リバプールの新しい観光税が、スウェーデンのポップ界の巨星ABBAを“デジタルで再集結”させたバーチャルショー『ABBA Voyage』のビートルズ版に資金を提供できるかもしれない。
*メトロ市長スティーブ・ロザラムは、“ファブ・フォー(ビートルズ)”の大ファンだ。
リバプール市域(LCR)の市長スティーブ・ロザラムは、2017年から宿泊客向け観光税の導入を提唱してきた人物だが、その頃から
「ロンドンで行なわれているABBA Voyageに似てはいるが、同一ではないものを実現できないか、ずっと方法を探ってきた」
と語る。
ロザラム市長はさらにこう続けた。
「この地域から“まずまず成功した”地元の4人組ビート・バンドを取り上げた何かを、もし作れると想像してみてください?」。
ロザラム市長によれば、観光税で得られる1ポンドごとが文化イベントの資金となり、観光客向けのビジターセンターの増設にも役立てられるという。
リバプールではすでに、2023年6月から宿泊客が1泊2ポンドの“任意の”City Visitor Chargeを支払っているが、政府が承認した新しい“義務的な”観光税は、現在の制度が2027年に終了した後に導入される予定だ。
大きな違いは2点ある。
- この課税は LCR全域 を対象とすること
- Airbnbなどで貸し出される宿泊施設も対象 となること
*ABBAのバーチャルショーはロンドンに拠点を置いている。
地方民主主義報道サービス(Local Democracy Reporting Service)によると、ロザラム市長は、サイバー・ビートルズのショーケース(デジタル・ビートルズの公演)が、ロンドン・クイーンエリザベス・オリンピックパークのABBA専用会場「ABBAアリーナ」に似た、新しいアリーナ型施設とともに、大きな観光名所になり得ると考えている。
市長はこう語った。
「没入型の体験を作り、人々が彼ら(ビートルズ)を観に押し寄せるようにできます。そうすれば、来場者数は飛躍的に増え、この地域が“世界的な観光地の選択肢”になるでしょう。
現在は多くの人がまずロンドンに行き、そこから電車でこちらに来ることもある、という状況ですが、その流れを変えたいのです。これはその方法のひとつになり得ると思います」。
さらに、観光税の導入は、2023年に大成功を収めたユーロビジョン・ソング・コンテストのような、大規模イベントを支えるための財源にもなると述べた。
ロンドンのABBAショーは1億4,000万ポンド(約280億円)規模で、1979年当時の姿をデジタルで再現した“ABBAター”(Abbatars)と、10人編成のライブバンドが共演するものだ。


