【連載188】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?

10月18日火曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

*下記熊本情報はあらゆる箇所で重複しています。ご了承ください!

皆様こんにちは。国の補助事業を利用して建てられた木造公営住宅や集会所について会計検査院が調べましところ、秋田県や島根県などの13棟が建築基準法で定められた設計や施工をしておらず、十分な耐震性を備えていなかったことがわかりました。柱や土台の接合などが不十分だったそうです。

◆13都道県の259事業調査

査院は接合方法の確認に重点を置いたチェックリストの作成を国土交通省に求めました。

木造建築物の接合部の仕様は2000年に建築基準法にもとづく告示で明確化されました。同年以降は原則、告示に沿って、ボルトなど金物を柱に取り付けて筋交いや土台などと接合します。検査院が調べたのは、11~15年度の13都道県での259の公営住宅整備事業。その結果、秋田県男鹿市や島根県益田市の計10棟の木造公営住宅が告示通りの接合方法などになっていませんでした。岡山県瀬戸内市の集会所や秋田県北秋田市の倉庫2棟も同様でした。

これらの建物の柱に取り付けられた金物では、強い地震や風によって柱が土台などから引き抜かれる恐れがありました。建築技術の専門知識がある職員がいないことなどが原因でしたた。

13棟の建築では、国交省の交付金計約1億4千万円が使われました。告示通りの施工になるように補修工事を進めているとのことです。

検査院は昨年までに、接合方法が不適切などとして、今回の13棟とは別に公営住宅など10棟を「不当」と指摘していました。しかし、国交省は具体的な再発防止策を自治体に示していなかったようです。

国交省は「検査院の指摘を踏まえ、適切な対応を考えていきたい」としています。

◆地震、倒壊の原因にも

今年4月、震度7の地震に2度襲われた熊本県益城町。同町を中心に建築被害の原因分析を行っている国交省などの有識者委員会の報告書によりますと、1981年の新耐震基準で建てられ、接合部の仕様が明確化された00年6月より前の木造建築物は、877棟のうち、76棟が倒壊していました。

一方、同月以降に建てられた319棟で倒壊したのは7棟だけでした。7棟を詳しく調べてみますと、このうち3棟は接合部の仕様が不十分だったそうです。建築研究所(茨城県つくば市)の五條渉・研究総括監は、「熊本地震では多くの木造住宅が倒壊などの被害にあったが、00年以降に建てられた木造住宅の被害は限定的だった。接合部などが00年の仕様通りになっていれば、倒壊防止に有効なことが裏付けられたといえるのではないか」と指摘しています。

一連の熊本地震で被災した人たちの心のケアに、精神科医や臨床心理士などがあたる「こころのケアセンター」が熊本市に設けられました。

「こころのケアセンター」は、熊本県が熊本市にある県精神保健福祉センターに設置し、昨日17日に開所式が行われました。

開所式では熊本県健康福祉部の古閑陽一部長が、「地震から半年がたち、被災した人たちの声なき声にどう対処していくかが課題で、センターを中心に丁寧に対応していきい」とあいさつしました。

「こころのケアセンター」には、精神科の医師や臨床心理士、保健師など7人が常駐して、被災した人たちから電話での相談に応じるほか、仮設住宅で暮らす人などを訪問して心のケアにあたるということです。

センターを運営する県精神科協会の相澤明憲会長は「被災直後は精神的に疲れていることに気付かないケースもある。まずはどんな支援が必要とされているのか把握して、対応していきたい」と話していました。

