リステソ弦楽四重奏団(Listeso String Quartet)が、先月、ろうそくの明かりの下でのコンサートで、この2つのポップグループの音楽を大胆に対決させました。
*ABBAの写真、1976年10月19日、カリフォルニア州ロサンゼルスにて。
テレビ番組『Midnight Special』の収録(1977年2月4日放送)で撮影。
ABBA 左から右へ:ベニー・アンダーソン、アンニ=フリード・リングスタッド、アグネタ・フォルツコグ、ビヨルン・ウルヴァース写真:Michael Ochs Archive/Getty Images。
どんなレストラン、バー、またはお店でも、少し長く居れば、近くのスピーカーからABBAやクイーンの名曲が流れてくることがあります。この2つの象徴的なバンドは、クィア文化と一般的な芸術の両方に消えない存在感を残してきました。
「ダンシング・クイーン(Dancing Queen)」と「ファット・ボトムド・ガールズ(Fat Bottomed Girls)」を同じSpotifyのプレイリストで耳にすることはあっても、この2つのグループがまったく同義というわけではありません。
しかし、7月6日、アイービング・アーツ・センター(Irving Arts Center)(※)で、この両者の楽曲が一夜限りの音楽の魔法のために融合しました。この運命的な夜、バンド同士は「対決」する形で、Candlelight: Queen vs. ABBAイベントが開催されました。
このイベントは、アイービング・アーツ・センターで行なわれたキャンドルライト・プログラムの一環で、リステソ弦楽四重奏団が、本物のろうそくの灯りという独特な雰囲気の中で、愛され続けるクイーンとABBAの曲を演奏しました。
この生演奏は、親密な空間を演出することを目的としており、(スケジュールは「暫定」とされていましたが)まずは「ダンシング・クイーン」や「SOS」といったABBAの小粋なナンバーから始まりました。
そして、イギリスのロックバンド、クイーンの大作「ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody)」が、彼らのセグメントのオープニングを飾り、その後は再びABBAの曲へと流れていきました。
一部のキャンドルライト・イベントでは、モーツァルトやハンス・ジマーといった、より予想しやすいアーティストが取り上げられることもあります。
しかし、「恋のウォータールー(Waterloo)」や「キラー・クイーン(Killer Queen)」といった曲を、柔らかなろうそくの灯りや上品なオーケストラ編曲と結び付けることは、普通はあまり考えられません。
それでも、芸術の異なる世界同士の予想外の衝突こそが、これらのキャンドルライト・イベントのDNAに深く刻まれていました。
クイーンとABBAは、耳に残る歌詞と特徴的なボーカルで知られており、弦楽アレンジによってその音楽は新たな形を得ました。
「ボヘミアン・ラプソディ」や「ダンシング・クイーン」をクラシックコンサートの世界に持ち込むには、説得力のある大胆な翻訳が必要となりました。
さらに、クイーンとABBAという、意外な組み合わせではありましたが、それぞれのバンドが持つ魅力的な共同精神には合致していました。
そこに彼らの代表曲の高いエネルギーを掛け合わせれば、ABBAとクイーンを結び付けた趣のあるクラシックコンサートは、それほど異質には感じられませんでした。
祝日週末を音楽的なクライマックスで締めくくる場として、この特別な灯りに包まれた音楽イベントに参加した人々は、「愛にすべてを(Somebody to Love)」と共に忘れられない時間を過ごしました。
※アイービング・アーツ・センターとは
テキサス州アーヴィングにある公共の芸術施設で、文化的・創造的な活動の拠点として、市が運営しています。約10エーカー(約4ヘクタール)という広大な敷地には、以下のような施設が整っています:
-
2つの劇場(Carpenter Hall および Dupree Theater)、
-
4つのギャラリースペース(年間20回以上の展覧会を開催)
-
野外のスカルプチャーガーデン(2エーカー。散策路や噴水、学生制作のモザイク作品などを含む)