ティム・ライスは『アイーダ』の復活に前向き

『CHESS』がブロードウェイで新たな命を得るなか、この作詞家は2000年にエルトン・ジョンと組んだ作品にも「もう一度挑戦すべきだ」と考えている。

*ティム・ライス × ヴィ・ダン

ティム・ライスは、『ジーザス・クライスト=スーパースター』『エビータ』『ライオン・キング』といった、20世紀でもっとも成功したミュージカル作品のいくつかを手がけてきた人物だ。しかし2026年、彼は観客に対し、もっと深く掘り下げてほしい作品があると語っている。

何度も書き直されながらも愛され続けてきたミュージカル『CHESS』がブロードウェイに戻ってきたいま、彼は自身の過去作の中から、もう一つの作品に目を向けている。それが、2000年にエルトン・ジョンと共同制作したミュージカル『アイーダ』(※)である。

『アイーダ』は、史上もっとも過小評価されている作品だと思う」。
ライスは困惑したように首を振りながら語る。
これまでに手がけたスコアの中でも、特にお気に入りの一つなんだ」。

このロマンティックなミュージカルは、同名の偉大な悲劇オペラを原作としており、ソプラノ歌手レオンタイン・プライスが執筆した児童向け絵本版に着想を得ている。
物語の舞台は、古代エジプトと、現代の博物館にあるエジプト学展示室という二つの時代と場所を行き来する。

本作は、1990年代後半に『ライオン・キング』が空前の成功を収めた直後に実現した、ライスとエルトン・ジョンにとって2度目の本格的な舞台作品でのコラボレーションだった。

『ライオン・キング』を除けば、これがジョンにとって最高の舞台音楽だと思う。
ディズニーは、まず最初から舞台作品として書いてほしいと僕たちに依頼してきた。これは少し珍しいことだった。それまで僕がディズニーと関わった仕事は、すべてヒットしたアニメ映画が先にあったからね……。
批評は必ずしも良くはなかったけれど、約5年間上演され続けたし、僕自身はとても満足しているよ」。

主演はヘザー・ヘッドリーアダム・パスカルシェリー・レネ・スコット
2000年に開幕した『アイーダ』は、ミレニアム最初の新作ブロードウェイ・ミュージカルでもあった。

批評家の評価は賛否が分かれたものの、観客は劇場に押し寄せ、作品はトニー賞5部門にノミネート
そのうち、最優秀楽曲賞、最優秀照明賞、最優秀舞台美術賞を受賞し、さらにヘザー・ヘッドリーが最優秀主演女優賞に輝いた。

*『アイーダ』のヘザー・ヘッドリー(撮影:ジョーン・マーカス)

これまで本当に素晴らしいディーヴァたちに恵まれてきた。
エレイン・ペイジに始まり、ローリー・ビーチマン、ジュディ・クーン、そして――ああ、ヘザー・ヘッドリーだ」。

ライスは言葉を止め、個人的な思い出をかみしめるように微笑む。

偉大なミュージカル女優ほど特別な存在はない。彼女はその中でも最高の一人だ」。

『アイーダ』は1,852回にわたって上演されたが、その後26年間でディズニー・シアトリカルズが数多くの新作を生み出したことで、次第に影が薄くなっていった。
全米ツアーは一度行なわれたものの、それ以外では2004年に幕を閉じ、現在もウエストエンド初演を望むイギリスのファンの声が続いている。

ライスは肩をすくめ、いたずらっぽい表情でカメラを見る。

いい作品なんだ。ロンドンで上演できたらいいし、ここでもう一度上演するのもいい。
この作品は、もう一度チャンスを与えられるに値する」。

アンドリュー・ロイド=ウェバーとのコラボレーション、アメリカ市場へ進出するまでの苦労、そして『CHESS』が現在に至るまでの困難な道のりの中でも失われなかった信念など、ティム・ライスの舞台人生をさらに知りたい方は、上記リンクからプレイビル「マイ・ライフ・イン・ザ・シアター」出演回を参照してほしい。

*ティム・ライス(撮影:ヴィ・ダン)

※『アイーダ』とは

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『アイーダ』は、ティム・ライス(作詞)エルトン・ジョン(作曲)による、2000年初演のブロードウェイ・ミュージカルです。古代エジプトを舞台にした悲恋を、現代的な視点とポップ/ロック色の強い音楽で描いた作品として知られています。

基本情報

  • 原作:同名オペラ『アイーダ』(ヴェルディ)
  • 着想源:ソプラノ歌手レオンタイン・プライスによる児童向け絵本版
  • 初演:2000年、ブロードウェイ
  • 公演回数:1,852回(~2004年)

物語の特徴

  • 舞台は古代エジプトと現代の博物館(エジプト学展示室)を行き来する二層構造
  • 捕虜の王女アイーダと、エジプトの将軍ラダメスの許されぬ恋
  • 権力・忠誠・愛の選択という普遍的テーマを、現代的な語り口で展開

音楽・評価

  • エルトン・ジョンらしいメロディアスで感情に訴える楽曲が特徴
  • 批評は賛否が分かれたものの、観客動員は好調
  • トニー賞5部門ノミネート
    • 受賞:最優秀楽曲賞、最優秀照明賞、最優秀舞台美術賞、最優秀主演女優賞(ヘザー・ヘッドリー)

主なキャスト(初演)

  • ヘザー・ヘッドリー(アイーダ)
  • アダム・パスカル
  • シェリー・レネ・スコット

現在の位置づけ

  • ディズニー作品ながら、映画先行ではなく舞台先行で制作された点が異色
  • 近年は再評価の声が高まり、再演・復活を望む声が続いています(ウエストエンド初演待望論など)

https://playbill.com/article/my-life-in-the-theatre-tim-rice

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