ウィンターガーデン劇場では「ヒア・ウィー・ゴー・アゲイン」。ABBAミュージカルが堂々の凱旋を果たす。
ウィンターガーデン劇場では、2度目のブロードウェイ上演となる『マンマ・ミーア!』が、復帰初のフル週で興行収入トップ5にデビューを果たした。そして、この作品にはまだ伸びしろがある。というのも、この「フル」週はわずか7回のプレビュー公演のみで、来週からはブロードウェイの慣例である週8公演体制に移行する予定だからだ。初日は8月14日に予定されている。
前の週には1回だけプレビューを行い、そこで既に261,796ドルという立派な興行収入を記録していた。今回、その勢いを完全に持ち越せば「200万ドルクラブ」入りも可能だっただろうが、それでも157万ドルを稼ぎ、今週第4位にランクイン。ウィンターガーデンはブロードウェイでも最大規模の劇場の一つであり、観客に愛される作品が必要とされる空間だ。そして初期の手応えから見ても、『マンマ・ミーア!』は再びその条件を満たす作品になっている。
先週大きく興行収入を伸ばした他の作品としては、『ジプシー』が挙げられる。観客は8月17日の千秋楽を前に、6度のトニー賞受賞歴を持つ主演女優のパフォーマンスを見ようとマジェスティック劇場へ詰めかけた。また『オー、メアリー!』も新主演のジンクス・モンスーン効果で8万ドルの増加を記録(共演にクメイル・ナンジアニ、マイケル・ユーリ、ジェン・ハリスが加わったことも貢献しただろう)。
全体的に、ブロードウェイは引き続き好調な夏を送っている。先週の総興行収入は前週比で3%以上の増加。さらに観客動員の伸びは収入増を上回り、6.17%増。これにより、比較的手頃な価格のチケットを探す観客にとっても先週は好ましい状況だった。現在上演中の29作品で販売された25万1,610枚のチケットの平均価格は123.22ドルだった。
ちなみに、今シーズン(2025-26年シーズン)の第11週時点で、累計興行収入は前年同時期比で約9%増となっている。昨シーズンはブロードウェイ史上最高の興行収入を記録したシーズンだったため、非常に良い位置につけているといえる。皮肉にも、この好調な数字を牽引しているのは、昨シーズンを大成功に導いた要因と同じ「上演本数」だ。今シーズンこれまでに観客が選べる公演回数は2,897回で、昨シーズン同時期の2,619回に比べ10%増加している。パンデミック後、この数字が安定して増えている理由はいくつもある。ヒット作品の存在はもちろんだが、公演終了はそのまま上演回数の減少を意味するためだ。そして、パンデミックによる中断がいかに作品の供給パイプラインに影響したかを物語っている。いずれにせよ、こうしてブロードウェイが復活を維持しているのは喜ばしいことだ。
トップ5の残りはおなじみの顔ぶれで、1位は『ウィキッド』(224万ドル)、2位は『ライオン・キング』(223万ドル)、3位は『ハミルトン』(170万ドル)、5位は『アラジン』(146万ドル)だった。
100万ドルクラブ(興行収入が100万ドル以上の作品)
- ウィキッド(224万ドル)
- ライオン・キング(223万ドル)
- ハミルトン
- マンマ・ミーア!
- アラジン
- メイビー・ハッピー・エンディング
- デス・ビカムズ・ハー
- MJ ザ・ミュージカル
- ジャスト・イン・タイム
- ハリー・ポッターと呪いの子
- オー、メアリー!
- ジプシー
- ジ・アウトサイダーズ
- ブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブ
(現在上演中の29作品中14作品)
90%クラブ(1週間を通して座席稼働率90%以上の作品)
- ジャスト・イン・タイム(103.24%)
- メイビー・ハッピー・エンディング(102.47%)
- ジョン・プロクター・イズ・ザ・ヴィラン(102.19%)
- ジ・アウトサイダーズ(101.95%)
- ハミルトン(101.43%)
- マンマ・ミーア!(100.31%)
- ヘイディスタウン(100.08%)
- オー、メアリー!(100%)
- ウィキッド(100%)
- パーパス
- デス・ビカムズ・ハー
- ライオン・キング
- ブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブ
- アラジン
- ブック・オブ・モルモン
- ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル
- アンド・ジュリエット
- MJ ザ・ミュージカル
- オペレーション・ミンスミート
(現在上演中の29作品中19作品)
https://playbill.com/article/broadway-grosses-analysis-mamma-mia-makes-top-5-its-1st-full-week-back