【連載109】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?)

7月31日日曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

皆様こんにちは。本日31日午前10時40分熊本地方気象台発表。

熊本県では本日31日昼過ぎから31日夜のはじめ頃まで『急な強い雨や落雷に注意が必要』とのことです。

九州北部地方は、高気圧に覆われて概ね晴れています。

本日31日の熊本県は高気圧に覆われて概ね晴れますが湿った空気や強い日射の影響で大気の状態が不安定となるため『雨や雷雨となる所』があり『夕方から夜のはじめ頃にかけて激しい雨が降る』所があります。高温が予想され『熱中症の危険が特に高くなる』見込みです。暑さを避け水分をこまめに補給するなど十分な対策をとることが必須です。

明日8月1日の熊本県は高気圧に覆われて概ね晴れますが『強い日射の影響で大気の状態が不安定』となるため『昼過ぎからは雨や雷雨』となる所があります。

波の高さは外海では本日31日、8月1日ともに1メートル、内海では本日31日、8月1日ともに0.5メートルの見込みです。

阿蘇山(中岳)上空およそ1500メートルの風は本日31日午前9時現在、北東の風5メートル、午後21時の予想は東の風3メートル、霧島山(新燃岳)上空およそ1500メートルの風は本日31日午前9時現在、北東の風6メートル、午後21時時の予想は北東の風4メートル。

本日31日正午~8月1日正午までの1時間雨量は多い所では30ミリ

、24時間雨量は多い所では50ミリの見込みです。

九州地方知事会を通して熊本地震の被災自治体に投入され、連絡調整や事務の補助などに当たってきた『他県職員の短期派遣が7月末で終了』します。今後も他県から受ける中長期派遣の技術系職員の応援などは続きますが、6月の豪雨でも被災した自治体などからは『人手が足りない』と不安の声が上がっています。応援職員は個別の市町村から派遣を受けるケースもありますが災害時応援協定に基づいて九州地方知事会が仲介して職員を派遣。『熊本県や13市町村に19日現在、延べ4万5千人以上』が投入されました。災害対策本部の連絡調整や、避難所の運営、り災証明の被害認定調査などを担当。期間は原則1か月以内ですが、派遣元の府県や政令市は職員を交代し、派遣を続けてきました。阪神大震災の被災地、兵庫県から応援を受けた熊本県益城町が「ノウハウを一から教えてもらった。避難所での衛生マニュアルで感染症の発生を抑えられた」と評価するなど、大きな支えになったとのことです。熊本県甲佐町が6月25日に受け入れを終了するなど、既に区切りを付けた市町もあります。地震発生から3か月余りが過ぎ、関連業務に一定のめどが付いたとして7月末の派遣の終了に各自治体が合意しました。ただ県内で3番目に多い延べ4940人を受け入れた御船町の藤木正幸町長は「6月の大雨が追い打ちとなり、被災はまだ続いている」と指摘。29日、応援に来ていた山口県職員の送別式では「町への愛情を感じた。この恩は一生忘れない」と送り出しましたが『今後の職員不足を不安視』しています。『豪雨災害を受けた他の7市町は28日、人的支援や予算措置を内閣府に要望』するなど、対応を求めています。20日に応援職員の受け入れを終えた南阿蘇村は「通常業務に加え、今後はさまざまな復旧工事が本格化する。ほとんどの職員が十分な休みが取れない現状を考えると、負担が増えないか心配だ」と話しています。

熊本地震の影響で職場が被災し一時休業(予定含む)に追い込まれた労働者が『6月は少なくとも1万7千人』に上り『7月は2万5千人規模に達する』見通しとなったことが29日、熊本労働局の「雇用調整助成金」受け付け状況で分かりました。休業者の多くは製造業勤務で、被災した工場などの復旧遅れが影響したとみられます。雇用調整助成金(雇調金)は政府の被災企業支援策。経営が厳しくなった企業に対し、一時休業させた従業員に支払う給料の一部を補助し、労働者の雇用継続を後押しします。雇調金活用のため、熊本県内企業が労働局に届けた休業者(予定者を含む)数は、熊本地震発生翌月の『5月には2787人(117事業所)』でしたが『6月は6倍超の1万7034人(372事業所)』に急増。同局は『7月に2万5千人』程度まで増えるとみています。政府は熊本地震の被災企業に雇調金を迅速に支給するため事業所の経営状況の確認期間を短縮。『年間100日だった支給限度日数を8月上旬から300日』に延長するなど休業の長期化に備えた雇用対策を強化しています。届け出休業者数には事業所の閉鎖、縮小などに伴って解雇された労働者は含まれません。熊本労働局は「今後の休業者数の増減は見通せないが、地震による解雇などを減らすため、雇調金などの支援で雇用維持を図りたい」としています。

