ABBAのベストソング11選

──「トップ10」じゃ物足りない?1曲追加でお届けします!

ほんの10年ちょっとの間、ポップ・ミュージックの主役はABBAでした。
フリーダ、ベニー、アグネタ、ビヨルンの4人は1970年代を支配し、家庭、心、ダンスフロアを永遠に色あせない楽曲で満たしてきました。

彼らのレガシーは今も生き続けています。ロンドンの「ABBA Voyage」や、ミュージカル&ショーの『マンマ・ミーア!』、そして『マンマ・ミーア!ザ・パーティー』などを通じて。

「ABBA Voyage」のセットリストはほぼ無敵とも言えますが、今回はその偉大なる楽曲の中から、あえて11曲に絞ってベストを選出してみました。
……簡単な作業ではありませんでした。

11位「The Day Before You Came(ザ・デイ・ビフォア・ユー・ケイム)」

一見シンプルなシンセのループと単調な日常の描写。ABBAらしいドラマ性からは距離を置いた曲ですが、それゆえにより深い意味合いを持って聴こえてくるのです。

この曲は(2021年の再結成前に)ABBAが最後にレコーディングした楽曲であり、アグネタの声に宿る哀しみは、単なる演技を超えて胸に沁みます。
どこか
氷のように冷たく、不気味さすら漂うサウンドなのに、不思議とキャッチーでもあるという絶妙な1曲。

10位「The Winner Takes It All(ザ・ウィナー)」

「ザ・デイ・ビフォア・ユー・ケイム」がラストだったとしても、「ザ・ウィナー」はまさに“最後”にふさわしい感情の爆発を感じさせる1曲。

ビョルンはこれが自身とアグネタの離婚をテーマにした曲ではないと主張してきましたが、それでもアグネタが歌うことで特別な重みが生まれ、ファンの心にずっと残り続けています。

9位「Chiquitita(チキチータ)」

地中海の風を感じさせるこの1979年の大ヒット曲は、ミュージカル『マンマ・ミーア!』が生まれる遥か前から、島への旅情をかき立てていました。

ディスコ色の強いアルバム『ヴーレ・ヴ―』の中にあって、控えめで優しいこの曲は異彩を放っています。
でも、陽気なリズムと心温まるメッセージが、多くの人の心に響いたことは間違いありません。

8位『When I Kissed The Teacher(ホェン・アイ・キィスト・ザ・ティーチャー)」

えっ!? と思う方もいるかもしれませんが、これはビヨルン本人がお気に入りの1曲だと語っている曲。

アルバム『アライヴァル』の1曲目としては意外な選曲だったかもしれませんが(「ダンシング・クイーン」や「ノウイング・ミー、ノウイング・ユー」を差し置いて!)、
とにかく楽しくてお茶目で、みんなで歌いたくなる名曲です。

7位「The Name Of The Game(きらめきの序曲)」

この曲はイギリスで大ヒットし、1か月もの間チャート1位を獲得しました。
オープニングのリズムはまるでTalking Headsのようにも聴こえますが、実はスティービー・ワンダーの「I Wish」にインスパイアされたもの。

でも、やっぱり注目すべきはサビの美しさと情感のこもったメロディ。思わずその場で両手を広げてスウェイしたくなるような1曲です。

6位「Knowing Me, Knowing You(ノウイング・ミー、ノウイング・ユー)」

アラン・パートリッジファンにも人気の1曲。これはABBAにとって初期の“失恋ソング”で、
フリーダのボーカルがとにかく素晴らしい!

サビで力強く感情を爆発させる前の、ディスコ調の静かな緊張感がたまりません。ピアノの“突き刺すような音”が胸をつき、ため息混じりの「Aha」が印象的。

5位「SOS」

イントロの哀愁漂うピアノがアグネタの寂しげな声に寄り添い、そこから勢いのあるシンセとコーラスで一気に感情を引っ張っていく展開。

まさに感情の反転が鮮やかな一曲で、ピート・タウンゼントやザ・キンクス、さらにはセックス・ピストルズにまで愛されたロック的要素の強い曲でもあります。

4位「Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)(ギミー!ギミー!ギミー!」

グレイテスト・ヒッツに新曲として追加された異例のヒット作
あのシンセリフ、跳ねるようなベース、そして「ギミー!ギミー!ギミー!」と叫ぶ力強いコーラス──勝利を確信した曲だったのは間違いありません。

3位「Voulez-Vous(ヴーレ・ヴー)」

クラブ、地下鉄、職場、どこでも派手に登場したい時に最適な1曲
ABBAが「バラード路線」から「ディスコ」に本格シフトしたアルバム『ヴーレ・ヴ―』のタイトル曲。

ギター、ベース、そしておなじみの「Aha!」がたまらない。
一度聴いたら、また再生せずにはいられない1曲です。

2位「Dancing Queen(ダンシング・クイーン)」

もうこれは誰もが予想していたでしょう。ABBA最大の代表曲であり、世界中のポップファンが一度は踊ったであろう不朽の名曲。

「夜は若く、音楽は高鳴り」──世界の中心にいるような気分にさせてくれる曲です。
ピアノのグリッサンドはまるでセロトニンの爆発
弦の浮遊感、ディスコのハイハット──すべてが時代を超える輝きを放っています。

1位「If It Wasn’t For The Nights(イフ・イット・ワズント・フォー・ザ・ナイツ)」

これを1位に選んだことに驚くかもしれません。でも、これはポップ史上最大の過小評価作品の一つかもしれません。

『ヴーレ・ヴ―』のリードシングルは結局「チキチータ」になりましたが、もしこの曲が出ていたらと思わずにいられません。
明るくポップなディスコサウンドの中に、夜が怖くて仕方ないほどの孤独や不安が織り込まれ、
サビでは歓喜と哀しみが交錯するような高揚感が込み上げてきます。

ABBAの曲を聴く理由って、まさにこういう瞬間のためなのでは?

https://discover.ticketmaster.co.uk/music/the-best-abba-songs-ranked-53447/

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