英国のテック企業に出資――ビートルズ、ABBA、ミューズ、KSI、カイリー・ミノーグまで

音楽スターたちが英国のテック企業に出資――ビートルズ、ABBA、ミューズ、KSI、カイリー・ミノーグまで

多くの有名ミュージシャンたちが、自らの影響力、知名度、そして財力を活かして、イギリス拠点のテクノロジー企業に投資していることが分かっています。
彼らが投資しているのは、音楽テック企業、フィンテック、宗教系アプリなど多岐にわたります。

以下に、BusinessCloud誌が取り上げた主な出資事例を紹介します。

■ ミューズのマット・ベラミー(Matt Bellamy)

ミューズのフロントマンであるマット・ベラミーは、**連続投資家(シリアルインベスター)**として知られています。
米サンフランシスコを中心に海外の企業にも多く投資していますが、出身地である英国ケンブリッジに近い企業にも投資しています。

  • ロンドン拠点のスタートアップ「Bloomsbury AI」に出資(2018年にFacebookに売却)
  • 人型ロボットを開発する「Engineered Arts」にも投資。
    これは彼が共同設立者を務める「Helium-3 Ventures」からの出資で、2023年12月には1,000万ドルのシリーズA資金調達を主導。ベラミーは米法人化後の同社の「オブザーバー」に就任しました。

■ ユーリズミックスのデイヴ・スチュワート(Dave Stewart)

ユーリズミックスのデイヴ・スチュワートは、音楽業界だけでなくテック投資にも積極的です。

  • モバイルプラットフォーム「Ideas Britain」のクリエイティブディレクターも務め、クラウドファンディングで27万ポンドを調達(現在はウェブサイト閉鎖)
  • 2024年2月には、音楽権利に関するフィンテック「Salt」に投資。これはABBAのビヨルン・ウルヴァースと共同出資です。

■ ABBAのビヨルン・ウルヴァース(Björn Ulvaeus)

  • フィンテック企業「Salt」に出資
    音楽著作権・ロイヤリティの流通を効率化するプラットフォーム。
    ※自身が2019年に創設した楽曲データ管理スタートアップ「Session」がSaltに買収された流れで出資へ。
    他にもクインシー・ジョーンズやカナダの音楽プロデューサー、ダン・カーツらが出資。
  • 音楽投資会社「Pophouse Entertainment」を共同創設
    スウェーデンの投資家コニー・ヨンソン(EQT創業者)と共に設立。
    2025年4月、初のファンドで10億ユーロ(約1,600億円)を調達し、さらに2億ユーロの共同出資も確保。
    このファンドは音楽カタログと知的財産の取得に活用される予定。

■ サー・エルトン・ジョン&サー・ポール・マッカートニー

  • ビヨルン・ウルヴァースが支援する音楽テック企業「Audoo」にも投資。
    この企業はアーティストへの公正なロイヤリティ分配を目指しています。
  • エルトン・ジョンは、Watford FC(サッカークラブ)の会長としても知られていますが、近年ではこのようなテック企業への出資にも意欲的です。
  • 2023年10月、ポール・マッカートニーに続き、Audooの410万ポンドの資金調達ラウンドに参加。

■ ジェイソン・デルーロ&マイケル・ブーブレ

  • クリスチャン向けアプリ「Glorify」に出資
    日常的に神とのつながりを強める目的で設計されたアプリで、2021年に3,000万ポンドのシリーズA資金調達を実施。
    他にもクリス・ジェンナーが出資しています。
  • デルーロは世界で2億5,000万枚以上のシングルを売上。ブーブレはクリスマスシーズンの定番アーティストとして有名です。

■ タイニー・テンパ(Tinie Tempah)

  • ロンドン発のデータ報酬型アプリ「Gener8」に出資
    ユーザーが自分のデータから報酬を得られる仕組みのアプリで、2024年7月に200万ポンドを調達。評価額は3,900万ポンドに。
  • アフリカ系送金フィンテック「Zazuu」にも出資(2022年に200万ドルのシードラウンド)
    ※2023年11月、追加資金を確保できず閉鎖されたと報じられました。

■ ロビー・ウィリアムズ&カイリー・ミノーグ

  • チケットプラットフォーム「Tickets For Good」に最大出資者として参加(2023年6月)
    「アートへのアクセス支援は自分にとって重要なテーマ」と語り、出資は同社の拡大に活用されました。
  • また、エンタメ系テック企業「ROXi」にも投資。
  • カイリー・ミノーグはVOXiに投資。
    これは、2000年にヒットしたコラボ曲『Kids』以来、ロビーとの再タッグとも言えます。

■ KSIとサイドメン(The Sidemen)

  • YouTuber、ボクサー、ラッパー、飲料実業家、そして『Britain’s Got Talent』の審査員でもあるKSIは、最近では投資家としても活動。
  • 彼とYouTubeグループ「サイドメン」は、友人のYouTuberたちが経営する「The Fellas Studios」への150万ポンドの出資ラウンドに参加(2023年)。
  • **彼らの投資ファンド「Upside VC」は、ロンドン拠点のSNSアプリ「Howbout」や、2024年にはMarTech系スタートアップ「POCKLA」にも出資(160万ポンド調達ラウンド)。

https://businesscloud.co.uk/news/music-stars-who-have-invested-in-uk-tech-companies/

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