ABBAは、史上最も愛されている音楽グループのひとつであり、史上最も売れたグループのひとつでもあります。『ロックの殿堂』入りを果たし、全世界でのレコード売上は数億枚にのぼると言われているこの4人組は、1970年代から80年代にかけてポップシーンを席巻しましたが、夫婦2人がそれぞれ離婚して音楽の道を歩み始めました。その後、2組の夫婦がそれぞれ離婚し、音楽の道を歩むことになるが、彼らの音楽の人気は衰えることなく、その影響力はますます大きくなり、40年の活動休止期間を経て、まったくありえない再結成を果たし、再びトップチャートに返り咲いた。彼らの歴史はかなり複雑で、何十年にもわたるが、ここではABBAの10の主要な瞬間を紹介しよう。
＊この英語版の記事には多くの誤った点がありましたので正確な言葉に訂正、修正あるいは加筆しておりますことをご承知おきください。極力「英語版執筆者」の名誉を重んじて訳してあります。
1. 名声を得る
ベニーとビヨルンは、1960年代半ばには、それぞれ母国スウェーデンの人気バンドで地位を確立していた。キーボード奏者のベニーはヘップ・スターズに、ギタリスト兼ボーカリストのビヨルンはフーテナニー・シンガーズに所属していました。ベニーは1966年に一緒に作曲することを決める前に、すでに自分のバンドのために数多くのヒット曲を書いていた。フーテナニー・シンガーズのマネージャーであったスティッグ・アンダーソンは、このチームが持つ可能性に気づき、継続するようにと後押しした。1969年、彼らの作曲した曲がスウェーデンのユーロビジョン出場曲の候補になったとき、ベニーはもう一人の演奏者、ボーカリストのアンニ・フリード・リングスタッド（フリーダ）と出会った。二人はすぐにカップルになり、ベニーは彼女の楽曲のプロデュースを始めた。1969年、ビヨルンは歌手のアグネタ・フォルツコグと出会い、彼女は18歳ですでに1位のヒットを記録していた。2人は1971年に結婚する。すぐに4人は一緒に仕事をするようになり、アンニ・フリードやアグネタのソロアルバムで作曲やプロデュースをしたり、グループとして曲を作ったりするようになった。1972年、ビヨルン&ベニー、アグネタ&アンニ・フリードという名で活動していたカルテットは「ピープル・ニード・ラヴ（愛、それは一番大切なもの）」という曲をリリースした。
2. デビュー・アルバム
50年前、彼らは再びビヨルン&ベニー, アグネタ&アンニ・フリードとしてデビューアルバム『リング・リング』をリリースしました。しかし、スティッグ・アンダーソン（ABBAの初代マネージャー、ポーラー・ミュージック創設者）は、この名前が多くの市場で通用しないことを知っていました。そこで考え付いたのが4名の名前の頭文字を並べた『ABBA』というグループ名でした。『リング・リング』はヨーロッパ全土でヒットし、彼らの将来の成功につながった。実際、この曲がヒットして初めて、4人は自分たちがグループとして続けていくチャンスを、失礼ながら手にすることができると確信した。
3. ユーロビジョン
スウェーデンの代表としてユーロビジョン・ソング・コンテストに挑戦したものの、「リング・リング」で失敗した後、彼らはユーロビジョン選考のためのスウェーデンの予備イベントであるメロディフェスティバルン1974に新しいものを持ち込んだ。ABBAは、壊れた恋愛を有名な戦いに例えたグラム・ロック風の曲を提出した、そう「恋のウォータールー」だ。当時のユーロビジョンは、フォーキーな曲も多かったが、ABBAはポップロックに傾倒し、英語で歌うという大胆な決断をしたのである（当時としては）。1974年4月6日に開催されたユーロビジョンで、彼らは非常にキャッチーな曲で優勝した。ヨーロッパで一目置かれる存在となった彼らは、新鮮な楽曲の数々を手に入れ、とらえどころのないアメリカ市場に本格的に食い込む大きなチャンスを得た。「恋のウォータールー」は全米6位、「ハニー、ハニー」は27位であった。ナポレオンはワーテルローで失敗したかもしれないが、ABBAにとっては、自分たちのスウェーデン侵略の成功のスタートとなった。
4. 1975年