熊本は本当大丈夫なのでしょうか?なぜメディアもっとこの事態を報じないのでしょうか?大変心苦しいです……。

1.被災地情報

①農業復旧へ130億円申請!県内1400戸・法人 !

熊本地震で被災した農家や農業法人対象の復旧費を最大9割補助する「被災農業者向け経営体育成支援事業」で、県は昨日30日、県内25市市町村の1400戸・法人から事業費として計130億円の申請が寄せられていることを明らかにしました。

同事業は国が設けた緊急支援策。申請窓口は市町村で、15日時点の数字をまとめました。

事業の対象は、被災した農業用倉庫や畜舎の補修・再建、農機の修理や再購入などで、最大9割を補助する仕組み。

金額ベースでみますと、農業用倉庫や作業場の復旧が全体の4割を占めているとのこと。畜舎関連は3割、ハウス関連と農機はそれぞれ1割でした。倒壊した倉庫などの撤去費用は、面積に応じた補助となります。

事業費が10億円を超えているのは阿蘇市、大津町、御船町、宇城市、益城町、菊池市、熊本市。設備が高額になりがちな畜産農家が多い地域は、1件当たりの金額が大きくなっているようです。

県農地・担い手支援課は「申請準備中の農家も多い。今のところ来年1月ごろまで受け付ける予定だが、事業費は最終的に200億円を超えるのではないか」と話しています。

②自宅被災、妻は病死!天草1人移住、再出発!

「これからは人助けをしながら、君の分まで生きるよ」。熊本地震で熊本市の自宅を失い、直後に最愛の妻とも死別した福永征雄さん(77)は、天草市倉岳町に1人で移住し、第2の人生を始めました。最後まで自分を気遣ってくれた妻照子さん(77)の遺影に毎日誓いながら、カラオケ指導などのボランティアを続けています。

「背筋を真っすぐ、下腹に手を当てて、はい、あー」。地震から2カ月後の6月14日、福永さんの姿は倉岳町の特別養護老人ホームにありました。

かつて陸上自衛隊西部方面隊(熊本市)の音楽隊員だった福永さん。音楽の知識を生かし、施設内で「カラオケ教室」を開かせてもらいました。発声の指導を受けたお年寄りたちは「楽しかった」と顔をほころばせています。

照子さんと知り合ったのは、長崎県大村市で自衛官をしていた22歳の時。「行きつけの食堂で働いていた妻の方から声を掛けてきたんですよ」。すぐに意気投合し、結婚しました。

子どもに恵まれなかった分、転勤で東京、北海道、熊本と日本各地を2人で回りながら夫婦の絆を深めました。

西部方面隊に所属していた1976年、転機が訪れました。北海道時代に照子さんが身に付けた裁縫の技術を生かし、2人で「有限会社福永縫製」を立ち上げた。自衛官は辞めました。

商売も軌道に乗り、順風満帆だった夫婦の暮らし。だが4年前、照子さんを病魔が襲います。腎臓がん。「妻に本当のことは言えなかった」と福永さん。

少しずつ衰える照子さんの食欲、体力。「妻は自分の病気を分かっていたと思う。でもそれまで通り普通に接してくれました」。

病状は、昨年秋ごろから急激に悪化しました。そして今年4月16日の本震。福永さんは自宅、照子さんは熊本市内のホスピスにいました。「妻はほとんど意識がなく、たぶん地震のことはわからなかったと思う。幸いだね…」。

それから9日後の25日夜、照子さんは福永さんに見守られ静かに息を引き取りました。

妻の死後、住めなくなった自宅の代わりに倉岳町の空き家を紹介されました。「地震を思い出したくないし、趣味の釣りも楽しめる」と移住を決めました。

福永さんは時折、病床の妻の言葉を思い出すそうです。「ごめんね、先に逝くことになって…。これまでありがとう」。

天草が永住の地になるか、今は分かりません。健康状態にも不安があります。でも「しばらくここで頑張って、地元の人たちの役に立ちたい。それが妻が望んだことだと思うから」。

③安心して遊べるよ!子ども文化会館、一部フロア再開!

