マイケル・B・トレトウ(本名:ボー・マイケル・トレトウ)氏が、2025年5月20日、80歳で逝去しました。
スウェーデン出身で、レコーディング・プロデューサーおよび音響エンジニアとして世界的な名声を誇る人物であり、特に1970年代後半にポップグループABBAと共に手がけた作品群が、彼の代表作として広く知られています。
この訃報は、妻のマリン・ヘルツマン氏、息子のラスムス・トレトウ氏、およびABBAの元マネージャーであるゴーレル・ハンザー氏によって、スウェーデンの新聞*Aftonbladet(アフトンブラーデット)を通じて発表されました。
死因については、公には明かされていません。
ABBAのメンバー4人はそれぞれ、SNSを通じてトレトウ氏への追悼のメッセージを発信しています。
ABBAのメンバー、ビヨルン・ウルヴァースは次のように述べました:
「彼は好奇心が旺盛で、常に新しいことに挑戦する意欲に満ちていました。
それは最新のテクノロジーであったり、どこかで聞いた印象的な音だったり…。
彼の几帳面さと才能がなければ、私たちの曲は今日までこれほど多く再生されていなかったでしょう」。
■ マイケル・B・トレトウ氏の功績と遺産
■ 生涯とキャリア
マイケル・B・トレトウ氏は、1944年にスウェーデンで生まれました。
1960年代後半、ストックホルムのメトロノーム・スタジオ(Metronome Studios)でキャリアをスタートし、その後数年間、グレンマーク・スタジオ(GLN Studios)でも活動を続けました。
そして1978年、彼はABBAのポーラースタジオ(Polar Studios)に参加し、最終的にはスタジオマネージャーの役職を務めることになります。
■ “ABBAサウンド”を創った人物
トレトウ氏は、録音技術の実験を積極的に行なうことで知られており、その独創性はしばしば驚異的な成果を生み出しました。
そのため、彼は“ABBAサウンド”の創造者として広く認識されており、しばしば“ABBAの5人目のメンバー”と称されます。
彼がABBAの音響エンジニアとして特に評価されているのは、以下のアルバムです:
- 『リング・リング』(1973年)
- 『恋のウォータールー』(1974年)
- 『ABBA』(1975年)
- その他多数
さらに彼は、ABBAの1986年のライブアルバムや、スペイン語ベスト盤である『Gracias Por La Música』(1980年)も手がけています。
■ アーティストとしての顔も
トレトウ氏は、自身もアーティスト/ミュージシャンとして活動しており、1966年にはミカエル・ラメル(Mikael Ramel)と共にアルバム『Mikael & Michael』を発表。
また1981年には、テッド・イェルデスタッド(Ted Gärdestad)とのコラボによるプロジェクト「Caramba」でも知られています。
■ 最後に
私たちは、マイケル・B・トレトウ氏のご家族、友人、ファン、そして彼を愛したすべての人々に、心よりお悔やみと哀悼の意を表します。
私たちは録音業界の真のレジェンドを失ったのです。