルは強調します。
「信じられないくらい支えてくれる夫と、最高の3人の息子がいるんです」と彼女は言います。「私が緊張しているときは、彼らが全力で励ましてくれます。末っ子は私を“ガーリーポップ”と呼んで、『ママならできるよ』って言ってくれるんです。彼らは私に成功してほしいと思ってくれています。これ以上の幸運はありません」。
シェリルにとって、このタイミングはまさに最高の瞬間です。
「私の道のりは少し複雑でした」と彼女は笑顔で言います。「でも、それが完璧だったんです」。
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