熊本地震の避難所となり、5月から休館が続いていた熊本市中央区新町の子ども文化会館が昨日30日、一部フロアで約2か月ぶりに営業を再開しました。親子連れらが早速足を運び、ボール遊びをしたり、絵本を読んだりして楽しみました。

同館は熊本地震で、最上4階ホールの照明が落下するなど被害を受けましたが、約2週間後に再開。その後、市の拠点避難所となった月23日から休館していました。現在も4階は使えず、3階は避難所として開放。夏休みの需要増が見込まれることから、1,2階に遊具を再配置して再開にこぎつけました。

長女の心桜(こはる)ちゃん(1)と来館した斉藤幸良さん(33)=熊本市北区=は「安心して子どもを遊ばせられる場所は少ないので、ありがたい」と笑顔でした。

読み聞かせや、子育て支援イベントなども随時再開する予定。同館は「元気な子どもたちの姿が戻ってきてほしい」と話しています。開館は午前9時~午後17時まで。第2、第4火曜休館。

同館TEL096(323)05050。

➃鍋ケ滝「裏側に入れます」!小国町が規制解除!

小国町は昨日30日、熊本地震による名所・鍋ケ滝の裏側への立ち入り禁止を解除しました。解除と同時に早速、観光客が裏側を歩き、暑さを忘れさせる水のカーテンを満喫しました。

町によりますと、地震では滝そのものに大きな被害はありませんでしたが、周辺で落石が発生しました。余震でも岩石が崩落する恐れがあったため、4月25日の営業再開後も裏側の立ち入りを規制。本震から3か月が過ぎ、余震も減ったため解除を決めました。

鍋ケ滝は幅約20メートル、高さ約10メートル。裏側に入れることから観光の人気スポットとなっていますが、7月の入園者は昨年の半分以下にとどまっています。

町は「地震がいつ起こるか分からないので、滝を訪れる際は十分気を付けてほしい」と呼び掛けています。入園料は大人200円、小中学生100円。入園は午前9時~午後16時半。

⑤職人集い、南阿蘇の元気PR!人気パン店に行列!

南阿蘇村の人気パン店「めるころ」で昨日30日、国内外のパン職人が集うイベントがありました。熊本地震を乗り越えて営業を再開した同店や南阿蘇の元気をPRしようと、それぞれ自慢のパンを並べました。

同店は被災して一時休業しましたが、全国の職人らの支援で再開。今回は、同店も所属する「パン・ド・ロデヴ普及委員会」(松成容子代表理事)が企画し、東京や大阪、台湾などの職人17人が約30種類のパンやランチプレートなども用意しました。

午前9時の開店前から約30人の行列ができる盛況ぶり。同店の人気商品と共に、職人たちが次々に焼き上げるフランスパンやプレッツェルなどが並びました。同店オーナーの原田雅之さん(59)は「仲間の協力はとてもありがたい。お客様が喜んでくれるのが一番」。

福岡県みやま市から来た山田豪記さん(41)、富貴子さん(36)夫婦は「パンを買って少しでも南阿蘇を応援したい」と話していました。

⑥「新」阿蘇大橋、コンクリート橋に!

九州地方整備局は29日、熊本地震で崩落した熊本県南阿蘇村の国道325号阿蘇大橋の架け替えについて、全長約600メートルの新橋のうち、黒川に架かる部分(約350メートル)を4本の橋脚で支えるコンクリート橋とすることを決めました。国道57号と接続する残り約250メートル区間の工法については今後、県と協議します。

同整備局が同日、熊本市で有識者技術検討会を開いて決めました。新たな橋の構造は「PCラーメン橋」と呼ばれ、地震で被災しても崩落しなかった同村の阿蘇長陽大橋と同じ形式。年内の測量、設計終了を目指すが、着工や完成時期は未定。

同整備局によりますと、黒川沿いには活断層があると推定されており、この日の検討会では同程度の強度を持つ4案を検討。ラーメン橋は、活断層を避けて橋脚を配置でき、橋桁をつるす必要もないため工期を短縮できると判断しました。

同整備局は「阿蘇の景観を損なわないデザインという南阿蘇村の要望も考慮した」としている。阿蘇大橋の復旧は、管理者の県に代わって国が実施します。

⑦第二高、遊園地で笑顔の終業式!