去年、再稼働して、今月から定期検査のため運転を停止している鹿児島県の川内原子力発電所1号機で、原子炉の核燃料を取り出す作業が報道陣に公開されました。

川内原発1号機は、原発事故後に作られた新しい規制基準の下、去年8月、全国で初めて再稼働し、今月6日からは再稼働後、最初の定期検査に入り運転を停止しています。

検査では、原子炉から157体の核燃料をいったんすべて取り出し、このうちおよそ3分の1を新しいものと交換することにしていて、15日から取り出す作業を行っています。

昨日17日は作業が報道陣に公開され、クレーンを使って原子炉から燃料を1体ずつ取り出したあと、原子炉建屋の隣の建物にある燃料プールに移していました。

九州電力は、今朝18日朝までに、すべての燃料を取り出すことにしていて、その後、原子炉に異常がないかなど、点検を行うことにしています。

また、九州電力は鹿児島県の三反園知事の要請を受け、法令で定められた定期検査の項目とは別に、10項目の特別点検も行っていて、今後、原子炉の中にカメラを入れて、熊本地震の影響で内部に変形が起きていないかなどを確認することにしています。

川内原子力発電所の米丸賢一次長は、これまでの検査で異常は見られていないとしたうえで、「今後も安全確保を最優先に、検査や作業を丁寧に緊張感を持って進めていきたい」と話していました。

川内原発1号機の定期検査は来年1月6日まで行われ、九州電力は途中、12月上旬には原子炉を起動し、運転を再開する計画です。

*ブログでも同じ熊本情報を掲載しています。ご参考までに

http://ameblo.jp/onmitsudoshintenpoji/entry-12210838644.html

1.被災地情報

①熊本地震、初期対応の反省点は 当時の県総務部長

熊本地震発生時の県総務部長で、県庁で指揮を執った木村敬・総務省公営企業課理事官が、福岡市内で7日に講演しました。避難所運営やり災証明書の発行などの初期対応について反省点を語り、「今後も(他の)大都市で同様の事態が起きうる」として事前の備えの必要性などを説きました。

木村氏は今回の地震の特徴を「延々と揺れ続け、死者数に比べ建物被害が非常に多く、17万棟に上った。そして壊れた程度がまちまちだった」と説明し、その結果、大量の被災者への対応に追われたのことです。

避難所については、70万人都市の熊本市で11万人以上が避難所に押し寄せたとして、「福岡なら何倍にもなる」との見方を示しました。また、郊外の温泉宿が避難所に役立つと考えたが、被災者が「家から離れるのが不安で、遠くに行きたがらなかった」ため、利用が少なかったことを紹介しました。

避難所の運営面では「学校への避難が多く、自治体職員が運営するものだが(職員不足で)先生に負担がかかった所もあった」と振り返ったうえで、「住民がサービスを受ける人ではなく、自主的に運営するようにすべきだった。それによって住民も成長する」とし、その後の地域づくりにも生きると述べました。

り災証明書の発行については「(被害程度の判定で)もめにもめている。業務をいかに円滑に進めるかは、大きな反省点だ」とし、他の都市部でも事前に態勢を取るべきだとしました。

また、自治体への応援職員の派遣について、市町村ごとに担当する県を決めたことがうまくいったと評価。西原村では、東日本大震災の被災自治体に派遣経験のある職員や被災した東松島市からOBを迎えたことで円滑に業務が進んだと説明しました。一方で、複数の自治体が応援に入ったため支援方針で意見の相違などが生じトラブルになったケースもあったと述べました。

このほか、災害発生後、生存率が下がる3日後までに大半の人命救出作業を終えることができたのはよかった点だとしました。その理由として、自衛隊の西部方面総監部が県庁に近かったことや、警察、消防との連携がうまくいったこと、地元消防団が活躍したことを理由にあげました。

官邸の「プッシュ型支援」については「政権が強いのはいいことだが、各省庁が『ご機嫌取り』で指示が山のように来た」と苦言を呈しました。

②熊本で割合低い「復興」検索 分布図が示す全国との違い

「熊本地震」という言葉と一緒にネットで検索された語句を分析することで、人々の関心の変化を見ることができます。この「第2ワード」の傾向をより詳細に分析しますと、熊本と全国とで、求める情報の質が異なっていく様子がはっきりと浮かびました。

ヤフーの検索ワード分析。今年4月14日の地震発生から半年間に検索された主な「第2ワード」について、全国からの検索数と、熊本県内からの検索数をそれぞれ出し、分布図を作りました。

