『マンマ・ミーア!』25周年記念ツアー、フィラデルフィアに再び登場

フィラデルフィア(WPVI)――大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカル『マンマ・ミーア!』が、25周年記念ツアーでフィラデルフィアに戻ってきます。

スウェーデンのポップグループ、ABBAの名曲に彩られた、喜びと活気に満ちた舞台です。出演者の一人にとって、この公演への出演は、10代のころ初めて舞台を観て以来、ずっと思い描いてきた夢でした。

「夢がかないました」と、ソフィ・シェリダン役のジュリエット・オヘダは語ります。「ソフィは、私が初めて演じたいと思った役です。『マンマ・ミーア!』は、私が初めて生で観た舞台でもあります。観たときに『これを一生の仕事にするんだ』と直感した作品なんです」。

オヘダは、初めて『マンマ・ミーア!』を観たときのことを決して忘れないと言います。

「13歳のとき、母と一緒にクルーズ船で観ました。全身に鳥肌が立ったんです」。

そして今、オヘダはこの作品で全米ツアーに初めて参加しています。

「初めての大きな主役級の役がこれだなんて、本当にすごいことです。文字どおり、こうなることを思い描き続けてきました。願いが現実になるのを目の当たりにしているんです。私自身がその証拠ですね」。

オヘダが演じるソフィ・シェリダンは、ギリシャの島で母親に育てられた女性です。

「私は母のことが大好きなんです。だから、母のためにこの役を演じ、毎日の舞台を母に捧げられることを、とても幸せに思います」。

25周年を迎えたこの作品には、ABBAの名曲が次々と登場します。

「ヒットするのも当然ですよね。ABBAは世界中で知られていますから。私も子どものころ、ABBAの曲をスペイン語で聴いて育ちました」。

物語では、結婚を控えたソフィが、晴れの日に父親にも立ち会ってもらいたいと、自分の父親が誰なのかを突き止めようとします。

「ソフィは思い切って行動する人です。『こうしたい。だから、やってみせる』という感じですね。そこは私にも似ています。自分がどこまで行けるか試したい。夢や目標があるので、一つずつ実現していきたいです」

『マンマ・ミーア!』25周年記念ツアーのフィラデルフィア公演は、9月29日から10月4日までアカデミー・オブ・ミュージックで上演されます。

チケットや詳細は、EnsembleArtsPhilly.orgをご覧ください。

※フィラデルフィア公演の「アカデミー・オブ・ミュージック」とは?

『MAMMA MIA!』25周年記念北米ツアーのフィラデルフィア公演の舞台となるアカデミー・オブ・ミュージック(Academy of Music)は、ペンシルベニア州フィラデルフィア中心部のブロード・ストリートに建つ、アメリカ音楽史を代表する歴史的劇場です。

1857年開館――「ブロード・ストリートの貴婦人」

アカデミー・オブ・ミュージックは、1855年に建設が始まり、1857年1月26日に開館しました。米国国立公園局(NPS)は、この劇場を「開館当時の姿と本来の用途を保つ、米国最古の音楽ホール」と位置づけています。長い歴史から、“Grand Old Lady of Broad Street”(ブロード・ストリートの偉大なる老婦人)という愛称でも親しまれています。

所在地はフィラデルフィア中心部の240 South Broad Street。この一帯は劇場や文化施設が集まる「Avenue of the Arts」として知られる地区です。

外観

外観は意外なほど落ち着いています。赤レンガを主体とする建物で、巨大な宮殿のような派手さはありません。

これは偶然ではありません。設計を担当したフィラデルフィア出身の建築家ナポレオン・ルブラン(Napoleon LeBrun)は、限られた建築予算のなかで、外側を比較的簡素にする代わりに、内部を豪華にする方針を採りました。当初は後に外壁を大理石で覆う構想もありましたが、実現せず、レンガの外壁が残りました。

