ある夜、何か観るものを探していると、「ダンシング・クイーン」を口ずさみながら小舟に乗ってカロカイリ島へ戻るような気分になることがある。それは何度目かの『マンマ・ミーア!』鑑賞の始まりだ。そして、何度観ても飽きることはない。
私は『マンマ・ミーア!』とその続編『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』が大好きだ。たとえ、2作目で私の最愛のキャラクターであるドナ・シェリダン(メリル・ストリープ)が(画面外で、幸いにも!)亡くなってしまうとしても……。
最近、アマンダ・セイフライドが映画の中で祖母役を演じたシェールと再会したことで、『マンマ・ミーア!3』の制作がより現実味を帯びてきた。シリーズの3作目が完成する日が近づいているのかもしれない。私は、もう次の『マンマ・ミーア!』映画が待ちきれない!
またカロカイリ島に戻り、新たなABBAの楽曲を楽しみ、愛すべきキャラクターたちのその後を見届けられる日が待ち遠しい。ということで、(マンマ・ミーア)また行くわよ!
私がこのシリーズを心から愛し、誇りを持ってオススメする8つの理由を紹介しよう。
8.ジュークボックス・ミュージカルとして最高のストーリー
『マンマ・ミーア!』のストーリーは完璧な設定を持っている。
1作目では、ソフィ(アマンダ・セイフライド)が結婚を控える中、自分の父親が誰なのかを知るため、母ドナの古い日記をこっそり読んでしまう。
そして、そこに名前が書かれていた3人の男性を「もしかしたら本当の父親かも?」と思い、結婚式に招待する。
当然ながら、3人全員が本当に来てしまい、予想外のドタバタ劇が巻き起こる。
2作目もまた、素晴らしいストーリー展開だ。
1作目から数年後、今度は妊娠したソフィが、亡きドナを偲びながら「ホテル・ベラ・ドナ」の再オープンを準備する。一方で、過去のシーンでは若き日のドナ(リリー・ジェームズ)がカロカイリ島へ冒険に出かけ、サム(ジェレミー・アーヴァイン)、ビル(ジョシュ・ディラン)、ハリー(ヒュー・スキナー)と出会う様子が描かれる。
2つの異なる時代を行き来するこのストーリーは、感動的でありながら、楽しく、笑いも満載!
7.2作品ともキャスティングが完璧
この映画のキャスティングは、文句なしに素晴らしい!
1作目では、メリル・ストリープとアマンダ・セイフライドの母娘コンビがすでに最高。さらに、ピアース・ブロスナン、ステラン・スカルスガルド、コリン・ファースがソフィの「父親候補」として登場するのも魅力的だ。
脇を固めるのは、ソフィの婚約者スカイ(ドミニク・クーパー)、ドナの親友ターニャ(クリスティーン・バランスキー)、ロージー(ジュリー・ウォルターズ)など、豪華キャストが勢ぞろい。
2作目では、特に若き日のキャストの配役が見事!
若い頃のドナ、サム、ビル、ハリー、ターニャ、ロージーを演じる俳優陣が、まるで現在のキャストとそっくりなほどハマり役なのだ。
さらに、シェールがドナの母・ルビーとして登場し、アンディ・ガルシアが彼女のかつての恋人役を演じるのも最高のサプライズ!
6.ロマンスがしっかり描かれている
『マンマ・ミーア!』は単なるロマンティック・コメディではなく、ミュージカル・コメディと呼ぶのが正しいかもしれない。
それでも、映画の中のロマンスはどれも魅力的。
- ソフィとスカイの婚約から結婚
- ビルとロージーの恋愛(これがまた面白く、最終的にハッピーエンド!)