1975年に発表したセルフタイトルのアルバムで、ABBAはヨーロッパだけでなく、アメリカ、日本、オーストラリアでもメジャーなスターになった。アメリカでは3曲のトップ40ヒットを生んだ。「アイ・ドゥ・アイ・ドゥ」「SOS」「マンマ・ミーア」。このレコードは、ABBAのサウンドを象徴するものであり、1つのものでなく多くのものを兼ね備えている。「マンマ・ミーア」のギターや「SOS」の「When you’re gone/How do I even try to go on」のようなロック的な要素もあるが、ダンスミュージック（特にディスコ）、フック主体のポップス、ベニーの洗練されたキーボード、フォーク、そしてアンニ・フリードとアグネタの素晴らしいハーモニーにも影響を受けていた。それは、うまく表現できないが、ABBAの原型となった。ABBAは遠く離れた国の放送局には「プロモーションビデオ」を送った。これらのいわゆる「プロモーションビデオ」のうち30本以上は、スウェーデンの映画監督ラッセ・ハルストレムが監督が撮影したもので、彼はその後、映画『ギルバート・グレイプを食べたのは だれですか』『サイダーハウス・ルール』で成功を収めることになる。
5. ダンシング・クイーン
その後2年間、ABBAは「悲しきフェルナンド」「ノウイング・ミー、ノウイング・ユー」「マネー、マネー。マネー」といったヒット曲を出し続けた。しかし、間違いなくABBAの代表曲は「ダンシング・クイーン」だ。ABBAの伝記（『The Complete Guide to Their Music』）、 ベニーのディスコ調のバックトラックを初めて聞いたときの感動は、グループの伝記（『ABBA: The Name of the Game』）にも書かれています。アニフリードは一聴して泣いたと言い、アグネタ「何がヒットするかはわからないことが多い。しかし『ダンシング・クイーン』は例外だった。私たちは皆、この曲が大ヒットになることを知っていました」と語っている。
バンドはこの曲を、おそらく最もふさわしい場でのパフォーマンスでデビューさせた。スウェーデンのカール16世グスタフ国王は、1976年6月19日にシルヴィア・ソマーラートとの結婚を控えていた。前夜、スウェーデン王立歌劇場で行なわれたテレビ中継のガラで、ABBAは「ダンシング・クイーン」を初めてライブ演奏した。その反応は激震的だった。「ダンシング・クイーン」はソ連を含む20カ国以上で1位を獲得した（繰り返しますが、冷戦時代の1970年代のソ連で1位）。この曲は、グループにとって唯一の全米1位となり、全世界で400万枚以上の売上を記録したことが証明されています。
「ダンシング・クイーン」は、ABBAを代表する曲である。驚異的な文化的持続力を発揮し、賞賛を浴び続けている。有名な音楽サイトPitchforkは、1970年代の最も偉大な曲の評価の中で、この曲を高く評価し、キャメロン・クックはこう書いています。「この曲は、純粋な喜び以外に何の意図も動機もなく、踊るために踊ることに伴う体外離脱のような陶酔感を表現している」。人気でインパクトのある「ダンシング・クイーン」は、この10年の他の名曲の誕生に拍車をかけました。ブロンディのクリス・スタインは、この曲が “Dreaming” に大きな影響を与えたと認めています。
6. テイク・ア・チャンス
「ダンシング・クイーン」の後、ABBAのアメリカでの最大のヒットは1978年の「テイク・ア・チャンス」である。ビヨルンは、この曲のリズムは、ランニング中に自分のペースを保つために繰り返した音から生まれたと語っている。ビヨルンとベニーは、その子音に着目し、「テイク・ア・チャンス／テイク・ア・テイク・ア・チャンス・チャンス」と唱和することで、この曲の土台となった。サビはグループでハーモニーを奏で、ヴァースは女性陣が担当した。この弾けるようなアップビートな曲は全米3位を記録し、1980年に「ザ・ウィナー」が8位を記録し、これが彼らの最後の全米トップ10シングルとなった。
ABBAは世界中で絶大な人気を誇っていたが、内部では緊張が続いていた。1979年にビヨルンとアグネタが離婚し、1981年にベニーとフリーダが離婚した。1982年末に行なわれた公演を最後に、バンドは正式に活動休止に入った。その活動休止は40年近く続くことになる。ベニーとビヨルンは、ティム・ライスとのミュージカル『CHESS』（世界的なヒット曲「ワン・ナイト・イン・バンコク」を生み出した）の共同作曲など、共同作業を続けていた。アグネタとフリーダは、ともに実りあるソロ・キャリアを歩んだ。しかし、あらゆる意味で、ABBAは消滅したのである。
7. 90年代のリバイバル