熊本地震で被災した熊本市の第二高(1226人)が29日、熊本県荒尾市のグリーンランドで遠足を兼ねた終業式を実施しました。遊園地での一日を満喫し、さまざまな行事が中止になった一学期を笑顔で締めくくりました。

同高は4月15日にグリーンランド遠足を計画していましたが、前日に前震が発生。校舎も被災して5月上旬まで休校となり、運動会も中止に追い込まれました。

生徒たちに日常を取り戻してもらおうと、学校側が「遠足兼終業式」を企画。園内であった式では、生徒たちが校歌を高らかに歌い上げました。式後は、運動会で応援団長を務めるはずだった3年生たちが、同校伝統のパフォーマンスを披露して会場を盛り上げました。

応援団長の一人、有隅遼太郎さんは「運動会はできなかったけど、みんなで一つになれる機会が持ててうれしい。良い思い出になりました」と晴れやかでした。生徒たちは、園内での自由時間も楽みました。

⑧「牧野維持したい」9割、環境省調査!

環境省九州地方環境事務所が熊本地震による熊本県阿蘇地域の牧野組合に対して実施した調査で、3分の2近くが被害を受けていたことが29日分かりました。一方、9割近くが「今後も維持・管理を続けたい」と前向きな考えを示しました。

調査は、草原維持などへの支援の検討が目的。地域に約160ある牧野組合のうち、阿蘇草原再生協議会に加入する91組合を対象に6月1日~7月19日、聞き取りなどで行い、86組合が回答しました。

それによりますと、被害があったのは63.9%の55組合。内容別では、牧野道の損壊が37組合と最も多く、土砂崩れ26組合、牧野内の亀裂20組合と続きました。牧柵や貯水槽の損傷などもありました。市町村別の内訳は阿蘇市が36組合、南阿蘇村・西原村が19組合でした。

今後の採草や放牧についての質問(複数回答)では、28組合(32.5%)が「影響がある」と回答。野焼き・輪地切りへの影響についても21組合(24.4%)が「ある」と答えました。

一方、回答の88.3%にあたる76組合が、今後も牧野の利用や管理を続けたいと回答。そのうち3組合が「規模を拡大したい」と答えました。「やめたい」との答えはありませんでした。支援策としては「牧野や牧野道の修復」「あか牛導入の資金」「後継者育成」などを求める声が多くありました。

同事務所は「草原維持のための担い手不足が地震で加速する懸念もある。関係機関と連携しながら支援をしていきたい」と話しています。

⑨温かいスープありがとう!寄せ書き届く!

熊本県益城町は29日、熊本地震の影響で弁当給食が続く小中学校に、社員食堂で調理した温かい汁物を週1回ずつ提供した地元の再春館製薬所に感謝状を贈り、児童生徒も「おいしかった」と感謝を込めた寄せ書きを手渡しました。

町学校給食センターは1日に小中学校7校の約3300人分を賄っていましが、地震で調理設備や水道管が破損。築36年の建物も柱が傾くなど被害が大きく、調理場は立ち入り禁止に。復旧のめどは立たず、本年度中は外部業者による弁当給食が続く見込みです。

弁当で不足しがちな野菜を補い、温かい料理を食べてもらおうと、町は社員食堂を持つ同社に支援を依頼。6月6日から1学期終了まで、豚汁やコーンスープなどを各校に届けました。

森永好誠教育長が感謝状を調理場の職員に贈呈。児童生徒を代表し、木山中3年の宇土綾乃さん、広安小6年の村上太騎君は全小中学校からの寄せ書きを届けました。広用紙には「カレースープが好きだった」などのメッセージが並び、職員たちは感激して見入っていました。

⑩地震トラブル解決図ります!県弁護士会が「ADR」!