横軸は、全国からの検索の割合。右に行くほど検索数が多い語句になります。縦軸は、全体の検索数のうち、熊本県からの検索の割合。左上ほど、全国的には関心が低くても、熊本県内で頻繁に調べられていた語句です。分布図は月ごとに作成しました。

◆避難所フェーズは「余震」「温泉」

熊本の人たちが検索した語句に注目すると、時間の経過とともに、被災者が次々にぶつかった課題が分かります。

4月中、熊本県では余震が続いた。震度1以上は1千回超。「寝ている人のほとんどが目を覚ます」規模とされる震度4以上の揺れでも170回ありました。こうした中で検索される割合が高かった語句は、【余震 いつまで】【いつまで続く】などでした。

また、【温泉】【水道】【断水】も多くありました。4月16日未明にあった最大震度7の本震の後には県内で最大39万戸が断水。県浴場組合や自衛隊は直後から温泉を無料で開放しました。多くの被災者が日々の生活に必要な情報を求めたと見られます。

熊本市出身で、地震直後から現地入りして避難所運営の支援などを行ったNPO法人カタリバの今村亮さん(33)は、「4月は避難所・車中泊フェーズで、11万人が避難暮らしをしていた。夜に家に帰るのが怖いと不安を感じる人や、生活情報を求める人が多かった現場の感覚と重なる」と話しています。

◆「避難所から日常」の5月

5月に入りますと、熊本での震度1以上の余震は4月の半分になり、震度4以上の余震は8回と前月から大幅に減りました。【今後 予言】【今後 予想】【いつまで】などの検索割合は相変わらず高くありましたが、一方で急浮上したのが【罹災証明】【支援金】【補助金】などでした。

り災証明書は、家屋や事業所の被害について市町村が調査し、「全壊」「半壊」「一部損壊」などに区分して発行するもの。生活再建支援金や義援金の受給のほか、仮設住宅の入居にも必要となりますが、庁舎が被災した自治体もあって、発行は滞りました。

今村さんは、「5,6月は、避難所暮らしから日常生活を徐々に取り戻すフェーズ。1日並んでも証明書が発行されないなど、り災証明の話題で持ちきりだった」そうです。

◆被災地の関心はより具体的に

6月に入りますと、全国でも、熊本でも、地震関連の検索数は落ち着いてきます。その半面、熊本では検索ワードがより具体化、細分化していました。

特に割合が高かったのは、【応急修理】【解体費用】といった自宅に関する語句や、【義援金 二次配分】【地震保険】など。【り災証明】も高水準を保っています。

「余震への不安が大きかった4,5月から、6月は生活を取り戻すフェーズ。そして、7,8月は仮設住宅への転居のフェーズだった」と今村さんは振り返ります。

7月に熊本で検索されたのは、【半壊 義援金】【医療費免除】【見舞金】。8月は【固定資産税】。固定資産税の減免措置については被災地でも関心が高かったようです。

一方で、全国の人たちの関心はどうだったのでしょうか?

熊本で余震が頻発していた4~5月にかけて、全国的に検索数が多かった語句は、【募金】【ボランティア】などです。

京都大学防災研究所の矢守克也教授は、「『救援される被災地』と『救援すべき自分たち』という枠組みを組み立てることで、被災地外の人たちが落ち着くという心理がある。これらの語句はその心理作用を表している」と指摘します。

また、4~5月に全国的に検索割合が多い【死者】【被害】【被害状況】などについては、「地震の客観的な規模を知ることで、『何かよく分からない大災害』という不安を取り除きたい、という欲求から検索されている」と説明します。

◆消費される言葉

7月以降、全国では熊本地震に関する検索はほとんどなくなっていましたが、そんな中で特徴的だったのは、7月に一時的に検索数が増えた【ライオン】。地震直後に「ライオンが放たれた」と画像付きでツイッターにデマを流した男(20)が熊本県警に逮捕されたことが7月20日に報道され、全国的に関心が高まりました。

