RBSOが伝説のバンドへのシンフォニック・トリビュートを成功裏に上演
4月2日、マハ・チャクリ・シリントーン王女殿下のご生誕を記念し、ロイヤル・バンコク・シンフォニー・オーケストラ(RBSO)はWest End Internationalとの共催で、タイ文化センターにて「ABBA:ザ・シンフォニック・セレブレーション」を2公演にわたり開催。いずれも大盛況のうちに幕を下ろし、ポップミュージック史上最も称賛されたバンドの一つであるABBAを称える特別なコンサートとなりました。
昨年2024年は、ABBAが1974年4月6日にユーロビジョン・ソング・コンテストで「Waterloo(恋のウォータールー)」を披露して鮮烈なデビューを果たしてから、ちょうど50周年の節目でした。以来、記憶に残る魅力的な名曲を次々に世に送り出し、ABBAは瞬く間に世界的スターとなり、スウェーデン最大の文化的輸出品としての地位を確立しました。
その永続的な人気ゆえ、1999年には英国の脚本家キャサリン・ジョンソンの手によりジュークボックス・ミュージカル『マンマ・ミーア!』が誕生。ロンドン・ウェストエンドのプリンス・エドワード・シアターで初演され、大きな成功を収めました。
このきらびやかなトリビュート・ショーはすぐにブロードウェイでも受け入れられ、世界中へと広がり、これまでに延べ6,000万人以上の観客を動員するというエンターテイメント界でも特筆すべき成功を収めています。
*指揮者 マイケル・イングランド
公演開始直後から、指揮者マイケル・イングランドとRBSOは観客を完全に魅了。序曲ではABBAの代表曲を駆け抜けるように奏で、会場は瞬く間に熱気に包まれました。続く20曲以上の名曲たちは、West End Internationalの4人(サラ・ポイザー、トバイアス・ターリー、スティーヴィー・ドック、ヘイドン・オークリー)のソロ、デュエット、トリオ、全員によるパフォーマンスで披露され、そのたびにABBAの豊富で卓越した音楽遺産を観客に思い起こさせました。
演奏されたセットリストを列挙するだけでも、その凄さは明らかです:
「スーパー・トゥルーパー」「ハニー、ハニー」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「ヘッド・オーヴァー・ヒールズ」「ダンシング・クイーン」「ダズ・ユア・マザー・ノウ」「イーグル」「きらめきの序曲」「ギミー!ギミー!ギミー!」「チキチータ」「テイク・ア・チャンス」「マンマ・ミーア」「アンダー・アタック」「恋のウォータールー」「マネー、マネー、マネー」「ワン・オブ・アス」「悲しきフェルナンド」「レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー」「ノウイング・ミー、ノウイング・ユー」「ザ・ウィナー」「アイ・ドゥ・アイ・ドゥ」「サンキュー・フォー・ザ・ミュージック」。
これだけの曲群を持つポップ/ロックバンドは他にほとんど存在しないと言っても過言ではありません。
*トバイアス・ターリーとサラ・ポイザー。
ステージ右手には、エレキギターのタナポット・ブミパクとサコール・シリピパタナクル、ベーシストのナティー・スリウティット、ドラムのエークポン・チェートタムといった熟練のロックバンドが配され、見事なエネルギーと勢いでパフォーマンスを展開。隣では、RBSO専属ピアニストのファーン・ラスミダッタがスタインウェイのコンサート・グランドピアノで演奏を支えました。
この鍵盤の存在感こそ、偉大なる作曲家・キーボーディストベニー・アンダーソンの遺産であり、ABBAサウンドの中核そのものです。
さらにステージ右手には、地元のバックアップ・ヴォーカルトリオ(ピムラフィー・プーラタウィー(メゾソプラノ)、ヤダー・ランセーティエンチャイ(ソプラノ)、ザルタ・ジョームジュティトゥム(アルト))も登場。見事なハーモニーで演奏を支えました。加えて、RBSO首席オーボエ奏者タニット・ケーオラク、首席トランペット奏者ピティポン・プーケーオの演奏も光りました。
2010年にロックの殿堂入りを果たしたABBAは、時代を超えて愛され続けるグループです。彼らの魅力は世代を問わず、永遠に色あせることがありません。コンサートのラストには「ダンシング・クイーン」が演奏され、会場は文字通り至福の熱狂包まれ、公演は華やかに締めくくられました。
*ヘイドン・オークリー。
*スティーヴィー・ドック。