ベニーはカムバック・アルバム『Voyage』を完成させた後、グループはもう音楽を作らないと語っています。1983年に活動停止したABBAの4人組は、このアルバムと、来年ロンドンの特注劇場で開催されるバーチャルベースのステージショーの制作に数年を費やしました。しかし、ガーディアン紙とのインタビューでベニーは『Voyage』で未完成のまま残された2曲はそのままにしておき、バンドが再びスタジオに戻ることはないだろうと述べました。
「This is it」 と彼は言いました。「そうでなければならないんだ。1982年の時点では、実は『this is it』とは言っていないんだ。私自身、ABBAは二度と起こらないと言ったことはない。でも、今なら言えるよ。これがそうだ」と。また、今回の決断は、過去にあった個人的な問題とは何の関係もないと付け加えています。「私たちは何年も前からお互いに会っていて、いろいろなことで会っていました。私たちは友人です。つまり、ビヨルンとアグネタには子供や孫がいるのだから、話が合うに決まっているじゃないか!」。「私もフリーダとは友達だから、何の問題もないよ」。
実際、ビヨルンは再び一緒に仕事をすることをとても楽しんでいたという。「何かできるかどうか試してみるのは、本当に楽しかったです」と彼は説明する。「もし、自分たちのやったことが自分たちの望む水準に達していなければ、そのことは忘れてしまおうということを、誰もが完全に認識していたと思います。その点ではプレッシャーはありませんでした」。さらに、ベニーと一緒に2016年頃に作曲を始めたときには、外部からの影響を意図的に無視していたと付け加えました。
「私たちは早い段階で、他の何かを見ようとはしないと決めました」「今できる最高の曲を作るだけです。それは、この40年間の思いを込めて、願わくば年齢を重ねることで生まれる深みのようなものを加えて、40年前に書いた歌詞とは違うものにしたいという意味でした」。
ベニーは、当初の計画では2曲だけ書く予定だったが、後に断念したと述べています。「もしツアーに出ていたら、誰もが新曲を2、3曲持っていたでしょうね」「他にも何曲かできるかもしれないし、長い間、何をしていいかわからなかったものに取り組んでみようと思ったんだ」と語っています。
アグネタ(71歳)、ビヨルン(76歳)、ベニー(74歳)、フリーダ(75歳)からなるスウェーデン出身のABBAは、「アイ・スティル・ハブ・フェイス・イン・ユー」や「ドント・シャット・ミー・ダウン」など、ほぼ40年振りの新曲が収録された来月5日発売のニューアルバム『ヴォヤージ』を最後に解散するのはこれにて決定的となった。
ベニーはガーディアン紙に「ABBAが再結成することはないとは一度も言ったことがないけれど、今回が最後だよ」「おしまいだ。そうじゃないとね」と話し、ビヨルンも「そうだね」と同意した。
ABBAは『ABBAヴォヤージ』コンサートも予定している。来年5月27日からロンドンのクイーン・エリザベス・オリンピック・パークに特設された3,000人収容のABBAアリーナで開催される同イベントは、ジョージ・ルーカスが創立したインダストリアル・ライト&マジックの850人のチームの協力を得て、数カ月に渡るモーションキャプチャーにより制作されたメンバーのアバターが登場、10人構成の生バンドと共に繰り広げられるバーチャルコンサートとなっている。