インタビュー:『マンマ・ミーア!』がブロードウェイに帰ってきた
リサ役のレナ・オーウェンズに聞く
ニューヨーク発 —
俳優のレナ・オーウェンズ(Lena Owens)は、ブロードウェイの名作ミュージカル『マンマ・ミーア!』25周年リバイバル公演で、自身のブロードウェイ・デビューを果たしたことに大きな興奮を感じている。
現在、同作はマンハッタンのミッドタウンにあるウィンターガーデン・シアター(Winter Garden Theatre)で上演中だ。
オーウェンズはこの舞台でリサ(Lisa)役を演じるほか、アンサンブル・キャストの一員としても出演している。
オーウェンズの『マンマ・ミーア!』への愛は、何年も前に公開された映画版から始まったという。
「きっかけは完全に映画でした」と、オーウェンズは最近の電話インタビューで語った。
「ギリシャで、あんなにも有名で素敵な人たちが楽しそうに歌って踊る姿を見るのが大好きだったんです。
この10年ほどで、私は70年代と80年代の音楽が本当に好きになって、ABBAへの愛もますます深まりました。
そんなふうにABBAを好きになった後で、この作品に出演できることになったのは、本当に魔法のような体験でした」。
『マンマ・ミーア!』はABBAの音楽にのせて展開される物語で、舞台はギリシャの小島。
主人公は、結婚を控えた若い女性ソフィ・シェリダン(演:エイミー・ウィーヴァー)。
母親のドナ・シェリダン(演:クリスティン・シェリル)は、かつて歌のグループに所属していたシングルマザーで、
娘が巣立つことに複雑な思いを抱いている。
そこへソフィが、自分の実の父親かもしれない3人の男性を結婚式に招待してしまうことで、騒動が巻き起こる。
オーウェンズが演じるリサは、ソフィの親友のひとりだ。
「最初にオーディションを受けたのは、2023年秋にツアーが始まるタイミングのオリジナルカンパニーのときでした。
その後、2024年春に“将来の交代要員”を対象にした追加オーディションを受け、
2回目の最終審査まで進んだんです。
そして夏に、ついに出演決定の連絡をもらいました」。
オーウェンズはツアーカンパニーに参加した際、
その最終公演がブロードウェイでの上演になるとは知らなかったという。
なんとなく予感はあったものの、確証はなかったそうだ。
「確かに、この作品がブロードウェイに戻ってくるのは最高のタイミングだとは思っていました。
だから正式に決まったときは本当に興奮しました。
予想してはいたけれど、“ツアーが終わったら終わり”という気持ちでもいたので、嬉しい驚きでしたね」。
ツアー中に何度も公演を重ねてきたことで、オーウェンズはブロードウェイ初日のプレビューにも十分な準備ができていたという。
振付や立ち位置(ブロッキング)はすでに体に染みついており、唯一新しかったのは、観客の熱狂的な反応だった。
「初日の舞台は、すべてが最高でした。
これまでツアーで何度も上演してきたので、
プレビューの段階では動きも踊りも完璧に仕上がっていて、
あとは観客のエネルギーが加わることで、
さらに電気が走るような感覚でした」。
リサというキャラクターをどのように演じているのかについて、オーウェンズはこう語った。
「リサは、ちょっとおっちょこちょいで明るく、
久しぶりに親友に会って、その結婚式を見届けることに心からワクワクしている女の子だと思っています。
彼女は楽しいことが大好きで、時には親友のアリが彼女を落ち着かせる役になります。
私自身の性格を少し重ねながら演じています」。
ウィンターガーデン・シアターの観客の熱量は驚異的で、
『マンマ・ミーア!』のほぼすべての公演が完売。
週間興行収入も100万ドル(約1億6,000万円)を超えるペースで推移している。
「信じられないです。
ツアー中から多くの人に愛されていることに感動していましたが、
ニューヨークの人々の熱狂ぶりには本当に驚かされています。
ステージドアで声をかけてくれる方々もいて、
こんなに多くの人の心に響いているなんて、本当に素敵です」。
オーウェンズが特に好きな場面は、
「ダズ・ユア・マザー・ノウ(Does Your Mother Know)」のナンバーだという。
「あの曲は本当に楽しいです。振付も多くて、
ターニャ役のジャリン・スティールさんと一緒に舞台に立てるので、毎回楽しみにしています」。
最後に、作品全体への思いをこう語った。
「この作品が大好きなんです。本当に大好き。
この物語は、“人生の歩み方にはいろいろな形がある”ということを伝えていると思います。
誰もが同じ道を進む必要はないし、
社会が“普通”だとか“標準”と決めたことに従う必要もない。
それが、この作品の素晴らしいメッセージだと思います」。
🎭
ブロードウェイで再び輝きを放つ『マンマ・ミーア!』。
レナ・オーウェンズは、
青春と友情、そしてABBAの音楽が生きるその世界で、
確かな存在感を放っている。
INTERVIEW: ‘Mamma Mia!’ is back on Broadway, with Lena Owens as Lisa