この現象は予期しておこなったことなのだろうか？80年代のアメリカでは、ABBAが『ファクト・オブ・ライフ』などのテレビ番組でジョークの対象になっていた（他の女の子たちはトゥーティのファンであることを理解できなかった）。1990年代には、さまざまなプロジェクトに後押しされ、グループへの関心が再び高まった。イギリスのシンセポップ・デュオ、イレイジャーが1992年にリリースした4曲入りのカバーEP『Abba-esque』は大ヒットを記録した。同年、ベニーとビヨルンは、アイルランド出身のバンドのストックホルム公演で、U2のステージで「ダンシング・クイーン」を披露した。同年9月、新しいコンピレーション『ABBA GOLD： グレイテスト・ヒッツ』が発売され、大きな反響を呼んだ。「ダンシング・クイーン」は多くの国でヒットチャートに返り咲き、このコンピレーションは全世界で3,000万枚のセールスを記録することになった。パロディ・トリビュート・バンド「ビヨルン・アゲイン」も大成功を収めた。 ニルヴァーナのカート・コバーンからディオンヌ・ワーウィックまで、さまざまな現代アーティストが、このグループの音楽への賞賛を公言した。
8. 『マンマ・ミーア！』とその他いろいろ
ABBAの楽曲が様々な映画で目立つようになったことで、関心の高まりはさらに加速した。1994年、オーストラリア映画『ミュリエルの結婚』と『砂漠の女王プリシラの冒険』の2本は、ABBAの曲を取り入れることで興行成績を飛躍的に伸ばした。 しかし、1999年の舞台ミュージカル『マンマ・ミーア！』によって、さらに大きな盛り上がりを見せることになる。ベニーとビヨルンによって書かれた約23曲のABBAの曲を取り入れたこのミュージカルは大ヒットし、2008年にはメリル・ストリープ主演で映画化もされました（続編もあります）。
9. 2010年『ロックの殿堂』入り
ABBAは2010年の『ロックの殿堂入り』を果たし、ビージーズのバリー・ギブとロビン・ギブによる歓迎スピーチが行なわれた。フリーダとベニーが出席し、スピーチを行ないました（当時、アグネタは飛行機での移動を控えており、ビヨルンは家庭の事情を理由にしました）。ABBAは、他のアーティスト（ギブ兄弟など）を悩ませた「ディスコ」の汚名を着ないことが証明されており、グループへの関心が復活し、ベニーとビヨルンのソングライティングへの称賛が広がっていたため、最終的に彼らが参加するのは当然の結論だった。それにもかかわらず、4人は有名なことに、彼らが再結成する可能性を一切否定した。
10. 復活（活動再開）
「Never say never（絶対に言うな）」。2016年1月、ABBAの4人が数十年ぶりに揃って公の場に姿を現したのはストックホルムにあるABBAミュージアムの近くにあるテーマレストラン『マンマ・ミーア！ザ・パーティ』のオープニングのためだった。同年6月、ベニーとビヨルンの50年前の初対面を祝うプライベートパーティで、フリーダとアグネタはベニーに敬意を表してABBAの曲「ザ・ウェイ・オールド・フレンズ・ドゥ」を歌い、ベニーとビヨルンが曲の終わりでステージに参加すると、国際ニュースになった。10月になると、イギリスのマネージャー、サイモン・フラーは、ABBAが再結成され、最終的にABBA Voyageとなる新曲を録音することを発表した。ABBA Voyageは、ABBAの若い頃の姿をデジタルで再現した「ABBAtars」（Industrial Light and Magic社がグループのモーションキャプチャーから作成したABBAター）が、特設シアターで演奏するバーチャルレジデンスである。このプロジェクトは新型コロナウイルスの影響で遅れましたが、新しい素材は10曲入りの全く新しいアルバム『Voyage』に発展しました。
予想通り、2021年11月に発売されたニューアルバムは怒涛の成功を収め、「ドント・シャット・ミー・ダウン」は1978年以来となるスウェーデンでの1位を獲得した。ABBA Voyageは、ロンドンの劇場公演で100万枚以上のチケットを売り上げた。2023年3月、「Voyage」がロードショーされることが発表され、バーチャルなABBAが事実上あらゆる場所に連れて行かれることになりました。詳細はまだ明らかにされていないが、このショーが世界中のファンから温かく迎えられることは間違いないだろう。継続的な成功、時代を超越した楽曲、そして彼らの作品に対する明らかな欲求を考えると、ABBAがすぐに閉鎖されることは誰にも、何にもないように思える。
https://www.saturdayeveningpost.com/2023/03/abba-at-50-ten-major-moments/
