『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』は、ミュージカル映画『マンマ・ミーア!』のヒットを受けた2018年の続編で、シェールがドナの母親ルビー・シェリダン役を演じています。ドナが驚くべき死を迎えたことから、ルビーの登場は意外性がありましたが、彼女の出演時間は約10分程度で、映画の最終幕に登場します。登場時間は限られていましたが、映画全体がシェールの登場を待ち望むように進み、彼女は「悲しきフェルナンド」や「スーパー・トゥルーパー」を披露します。しかし、初作を見た後だと、ルビーが続編に登場するべきではなかったことが明白になります。
ルビーは『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』のエンディングでソフィの人生に関わりたいと願い登場します。ドナがソフィを妊娠して以来、家族の一員ではなかったにもかかわらず、ルビーは過去の過ちを償うように描かれます。また、ルビーはフェルナンド(アンディ・ガルシア)との過去の関係を再燃させ、後悔を乗り越えます。彼女は映画の最後でかなり重要な役割を果たし、ドナがいない今、ソフィの人生に母性的な役割を担います。しかし、ルビーは初作で死んでいることが示唆されているため、登場させるべきではありませんでした。
◆シェールのルビー・シェリダンは、オリジナル『マンマ・ミーア!』で語られていたことと矛盾している
◎このキャラクターの登場は、続編とオリジナル映画の間にいくつかのプロットの矛盾を生じさせました。
最初の『マンマ・ミーア!』の映画には、続編が始まるずっと前にルビーが亡くなっていることを示唆する感動的なシーンがあります。ドナが過去の恋人たちと古い納屋で再会した後、彼女はターニャとロージーに泣きながら訴えます。ドナはソフィに自分の過去が知られることを心配し、「誰か上の方の人が私に仕返しをしているのよ…たぶん私のお母さんだわ」と語ります。このさりげないセリフは、初作でルビーが亡くなっていると暗示しているように感じられます。キャラクターの運命がはっきりと確認されたわけではありませんが、彼女が存命でないことを強く示唆しており、続編の出来事と矛盾しています。
『マンマ・ミーア!』で、ターニャはルビーの性格について「陽気なお方」と皮肉交じりに表現しています。これは、ルビーとターニャがあまり良い関係ではなく、ドナの周囲のキャラクターといくらか対立していたことを示唆しています。しかし、続編ではこの点に触れられず、キャラクターたちはお互いに何のコメントも交わしませんでした。シェールとクリスティン・バランスキーが共演すれば映画のコメディの見どころになったかもしれませんが、この機会は生かされませんでした。これもまた、ルビーの登場が初作と矛盾する一例となっています。
◆『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』は、ルビーを登場させなければもっと良い作品になっただろう
◎ルビーの登場は映画のメッセージを損なってしまった
シェールの『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』での登場は非常に象徴的でしたが、シリーズとしてはルビーを物語に登場させない方が良かったかもしれません。彼女の登場は初作と続編の間でいくつかのプロット上の矛盾を生じさせ、キャラクターの成長にも一貫性がなくなってしまいました。また、彼女の登場はシリーズ全体のメッセージを損なうことにもなりました。
『マンマ・ミーア!』は、家族とは単に血縁だけでなく、自分が選んだ人たちで構成されるものであることを教えています。しかし、物語にルビーを加えることで、ソフィがドナに対して不当な扱いをしてきたルビーを受け入れてしまい、血縁が重要であることが強調されてしまいました。ソフィは長年ルビーに対して恨みを抱いていましたが、彼女を受け入れる決断をしたことで、過去にどれだけ苦痛を与えられても、血縁が大切だということを示しています。これは、初作のテーマとは異なり、『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』がオリジナルと少し対立しているように感じられます。
https://screenrant.com/mamma-mia-2-cher-ruby-character-makes-no-sense/