しかし、熊本での検索割合は少なく、検索数が同等の【り災証明】の4分の1程度しかありませんでした。

今村さんは、「ライオンに関しては、ツイッターなどでこうしたニュースを『ネタ』として楽しむ全国の層が、ネタ的に消費をした」と見ています。生活再建のための情報収集をネット上でしていた被災者とは、大きく意識が異なっていっています。

全国的な検索数に対して、被災地での割合が低い語句として「復興」も挙げられます。「被災地で日常生活に困っている人は、『復興』という言葉は実は使わない。被災地が取り残されるという危機感を持つ『意識が高い』人が使う」。

今村さんは、「全国と被災地で関心が異なってくるのは仕方がないことで、問題だとは思わない」と言います。「被災地が考えるべきは、『ライオン』や『復興』のように、現実生活と離れて消費されてしまうようなワードではなく、もっとポジティブに全国で受け入れられるような発信を、どう行っていくかだと思う」。

②予算要求15%減に設定 復旧財源を捻出、熊本市

熊本市は昨日17日、2017年度の予算編成方針を発表しました。市の各局に対し、道路建設などハード事業を除くソフト事業について、前年より15%を削減する要求基準(シーリング)を設定します。市の一般会計の規模は3千億円程度ですが、シーリングによって約30億円の自主財源を捻出するとしています。熊本地震からの復旧・復興の財源とします。

市は1997年度から、基本的に各局の予算要求を前年度より抑えてきました。15%の削減幅は過去最大で、政府の「三位一体改革」などの影響で緊縮財政となった06年度の10%削減を超えるとのことです。

ソフト事業の中でも地震関連の事業は、シーリングの対象外とします。市主催のイベントの費用や調査委託費、施設の清掃や警備委託費などが対象となります。

市各局はこの方針を踏まえて予算を要求。市長査定などを経て、来年2月までに市の予算案を決定します。

市によりますと、17年度の地震関連の経費や税収への影響は現時点で不明です。市財政課は「シーリングだけでは、財源不足を解消できない」とします。このため財政調整基金を活用するほか、未利用地の売却を進める。職員の時間外勤務も15年度実績より35%少なくし、約7億円の人件費削減を目指すとのことです。

17年度一般会計の予算規模は地震関連を除いても3055億円となる見込みで、前年度当初比27億円増。さらに17年度から教職員給与(約340億円見込み)も市が負担するため、11年1連続で過去最大になるのは確実だそうです。

③57号迂回路、カメラや照明灯の設置開始!年内完成

国交省と熊本県は昨日17日、熊本地震により南阿蘇村立野で寸断された国道57号の代替迂回路となっている県道に、監視カメラや照明灯などの設置工事を始めました。

国交省は迂回路の大津町引水-阿蘇市赤水間の13.6キロで9月末から、凍結時のチェーン着脱場などで利用できる待避スペース9カ所の工事を開始。冬季対策や渋滞情報発信などの充実を目的に、追加して実施します。

国交省熊本河川国道事務所によりますと、監視カメラは沿線に22基設置。阿蘇市の二重峠付近に多いカーブや交差点などを中心に設け、沿線のほぼ全域を監視できるようにするそうです。照明灯も監視カメラ近くに22基設けます。完成後、カメラの映像は同事務所と県のホームページで公開します。

併せて距離表示板も137基設置。赤水交差点を起点に100メートルごとに設け、故障車や事故車発生時に迅速に対応するようにする。一部は工事済み。

工事はいずれも夜間で、交通規制はしないという。同事務所は年内に完成させたい考えです。

➃復興計画、住民と意見交換! 益城町

熊本県益城町は昨日17日、熊本地震に伴う復興計画に関する町民との意見交換会を始めました。12月中の策定を目指す復興計画に町民の声を反映する狙いで、22日まで地区別に7回開きます。

