劇評:『CHESS』――ノッティンガム・オペラティック・ソサエティ

劇評:『CHESS』――ノッティンガム・オペラティック・ソサエティ、ノッティンガム・シアター・ロイヤル

ミュージカル『CHESS』

  • 原作・作詞・作曲: ティム・ライス、ベニー・アンダーソン、ビヨルン・ウルヴァース
  • 会場: ノッティンガム・シアター・ロイヤル
  • 公演期間: 2026年10月28日(水)~10月31日(土)
  • 演出・振付: ジャスティーン・リー
  • 音楽監督: ジョナ・ウィリアムズ

さて、どこだ? どこにある? 数年前、本棚で見かけたはずなのだが。あまり出番のない本で、正直、私が望むほど頻繁には使われていない。でも、今こそ必要だ。どうしても必要なのだ。

〈大急ぎで本棚を見渡す〉。

英語辞典。類語辞典。『原始人時代からの英国ミュージカル史――ミュージカル〈バイソン〉の洞窟舞踊画付き』。『スティーヴン・ソンドハイムが語らなかった、中国農村での幼少期の思い出』。『世界の歌って踊って演技もできるクモたち』。『陽気に手拍子する療養者のためのジャズ・ハンド入門』。

このあたりのどこかにあるはずだ〈虹の彼方の、どこかに〉。

あった!!!!!! そう、これだ! 『ミュージカル愛好家のための、最上級の褒め言葉が弾ける大事典』。

今日の午後、ノッティンガム・シアター・ロイヤル(※)のアッパー・サークル席から観た、ノッティンガム・オペラティック・ソサエティによる『チェス』の劇評を書くには、このありがたい大著が絶対に必要なのである。

ジャスティーン・リーが確かな手腕で演出と振付を担う、この本格的な舞台版が、どれほど、とんでもなく素晴らしいか。それを伝えるには、どんな言葉を使えばよいのだろう。

少なくとも、上演許諾上の区分を除けば、アマチュアらしさなどまったくない。舞台装置から歌唱、その歌唱から洗練された独創的な振付、よく考え抜かれた衣装、見事な照明デザイン、そして演奏に至るまで、舞台のすべてが「完全なるプロフェッショナル」と高らかに宣言している。

見事、華麗、壮大、洗練、完璧、上質、傑出、驚異的、圧巻、息をのむほど、信じられないほど――そして、心にも耳にも目にも、大きな喜びを与えてくれる舞台だ。

大げさだと思われるだろうか〈脚色、誇張、針小棒大、あるいは大言壮語だと?〉。そんなことはない。少しも。

*写真:マーティン・ホルトム、スチュアート・リーキー。

主要キャストは、期待し得るすべてを満たしている。

アメリカのチェス王者フレデリック・トランパーを演じるテノール歌手オリー・ラストは、見事な歌唱を披露し、登場するたびに舞台を掌握する。『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じたときとは、同じ俳優だと分からないほどだ。第2幕で歌う「ピティ・ザ・チャイルド」は、胸が張り裂けるほど素晴らしい。

彼と、ロシアのチェス王者アナトリー・セルギエフスキーを演じるカート・ハモンズとの舞台上の関係から、感情の火花が散るのも当然だろう。バリトン歌手のハモンズも、『レ・ミゼラブル』ではジャベール警部を演じていた。

告白すると、ハモンズの「アンセム」の力強さに、私は涙を浮かべてしまった。これはめったにない現象で、普段なら牛乳を切らしてしまったときくらいにしか起こらない。

多才な二人の俳優は、この『CHESS』が誇るべき存在であり、今週の公演を、この作品にふさわしい大きな演劇的成功へと導いている。どちらも決して容易に演じられる役ではない。才能あるこの二人を起用したノッティンガム・オペラティック・ソサエティには、大いに賛辞を送りたい。

過去に観た公演では、アレクサンドル・モロコフが『CHESS』の物語の中で、これほど大きな存在感を示していた記憶はない。しかし今回は、バリトン歌手サイモン・シーオボールドが、折に触れて現れては「テレジカ・ス・ヤーブラカミ」をひっくり返し、事態をかき乱してくれることを、喜んで報告したい。

