【第3回】伝記 2006年 – 2010年
2006年春、BAO(ベニー・アンダーソン・オーケスター)はアメリカのスウェーデン系地域で演奏を行なった。5月には前年のツアーでÖrebro(エレブルー)とLeksand(レクサンド)で録音されたライブCD『BAO på turné』がリリースされ、15日にストックホルムのRivalでリリースコンサートが開催された。
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夏にはマーティン(Martin Östergren)とヨージェ(Georg “Jojje” Wadenius)とともに短いツアーを再び行ない、8月11日にはヘレンがスウェーデンの公共ラジオ局Sveriges Radio P1の「Sommarvärd(夏のホスト)」の一人を務めた。その後10月中旬からは、ミュラ・マルムベリ(Myrra Malmberg)とピアニストのペーター・ノルダール(Peter Nordahl)とともに、国立劇場(Riksteatern)主催のツアー「Bit för bit(少しずつ)」を開始した。この公演は2003年にマルメ音楽劇場でマルメ・オペラ管弦楽団とともに初演されたものだった。
12月には、ヘレンとフレドリック・リュッケ(Fredrik Lycke)がマリア・マグダレーナ・モテット合唱団(Maria Magdalena Motettkör)およびマーティン・ウースターグレン率いる5人のミュージシャンと共に、ソールドアウトのクリスマスコンサートを開催した。
2006年、ヘレンはアニメ映画『おさるのジョージ(Nicke Nyfiken)』でマギー役の声を担当した。また、2007年にはデンマークのアドベントカレンダー番組『Jesus & Josefine』のスウェーデン語版にも出演した。
「Bit för bit」は2007年3月初旬に終了した。その後、ヘレンはストックホルム市立劇場に再び出演し、マーティン・ウースターグレンらと共にクララ・スープ劇場(Klara Soppteater)でヴァラエティショー「I stunden…(今この瞬間)」を披露した。
2007年夏、ヘレンと夫のデヴィッドに息子ルーベン(Ruben)が誕生。秋にグローベン(Globen)とスカンディナヴィウム(Scandinavium)でBAOの2公演に出演した以外は、2008年4月まで育児休業を取った。その後「I stunden…」が再演された。
2008年秋、ヘレンはストックホルムのオスカー劇場で『マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)』のイライザ・ドゥーリトル役**を演じ、9月12日に初演を迎えた。この公演は2009年12月19日まで続いた。この役でヘレンはキャリア2度目となる「Guldmasken(ゴールドマスク賞)」を受賞。審査員は「彼女は一音一音を確信と音楽性を持って歌い、すべての音節が聞き取れる。彼女は最も有名なミュージカル役の一つを心から描き出している」と絶賛した。
同年春、ヘレンはルンド学生歌唱団(Lunds Studentsångförening)からソリスト賞を受賞。審査員は「彼女のパーソナルな温かさと芸術的洞察力が広く称賛され、多くの人々の心を掴んでいる」と評価した。
2008年にはアニメ映画『Disco-daggarna』でミミズのドリス役を担当し、2009年には再び『おさるのジョージ2(Nicke Nyfiken 2: Apa på rymmen!)』でマギー役を演じた。
2009年はヘレンにとって国際的に成功した年だった。6月24日にはBenny Andersson Band(BAB)のCD『Story Of A Heart』がリリースされ、同時期にBAOの夏ツアーが開始された。7月4日にはロンドンのハムステッド・ヒース(Hampstead Heath)で大盛況のコンサートを開催した。アルバムのタイトル曲「Story Of A Heart」のスウェーデン語版「Sommaren du fick」は6月初旬にシングルとして発売された。夏の終わりにはマーティンとヨージェと共にいくつかのコンサートも行なった。
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2009年9月23日・24日には、ニューヨークのカーネギーホールで『Kristina från Duvemåla』の英語版「Kristina at Carnegie Hall」のコンサートが行なわれ、ヘレンは唯一のスウェーデン人キャストとして出演し、成功を収めた。2010年4月14日には、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで再び「Kristina」を英語で演じた。
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2010年春、ヘレンはマリアンヌ・フレドリクソンの小説を原作とする映画『Simon och ekarna』に出演し、主人公シモンの母カリンを演じた。監督はリサ・オーリン(Lisa Ohlin)。また、80歳を迎えたスティーブン・ソンドハイムに捧げるコンサートにも参加した。
5月から6月にかけて、ヘレンはイェーテボリ歌劇場で開催された「En Touch av Taube」に出演し、6月18日にはストックホルム・コンサートホールで開催されたスウェーデン国会の祝賀公演でパフォーマンスを披露した。
秋にはストックホルム市立劇場の50周年記念公演『Aniara』(ラーシュ・ルドルフソン演出)に出演し、盲目の詩人役を演じた。
11月17日には2枚目のソロアルバム『Euforia – Helen Sjöholm sjunger Billy Joel』がリリースされ、各紙で高評価を受けた。
年末、ヘレンはエクスプレッセン紙の音楽賞「Spelmannen 2010」を受賞した。