熊本県弁護士会紛争解決センターは、熊本地震に伴う近隣住民や賃貸借に絡むトラブルについて、裁判手続きによらない調停を図る「震災ADR」を始めました。弁護士があっせん人となり、当事者間の話し合いによるトラブル解決を目指します。

ADRは民事裁判と違って、迅速で柔軟な解決が可能なため、全国各地の弁護士会が導入。県弁護士会は2009年度から、交通事故や契約トラブルの申し立てを受けています。

熊本地震では、被災地で「隣家の瓦が落ちて自宅が破損した。修理代を求めたい」「損壊した借家を大家に修理してほしい」などのトラブルが多く、6月中旬に受け付けを始めました。通常は申し立てに手数料1万円(税別)が必要ですが、震災関連は無料で受け付けます。

紛争の相手方が応じなければ、ADRは実施しません。応じた場合は、熊本市の県弁護士会館などで3回をめどに弁護士が双方の主張を聞き、合意可能な解決案を示します。

合意した解決金額に応じた成立手数料(解決額が100万円以下なら8%など)を双方で折半してセンターに払いますが、個別の事情によって最大30%の減額もあります。

25日までに、家屋損壊などをめぐる18件の申し立てがあり、半数以上で相手方が話し合いに応じたそうです。同センターの松林清文弁護士は「被災者同士が裁判で争うよりも、ADRによる解決がなじむ」と利用を呼び掛けています。

同センターTEL096(325)0913。

⑪県外自治体職員の短期派遣終了!

九州地方知事会を通して熊本地震の被災自治体に投入され、連絡調整や事務の補助などに当たってきた他県職員の短期派遣が、7月末で終了します。今後も他県から受ける中長期派遣の技術系職員の応援などは続きますが、6月の豪雨でも被災した自治体などからは「人手が足りない」と不安の声が上がっています。

応援職員は個別の市町村から派遣を受けるケースもありますが、災害時応援協定に基づいて九州地方知事会が仲介して職員を派遣。熊本県や13市町村に19日現在、延べ4万5千人以上が投入されました。

災害対策本部の連絡調整や、避難所の運営、り災証明の被害認定調査などを担当。期間は原則1か月以内ですが、派遣元の府県や政令市は職員を交代し、派遣を続けてきました。阪神大震災の被災地、兵庫県から応援を受けた熊本県益城町が「ノウハウを一から教えてもらった。避難所での衛生マニュアルで感染症の発生を抑えられた」と評価するなど、大きな支えになったとのことです。

熊本県甲佐町が6月25日に受け入れを終了するなど、既に区切りを付けた市町もあります。地震発生から3か月余りが過ぎ、関連業務に一定のめどが付いたとして7月末の派遣の終了に各自治体が合意しました。

ただ、県内で3番目に多い延べ4940人を受け入れた御船町の藤木正幸町長は「6月の大雨が追い打ちとなり、被災はまだ続いている」と指摘。29日、応援に来ていた山口県職員の送別式では「町への愛情を感じた。この恩は一生忘れない」と送り出しましたが、今後の職員不足を不安視します。豪雨災害を受けた他の7市町は28日、人的支援や予算措置を内閣府に要望するなど、対応を求めています。

20日に応援職員の受け入れを終えた南阿蘇村は「通常業務に加え、今後はさまざまな復旧工事が本格化する。ほとんどの職員が十分な休みが取れない現状を考えると、負担が増えないか心配だ」と話しています。

⑫益城町と西原村で「福祉仮設住宅」整備へ!

熊本地震で被災した障害者に配慮して、熊本県が室内に段差のない「福祉仮設住宅」を熊本県益城町と西原村に整備することが29日、分かりました。仮設住宅については、車いす利用者から住みにくさが指摘されていました。

仮設住宅は28日時点で、16市町村で3813戸を着工。そのうち約1割は玄関にスロープを設けていますが、室内には段差があり、トイレの入り口が狭くて車いすで入れないなどの問題がありました。障害者が入居を断念したケースもありました。

整備する福祉仮設住宅は、木造2DKで約36平方メートル。車いすで移動しやすいよう通常の2DK(約29平方メートル)よりも広くなっています。入り口や室内に段差がなく、台所やトイレ、浴室なども、利用しやすい高さや広さに設定しています。

