この秋、ミュージカル『CHESS(チェス)』がブロードウェイで初の本格的リバイバルを迎えます。
出演は、ロシアのチェスチャンピオン役にニコラス・クリストファー、アメリカ人の挑戦者役にアーロン・トヴェイト、そしてその二人の間で揺れる女性役にリア・ミシェル。物語の舞台は、冷戦の最も冷え込んだ時代です。
「One Night in Bangkok(ワン・ナイト・イン・バンコク)」や「I Know Him So Well(アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウェル)」といった名曲で知られるこのミュージカルのプレビュー公演は、10月15日にインペリアル・シアターで始まり、11月5日に正式に開幕予定です。
公演は2026年3月15日までの期間限定で上演されます。
音楽は、ABBAのベニー・アンダーソンとビヨルン・ウルヴァース(『マンマ・ミーア!』)、作詞はティム・ライス(『エビータ』『ジーザス・クライスト・スーパースター』)が担当。
今回のプロダクションでは、映画『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス/レボリューション』の脚本を手がけたダニー・ストロングによる新しい脚本が採用され、オリジナル脚本のリチャード・ネルソン版は差し替えられます。
クリエイティブチームには、演出に『スプリング・アウェイクニング』のマイケル・メイヤー、振付に『ウェイトレス』のロリン・ラターロが名を連ねています。
この作品はもともと1988年にロンドンからアメリカに上陸しました。当初の演出はマイケル・ベネットが担当する予定でしたが、体調を崩して降板。その後、演出をトレヴァー・ナンが引き継ぎました。
しかし当時のアメリカ観客にとっては、「ロシア人がヒーローでアメリカ人が悪役」というストーリーは受け入れがたく、ブロードウェイでの上演はわずか68回で終了してしまいました。
それでも、楽曲の人気や、2022年にラミン・カリムルー、ダレン・クリス、レナ・ホールが出演したチャリティ・コンサートをはじめとした数々の注目公演により、『CHESS』は人々の記憶に残り続けています。
https://encoremagazine.com/bway-chess-opening-gambit-set-for-nov-16/