7~8月に実施した意見交換会に続いて2回目。今回は震災復興本部が12日に決定した復興計画の骨子について意見を募ります。

初日は町公民館飯野分館であり、住民ら33人が参加。町が主要幹線道路の県道熊本高森線をまちづくりの中心軸とする復興計画の骨子を説明。検討中の取り組みとして「仮設住宅や災害公営住宅を結ぶ公共交通機関の整備」「地表に現れた断層の保全と防災教育の充実」などを挙げました。

住民からは「バス路線を充実してほしい」「道の駅など地元農産物を販売する施設を造ってほしい」などの意見が出ました。

⑤被災地の食材、学園祭に

熊本大の学園祭「紫熊祭(しぐまさい)」実行委員会の学生が15日、熊本地震で被災した益城町赤井の農業坂井謙二さん(65)の田んぼで草取りに汗を流しました。実行委は学園祭で食堂の出店を計画。坂井さんが収穫したコメを使って料理を振る舞います。

地震で自宅や小屋が全壊した坂井さんは現在、近くの仮設団地に入居。無農薬で育てる田んぼの手入れもままならず、雑草に覆われてしまったそうです。仮設団地の住民を対象にした調査で坂井さんと知り合った同大が、ボランティアでの除草を呼び掛けました。

この日の作業は、10月初めに続いて2回目で15人が参加。1年の中山祐樹さんは「前回は田んぼの半分しか除草できず、心残りだった」と話し、胸の高さまで伸びた雑草を鎌で刈っていきました。

坂井さんは「皆さんに元気をもらった。10月下旬には稲刈りしたい」と笑顔で感謝。3年の菊池豊さんは「学園祭に来てもらって、ぜひご飯を食べてほしい」と話していました。

実行委が計画する「ふるさとの味 元気食堂」は、坂井さんのコメなど地震の被災地で採れた食材を使う予定。益金は被災地支援に寄付します。学園祭は11月4~6日、同大黒髪キャンパスで。

⑥最新おもちゃで子どもに笑顔

熊本地震で被災した子どもたちに、最新のおもちゃ遊びを楽しんでもらう「くまもとキッズ博」が16日、熊本市中央区の熊本学園大で開かれました。会場には夢中になって遊ぶ子どもたちの笑顔が広がっていました。

日本玩具協会と同大でつくる実行委主催。キッズ博は東日本大震災の復興支援イベントとして、同協会などが宮城県で2011年から毎年開いています。熊本地震から半年を機に、熊本では初めて企画。同大の学生約70人がボランティアスタッフとして参加しました。

エポックやコナミなど玩具メーカー30社が人形やブロック、ボードゲームなど約300種類を準備。子どもたちは思い思いのおもちゃを手に、歓声を上げていました。

中央区の主婦、紫垣祐子さん(45)は小学1年生の結衣さんと訪れ、「地震後、子どもが不安がるときがあった。今日は楽しく遊べて良かった」とほほ笑んでいました。

⑦甲佐町に「みんなの家」完成

甲佐町  甲佐町の白旗仮設団地に16日、入居者の意見や要望を反映した集会所「みんなの家」が完成しました。県が熊本地震の仮設団地内に整備しているみんなの家のうち、住民提案を生かして建てられた集会施設の第1号。

みんなの家は、団地の規模で設置棟数やタイプが異なりますが、2棟目には住民の意見を取り入れることになっています。すでに1棟整備されている白旗団地では2棟目について議論し、設計者に要望を伝えていました。

完成したみんなの家は木造平屋(約60平方メートル)で、バーベキューなどが楽しめる屋根付きのデッキを備えています。キッチンは対面式。子どもの学習などに役立てようと、約3メートル四方の黒板壁も設けました。

内覧会では、約30人が室内を見て回り、子どもたちはさっそく黒板に絵を描いていました。入居者の下坂一郎さん(85)は「団地が元気づくきっかけになれば」と期待を込めていました。

県によりますと、みんなの家は9月末で整備予定の83棟のうち56棟が完成。入居者提案によるものは、8団地8棟で整備します。

⑧今後の支出「引き締め」傾向

地方経済総合研究所(熊本市)は、県内女性の消費予報調査をまとめました。熊本地震の発生前と比較した暮らし向きについて尋ねたところ、「元の生活に戻った」など改善しているとの回答が6割に上った一方、再建に時間がかかるとの回答も2割ありました。