でも、何と言っても一番のラブストーリーは…
- ドナとサムの運命的な恋
嵐の夜に出会い、短期間で深く愛し合うも、サムは婚約者がいたため別れてしまう。
彼はすぐに戻ってくるが、ドナはすでにビルと一緒に…
20年後の1作目で再会し、最終的に結ばれる壮大なロマンスだ。
5.ドナ、ターニャ、ロージーの友情が最高
ドナとその親友ターニャ、ロージーのバンド、「ドナ&ザ・ダイナモス」は、映画に欠かせない存在。
1作目では、彼女たちが再会し、ドナのストレスや悩みを吹き飛ばしてくれる。
2作目の回想シーンでは、彼女たちがエディンバラ大学の卒業式でパフォーマンスする姿や、カロカイリのレストランで歌うシーンが描かれ、彼女たちの若かりし頃の輝きが存分に楽しめる。
そして、ドナが亡くなった後も、ターニャとロージーはソフィを支え続ける。
この3人の絆は、本当に美しく、どんな困難にも負けない強さを持っている。
4. ドナ・シェリダンの物語はまさに壮大
彼女の人生は、何十年にもわたる壮大なストーリーだ。
私はすでに1作目の『マンマ・ミーア!』でドナというキャラクターを愛していたが、2作目では彼女の過去がより深く描かれることで、さらに魅力が増した。
若い頃のドナは、現実に押しつぶされる前の、自由で希望に満ちた姿として描かれる。彼女は人々や世界に対する好奇心とワクワク感を持ち、大きな夢を抱いていた。卒業後すぐにカロカイリ島へ旅立ち、自分の手で冒険に満ちた人生を切り開いていく。
「ドナの持つ磁力のような魅力を、メリル・ストリープとリリー・ジェームズの両方が見事に表現している」。
彼女の夏の冒険は素晴らしいものだったが、決して楽な道のりではなかった。
- サムに心を奪われたものの、彼が婚約者を持つ身だったために失恋。
- その後、予期せぬ妊娠をし、シングルマザーとしてソフィを育て、ホテルを一人で切り盛りすることに。
ドナの死は悲劇的ではあるが、彼女の人生そのものは、愛と充実感に満ちたものだった。
彼女は最愛の島で、最愛のサムと共に過ごしながら、娘ソフィーが幸せな人生を送る姿を見届けることができた。
私はこのキャラクターが大好きで、もし彼女の物語を描いた映画が何本あっても、絶対に飽きることはないだろう。
3.『マンマ・ミーア!』はさまざまな愛の形を描いている
2作品とも、深く心に響くテーマが詰まっている。
『マンマ・ミーア!』シリーズは、ただ楽しいだけのミュージカル映画ではない。夢を追いかけること、リスクを冒すことの大切さという強いメッセージが込められている。
- ドナがカロカイリへ旅立ったのも、夢を追うため。
- ソフィが結婚式前に3人の父親候補へ手を差し伸べたのも、人生の新たな一歩。
しかし、何よりもこの映画が伝えるのは、あらゆる形の「愛」だ。
1作目の最後の展開には、特に心を打たれた。
「ソフィの本当の父親が誰なのか」という謎は、最後に明かされるものだと思っていた。
しかし、ソフィは「誰が本当の父親かを知る必要はない」と決め、サム、ビル、ハリーの3人を「3人の父」として受け入れる。
一方、彼ら3人も「娘が1/3ずついるなんて最高だ!」と大喜びする。
この予想外の展開はとても感動的で、思い出すだけで涙が出る。
また、ドナとターニャ、ロージーの友情、ソフィとドナの母娘愛も深く描かれており、特に「スリッピング・スルー」のシーンでは毎回泣いてしまう。
2. 『マンマ・ミーア!』の音楽は最高!
ABBAが関わると、すべてが楽しくなる!
普段、ジュークボックス・ミュージカルにはあまり興味がない私だが、『マンマ・ミーア!』だけは例外。
ABBAの楽曲はこの映画のストーリーに完璧にフィットし、さらにクリエイティブな使われ方をしている。
たとえば…
- 「スーパー・トゥルーパー」 → ドナ&ザ・ダイナモスが、ソフィへの結婚祝いとして歌う。
- 「アンダンテ、アンダンテ」 → サムがドナに恋をするきっかけとなるレストランでの歌。
- 「SOS」 → 20年後、サムがドナに「まだ愛している」と伝える。
- 「悲しきフェルナンド」 → ルビー(シェール)とアンディ・ガルシアの昔のロマンスを語る歌。
また、「アワ・ラスト・サマー」では、3人の父親たちがソフィに母との思い出を語るシーンが優しく描かれる。
「レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー」では、ソフィとスカイのカップルとしての絆を深める重要なシーン。
「ノウイング・ミー、ノウイング・ユー」では、ドナとサムの悲しい別れを象徴する。
ABBAの楽曲は、それ自体がキャッチーで魅力的だが、映画の中ではより感情的なインパクトを持ち、『マンマ・ミーア!』の世界をより豊かなものにしている。
1. 『マンマ・ミーア!』は最高の「心のバカンス」
ジュークボックス・ミュージカルという形の「現実逃避」。
完璧なリラックスタイムを求めるなら、『マンマ・ミーア!』こそ究極の「心のバカンス」だ。
- 美しいカロカイリ島のロケーション
- 楽しいABBAの音楽
- 個性豊かなキャラクターたち
- ワクワクするストーリー展開
これらが絶妙に組み合わさり、観る者を映画の世界へと引き込む。
「何度観ても飽きることがない。」
公開から15年以上経った今でも、私はこの映画に帰ることができる。そして毎回、変わらぬ喜びを感じる。
2作目の公開からすでに7年が経ち、今は3作目を待ち望んでいる。
またカロカイリ島へ戻りたい。
シェリダン家の新たな世代を見たい。
そして、今度はどのABBAの楽曲が登場するのかを楽しみにしている。
『マンマ・ミーア!3』が待ちきれない! 🎶