ついてきてほしい。これはロシア語で「リンゴを積んだ荷車」という意味だ。もちろん、ご存じだっただろうけれど。

〈訳注:英語の「リンゴの荷車をひっくり返す」は、「計画や秩序を台無しにする」という慣用表現。〉

シーオボールドは、個性的な役ではいつも素晴らしい。しかも、嫌な人物であればあるほど、楽しそうに演じる。

美しく力強い低音の歌声を持つ彼は、モロコフ役にまさに適任だ。ノッティンガム・オペラティック・ソサエティの大規模公演を追いかけている方なら、彼が見事なテナルディエを演じていたことも、ご存じだろう。

男性中心の作品ではあるものの、『CHESS』には、心を動かす女性の主要役も二つある。

まず、メゾソプラノの役であるフローレンス・ヴァッシー。ルーシー・ヘイが、演技でも歌唱でも非常に優れた力を発揮している。そして、『チェス』の物語には少し遅れて登場するスヴェトラーナ・セルギエフスカヤを、キャット・ペリーが短い出番ながら鮮烈に演じる。

おなじみの曲を心待ちにしている観客にとって、二重唱「アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウェル」は、たまらないごちそうだ。

ヘイ演じるヴァッシーは作品を通して登場し、物語に欠かせない恋愛と裏切りの展開に、確かな説得力を与えている。彼女は実に素晴らしい。いや、二人とも素晴らしいのだ。

プロの公演では、まず見られないであろうものが一つある。それは、ノッティンガム・オペラティック・ソサエティが擁する大人数のアンサンブルだ。

彼らは市民、代表団のメンバー、物売り、公務員、取り巻き、僧侶などを演じる。その多くは、公演中、衣装やメイクを素早く何度も変えている。最後に数えたところでは40人近くおり、オーケストラも指揮者のジョナ・ウィリアムズを含めて27人編成である。

冷戦下の三角関係を描くこのミュージカルには、「ユー・アンド・アイ」「ワン・ナイト・イン・バンコク」「ノーバディーズ・サイド」「アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウェル」「私の目指す場所(ホエア・アイ・ウォント・トゥ・ビー)」といった主要ナンバーが、すべて登場する。

これらの曲が好きな方は、今週のノッティンガム・シアター・ロイヤル公演が売り切れてしまう前に、できるだけ早く予約してほしい。

これは、ノッティンガムの観劇客の記憶と心に、長く残り続けるであろう壮大な舞台である。

※ノッティンガム・シアター・ロイヤル(Theatre Royal Nottingham)は、イギリス・イングランド中部のノッティンガム市中心部にある、1865年開場の歴史ある劇場です。 ヴィクトリア朝の優雅な姿を伝える、市を代表する文化施設です。historicengland.org.uk

外観の見どころは、古典建築を思わせる立派な柱のある正面玄関。内部には、装飾豊かなバルコニーが重なる華やかな客席が広がっています。 建築家チャールズ・J・フィップスが設計し、1897年には劇場建築で名高いフランク・マッチャムによって改修されました。英国の歴史的建造物として「グレードⅡ」に指定されています。historicengland.org.uk

項目 内容
開場 1865年9月25日
客席数 1,107席(劇場公式サイト掲載)
客席構成 ストールズ、ドレス・サークル、アッパー・サークル、バルコニーの4層
主な公演 ミュージカル、演劇、オペラ、ダンス、ファミリー向け公演など
住所 Theatre Square, Nottingham, NG1 5ND, United Kingdom

開場日は英国の文化財保護機関、客席や所在地などは劇場公式サイトに基づきます。historicengland.org.uk

今回の『チェス』の劇評にあった「アッパー・サークル」は、下から3層目の客席です。評者は、この上階席から舞台全体の振付や大人数のアンサンブル、照明などを見渡して鑑賞したことになります。www.trch.co.uk

ノッティンガム・シアター・ロイヤル公式サイト

https://eastmidlandstheatre.com/2026/10/28/review-chess-nottingham-operatic-society-nottingham-theatre-royal/

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