ビヨルン・ウルヴァース、ドナルド・トランプとテリーザ・メイがABBAの楽曲を使用したことについて見解を表明
「ABBAは、政治的な目的で私たちの音楽を使用することを決して許可したことはありません」と発言。
ビヨルンは、ドナルド・トランプが自身の選挙キャンペーンでABBAの楽曲を使用することを拒否した立場を改めて表明しました。彼は「ABBAは、党派的な政治目的で私たちの音楽を使うことを決して許可したことがありません」と述べています。
スウェーデンのグループABBAは、この夏、トランプ氏が「ザ・ウィナー」や「ダンシング・クイーン」などの楽曲を無許可で使用した映像を停止するよう要求しました。
一方で、ビヨルンは、テリーザ・メイ元首相が再び「ダンシング・クイーン」で踊りたい場合には「幸運を祈る」とコメントしました。
メイ氏は、2018年に保守党大会で基調演説を行う際、この曲に合わせてステージ上で踊り話題になりました。
*ビヨルンは「政治家は誰もABBAの音楽を使用すべきではない」と述べました(イアン・ウェスト/PA)。
BBC Radio 4のインタビューでの発言
水曜日にBBC Radio 4の『Today』番組でトランプ氏について語った際、ビヨルンはこう述べました。
「私たちはこれまで、政治的な目的で私たちの音楽が使われることを決して許可したことがありません。それが今回のケースの一例です。これまでもさまざまな国や政治家で同様のことがありましたが、私たちはそういった文脈で私たちの音楽を使用してほしくないのです」。
一方で、メイ氏が「ダンシング・クイーン」で踊ったことについて問題があるかと問われると、79歳のビヨルンは次のように答えました。
「いいえ、彼女が『ダンシング・クイーン』で踊りたいなら、どうぞ幸運を」。
当時、ビヨルンは『The Andrew Marr Show』に出演した際、メイ氏が自身の曲で踊ったことを「非常に勇気がある」と評価しました。
「リズム感があまりない人が、勇気を持ってあのようなことをするのはとても感動的でした」とも語りました。
*テリーザ・メイは、2018年の保守党大会でのスピーチの際に、ABBAの曲に合わせてステージに登場し踊りました(ステファン・ルソー/PA)。
AIと音楽業界についての見解
また、国際作詞作曲家団体連盟(International Confederation of Societies of Authors and Composers)の会長を務めるビヨルンは、人工知能(AI)が音楽業界に浸透する中で、ミュージシャンの権利が保護される必要があると述べました。
ビヨルンは、ABBAの共同創設者であり、多くの楽曲を手がけてきた作詞作曲家として、AI音楽生成ツールを新たなプロジェクトで使用しており、それを「ソングライターにとって素晴らしいツールになり得る」として期待を寄せています。
さらに、ロンドン東部の専用アリーナで開催されるバーチャルコンサート「ABBA Voyage」でも技術を活用し、モーションキャプチャーで再現されたメンバーの映像を披露しています。
一方で、ビヨルンは、AIモデルが音楽を利用する際には透明性を保つべきであり、音楽業界と収益を共有するべきだと述べました。
「これらのAIモデルは、私や他の何百万もの人間の作詞作曲家が書いた楽曲に基づいて存在しています。これを作るテクノロジー企業は、私たちが提供したいかどうかを尋ねるべきです。それがまず重要なことです」。
また、「AIモデルが得る収益を音楽業界と共有すべきです。これは非常に重要な問題であり、透明性と著作権の尊重が求められます」と語りました。
音楽がAIによって制作された場合、リスナーがそれを気にするかどうかについては次のように述べています。
「人間の物語を求めるファンは気にするでしょう。彼らはただラジオで曲を聴くだけではなく、背景にある物語を知りたいと思っています。しかし、プレイリストをただ聴くような受動的なリスナーは、AI生成の楽曲を愛することもあるでしょう。それについては私たちにできることはありません。それを受け入れて共存するしかありません」。
ビヨルンは、この問題に対する解決策が見つかることに楽観的であるとし、業界内で議論が続いていると述べました。
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