県によりますと、福祉仮設住宅は、東日本大震災などの被災地でグループホームタイプが整備されましたが、個別住宅タイプは初めてだそうです。

益城町、西原村が用地選定を進めており、戸数や着工時期は未定。県は、他の被災市町村にも整備の意向を聞いています。また国の災害救助費が活用できるよう、内閣府と協議します。

県健康福祉政策課は「仮設の入居対象となる障害者を具体的に把握できていなかった。ご不便を掛けたことをおわびし、一日も早く着工したい」としています。

「被災地障害者センターくまもと」事務局長の東俊裕・熊本学園大教授は「福祉仮設住宅の整備は評価したいが、対応が後手に回っている。通常の仮設住宅着工時に考慮してほしかった」と話しています。

⑬一時休業2万5000人、県内7月見通し!

熊本地震の影響で職場が被災し、一時休業(予定含む)に追い込まれた労働者が、6月は少なくとも1万7千人に上り、7月は2万5千人規模に達する見通しとなったことが29日、熊本労働局の「雇用調整助成金」受け付け状況で分かりました。休業者の多くは製造業勤務で、被災した工場などの復旧遅れが影響したとみられます。

雇用調整助成金(雇調金)は政府の被災企業支援策。経営が厳しくなった企業に対し、一時休業させた従業員に支払う給料の一部を補助し、労働者の雇用継続を後押しします。

雇調金活用のため、熊本県内企業が労働局に届けた休業者(予定者を含む)数は、熊本地震発生翌月の5月には2787人(117事業所)でしたが、6月は6倍超の1万7034人(372事業所)に急増。同局は、7月に2万5千人程度まで増えるとみています。

政府は、熊本地震の被災企業に雇調金を迅速に支給するため、事業所の経営状況の確認期間を短縮。年間100日だった支給限度日数を8月上旬から300日に延長するなど、休業の長期化に備えた雇用対策を強化しています。

届け出休業者数には事業所の閉鎖、縮小などに伴って解雇された労働者は含まれません。熊本労働局は「今後の休業者数の増減は見通せないが、地震による解雇などを減らすため、雇調金などの支援で雇用維持を図りたい」としています。

2.生活情報

【医療】

・県医師会などの「夜間小児救急電話相談」。♯8000またはTEL096(364)9999。午後19時~午前0時。

・県助産師会の「妊娠・産後電話相談」。TEL096(325)9432。平日午前10時~午後16時。

・労働者健康安全機構の「心と健康に関する電話相談」。心の相談フリーダイヤル(0120)783728。平日午前10時~午後17時。健康相談同(0120)021506。月・水・金曜午後13時~午後17時。問い合わせは熊本産業保健総合支援センターTEL096(353)5480。

・がん患者や家族の相談を、熊本大病院など県内19カ所所の「がん相談支援センター」で受け付けています。県健康づくり推進課TEL096(333)2208。

【銭湯】

『全県』

県公衆浴場業生活衛生同業組合の加盟施設が、自宅で入浴できない被災者を対象に無料開放しています。

熊本市内の菊の湯(中央区新町)、大福湯(同区坪井)、龍の湯(同区琴平本町)、大福湯(同区坪井)、たかの湯(東区栄町)、あしはらの湯(北区植木町)、松の湯(同)。同市以外はサンパレス松坂(山鹿市)、玉名ファミリー温泉(玉名市)、潮湯センター海老屋(長洲町)。

『山鹿市』

さくら湯は被災者の入浴料を無料に。「り災証明書」か身分証が必要。午前6時~翌日午前0時。

『熊本市』

ピースフル優祐悠は、避難所の利用者や自宅のふろが使えない人を無料に。午前5時~午前0時。住所、氏名、年齢の記入が必要。

『益城町』

阿蘇熊本空港ホテルエミナース「七福の湯」は、避難所の利用者や自宅のふろが使えない人を無料に。午前10時~午後22時。住所、氏名、年齢の記入が必要。

【災害ごみ】

『大津町』

午前9時~午後16時まで、旧杉水処分場で、解体木やコンクリートブロック、瓦などに限って受け入れます。

『菊陽町』

一時休止。31日の日曜午前9時~午後17時、津久礼の旧し尿処理場跡地で、コンクリートブロックや瓦などに限り受け入れます。8月の受け入れは未定。

『西原村』

平日と土曜の午前8時~正午と午後13時~午後17時、布田の村民グラウンドで受け入れます。天候次第で中止や時間変更もあります。8月からは午前8時半~正午、午後13時~午後16時半に一部短縮。