そのため、この劇場は「外観は端正、内部に入ると一転して豪華絢爛」という強烈な対比を持っています。

内部はヨーロッパのオペラハウスそのもの

劇場に入ると印象が一変します。

深紅の客席、金色の装飾、何層にも重なるバルコニー席、巨大なシャンデリア、装飾された天井――まさに19世紀ヨーロッパのオペラハウスを思わせる空間です。

ルブランは設計にあたりヨーロッパの主要オペラハウスを研究し、とりわけイタリア・ミラノのスカラ座(Teatro alla Scala)から大きな影響を受けました。NPSの歴史資料にも、柱を備えたプロセニアム、何層ものボックス席、そして深紅・クリーム・金色を基調とする豪華な内装が特徴として記録されています。

舞台から客席を見ると圧巻

特に舞台側から客席を見ると、この劇場の構造がよく分かります。

客席が舞台を取り囲むように湾曲し、その上に何層ものバルコニーが積み重なっています。現代の巨大ホールのように横方向へ広げるのではなく、観客を舞台の近くに包み込むように配置した典型的なオペラハウス型です。

そのため、『MAMMA MIA!』のように出演者と観客の一体感が重要な作品とは、非常に興味深い組み合わせです。

有名な巨大シャンデリア

アカデミー・オブ・ミュージックの象徴ともいえるのが、客席中央の巨大なクリスタル・シャンデリアです。

豪華な天井画の中央から吊り下げられ、赤と金の客席全体を照らします。写真を見ると、単なる照明器具ではなく、劇場空間そのものを構成する中心的な装飾であることが分かります。

優れた音響を持つ劇場

この建物は美しさだけでなく、音響の良さでも歴史的に評価されてきました。NPSも、アカデミーの重要な特徴として音響性能を挙げています。

1857年の開館当時は当然、現代の電子音響設備など存在しません。そのため、歌手やオーケストラの生音を客席まで届けることを前提として、ホールそのものが設計されています。

現在のブロードウェイ・ミュージカルではマイクや音響システムを使用しますが、その舞台となる空間自体は19世紀のオペラ上演を想定して造られたものなのです。

数々の世界的音楽家が立った舞台

最初に上演されたオペラは、ジュゼッペ・ヴェルディの『イル・トロヴァトーレ』でした。

その後、この舞台にはチャイコフスキー、リヒャルト・シュトラウス、サン=サーンス、カルーソ、ラフマニノフなど、クラシック音楽史を代表する人物たちが登場しました。数々のオペラ、交響曲、バレエのアメリカ初演も行なわれています。

さらに20世紀には、長年にわたりフィラデルフィア管弦楽団の本拠地として使用されました。

つまり、ここは単なる「古い劇場」ではなく、アメリカにおけるクラシック音楽・オペラ・舞台芸術の歴史そのものを見てきた劇場といえます。

『MAMMA MIA!』フィラデルフィア公演という面白さ

そして現在、この歴史的な舞台ではオペラやクラシックだけでなく、ブロードウェイ作品をはじめとするさまざまな舞台公演が行われています。

今回の『MAMMA MIA!』25周年記念ツアーもその一つです。

1857年にヴェルディのオペラが響いた同じ劇場で、約170年後にはABBAの「ダンシング・クイーン」「マンマ・ミーア」「ザ・ウィナー」「スーパー・トゥルーパー」などを使った現代のミュージカルが上演される――この時代を超えた組み合わせこそ、フィラデルフィア公演の会場としての大きな魅力です。

アカデミー・オブ・ミュージック基本情報

名称: Academy of Music
所在地: 240 S. Broad Street, Philadelphia, Pennsylvania
開館: 1857年1月26日
建築家: ナポレオン・ルブラン
建築上の特徴: イタリア・ミラノのスカラ座などヨーロッパのオペラハウスから影響を受けた馬蹄形の劇場空間
愛称: Grand Old Lady of Broad Street
主な用途: ミュージカル、オペラ、バレエ、コンサートなど
歴史的価値: 米国の音楽・舞台芸術史を代表する歴史的劇場。

ひと言で表現するなら、アカデミー・オブ・ミュージックは「19世紀のヨーロッパのオペラハウスの華麗さを、現代のフィラデルフィアにそのまま残した音楽の殿堂」です。

そして、その深紅と金色に輝く歴史的な客席で『MAMMA MIA!』を観られることが、フィラデルフィア公演ならではの魅力です。

https://6abc.com/post/mamma-mia-returns-philadelphia-25th-anniversary-tour/19855322/

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