『マンマ・ミーア!』UKツアーにもう一度行こう!!

大ヒット・ミュージカルが“太陽・楽しさ・ABBA”を北東イングランドに連れ戻す

大ヒット・ミュージカル『マンマ・ミーア!』が、シアター・ロイヤル・ニューカッスル(※)で、太陽の降り注ぐような圧巻のショーとともにABBAの音楽を生き生きと蘇らせる。

*『マンマ・ミーア!』イギリス・ツアー(2025~2026年)」

2月12日(木)の夜は、雨が降りしきる憂うつな天候だった。だが、シアター・ロイヤルの自分の席に腰を下ろした瞬間、この『マンマ・ミーア!』のキャストは、ドナとソフィが暮らすギリシャの島へと一気に私を連れ去ってくれた。
照明、音楽、ABBA
、映画へのオマージュ、ユーモア、そして素晴らしい歌声――『マンマ・ミーア!』には、すべてが揃っていた。

舞台上の装置は決して多くはない。それでも振付とキャストの力によって、居酒屋タヴェルナの外、ゲストルームの中、さらにはビーチまで、すべての場面がまったく異なる場所に設定されているように感じられた
これを見事に支えていたのが照明で、物語を前へ前へと推し進めるために必要な雰囲気を完璧に作り出していた。

時にはキャストの一部が巧みに隠され、次の瞬間、思いがけない形で舞台に現れる。そんな演出も実に楽しい。
雨のニューカッスルの真っただ中にいると分かっていながら、私は自分の席からギリシャの太陽を感じていると本気で思っていた。

キャストは、ユーモアと情熱、そして圧倒的な歌唱力に満ちた、素晴らしい面々だった。登場人物同士のケミストリーははっきりと伝わり、ある場面では、女優ジェン・グリフィン演じるドナより先に、観客が思わず「I do(はい)」と言ってしまいそうになるほどだった。

*『マンマ・ミーア!』イギリス・ツアー(2025~2026年)」

ドナ役のジェンは、まさに圧巻。母親としての温かさを体現しつつ、同時に炎のような気性とユーモアも見せてくれた。数々の楽曲で堂々と主役を張り、卓越したボーカル・キャストを率いながら、深い感情と美しさを加えていく。
正直に言うと、映画版では少し物足りなく感じていた部分を、彼女は完全に補ってくれた。

彼女を見事に支えたのが、舞台上の娘ソフィ役、リディア・ハントだ。21年間父親を待ち続け、結婚式の前日に3人の父候補を迎えるという葛藤を抱えるソフィのエネルギーが、ミュージカル全体を貫いていた。

そして、父親候補としてこれ以上ない三人組が揃う。
ハリー役のリチャード・ミーク、ビル役のマーク・ゴールドソープ、サム役のウィリアム・ヘイゼル。
映画版のキャストと比べても、彼らは本当に歌がうまく、ABBAの音楽を舞台上で鮮やかに甦らせていた。

この3人が舞台上で互いに絡み合い、冗談を飛ばし合う姿を見るのは本当に楽しい。だが個々に見ても、リディアとの間に生まれる感情のこもった温かな演技があり、父と娘の絆が育っていく可能性をしっかりと感じさせてくれた。
それは同時に、ジェンとの間で見せる、情熱的で陽気な場面との強烈な対比にもなっており、時を経て愛する人との思い出を振り返る喜びを、彼女が見事に体現していた。

*『マンマ・ミーア!』イギリス・ツアー(2025~2026年)」

この公演では「3人組が最高」という場面が何度も登場する。父親候補の3人だけでなく、ソフィと親友のアリ(ビビ・ジェイ)とリサ(イヴ・パーソンズ)、さらにドナとロック・チックスのロージー(レイチェル・オーツ)とタニヤ(サラ・アーンショウ)もそうだ。
特にこの最後のトリオは、何度でもお金を払って観たいと思わせる存在だった。

ユーモア、愛、そして奔放な高揚感に満ち、勝利を確信させる歌声。彼女たちの「ダンシング・クイーン」は、思わず舞台に飛び乗って一緒に踊りたくなるほどだった。
舞台からは本物の友情が溢れてくるが、このキャストの特別な魔法は、誰一人として目立ちすぎないことにある。互いを引き立て合い、アンサンブルとしての化学反応を際立たせているのだ。

映画へのオマージュも随所に散りばめられていて、セリフ、衣装、振付の中に見つけるたび、10代の頃に観た記憶がよみがえった。
特に印象的だったのは、スカイ役のジョー・グランディとソフィが、ビーチで「レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー」を歌う場面。映画で桟橋の上で見た、あの逆立ちダンスを鮮明に思い出した。

こうした小さな“振り返り”と、ABBAの素晴らしい音楽が組み合わさることで、このプロダクションは必見の一本となっている。終演時に全員が総立ちになったのも、まったく不思議ではない。
すでにチケットを持っている方には心からおすすめしたいし、まだの方には、ぜひ手に入れる努力をしてほしい。これはまさに、スーパー・トゥルーパー級のミュージカルなのだから。

※シアター・ロイヤル・ニューカッスル(Theatre Royal Newcastle)

Image

Image

Image

Image

シアター・ロイヤル・ニューカッスル(Theatre Royal Newcastle)は、イングランド北東部ニューカッスル・アポン・タインの中心部に位置する、英国屈指の格式ある劇場のひとつです。

基本情報

  • 所在地:ニューカッスル市中心部(Grey Street)
  • 開場:1837年(長い歴史を持つ名門劇場)
  • 客席数:約1,200席
  • 運営:Theatre Royal Trust(非営利)

劇場の特徴

  • 壮麗なネオクラシック様式の外観
    Grey Streetの景観を代表する建物で、英国でも最も美しい通りの一つに数えられる場所に立地。
  • 音響と視認性の良さ
    歌唱・オーケストラ・台詞が非常にクリアに届くことで知られ、ミュージカルに最適。
  • ツアー公演の要所
    ロンドン・ウエストエンド作品の英国ツアー初日/重要公演地として選ばれることが多い。

上演ジャンル

  • 大型ミュージカル(例:『マンマ・ミーア!』 UKツアー)
  • オペラ、バレエ
  • 演劇、コメディ
  • 家族向け・クリスマス公演

なぜ特別なのか?

  • ロンドン以外でウエストエンド級のクオリティを体験できる代表的劇場
  • 北東イングランドにおける舞台芸術の中心拠点
  • 観客の反応が熱く、**作品の評価が分かれる“試金石”**とも言われる会場

『マンマ・ミーア!』との相性

  • 明るく開放的な空間とABBAのポップサウンドが非常に映える
  • 観客の一体感が強く、カーテンコールが盛り上がることで有名
  • レビューでも「雨のニューカッスルからギリシャの太陽へ連れて行かれる」と評されることが多い

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です