『小国町』

平日に町住民課が対応します。TEL0967(46)2115。

『南小国町』

平日に町町民課が対応します。TEL0967(42)1113。

『南阿蘇村』

火、金曜は受け入れ休止。それ以外は午前9時~午後16時半(午前11時半~午後13時は一時中断)、立野ダムストックヤード、長陽パークゴルフ駐車場。持ち込む際はごみの分別と、被災証明書か、り災証明書が必要。

『阿蘇市』

日曜は休止。

『産山村』

土日、祝日は原則休止。平日午前9時~午後16時、村住民課に連絡。

『熊本市』

日曜は、西部・東部の各環境工場(燃やすごみ)、扇田環境センター(埋立ごみ)の3カ所とも受け入れません。月~土曜は午前8時半~午後16時半に受け付けます。り災証明書のコピー、または、り災状況が分かる写真と印鑑を持参すれば、手数料を免除します(業者が運搬する場合は委任状が必要)。

市廃棄物計画課TEL096(328)2359。

『益城町』

火・水・木・土・日曜の午前9時~正午と午後13時~午後16時、旧益城中央小。地震で壊れた食器や家具、電化製品などの災害片付けごみは8月末で受け入れを終了します。

『御船町』

町民グラウンドで午前9時~正午、午後13時~午後16時。り災証明書(コピー可)か身分証明書の提示が必要。月・火曜休止。雨天時は休止もあります。

『甲佐町』

午前8時半~正午、午後13時~午後16時半、緑川グラウンド。毎週月曜日は閉鎖します。

『嘉島町』

浮島周辺水辺公園北側で、午前8時半~午後16時半。水・日曜は休止。8月から、時間を午前9時~午後17時に変更。13~15日の盆期間は休止します。

『宇土市』

水害ごみ搬入を宇土清掃センターで8月5日から再開します。11日まで。午前9時~正午、午後13時~午後16時。り災証明書か、被災状況が分かる写真を持参し、市へ申請が必要。畳、木製家具、毛布などが対象。

『宇城市』

家屋の公費解体や自主解体を市に申請した人を対象に、家具や家財を仮置き場に搬入できる許可証を発行しています。搬入期限は発行から2週間以内(日曜休止)。申請は平日のみで、り災証明書と身分証明書、印鑑を持参して衛生環境課へ。

【避難所】

『大津町』

大津地区公民館分館、老人福祉センター。

『阿蘇市』

阿蘇第2体育館のみ。同避難所は31日午後14時をもって閉鎖します。

『南阿蘇村』

本田技研体育館(大津町)。

『西原村』

構造改善センター。

『熊本市』

拠点避難所17カ所を含む22か所で受け入れています。

『益城町』

町総合体育館、町保健福祉センターなど13カ所。

『御船町』

町スポーツセンター。カルチャーセンターは31日まで閉鎖する予定。

『嘉島町』

町民体育館。

『宇土市』

轟地区体育館、走潟地区体育館。

『宇城市』

松橋老人福祉センター、希望の里サン・アビリティーズ、市武道館、ラポート、豊野公民館、河江コミュニティーセンター。

『美里町』

町福祉保健センター湯の香苑、中央庁舎、砥用庁舎。

【給水】

『南阿蘇村』

沢津野詰所前、長野公民館前、袴野集会所前、袴野集会所前、旧立野小グラウンドは午前9時~午後18時。東急第一別荘前、黒川交差点まどか前、長陽中央公民館前は終日。

『西原村』

西原中、山西小、河原小は終日。

『熊本市』

市上下水道局(中央区)で飲料水を提供します。

『益城町』

町総合体育館、町保健福祉センターなど13カ所。

『嘉島町』

町役場南側駐車場の水道を開放。

『美里町』

中央庁舎。

3.ここ一週間の地震

2016/07/31 08:30 31日 08:27頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/07/31 05:01 31日 04:58頃 新潟県上越地方 2

