ビートは続く──ブロードウェイ版『マンマ・ミーア!』で“リズム”を取り戻す

ビートは続く──カーリー・サコラヴ&ジャリン・スティール、ブロードウェイ版『マンマ・ミーア!』で“リズム”を取り戻す

*ブロードウェイ版『マンマ・ミーア!』で ターニャ役のジャリン・スティール(Jalynn Steele) と ロージー役のカーリー・サコラヴ(Carly Sakolove)
(写真:ジョーン・マーカス/Photo: Joan Marcus

20か月にわたり『マンマ・ミーア!』全米ツアーで全国を回ってきたカーリー・サコラヴ(Carly Sakolove)とジャリン・スティール(Jalynn Steele)
今、彼女たちはついにツアーでは得られなかった“あるもの”を手に入れました――それは「リズム」。
ABBAの名曲が満載の大ヒットミュージカル『マンマ・ミーア!』のブロードウェイ再演版が始まって数か月、二人は再びニューヨークに戻り、ウィンター・ガーデン劇場(Winter Garden Theatre)で週8回のステージをこなす日々の中で、“ダイナモス”としての夢を実現させています。

「ツアーを始めた頃、正直ブロードウェイに戻るなんて考えていなかったの」とスティールは振り返ります。
「でも思ったの。『もしまたウィンター・ガーデンでこの作品を演じられたら、どんなに素晴らしいだろう』って。しかも自分の住んでいる街で仕事ができるなんて!」。

サコラヴも続けます。
「私にとっては、“やっと息ができるようになった”という感覚ね。ツアー中は毎週違う街にいるから、常に移動、移動の繰り返し。今は自分の家に帰れるし、自分の空気を吸える。それがすごく大きいの」。

*『マンマ・ミーア!』より、ターニャ役のジャリン・スティール(Jalynn Steele)ドナ役のクリスティーン・シェリル(Christine Sherrill)、そして ロージー役のカーリー・サコラヴ(Carly Sakolove)
(写真:ジョーン・マーカス/Photo: Joan Marcus

二人の舞台上での絆――ターニャとロージーとしての関係――は、長い旅路の中で築かれたものでした。
ブロードウェイに戻る前、彼女たちの毎日は常に移動の連続。新しい街に着き、すぐにテクニカル・リハーサルをこなし、週8回の公演を終えたらまた荷造りして次の街へ。

「正直、疲れることもあるわ」とサコラヴは認めます。
「でも同時にとてもワクワクするの。国中を回って、新しいカフェを探して、新しい観客と出会うことができるんだから」。

スティールも加えます。
「キャストとの間にも“リズム”が生まれるの。お互いに目を合わせるだけで、今日はどんな日かがわかるのよ」。

その親密さこそが、『マンマ・ミーア!』の中で生まれるケミストリー(相性)の源。
この作品は、三人の女性――ドナ、ターニャ、ロージー――の陽気で温かな関係性に支えられています。

「この作品の一番の魅力は、私たち三人――そしてドナ役のクリスティーン・シェリル(Christine Sherrill)との間に生まれた“家族のような絆”なの」とサコラヴは語ります。
「それは舞台の上にもちゃんと表れているの。実際に一緒に暮らし、旅をしてきたからこそ、本当の関係性として存在しているのよ」。

実は二人の友情は、『マンマ・ミーア!』よりもずっと前――何十年も前から始まっていました。
初めて出会ったのは、若手俳優のための夏季集中プログラム「ブロードウェイ・シアター・プロジェクト(Broadway Theatre Project)」。

「当時、私は彼女のノートに自分の住所まで書いてサインしたのよ!」とスティールは笑います。
「そして何年も経ってからリハーサルで再会して、すべてがピタッとはまったの」。

*『マンマ・ミーア!』より、ターニャ役のジャリン・スティール(Jalynn Steele)ドナ役のクリスティーン・シェリル(Christine Sherrill)ロージー役のカーリー・サコラヴ(Carly Sakolove)
(写真:ジョーン・マーカス/Photo: Joan Marcus

サコラヴは自分を「生粋のロージー」だと語ります。
「だって私、ちょっとドジで、おしゃべりで、誰かを笑わせようとするタイプだから」。

一方、スティールは自分を「ターニャとは真逆」と言います。
「私はターニャじゃないの。スウェット姿が好きで、心地よい椅子に座るのが好き。派手なのは苦手。
どちらかといえばドナに近いかも。舞台裏ではみんなが必要なものを持っているかをいつも確認しているの。まるで“お母さん”みたいにね」。

観客は今も劇場に押し寄せています。
世代を超えたABBAファンが一緒にやってくることも珍しくありません。

「三世代の女性――おばあちゃん、お母さん、そして小さな女の子――が一緒に『ダンシング・クイーン』で盛り上がる光景は本当にすごい」とスティールは語ります。

そして最後のメガミックスは、今のブロードウェイで最も幸福感に満ちた数分間かもしれません。
「まるでロックスターになった気分なの」とサコラヴ。
「みんなで踊って、笑って――まさにパーティーなの。純粋に楽しい時間。それが今の時代にこそ必要なものだと思うわ」。

『マンマ・ミーア!』は現在、ウィンター・ガーデン劇場で上演中(2026年2月1日までの公演予定)。
サコラヴとスティールは、ツアーの旅で失っていた“リズム”を見つけただけではなく、ブロードウェイ屈指の名作の中で確かな“ビート”を刻み続けているのです。

https://www.broadway.com/buzz/206301/the-beat-goes-on-carly-sakolove-and-jalynn-steele-find-their-groove-in-broadways-mamma-mia-return/

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