1曲で衰退しかけたキャリアを救ったミュージシャンたち

音楽の世界において、最も心躍る、そして勝利に満ちた出来事のひとつがある。それは、ほとんど忘れ去られた、あるいはすでに終わったと思われていた過去のロックスターやポップアクトが、突如として再登場し、大ヒットを記録する瞬間だ。たった1曲の圧倒的なヒットシングルによって、彼らは自らを再発明し、衰えかけたキャリアに再び活力を吹き込む。

これは1970年代頃から時折見られる音楽界の現象である。その頃までには、最初期のロックスターたちは去り、より新しく若い世代の異なるスタイルを持つアーティストたちが世間の注目を集めていた。そして、まさにその時、彼らは再び嵐のように戻ってくる。かつての名声を支えたファンの支持を武器にしながら、新たに録音された楽曲で、自身の真の実力を示すのだ――それは過去のヒット曲と同等、あるいはそれ以上に優れた作品であることも多い。

ABBA ― 「ドント・シャット・ミー・ダウン」

スウェーデンのポップ・ディスコ・グループであるABBAは1980年代に解散し、1981年のアルバム『ザ・ヴィジターズ』が最後の作品になると思われていた。メンバーたちはそれぞれの道へと進み、アンニ=フリード・リングスタッドはソロ活動を行ない、ベニー・アンダーソンとビヨルン・ウルヴァースはヒット舞台ミュージカル『CHESS』でコラボレーションした。

しかし、ABBAの作品がファンを惹きつける力は衰えることがなかった。ベストアルバム『ゴールド』は、「ダンシング・クイーン」「エス・オー・エス」「恋のウォータールー」といった名曲を収録し、イギリスでは500万枚以上を売り上げ、史上2番目に売れたアルバムとなった。また、アメリカでも600万枚を売り上げている。

さらに、ABBAの楽曲で構成された世界的ヒット舞台ミュージカル『マンマ・ミーア!』は、1999年にロンドンのウエストエンドで初演され、2001年にはブロードウェイで上演された。そして2008年には大ヒット映画化され、2018年には続編も制作された。

こうした数字に裏付けられたABBAへの愛が、ついに彼らを復活へと導いた。2021年、ABBAはアルバム『ヴォヤージ』を発表し、実に40年ぶりにディスコグラフィーの空白を埋めたのである。

シングル「ドント・シャット・ミー・ダウン」は、ビルボードのデジタル・ソング・セールス・チャートでトップ40入りを果たし、さらにグラミー賞の最優秀レコード賞にもノミネートされた。

ABBA自身はライブ活動として再結成はしなかったものの、メンバーは「ABBA Voyage」の制作を承認した。2022年に特別に建設された会場で開幕したこのショーは、最先端技術を駆使し、1970年代当時のABBAを再現したリアルな動く映像によって、往年の楽曲を披露している。

*ABBAの記事のみ掲載

https://www.grunge.com/2130153/musicians-rescued-dying-careers-one-song/

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