2016/07/31 03:05 31日 03:02頃 日高地方東部 1

2016/07/31 02:45 31日 02:42頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/07/30 23:26 30日 23:23頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/30 20:01 30日 19:58頃 熊本県熊本地方 2

2016/07/30 16:44 30日 16:40頃 千葉県東方沖 3

2016/07/30 14:33 30日 14:30頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/30 13:28 30日 13:25頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/30 10:55 30日 10:50頃 奄美大島近海 1

2016/07/30 07:23 30日 07:20頃 日向灘 1

2016/07/30 06:31 30日 06:20頃 マリアナ諸島 2

2016/07/29 17:10 29日 17:07頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/29 15:27 29日 15:23頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/29 15:03 29日 15:00頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/29 14:37 29日 14:34頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/29 14:29 29日 14:26頃 有明海 1

2016/07/29 12:45 29日 12:42頃 宮城県沖 2

2016/07/29 07:00 29日 06:56頃 択捉島南東沖 1

2016/07/29 05:41 29日 05:38頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/29 01:13 29日 01:10頃 青森県東方沖 1

2016/07/28 16:47 28日 16:43頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/28 08:29 28日 08:26頃 宮城県沖 1

2016/07/28 05:23 28日 05:19頃 福島県沖 2

2016/07/28 04:20 28日 04:16頃 千葉県東方沖 1

2016/07/27 23:52 27日 23:47頃 茨城県北部 5弱

2016/07/27 20:58 27日 20:54頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/27 20:38 27日 20:35頃 山梨県東部・富士五湖 1

2016/07/27 20:30 27日 20:26頃 有明海 1

2016/07/27 13:20 27日 13:17頃 熊本県熊本地方 2

2016/07/27 12:23 27日 12:20頃 宮城県沖 1

2016/07/27 05:38 27日 05:35頃 橘湾 2

2016/07/27 03:59 27日 03:56頃 上川地方北部 2

2016/07/26 22:31 26日 22:28頃 日向灘 1

2016/07/26 19:18 26日 19:15頃 根室半島南東沖 2

2016/07/26 17:30 26日 17:27頃 島根県東部 3

2016/07/26 00:16 26日 00:12頃 沖縄本島近海 2

2016/07/25 19:07 25日 19:04頃 有明海 1

2016/07/25 14:25 25日 14:20頃 伊豆半島東方沖 1

2016/07/25 08:36 25日 08:33頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/25 07:15 25日 07:11頃 熊本県熊本地方 1

2016/07/25 06:45 25日 06:42頃 熊本県熊本地方 2

2016/07/25 04:32 25日 04:29頃 伊豆大島近海 2

2016/07/25 03:10 25日 03:04頃 千島列島 1

2016/07/24 23:35 24日 23:32頃 有明海 2

2016/07/24 20:20 24日 20:16頃 伊豆半島東方沖 1

2016/07/24 18:04 24日 18:01頃 熊本県熊本地方 2

2016/07/24 14:03 24日 13:59頃 伊豆大島近海 1

2016/07/24 13:57 24日 13:54頃 伊豆大島近海 3

2016/07/24 13:21 24日 13:17頃 伊豆大島近海 2

2016/07/24 11:55 24日 11:51頃 十勝地方中部 4

2016/07/24 11:18 24日 11:14頃 伊豆半島東方沖 1

2016/07/24 11:15 24日 11:12頃 伊豆大島近海 2

2016/07/24 09:54 24日 09:51頃 千葉県北西部 2

2016/07/24 07:32 24日 07:29頃 伊豆大島近海 2

2016/07/24 07:13 24日 07:09頃 伊豆大島近海 1

2016/07/24 06:55 24日 06:52頃 宮城県沖 1

2016/07/24 06:42 24日 06:39頃 伊豆大島近海 1

2016/07/24 06:40 24日 06:37頃 伊豆大島近海 2

2016/07/24 02:48 24日 02:44頃 伊豆大島近海 3

2016/07/24 02:39 24日 02:36頃 伊豆大島近海 2

2016/07/24 02:35 24日 02:32頃 伊豆大島近海 2

2016/07/24 01:06 24日 01:02頃 伊豆半島東方沖 1

2016/07/24 01:02 24日 00:59頃 伊豆大島近海 3

(続く)

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