過去にも空耳歌詞(misheard lyrics)を取り上げたことがありますが、間違って聞こえた歌詞の方がむしろ曲を良くする場合はどうでしょう?今回は、そんな“空耳”によってむしろ魅力が増すヒット曲を5つご紹介します。ABBAからR.E.M.、ビートルズまで、幅広いラインナップになっています。
「ダンシング・クイーン」— ABBA
ABBAの「ダンシング・クイーン」には、いくつかの空耳があります。例えば、「Dancing Queen / young and sweet / only seventeen(ダンシング・クイーン / 若くて可憐な / 17歳)」の部分が、「only seven teeth(歯が7本しかない)」と聞こえてしまうというものです。「ダンシング・クイーン」の空耳だけで新しい曲が作れるかもしれませんが、それが意味をなすかは別問題ですね。
私のお気に入りの空耳は、「feel the beat on the tambourine(タンバリンのビートを感じて)」の部分が、「feel the beat on the tangerine(タンジェリン〈みかん〉のビートを感じて)」と聞こえてしまうものです。その後に続く「ooh yeah!」が妙にしっくりきます。そして、「you can dance / you can jive(踊れる、ジャイブもできる)」が「you can dance / you can die(踊れる、そして死ねる)」と聞こえると、まるで別の曲のようになってしまいます。
「抱きしめたい」— ザ・ビートルズ
食べ物に関する空耳は多いですが、ビートルズの初期のヒット曲「I Want To Hold Your Hand(抱きしめたい)」にも、そんな空耳があります。
タイトルにもなっている「I want to hold your hand(君の手を握りたい)」が、「I want to hold your ham(君のハムを握りたい)」と聞こえるというものです。なぜハムを握るのでしょうか?そのハムは持つ必要があるのでしょうか?後で食べるために取っておくのでしょうか?疑問は尽きません。
「紫のけむり」— ジミ・ヘンドリックス
ジミ・ヘンドリックスのヒット曲「Purple Haze(紫のけむり)」にも、非常に有名で面白い空耳があります。
本来の歌詞は「Excuse me while I kiss the sky(ちょっと失礼、空にキスをするよ)」ですが、多くの人が「Excuse me while I kiss this guy(ちょっと失礼、この男にキスをするよ)」と聞き間違えました。この空耳は非常に広まり、2007年には「KissThisGuy.com」というウェブサイトまで誕生しました。このサイトでは、リスナーが投稿した空耳歌詞をデータベース化しています。
ちなみに、そこで見つけたもう一つの「Dancing Queen」の空耳は、「beat your meat by the fax machine(ファックス機のそばで肉を叩け)」というものでした。…はい、本当に。
「オレンジ・クラッシュ」— R.E.M.
この曲については、私自身の空耳体験を紹介したいと思います。R.E.M.の「Orange Crush」を初めて聞いたとき、私は「I’ve got my spine, I’ve got my orange crush(俺には脊椎がある、俺にはオレンジ・クラッシュがある)」を「I’ve got my Sprite, I’ve got my Orange Crush(俺にはスプライトがある、俺にはオレンジ・クラッシュがある)」と聞き間違えました。
つまり、ソフトドリンクの話だと思ったのです。実際には、この曲はベトナム戦争で使用された枯葉剤「エージェント・オレンジ」に関するものであり、全く異なる意味を持っています。
「パラダイス・シティ」— ガンズ・アンド・ローゼズ
ガンズ・アンド・ローゼズのこのヒット曲も、空耳によって少し違った印象を持たれることがあります。
本来の歌詞「Take me down to the Paradise City(俺をパラダイス・シティへ連れて行ってくれ)」を、多くのリスナーが「Take me down to a very nice city(俺をとても素敵な街へ連れて行ってくれ)」と聞き間違えました。
でも実際のところ、「Paradise City」はきっととても素敵な街なのでしょうね。
https://americansongwriter.com/5-hit-songs-that-sound-better-when-you-sing-the-misheard-lyrics/