改善の内訳は「ほぼ元の生活に戻った」が37.4%、「元の生活に戻りつつある」が22.1%。再建に時間がかかるの内訳は、「元に戻るのに時間がかかる」が16.6%、「戻るめどが立たない」が3.5%でした。

再建に時間がかかると答えた世帯は「家が全壊し、仮住まい状態」(50代専業主婦)や「勤め先が休業した」(20代パート)などの被害を理由に挙げました。

同研究所は「今後の生活の見通しについても悪化すると回答する割合が多かった」としています。

一方、今後の支出について、「緩める」と答えた割合から「引き締める」の割合を引いた指数はマイナス55.2でした。前回の2015年11月調査を3.9ポイント下回り、1999年の調査開始以来で最低となりました。

同研究所は「地震で被災し、予期せぬ支出が発生したことから貯蓄の必要性を実感した世帯が増えた」と分析しています。

7月に県内在住の20歳以上489人を対象に行いました。

⑨仮設生活、ルール模索、避難勧告続く南阿蘇村立野住民ら

熊本地震から半年。土砂崩れが多発し、避難勧告が続く南阿蘇村立野地区の約100世帯は、隣接する大津町の仮設団地3か所で暮らしています。村中心部につながる阿蘇大橋が崩落し、村外での生活は続きそうだが、「一歩ずつ前に進みたい」と動きだしました。

「集会所を法事で使っていいのか」「消防訓練はどうする」。同町室の南出口仮設団地(78戸)の集会所では毎月1回、住民の代表が集まって会議を開きます。時間の多くは、駐車場や集会所の利用法など生活上のルールづくりに割かれます。進行役を務める元郵便局員の矢野克巳さん(70)は「仮設生活はみんな初めて。生活しながら決めていくしかないし、うまくいかなければ、また話し合えばいい」と話しています。

同団地の約3割は大津町の住民で、複数の自治体の被災者が暮らす県内唯一の仮設団地。入居が始まって2カ月半になりますが、住民同士の交流はこれからだそうです。矢野さんは「立野と大津はもともと生活圏が近く、顔を合わせる機会が増えれば自然と距離も近づく」と期待しています。

一方、同町岩坂の岩坂仮設団地(43戸)と同町室の室第2仮設団地(13戸)は、南阿蘇村民用に整備された仮設団地で、立野の住民が大半を占めます。

入居開始から3か月が過ぎた岩坂団地では、地域の行事に招かれるなど地元との触れ合いも始まりました。住民代表の一人で自営業の郷郁夫さん(63)は「ようやく生活も落ち着いた。これからはサークル活動など住民による自発的な取り組みを呼び掛けていきたい」と意欲を示しています。

⑩熊本県へのふるさと納税48億円突破

熊本地震後に増加している県へのふるさと納税額が4~9月の半年で、48億円を超えたことが16日、県のまとめで分かりました。使途の指定がなければ、どのような経費にも使える一般財源として活用されますが、県は「復旧・復興に活用してほしいとの寄付者の意向に沿いたい」としています。

県税務課などによりますと、県が直接受け付けた寄付は9月末現在、1万9580件の45億3517万円。これとは別に、他県の自治体が熊本県への寄付を代行受け付けした分が計2億87400万円届いており、合計は48億2258万円。昨年同時期は3499万円で、金額は137.88倍に増えました。年間の寄付額では、これまで2010年度の1億3773万円が最高でした。

県が直接受け付けた寄付の月別の件数では4月の7157件、5月の7292件がピーク。6月は2211件、7月は1176件、8月929件、9月815件と減少傾向にありますが、例年の月200~300件に比べれば高水準が続いています。

一方、市町村は、7月末現在の県の集計で、寄付を受けた44市町村の合計が6万764件の10億6146万円に達しました。前年同時期は6397件の1億2493万円で、件数は9.5倍、金額は8.5倍となっています。

被災自治体を中心に多く寄せられており、南阿蘇村は1万3285件の2億4190万円、益城町は3385件の1億3697万円で、前年度の年間受取額に対し、南阿蘇村は7倍、益城町は88倍を超えました。

南阿蘇村総務課は「返礼品を不要という寄付者が多く、増加分は大半が支援目的と考えている。気持ちに沿うように使い道を検討したい」としています。

ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付をすると、居住地の住民税などが軽減されます。

2.ここ一週間の地震

2016/10/18 08:27 18日 08:24頃 鳥取県中部 2

2016/10/18 06:00 18日 05:56頃 岩手県沖 1

2016/10/18 01:05 18日 01:02頃 熊本県天草・芦北地方 2

2016/10/17 15:03 17日 15:00頃 茨城県沖 1

2016/10/17 12:38 17日 12:35頃 岐阜県飛騨地方 1

2016/10/17 12:21 17日 12:18頃 有明海 1

2016/10/17 11:49 17日 11:46頃 宮城県沖 1

2016/10/17 02:26 17日 02:23頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/16 21:47 16日 21:43頃 十勝地方南部 2

2016/10/16 20:20 16日 20:17頃 有明海 1

2016/10/16 20:02 16日 19:59頃 静岡県西部 1

2016/10/16 19:32 16日 19:29頃 根室地方中部 1

2016/10/16 18:35 16日 18:31頃 福島県中通り 2

2016/10/16 17:03 16日 16:58頃 宮城県沖 3

2016/10/16 16:41 16日 16:37頃 宮城県沖 4

2016/10/16 15:19 16日 15:14頃 宮城県南部 1

2016/10/16 14:41 16日 14:38頃 宮城県沖 2

2016/10/16 13:54 16日 13:51頃 石川県能登地方 1

2016/10/16 08:07 16日 08:03頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/10/16 05:39 16日 05:36頃 長野県中部 1

2016/10/15 21:58 15日 21:55頃 熊本県熊本地方 2

2016/10/15 16:29 15日 16:26頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/15 11:28 15日 11:25頃 熊本県熊本地方 2

2016/10/15 10:38 15日 10:34頃 熊本県熊本地方 2

2016/10/15 09:47 15日 09:44頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/15 09:45 15日 09:41頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/15 09:43 15日 09:38頃 熊本県熊本地方 3

2016/10/15 07:16 15日 07:12頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/15 07:14 15日 07:10頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/15 03:37 15日 03:34頃 青森県東方沖 1

2016/10/15 03:22 15日 03:19頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/15 00:34 15日 00:31頃 岐阜県美濃中西部 1

2016/10/14 19:25 14日 19:21頃 福島県沖 2

2016/10/14 04:00 14日 03:57頃 島根県東部 2

2016/10/13 20:11 13日 20:07頃 宮城県沖 1

2016/10/13 05:07 13日 05:04頃 岐阜県美濃中西部 1

2016/10/13 01:22 13日 01:18頃 茨城県沖 2

2016/10/12 22:35 12日 22:32頃 熊本県熊本地方 2

2016/10/12 19:24 12日 19:20頃 福島県会津 1

2016/10/12 18:30 12日 18:27頃 十勝地方南部 1

2016/10/12 15:59 12日 15:56頃 熊本県熊本地方 3

2016/10/12 15:57 12日 15:54頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/12 08:09 12日 08:05頃 房総半島南方沖 2

2016/10/12 06:20 12日 06:17頃 熊本県熊本地方 2

2016/10/12 04:06 12日 04:02頃 十勝地方南部 3

2016/10/12 01:19 12日 01:16頃 熊本県熊本地方 1

2016/10/11 12:40 11日 12:37頃 茨城県南部 1

2016/10/11 06:50 11日 06:45頃 熊本県熊本地方 3

2016/10/11 01:04 11日 01:00頃 福島県沖 2

(続く)

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